内村航平(リンガーハット)が現在大会10連覇という驚異的な記録をたたき出している全日本個人総合選手権。彼の大会11連覇がかかる今大会が27日、東京体育館で開幕した。大会1日目となった27日には予選が行われ、早大からは、内山由綺(スポ2=東京・帝京)、高橋一矢主将(スポ4=岐阜・中京)が出場。29日の決勝へ向け、熱い戦いが繰り広げられた。
最初に登場したのは男子個人、高橋。「調子もよく、ケガもなかった」(高橋)とコンディションの良さを感じながら迎えた大会1日目であったが、あん馬や跳馬を中心に思わぬミスが相次ぐ結果となった。今大会男子個人は、予選上位30名が個人総合の決勝に進み、その上位30名を除いた中で、28日に行われた全日本種目別選手権トライアウト(トライアウト)の結果も含めた各種目上位6名が決勝でその種目のみの演技を行うことになっている。高橋は個人総合54位。残念ながら個人総合決勝への駒を進めることはできなかったが、その中でも、得意種目のつり輪は、個人総合出場選手とトライアウト出場選手を全て含めた予選全98人中12番の14.033点をマークし、決勝大会で演技を行うことが決まった。
決勝、種目別つり輪への出場を決めた高橋
一方、今大会、女子個人は予選上位24名が決勝に進むことが出来る。先日行われた東日本グループ選手権を棄権し、ケガの影響も心配される中迎えた内山は予選を7位で通過し、危なげなく決勝への切符を勝ち取った。中でも目を見張る演技を見せたのが内山の得意種目、段違い平行棒。ダイナミックな演技が持ち味の内山は、ミスの無い圧巻の演技で今大会予選、ただ1人の14点台をマークし、この種目トップに立った。
予選7位通過で個人総合決勝へ
予選と決勝の合計得点で頂点が決まる今大会、予選1位、村上茉愛(日体大)との差は4.267点--。強豪ひしめく決勝へ、いざ!
結果
女子個人総合予選 | ||||||||
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選手名 | 跳馬 | 段違い | 平均台 | ゆか | 合計点 | 予選順位 | ||
内山由綺(スポ2) | 13.366 | 14.133 | 11.433 | 12.833 | 51.765 | 7位 |
男子個人総合予選 | ||||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 | 予選順位 |
高橋一矢(スポ4) | 13.333 | 12.366 | 14.033 | 12.800 | 13.833 | 13.000 | 79.365 | 54位 |
(記事 脇田真悠子、写真 脇田真悠子)
コメント
内山由綺(スポ2=東京・帝京)
――予選の目標を教えてください
ノーミスでいつも通りの演技をすることが目標でした。いつもより少しレベルは下がってしまったんですが、何とか踏みとどまれたかなと思います。
――前回の東日本グループ選手権では危険をされていましたが
膝をケガしてしまっていて、グループ(東日本グループ選手権)は棄権したんですが、今回の大会に間に合わせる為に大事をとって棄権をしたという感じでした。
――予選7位という結果を受けていかがですか
結果のことは全く考えないでやったので「あ、7位かぁ」くらいの気持ちです。
それでは1つ1つの演技を振り返っていきたいと思います
――ゆかの演技はいかがでしたか
ゆかはだいたい計算通りの結果だったんですが、ケガとかの影響であまり練習ができていない中ではボチボチの出来だったと思います。
――跳馬の演技はいかがでしたか
跳馬は本当は1回半(技)を予定していたんですが、脚(ケガ)の影響もあったので1回ひねり(技)でとりあえずまとめられたかなと思います。
――段違い平行棒の演技を振り返っていかがですか
一番特典が稼げる種目だったので、もう少し良い演技ができたかなぁという感じだったんですが、とりあえずはまとめられたかなあと思います。決勝ではもう少し良い演技ができると思うので、頑張ります。
――平均台の演技を振り返っていかがですか
平均台では技が1つとれなかったので、Dスコア(技術点)を落としてしまいました。予選でそれがわかって、決勝ではどういう風にしたら減点が少ない演技や、より難度が取れる演技ができるかわかったのでそこを修正していきたいと思います。
――最後に決勝での目標を教えてください
決勝では、予選より良い演技が出来たらいいと思っています。代表選考内に入ることが目標ですが、とりあえず結果のことは考えず、自分のできることをきちんとやろうと思います。
高橋一矢主将(スポ4=岐阜・中京)
――今日の目標を教えてください
30位以内に入ればNHK杯に出られるし、明後日の決勝にも残れるのでまずはしっかりその出場権をとるっていうのが今日の目標でした。
――今日のコンディションはいかがでしたか
調子はかなり良かったしケガもなかったので万全な準備状況で試合に臨めたと思います。
それでは1つ1つの演技を振り返っていきたいと思います
――ゆかの演技はいかがでしたか
ゆかは割と動けていたし、着地もそこそこまとめられたんですけど、逆に調子が良すぎてラインオーバーとかも出てしまったのでその辺をもっとうまく調節できればもっと点は伸ばせたかなと思います。
――あん馬の演技はいかがでしたか
僕のあん馬での一番の課題が演技の最初のほうにあるブスナリという技なんですが、今日はそこをうまく通過できて、「これはいい感じで行けている」と思っていたところ、コンバインという技で失敗してしまいました。失敗の原因があまりわからないまま、「なんでだろう」と思いながら演技してしまった感じです。
――あん馬では落下も見られましたが
やはり1つも失敗したくないというのがあったので、落下した時は「やっちゃったな」という思いと、「もうこれで予選通過はないな」という思いが一瞬よぎってしまったんですが、うまく切り替えてそのあとの演技には行けたと思います。
――つり輪の演技はいかがでしたか
つり輪はかなり良かったかなと思うんですが、今回は着地で大きく動いてしまって、そこで減点されてしまったので、得意種目としているだけに着地までさらにきちんと狙っていける練習をもっとしていきたいと思います。
――跳馬の演技はいかがでしたか
<p跳馬に関しては本当にわからないというか、なんでこうなってしまったのかなという思いでいっぱいです。アップとかでも調子が良かっただけに、本番空中で自分を見失ってしまったのが思わぬミスでした。そのせいで結果全然違う位置で着地を取りに行ってしまって後ろに転んでしまいました。やはり試合となるといつもとは違うことをしてしまっていつも通りやることは本当に難しいんだなと実感しました。>
――跳馬で着地が乱れた際、かなり悔しい表情をされているように見えましたが
やはりあん馬で落下があった時点でもうミスは本当に許されないと思っていたので、良くない考えではあるんですが、跳馬で失敗してしまったときは、やってはいけないミスをして、もう終わったなと思ってしまいました。
――平行棒の演技はいかがでしたか
それまでに2つの大きな失敗があったので平行棒は逆に開き直れました。もう結果は気にせず、自分の準備してきたものを出そうという気持ちで出来たので、かなり演技はまとめられましたし、実力通りの演技ができたと思います。
――鉄棒の演技はいかがでしたか
鉄棒に関しても平行棒と同じように、失うものは何もないという気持ちで、楽しんで、いい演技が出来たらいいなあと思って臨みました。最後の着地はやはり止めたかったんですが、うまく止まらなかったのでそこは悔いが少し残っています。
――最後に今後の課題と目標を教えてください
ミスの無い演技を6種目全てで出来るようにつくりあげないといけないなあと持っています。今日までは個人の戦いという感じでしたが、来月にはもう東日本インカレ(東日本学生選手権)もありますし、ここからはチームみんなで強くなれるように頑張っていきたいです。