個人総合の上位25名に全日本学生選手権(インカレ)の出場権が与えられる今大会。河崎羽珠愛(スポ2=千葉・植草学園)は59.800点で2位につけ、危なげなくインカレ行きを決めた。試合内容は、前半種目は自身も納得の演技でまとめ上げたが、後半は細かい部分での減点によって点数が伸び悩むなど、収穫と課題が多く見つかった。
一種目目のフープ。河崎にとって、この大会のヤマ場はこの種目だったに違いない。「すごく失敗していたので試合に出るのが怖かった」。4月の代表選考会で犯したミスが演技前に頭をよぎったのだ。しかし、河崎は全日本選手権3連覇中の女王。このまま失敗を引きずるわけがなかった。代表選考会後から徹底して積んできた練習を自信に変え、大事な局面をノーミスで切り抜ける。この好演技は続くボールにも良い影響を及ぼした。スローテンポの曲調に合わせて、終始安定した内容を披露。種目別トップとなる15.600点をたたき出した。
代表選考会でのミスを克服したフープ
前半とは対照的に、「悔いが残ってしまった」と振り返った後半種目。得意とするクラブでは順調に演技を進めていた。しかし最後のDERで手具を取り損ねてしまう。手具を投げた高さが足りずとっさの判断で回転数を減らしたものの、キャッチが間に合わなかったのだ。最終種目では、リボンが絡まってしまうなどの細かい部分で減点。表現面では「『ダンスが好きな女の子』というイメージを存分に見せられた」と手応えもあったが、技術面で課題を残すこととなった。
ダンスナンバーに乗せてはつらつと踊る河崎
今シーズン、すでに3試合をこなしている河崎。中には日本代表として派遣された国際大会もある。豊富な実戦経験と、試合で出てしまったミスを二度と繰り返さないことによって着実に力をつけてゆくのが河崎の強さだ。代表選考会でのミスは修復できたが、「集中力を持続させることができていない」から後半に失敗が出てしまった今大会。夏に控えたインカレ、さらにはユニバーシアードに向けて、ワンランク上のパフォーマンスを目指す。
(記事、写真 大浦帆乃佳)
結果
個人総合 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | フープ | ボール | クラブ | リボン | 合計点 | 総合順位 | ||
河崎羽珠愛(スポ2) | 15.500 | 15.600 | 13.900 | 14.800 | 59.800 | 2位 |
コメント
河崎羽珠愛(スポ2=千葉・植草学園大付)
――この大会にはどんな意気込みで臨みましたか
代表選考会の失敗をちゃんと見直して、この試合に向けて練習を積み上げてきました。代表選考会より確実に難易度は上げられたと思うので、そこはよかったです。
――具体的な目標は立てていましたか
得点とかは特に気にしていなくて、全種目ノーミスというのを目標にしていたんですけど、後半種目で少し崩れてしまったので、そこは悔いが残ってしまいました。
――前半種目を振り返っていかがですか
フープは代表選考会ですごく失敗してしまったので、試合に出るのが怖かったんですけど、しっかり練習してきたからこそ自信が持てて、楽しく踊ることができました。ミスもなくできたのでよかったです。ボールは自分の中で自信のある種目だったので、不安要素もなく一番伸び伸びとできたと思います。
――クラブでは最後に手具を取り損ねてしまいました
投げる高さが足りなくて、回転を1回減らして取ろうと思ったんですけど、目線と手元が合わなくて。
――リボンの出来はいかがでしょうか
最後(の種目)なので、思い切り楽しもうと思ってました。ダンスが好きな女の子をイメージしている演技なので、それを存分に見せられたのでよかったです。
――合計で59.800点という点数について
代表選考会とソフィアカップと比べたら(点数は)上がっていると思うので、これを励みにしてまた頑張りたいなと思います。
――次の試合に向けて見つかった課題はありましたか
体力的にも精神的にも少しずつ成長できているんですけど、まだ1分30秒間集中力を持続させることが足りてないなと思うので、(演技の)最後まで、手具を手元まで追うっていうのを練習していきたいです。