内山、悔しさを残すが2部個人総合優勝を守りきる

体操

 例年8月に開催されている全日本学生選手権(インカレ)。今年は新型感染症の拡大の影響により、10月19日から遅れて開幕した。異例の無観客で試合を迎えた内山由綺(スポ4=東京・帝京)は、20日に出場。今年度初めての大会で大舞台となったが、52.899のスコアで2位以下に大差をつけた。

 最初の種目であるゆかの演技は、4番目でスタート。「ギリギリなんとか持ち堪えた」内山は、13.166とまずまずの記録。続く跳馬では、演技構成を変えずに安定的な演技を見せた。しっかりと着地を決め、13.533をマーク。3種目では段違い平行棒を披露。2番目で演技を務めた得意種目だが、「もうちょっといい演技ができるのに」と悔しさを見せる場面も。持ち堪えて通し切った内山は、この種目で14.100をマークし、安定的にスコアを伸ばした。

段違い平行棒の演技を披露する内山

 最終種目の平均台では、本人も予測していなかった落下があった。14点台を狙える位置にいただけに、「もっとできたのに」と悔しさをにじませた内山。今まで経験したことのなかった部分でのミスとなったが、平均台での新たな課題点を改善し、緊張の中でも安定的な演技ができるように練習していきたいと意気込んだ。

ミスにより悔しさをにじませた平均台の演技

 内山は、全体を通し「悔しい部分が半分、やってきた部分がしっかりと出せた部分が半分」出せた大会だったと振り返ったが、女子2部では、4年間個人総合選手権の優勝を守りきる結果に。異例の環境下での収穫は大きなものとなった。今年度は、感染症拡大の影響により、例年開催されている種目別決勝は行われないが、延期となっていた大舞台・全日本個人総合選手権大会および全日本種目別選手権大会は、12月に開催予定。内山は、意気込みを新たに、闘志を燃やし続ける。

(記事 足立涼子、写真 早稲田大学体操部提供)


同期の女子部員と内山玲子コーチとの1枚

結果
女子個人総合
選手名 跳馬 段違い 平均台 ゆか 合計点
内山由綺(スポ4) 13.533 14.100 12.100 13.166 52.899
コメント※このインタビューは後日リモートで行われたものです

内山由綺(スポ4=東京・帝京)

――インカレを終えた現在のお気持ちはいかがですか

インカレが、やっぱり最後で、悔しい部分が半分と、やってきた部分がしっかりと出せたなという部分が半分あって。悔しいけど、やっぱりやり切った感はあります。

――特に悔しかった点を教えてください

平均台の落下が、自分の中では予想外だったというか。そういう部分があったので、そこが悔しかったですね。

――2部での総合優勝はどのように捉えていますか

そうですね。順位のことは、今回はあんまり考えていなかったんですけど、やっぱり2部校でずっと4年間1位を取り続けられて、そこは満足しています。

――最後のインカレとなりましたがいかがでしたか

最後とは思っていたんですけど、やっぱり、楽しかったです。

――調子はいかがでしたか

調子は、そんなに悪くなかったですね。中の上くらいでした。

――演技の流れはいかがでしたか

平均台が1番手だったのが、意外と難しかったですね。

――ゆかの演技はいかがでしたか

ゆかは、なかなか通し込めている感じではなかったんですけど、その中では、ギリギリなんとか持ち堪えたなという感じの演技ではありました。

――跳馬の演技はいかがでしたか

跳馬は、そんなに気合を入れてやってきたわけではない、と言ったらあれですけど、ずっとやっている内容なので、まあとりあえずしっかり1本跳んでという感じで。でも、着地が止まったし、そういう部分では、跳馬はすごい良かったかなという感じです。

――段違い平行棒の演技はいかがでしたか

段違い平行棒も、もうちょっといい演技ができるのに、という部分ではあったんですけど、まあなんとか通し切って、悪くはなかったかなと。

――平均台の演技はいかがでしたか

平均台はやっぱり、もっとできたのにというのが、自分の中であって。平均台14点台を狙ってやっていたし、取れると思っていたし、という部分があって。しかも、落下も、今までしたことがなかった部分だったりとか、そういうところがあったので、やっぱり、試合になるとわからないなということが学べたな、という感じです。

――今回の大会で得た課題はありますか

そうですね、今回の試合では、平均台の課題点が多くて。でも、ジャンプは結構比較的評価が高かったので、それはそのまま継続して、試合に向けて、もっと緊張をもった中でもできるっていうのが、今後の課題かなと思います。

――12月の大会に向けて、意気込みをお願いします

12月は、インカレに向けてよりも、しっかりと練習を積むことができるので、もっといい演技ができると思いますし、今回の反省点・修正点をその試合でしっかり直していきたいなと思います。