種目別には5人が出場。3日間の熱戦を締めくくる

体操

 全日本学生選手権(インカレ)の1部団体戦から1日、興奮冷めやらぬベイコム総合体育館では種目別決勝が行われた。前日の結果により種目ごとの上位12人が進出できるこの種目別決勝に、早大からは6種目に5人が出場した。

 ゆかには高橋一矢主将(スポ4=岐阜・中京)と柏木寅冶(スポ3=千葉・市船橋)が決勝に駒を進めた。高橋は「自分のやることはやれた」とミスなく終え、6位入賞を果たす。一方の柏木は、うつぶせの状態で手で体を支えて床を回るフェドルチェンコという技で、足をゆかに引っ掛けてしまう痛恨のミス。その後の着地も乱れ点を伸ばすことはできなかった。加えて、高橋は「優勝しにいきたい」と気合十分でつり輪にも登場。『日本一』として負けられない戦いだったが、前日の疲れからかEスコアを伸ばせず、3位に沈んだ。また、柏木は跳馬でも決勝に進出した。1本目は前日に完成度の高い実施を見せたロペスだったが、着地で失敗し12.800。2本目はまとめたものの、2回の平均をとる種目別では1本目の失敗が悔やまれる結果となった。

あん馬の演技をする原田

 南亜蘭(スポ3=大阪・太成学院大高)はつり輪に出場。「疲れが残っていてしんどかった」と語りつつも、最後は着地をぴたりと止め意地を見せた。あん馬で決勝へ進出した原田脩(スポ2=東京・帝京)は「いつも通りの演技ができた」と冷静に通し切る。他の選手に落下が出る中ノーミスの演技を披露したことで、見事4位を勝ち取った。山田元大(スポ2=千葉・市船橋)は平行棒と鉄棒に出場。平行棒では質の高い演技を披露し、14.200で4位に輝いた。鉄棒では、団体戦の演技には組み込まなかった離れ技のコールマンに挑戦。「全然駄目です」(山田)と満足のいく出来ではなかったが、早くも次を見据えた気概を感じさせた。

つり輪の演技をする南

 この種目別決勝をもって3日間の熱戦を終えた早大体操部。チーム戦としては最高の結末を迎えたが、全体を通して個人の演技には課題が残ったことだろう。今シーズンはインカレで一区切りとなり、ここからはまた鍛錬が始まる。来年のこの舞台で、心からの笑顔を見せられるように。そう誓い、勝負の夏は幕を閉じる。

(記事 村田華乃、写真 脇田真悠子)

結果
つり輪
選手名 結果(順位)
高橋一矢(スポ3) 14.150(3位)
南亜蘭(スポ3) 13.700
ゆか
選手名 結果(順位)
高橋一矢(スポ4) 13.500(6位)
柏木寅治(スポ3) 12.650
あん馬
選手名 結果(順位)
原田脩(スポ2) 13.700
跳馬
選手名 結果(順位)
柏木寅治(スポ3) 13.050
平行棒
選手名 結果(順位)
山田元大(スポ2) 14.200(4位)
鉄棒
選手名 結果(順位)
山田元大(スポ2) 13.050(7位)
コメント

高橋一矢(スポ4=岐阜・中京)

――ゆかの演技を振り返って

昨日に比べると着地が止まってなかったので、なかなか点も伸びなかったですけど、自分のやることはやれたかなと思うので、ゆかに関しては満足のいく出来だったかなと思います。

――つり輪の演技を振り返って

昨日の疲れも多少残ってて、力が入らない感じがずっと朝からあったんですけど、辛い中でも条件はみんな一緒なので、その中で勝ち切らなきゃいけないとは思ってはいたんですけど・・・。やっぱりちょっと力が入らなかったし、しんどい演技になってしまったかなと思います。

――部の皆さんにメッセージをお願いします

本当に心強かった。後輩たちがよくやってくれたなって思いますし、自分がどれだけみんなの力になれたかは分からないですけど、最後の最後にみんなでこういう結果を出してくれたっていうのは、サポーターも選手も全員が頑張ってくれたおかげだと本当に思いますし、これで安心して次のインカレでもっと上を目指せる力がついたと思うので、もう1個上をさらに目指して頑張っていってもらいたいと思います。

柏木寅冶(スポ3=千葉・市船橋)

――ゆかの演技を振り返って

タンブリング自体は良かったんですけど、フェドルチェンコって技で足引っかかっちゃって、ミスっちゃいました。

――テーピングが取れたことは影響はありましたか

その時の摩擦で取れて。支障はなかったんですけど、気になったのと、恥ずかしいなって(笑)。

――跳馬の演技を振り返って

ロペスはうまく手をつけなくて、立てないなって空中で思って。悔しいですけど、またそこは練習しなきゃなって思います。2本目はロウ・ユンって技なんですけど、あんまり練習してなかったです(笑)。

南亜蘭(スポ3=大阪・太成学院大高)

――今日のつり輪の演技はいかがでしたか

つり輪に関してはやりきるだけなんで(笑)最後まで耐えようと思ったんですけど、やっぱ想像以上に疲れが残っていてしんどかったんですけどまあ何とか耐えて通しきれたんでそこは良かったかなと思います。

――次の目標をお願いします

次4年生なんでね・・・チームのために頑張れる練習をしたいなあと思います。一矢さんの後継者としてつり輪をもっと強くなって、一矢さんを追い越すくらいに強くなりたいです。

山田元大(スポ2=千葉・市船橋)

――今日は鉄棒で「コールマン」に挑戦されたようですが

そうですね(笑)挑戦しました。ほんとは団体の方でもやる予定だったんですけど2週間前くらいに手をケガしたっていう影響もあって使わないことにして・・・で種目別に残れたら絶対コールマンに挑戦しようって決めてたのでやりました。

――その出来はいかがでしたか

いやぁ全然ほんとにダメです(笑)ほんとにまだ第1歩って感じです。これから使っていくためにはまだまだ練習しないといけないなと思います。

――今大会に得点をつけるなら何点くらいですか

うーん・・・65点!

――最後に次からの目標をお願いします

全日本団体に向けてだったり春先の個人の全日本だったりに向けた練習を・・・とりあえずD スコアアップに向けた練習と安定感を身に着ける練習の2本を頑張りたいです。そして来年は上の学年が2人でいろいろ大変だと思うので、僕もしっかり競技だけじゃなくて生活面とかでもチームをまとめられるように引っ張っていきたいしみんなで助け合っていけるようなチームにしたいです。

原田脩(スポ2=東京・帝京)

――今日のあん馬の出来はいかがでしたか

今日は昨日よりプレッシャーが小さくて団体とか何もかかってない状況だったのでいつも通りの演技が出来たと思います。

――あん馬4位という結果はいかがですか

結構驚いています。嬉しいとかではないんですけど、一番Dスコアが班の中でも一番低かったのでビリを覚悟していったんですけど4番で・・・驚いています。

――今日の出来は何点くらいですか

90点くらいです(笑)

――今大会の総評を教えてください

団体の鉄棒で落ちてしまったのが結構悔しくて・・・鉄棒はしっかり準備をしていた分落ちてしまったので悔しいし、他はまだ小さいミスが結構あるのでそこが課題です。

――今大会で高橋主将のチームは一区切りつきました

ガンガン言ってくる人ではなくて自分がやった方がいいと思うことを自分でできたかなと思います。それで今期ちょっとは実力が伸びたかなと思います。

――やはり今期の成長について実感はあるのでしょうか

去年冬の前に休んでいた分冬に通しを結構やってきたのでそれが結構生きたのかなと思います。

――では最後に今後の目標をお願いします

Dスコアがまだチームの中でも低いので・・・つり輪を強化したいです。あと筋力が足りないのでそこを強化したいです。