個人団体ともに優勝!インカレへ向けて決意を新たに

体操

 今年で71回目を迎える早慶対抗定期戦(早慶戦)が早大第二体育館で行われた。30度を超える真夏日の中、会場は両校応援部の熱気と声援に満ちており、まさに伝統の一戦という盛り上がりをみせた。個人総合は、南亜蘭(スポ3=大阪・太成学院大高)が81.05で優勝、原田脩(スポ2=東京・帝京)が80.9で準優勝をおさめ、慶應相手に負けられない戦いを制した。今回がデビュー戦である竹端健太郎(スポ1=京都・洛南)や同じく1年の鈴木海斗(スポ1=千葉・市船橋)の活躍もあり、昨年に引き続き団体総合は早大が優勝という結果で幕を閉じた。

 優勝した南は、1種目目のゆかから安定の演技を見せる。最後の着地を決めると早大トップの14.15をたたき出し、小さくガッツポーズ。続くあん馬でも早大の流れを作った。3種目目のつり輪は、本人も「一番良かった」(南)と満足のいく出来。練習とは違い出だしから好調で、着地も決めると笑顔でガッツポーズを見せた。しかし続く跳馬では、新しい技に挑戦するも惜しくも落下。「成功して、インカレ(全日本学生選手権)につなげたかった」(南)と悔しそうな表情を見せた。5種目目の平行棒ではしっかりと切り替え演技を終えると、チームの皆や会場のOBも「すごい。うまくなっている。」と喜びの表情。残すは鉄棒。演技順が最後の南は、落下しそうな場面も粘り強い演技で耐え、早慶戦の最後にふさわしい有終の美を飾った。

個人総合優勝を決めた南

 早大の先陣を切ったのは、中村唯都(スポ2=愛知・名城大付)のゆか。着地の失敗も見られ、「普通の試合と違った感じで緊張した」(中村)と、早慶戦独自の雰囲気に苦戦した。続く竹端は、この種目で大学での試合デビューを果たす。チームの皆に見守られ、激励を受ける中、最初からしっかりと着地を決め、高さのある力強い回転を見せた。2種目目のあん馬は、この種目を得意とする鈴木がまさかの落下で悔しさをにじませるも、原田がダイナミックな演技で14.05のハイスコアをマークした。3種目目のつり輪には、先月の全日本種目別選手権王者高橋一矢主将(スポ4=岐阜・中京)が出場。会場の空気が一瞬にして変わり、皆の視線の先は高橋ただ一人。そんな中プレッシャーをものともせず、しっかりと着地まで決めると、ガッツポーズを見せ慶應の選手とハイタッチする場面も。両校の客席スタンドから大きな声援と拍手が鳴りやまなかった。早大4種目目の跳馬は、会場が慶應のゆかで盛り上がりを見せる中行われた。柏木寅冶(スポ3=千葉・市船橋)はケガのため最良のコンディションではない中、13.80で安定の演技を見せた。慶應は跳馬で落下者が相次ぐ中、早大は5種目目の平行棒で完全に流れをつかみ、一気に引き離す。原田が躍動感のある演技でぴったりと着地を決め、14.15の高スコアでラストの鉄棒へとつないだ。最終種目の鉄棒。最初に役田真人(スポ2=埼玉・早大本庄)が初挑戦の離れ技を組み込むが、惜しくも落下。しかし続く鈴木は流れを止めずにしっかりとカバーする。竹端は技を全て決め、チーム全員の笑顔がこぼれた。原田、南の演技で会場の盛り上がりが頂点に達したところで、今年の早慶戦は幕を閉じた。

インカレまであと1か月、気持ちを一つに

 インカレまで残り約1か月。この勝利を喜んでばかりはいられない。試合後、高橋主将は「個人としては自分たちが一番わかっていると思うので」(高橋)とチームへの信頼感を示すも、「このままではインカレ3位は不可能」(高橋)と実力不足を受け止めていた。また「亜蘭も(自分も)二人とも大過失を出さなかったので、そのあたりは(チームを)引っ張っていけたのではないか」(柏木)と柏木も3年としてインカレに向けてチームを引っ張っていきたいと述べた。わずかな時間で、どれだけ技のレベルと精度を高められるのか。早大体操部の熱い夏が始まる。 /p>

伝統の第71回大会も優勝で幕が閉じた

(記事 白石智奈美、写真 宇根加菜葉、青柳香穂)

コメント

高橋一矢(スポ4=岐阜・中京)

――今日のコンディションはいかがでしたか

全日本(全日本種目別選手権)と変わらず、良くもなく悪くもなくって感じですが、まだ手の痛みに関してはあるので、特に支障のないつり輪と平行棒だけ出るという感じでした。

――つり輪「日本一」から1週間が経ちましたがお気持ちはいかがですか

そうですね(笑)やっと落ち着いて…1位になれたっていうのは嬉しいなって思う反面、やっぱり演技とかを見直してもまだまだな部分がかなり多いので…今年は相手のミスがあっての「日本一」なので来年は誰が見ても1位だと言ってもらえるような演技をしたいなと思っています。

――全日本種目別選手権後の反響はいかがでしたか

友人だったり知り合いだったりから「おめでとう」っていうメッセージがかなりあって嬉しかったです。

――今日は早慶戦でしたがチームの雰囲気はいかがでしたか

失敗も何個か出てしまったんですけど雰囲気良く明るく回れたのはインカレに向けて良かったのかなと思います。でもまだまだ実力不足な部分があるのでその辺は後1カ月なんとか修正していきたいです。

――主将として、今日のチームの出来をどう感じられていますか

個人としてはやっぱり自分たちが1番わかっていると思うので…チーム全体の出来としては雰囲気を崩さず出来たのはいい収穫だったんですけど、まだ単に実力不足なので、このままではインカレ3位っていうのは不可能です。なのでもう1回気を引き締めてやっていきたいと思います。

――今日はつり輪で大きな歓声も上がりました

種目別の方が良かったっていうのはあるんですが、自分としては今できることはやれたかなと思います。

――最後に今日の出来を踏まえ、今日からインカレまでの目標をお願いします

個人的な目標としてはまずケガを治して6種目しっかり復帰することで、そこに重点を置いてやっていきたいと思っています。団体としてはインカレ団体3位っていうものをつかみとる為に何が出来るのかってことを部員が1人1人考えられるように気持ち作りや練習への向き合い方を考え直していきたいなと思います。

南亜蘭(スポ3=大阪・太成学院大高)

――今日のコンディションはいかがでしたか

きょうは、めっちゃいいというわけではなかったんですけど、やっぱり早慶戦って大事な試合なので、頑張ろうという気持ちで臨みました。

――早慶戦の雰囲気はどうでしたか

早慶戦は普段の試合と違って、応援部の方がいつもと違った盛り上がり方をしてくれるので、とても楽しみながら演技できたので、よかったです。

――5つの種目に出場されましたが、1番良かった種目と悪かった種目を教えてください

一番良かったのは、つり輪ですかね。ちょっと最近、練習であんまりできていなくて、不安だったんですけど、試合はばっちり決めることができて、ほんとによかったです。悪い種目は、まあ、跳馬ですかね。ちょっと、今回初めて新しい技に挑戦したんですけど、きょう成功して、次のインカレ(全日本学生選手権)に使いたいと思ったんですけど、ちょっと後ろにこけちゃったんで、やっぱそこがちょっと悔しいですね。

――インカレまで残り1か月となりましたが、インカレへの意気込みと、それに向けた練習をお聞かせください

そうですね。きょう、そんなに良かったわけではないんですけど、まあ点数はそれなりに取れてたんで、あとはこの演技のまま一個でも減点減らして、ミスなく、ばっちり決めれたら、自分の行きたい所行けると思うので、そこに向けて頑張るだけですね。

柏木寅治(スポ3=千葉・市船橋)

――今日のコンディションはいかがでしたか

怪我をしているのでそんなに良くはなかったです。

――そんな風に良くない状態の中で今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

大きなミスは出さなかったのでそこに関しては良かったと思うんですけどまだ物足りない部分とかもあったので、そこはもう少し修正していきたいです。

――その辺りをインカレに向けて頑張っていくという形になりますね

そうですね、6種目出られなかったのでまず6種目できるようにという感じですね。

――それでも今回は出場種目数としては3年生がメインで戦う形の早慶戦になったように見受けられましたが、いかがでしたか。

ちょっと引っ張っていけたんじゃないかなとは思うんですけど、まあ亜蘭も大過失をださなかったのでそこらへんは引っ張っていけたんじゃないかなと思います。

――最後にインカレに向けて一言、意気込みなどをお聞かせください

とりあえず6種目怪我を治してできるようにして、まだ団体入れるか分からない状況なんですけど、絶対団体に入れるように、チームを引っ張っていけるようにしたいと思います。

中村唯都(スポ2=愛知・名城大付)

――今日のコンディションはいかがでしたか

良い状態でした。

――調子がいい中で今日の全体の出来などを振り返っていかがでしたか

出来は反省点がたくさん見つかって良かったです。

――一番良かった種目はなんですか

つり輪と鉄棒が自分の中でちゃんとEスコアを意識できて演技できたので良かったです。

――早慶戦の雰囲気というのは演技してみていかがでしたか。

1種目目の1番だったんですけどとても緊張して、普通の試合と違った感じでまた緊張しました。

――インカレに向けて力をいれて練習していきたいことなどはありますか

床で東インカレでも早慶戦でも失敗がでてるので、まあ他の種目もでてしまっているんですけど、床と鞍馬は絶対失敗しないように練習していきたいと思います。

――最後にインカレに向けてこれからの目標を聞かせてください

団体はメンバー外れてしまって個人ででるんですけど、1人でも多くの団体のメンバーに勝てるように練習を積んでいきたいと思います。

役田真人(スポ2=埼玉・早大本庄)

――きょうに向けてどのような準備をされましたか

僕(早慶戦に)出るのが決まったのがこの前の金曜日の練習だったので、全然出るつもりはなかったんですけど、インカレ(全日本学生選手権)に向けて通しは続けていたので、そんなに問題はなかったです。きょう初めてコバチという離れ技をやってみて、今回のルールが6人で演技して5人の得点で争うもので、1人切り捨てになって。どちらにしても元々僕Dスコアが低いので、切り捨てだなと思って、だったら新しい技をやってみようと思って、コバチを(構成に)入れてやってみて、(鉄棒を)持てなかったのでそれはすごく悔しかったんですけど、いい経験になったなと思っています。

――コンディションはいかがでしたか

元々出るつもりじゃなかったので、昨日試技会やって6試合全部演技をしてからのきょうだったので、体がアップの時は動かなかったんですけど、でも試合の雰囲気とか周りのみんなの応援とかがあって(試合中は)体が動いていました。

――落下がありましたが、そこからどのように切り替えましたか

コバチは正直練習だと10本に1本くらいしか成功していなかったので、落ちる可能性は全然あるなと思っていて。でもあとの演技はいつも通りだったので、いつも通りやろうとした感じでした。

――早慶戦の雰囲気はいかがですか

ケイオーの選手で結構仲いい選手もいるので、楽しくできました。試合の途中も「お疲れ」とか「良かったね」とか話したりしながらできたので楽しかったです。

――インカレに向けての意気込みをお願いします

僕まだメンバーに入れるか分からないんですけど、試技会でいい演技を積み重ねて、メンバーに選んでもらえるように頑張りたいと思います。

原田脩(スポ2=東京・帝京)

――きょうに向けてどのような準備をされてきましたか

鉄棒の新しい技を急に(構成に)入れることになって、そこが不安だったのでその技を練習しました。

――きょうのコンディションはいかがでしたか

いい方だったと思います。

――全種目に出場されましたが、1番納得のいった種目は何でしたか

あん馬ですかね。

――あん馬以外にも平行棒が1位でしたが、そちらはいかがでしたか

いつもと同じ演技が出たので、良かったです。

――ゆかも14点超えのスコアでした

着地も何個か止まったので、ミスがなくて良かったですね。

――反対に課題が残った種目はありましたか

鉄棒が最後、気が抜けて失敗したところがあったので、そこをインカレ(全日本学生選手権)までに回数をかけて練習したいと思います。

――鉄棒の新技の出来はいかがでしたか

100点満点中だったら50点ぐらいなので。

――最後にインカレに向けての意気込みをお願いします

今回最後の最後でミスが出てしまったので、そこを集中を切らさずに、いつも通りミスなくやれたらいいと思います。

鈴木海斗(スポ1=千葉・市船橋)

――早慶戦という特別な大会でした

普段の試合とはやっぱり雰囲気が違ってたので、こういう試合もあるんだという感じでした。

――演技全体振り返っていかがですか

1種目目のゆかは緊張してた割にはまずまずという感じだったんですけど、あん馬で大過失、落下してしまって大きい減点になっちゃって、そこをちょっと反省しないといけないなと思います。

――得意種目は

得意な種目があん馬で、そこでのミスだったので、ちょっと悔しいですね。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

きょう出たミスをしっかり反省して、同じことを繰り返さないように、きょうの反省を生かして、また細かいところとか直せるところはしっかり直していって、少しでも点数を上げられるように頑張っていきたいと思います。

竹端健太郎(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合のコンディションはいかがでしたか

アップはよかったんですけど、試合ではミスが多くて・・・ぼちぼちかなって感じです。

――大学に入って初めての試合でしたが、いかがでしたか

まあ、めっちゃ緊張したんですけど、楽しくできたかなあと思います。

――早慶戦の雰囲気はどうでしたか

楽しかったです。

――5つの種目に出場されましたが、一番良かった種目と悪かった種目は何ですか

あん馬、つり輪、平行棒でミスが出てしまったので、そこは反省するところなんですけど、跳馬と鉄棒は、自分でもよくできたほうなので、よかったです。

――最後に、インカレ(全日本学生選手権)に向けて、これからどのような練習をしていきたいか意気込みはありますか

ミスが多いほうなので、しっかりミスをなくして、細かいところまで、意識して練習していけたらいいと思います。