演技をまとめきれず悔いの残る結果に

体操

 大会2日目は波乱の展開となった。初日1位の柴山瑠莉子(イオン)こそミスのない安定した演技で首位を守りきったが、多くの選手に手具の落下など大きなミスが見られた。1日目を終えて2位と好位置につけていた山口愛乃(イオン)がクラブで11位と得点を伸ばせず後退するなど悪夢に苛まれる選手も。早大から出場していた河崎羽珠愛(スポ4=千葉・植草学園大付)も悪い流れに飲まれ、代表権獲得を逃した。

 3種目目のクラブでは昨年から継続のプログラムを披露。今まで何度も踊り結果も残してきた曲なだけに「4種目の中で1番自信はあった」と言う河崎。序盤から熟達した動きを見せ、表情も良く作れていた。しかし中盤、クラブを投げ視線を外して回った後、手具をキャッチするはずがクラブを見失ってしまい共に落としてしまった。更にその後再び手具を落とすミスが出てしまい、加点となる手具操作、リスクの部分でDスコアを伸ばせず。実施でも得点が低迷し10位と悔しい結果となってしまった。

クラブで軽やかに舞う河崎

 最終種目のリボンでは白の華やかなコスチュームに身をつつみ、新プログラムを舞った。冒頭いきなり足での投げ技からスタートすると、フェッテのローテーション、ステップと確実につなげていく。その後のパンシェから前方スケールへのポジション変更を含むバランスまで「たくさん練習してきたので良い感じにできた」と振り返った河崎。身体難度とステップのDスコアは全体での最高得点をマークした。しかし途中スティックにリボンが引っかかりもたついてしまう場面があり、投げ技が1つ抜けてしまった結果、再度でDスコアの加点となる手具操作、リスクを評価する部分が伸び悩んだ。

パンシェのポジションでバランスをする河崎

前方スケールのポジションでバランスをする河崎

 残念ながら今大会では実力を発揮しきれず、総合8位に留まり代表権を逃した河崎。しかし今季はいよいよ学生ラストシーズンとなり、悔やんでばかりもいられない。プログラムを刷新したフープとリボン、昨年から継続して踊っているボールとクラブ。どれも印象が全く違う演目ではあるが、河崎の良さをあますことなく伝える出来となっている。今季、河崎らしい演技と笑顔が1つでも多く見られることを楽しみにしたい。

(記事、写真 青柳香穂)

結果

 

個人競技(シニア)
選手名 フープ ボール クラブ リボン 合計点 順位
河崎羽珠愛(スポ4) 14.650 16.850 13.800 14.850 60.150 8位
コメント

 

河崎羽珠愛(スポ4=千葉・植草学園大付)

――クラブの演技は振り返っていかがでしたか

クラブの演技は2年目だったので4種目の中でも1番自信はあったんですけど、自分のクラブとの目線がちょっと合わなかったり、ふとしたところでミスがでることが多かったのですごく悔しかったです。

――目線が合わないというのはどういうことなんでしょう

1回目の失敗では投げをして1回目線を離して回転をするんですけど、そのときにクラブを見失ってしまって1本目2本目っていうのをとれなかったという感じです。

――点数が出なかったのは落下が原因なのでしょうか

落下をすると今のルールはすごく点が低くなってしまうというのがあるので、2回落下してしまってしかも大技の投げ技だったので大幅に減点されてしまったのかなと思います。

――リボンの演技は振り返っていかがでしたか

クラブが終わって、あと1種目ということで少し焦ってしまって心の中がもやもやする感じがあったんですけど、やるしかないと思ったので自分のできる範囲のところまで出し切ろうという思いでやったんですけど、リボンのスティックにリボンが引っかかってしまって投げ技が1つ抜けてしまったのが悔いの残る部分になってしまいました。

――初めてこの曲での演技を披露して、良かったところはありましたか

前半の投げ技からパンシェとスケールの連続したバランスまではたくさん練習してきたので良い感じにできたし、投げ技が抜けた後からも練習でしっかりできてことを見せられたと思うので、あとは抜けた技とかをしっかりやりきれるようにしたいなと思います。

――今季学生のラストシーズンになりますが目標はなんですか

インカレとかも最後っていう言葉が付くんですけど、自分ではあまり実感がなくて。結果や順位は考えずに、自分らしく、自分にしかできない演技を全てのお客さんや審判の方々に見せられたらなと思います。