全日本学生体操競技選手権大会(全日本インカレ)まであと2日。早大からは男子1部団体、男子1部個人、そして女子2部個人に計9人が出場する。全日本インカレ直前対談第1弾となる今回は、田口陸斗(スポ3=福岡・自由ケ丘)、そして団体メンバー唯一の2年生である、向中野蓮(スポ2=千葉・市船橋)にお話を伺った。
※この対談は、8月3日にオンラインで行われました。
「試合に出られることにほっとしている」(田口)
朗らかに答える田口
――他己紹介をお願いします
田口 蓮は一個下の後輩で、まあ、かわいいですね。ノリが良くて。体操はあん馬とかめっちゃうまくて、かっこいいあん馬します。
向中野 ありがとうございます。陸斗くんは一個上の先輩の中だと結構喋る方なんですけど、面白い人ですね。あと体操めっちゃうまいです。一個一個の技が丁寧できれいで…体操うまいですね。
田口 うれしいですね。
――団体戦の選考会の演技を振り返っていかがですか
田口 自分はずっと腰を痛めていて。練習もあんまり積めていなかったので、試合に出られるかどうか分からなかったんですけど、運良くっていうか、そんな感じで。今はいい感じでここまで来ています。
向中野 選考会を全部で3回やってきたんですけど、僕はその中でも割とちょいちょいミスしてて。で「あ、もうチーム(団体戦のメンバー)入れなかったな」って思ってたんですけど、貢献度っていう枠で一応運良く入ることができたので「ラッキー」って感じですね。
――貢献度というのは
向中野 チームのメンバーは全部で6人いるんですけど、4人は個人総合が高い人を選んだ後、残りの2人はどの組み合わせの人を入れればチームの得点が高くなるかっていうので、貢献度で2人。そこに運良く入っていて、っていう感じですね。
――田口選手はどちらの枠になるのでしょうか
田口 俺もそうなるのかな?
向中野 あー、(個人総合の順位の)4番目が向祥さん(渡辺向祥、スポ3=千葉・市船橋)でしたっけ。
田口 うん。僅差みたいな感じ。
向中野 じゃあ。
田口 僕もそんな感じですね。
――田口選手は1年時に続いての団体戦メンバー入りとなりました
田口 昨年、一年間腰のケガで練習もできていなかったし、体操に対する気持ちっていうのも落ちていたので、今年は試合に出られることにとりあえずほっとしています。
――向中野選手は今回が初出場になります
向中野 あんまり気負わずに、いつも通りやろうかなって思ってます。
――前回とは違い、今回は上級生中心の団体メンバーとなっています。これはどのように捉えていますか
田口 4年生2人と3年生3人で、2年生が1人なので、全体的にコミュニケーションが取れていて結構いいチームワークがあります。
向中野 実力の面では4年生の2人がやっぱり一番強いかなと思うので、引っ張ってくれていますし、3年生の3人もチームの雰囲気とかをいつも盛り上げてくれて、心強いですね。結構体操って自分たちで応援とかするんですけど、その時にしっかり応援してくれるので助かっています。
――田口選手は一度全日本インカレに出ているということで、何か向中野選手に伝えたいことはありますか
田口 いや、特にないですね。蓮はやってくれると思います。
「次の人につなげる演技」(向中野)
笑顔で話す向中野
――今年度の大会を振り返っていかがですか
田口 東日本インカレ(東日本学生体操競技選手権大会)はミスが出て、チームに迷惑をかけたので結構反省点が多くて。早慶戦は2種目(ゆか・跳馬)だけだったんですけどそこそこいい演技ができたので、この流れで全日本インカレもいい感じにいけたらいいなと思っています。
――東日本インカレで特に後悔の残る種目は何でしょうか
田口 3種目くらいミスして、あんまりいい試合ができなかったですね。
――早慶戦ではゆかで3位入賞もありました。東日本インカレから早慶戦で何か変更したことはありますか
田口 出場した種目的な面で被っていなかったので、反省を生かしたかと言われるとまだですね。次の課題という感じです。
――向中野選手は今年度の大会を振り返ってみていかがですか
向中野 今年は結構東日本インカレ以外はあん馬を中心に大会に多く出ていたんですけど、あん馬の今のところの結果としては、失敗と成功が五分五分くらいです。全日本インカレがやっぱり本番だと思うので、そこをしっかり合わせるっていうのと、他の種目は東日本インカレでは割といい演技ができていたので、この流れでいきたいなと思っています。
――お二人が団体戦で出場した東日本インカレの団体戦では、392.550点という結果でした。この結果についてはどのようにお考えですか
田口 東日本インカレより今度の全日本インカレの方が今のところ雰囲気も結構良くて、楽しい試合になりそうだなって思ってるので、期待していてほしいです。(チームの雰囲気は)かなりいい感じですね。演技で4年生が引っ張ってくれている分、雰囲気とかは3年生と蓮、というか2年生で雰囲気を上げていっている感じですね。
――お二人の現在の調子は
田口 僕は腰の状態はあんまり良くないんですけど、体操自体はそんなに悪くないというか。そんな感じですね。
向中野 僕も今まで痛かった部分が今ちょっとましになってきていて、体操の調子も割といい方なので、このままいけたらなっていう感じです。
――今まで痛かった部分というのは
向中野 手首と肩と腰とか、結構いろいろあるんですけど、割とましなので。
――お二人の得意種目を教えてください
田口 聞かれると困るっすね。特別得意な種目はないです(笑)。
向中野 僕はあん馬ですね。
――現在力を入れているのもあん馬になるのでしょうか
向中野 あー。そうですね、僕のチームでの仕事はあん馬だと思っているので、そこだけはしっかりやりたいですね。全日本の種目別の時は割と攻めていたんですけど、一個技を抜いて、安定して絶対通せるような構成にしています。
――田口選手が力を入れている種目は何ですか
田口 種目というよりは全部の着地に力を入れて練習しています。着地の減点を減らすことが結構点数を取るカギになってくるなというのを思っていて。あとは、(着地を)止めたらチームが盛り上がっていい雰囲気になるので、それも含めて着地の練習を大事にしています。
――苦手意識のある種目はありますか
田口 苦手も得意も特にないです。
――では、何か克服したいことはありますか
田口 何かの種目だけ、とかはないんですけど、全体的に安定感が出せるように練習しています。
――向中野選手はいかがですか
向中野 僕、苦手種目はつり輪と跳馬なんですけど、克服っていうよりはチームの点に多分あんまり入れないので、最低限次の人につなげる演技というか、失敗しないようにして、あとはよろしくお願いしますっていう感じです。
「団体の目標は4番以内」(田口)
「怖い主将」ににこやかにメッセージを送る田口
――今回の団体戦でキーパーソンになりそうな方は誰ですか
田口 僕です。怖い主将がいるんですけど。その人に結構プレッシャーかけられてるんで、見返してやりたいですね。
――どのようにプレッシャーをかけられていますか
田口 「失敗するなよ」と(笑)。多分僕のこと好きなんで、期待してるんだと思います。期待に応えられるように頑張ります。
――怖い主将さんに向けて言いたいことはありますか
田口 あんまり言えないですね、怖くて(笑)。まあ、仲良く頑張りましょう。
――向中野選手は誰がキーパーソンになると思われますか
向中野 じゃあ主将ですかね、やっぱり。けっこうプレッシャーかけてくるんで(笑)。そこ(主将)次第ですね。
――向中野選手にはどのようにプレッシャーをかけてこられるのでしょうか
向中野 あの人僕にはそこまで言ってこないので。
――では主将に一言お願いします
向中野 この試合は主将にかかってるかなって思うので、頼みますって感じですね。
――全日本インカレが近づいていますが、どういった心境ですか
田口 さっきも言ったようにいい雰囲気で練習も積めているので、楽しい試合をしたいです。
向中野 僕も一緒ですね。そんなに緊張もしていないので、楽しくやりたいなと思っています。
――では、全日本インカレの目標をお願いします
田口 団体の目標は4番以内に入ることで、個人の目標はとりあえずミスのない演技をして、チームに貢献したいなと思っています。
向中野 団体の目標はちゃんと各種目全員が演技を通すことです。個人の目標はそんなに考えていないので、ちゃんと団体に貢献できたらいいかなと思っています。
――今回はオンラインとなってしまいましたが、対談の最後に普段は色紙を書いていただいています。もし書くとしたら何と書かれますか
田口 徳を積むの「徳」です。ここから試合まで得を積んでいこうかなと思います。
向中野 僕は楽しいっていう「楽」の一文字で。楽しく気楽にいこうかっていう感じです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 荒井結月)
◆田口陸斗(たぐち・りくと)
福岡・自由ケ丘高出身。スポーツ科学部3年。格闘技好きの田口選手は、最近ボクシングを始めたそう。体幹の面で体操にも良い影響が出ているということです!
◆向中野蓮(むかいなかの・れん)
千葉県・市船橋高出身。スポーツ科学部2年。田口選手には練習終わりにご飯に連れて行ってもらうことも。高田馬場にあるローストビーフのお店に行ったそうです!