残すは降り技のみ。高さ1.25メートル、幅はわずか10センチしかない平均台の上で周防優花(スポ4=東京・富士見)は呼吸を整える。この時、ある出来事をきっかけに見るようになった『悪夢』が頭をよぎった。演技の印象を大きく左右する大事な局面だが、周防の心は乱れてしまう。すると、そこに聞こえてきたのは同期の声。「優花しっかり!大丈夫!」。
去年の秋、関東学生交流選手権で周防を悲劇が襲った。平均台の降り技を試みたところ、回転の力が弱く頭から落下、胸椎3本を折る大けがを負ってしまったのだ。「一歩間違えば死んでいたと言われた」。奇跡的に一命は取り留めたものの、けがをした日からずっと、平均台から落ちて息ができなくなるという内容の『悪夢』にうなされるようになった。そんな日々が続き、いつしか体操に対して恐怖感を抱くようになっていた周防。復帰のめども分からないし、復帰できたとしても怖くてきっと動けない。競技はもう諦めるべきなのか――。一人で悩んでいたところに手を差し伸べたのは、体操部で苦楽をともにしてきた同期だった。全員で真剣に話し合う中で、周防は「体操が怖いまま(競技生活を)終えてほしくない」という仲間からの思いに心を打たれる。同期の優しさに背中を押され、ゆかと平均台に種目を絞っての試合出場を決意。懸命なリハビリを経て、あの時と同じ会場に戻ってきた。
『悪夢』を乗り越え臨んだ平均台
ゆかでは「振り付けが飛んじゃ」うほど緊張したというが、この日のために新しく取り入れたジャンプやターンを決め、ダンスの部分ではこれまで培ってきた表現力を遺憾なく発揮した。そして、迎えた平均台。同期からの声援を力に変えた周防の心に、もう迷いはなかった。助走から勢いをつけて平均台を力強く蹴り上げる。高さが十分に出た放物線は見事に腰高の着地を導いた。つらい過去と正面から向き合い克服した『悪夢』。応援席からは惜しみない拍手が送られた。それに応えるように深々とお辞儀をする周防。流れる涙は達成感と解放感を物語っていた。こうして15年間の競技生活は最高の形で締めくくられたのだ。
演技を終え同期の長沼園佳女子主将(スポ4=群馬・中央中教校)とハイタッチをした
「みんながいたから頑張れた。悔いはない」。試合後の周防は晴れやかな表情でこう言った。一度は諦めかけた競技復帰。しかし、親身になって自分のことを考えてくれる先輩や後輩、何より同期の存在があったから試合に出て、体操をまた楽しむことができた。選手は引退するが、これからも部に残ってマネジャー役に徹するという周防。「今まで支えてくれた人たちをサポートする立場になれたら」と、部への恩返しを誓った。
(記事 大浦帆乃佳、写真 村田華乃)
☆長沼、内山が東インカレ進出!
危なげなく東日本学生選手権(東インカレ)へと駒を進めた。内山由綺(スポ1=東京・帝京)は試合直前まで痛めていたという足の影響で本来の実施ができずにいたが、最終種目の平均台では14.650のハイスコアをマーク。次に控えるNHK杯に向けて「自信になった」と収穫を得た。長沼園佳女子主将(スポ4=群馬・中央中教校)は、今シーズンからゆかをアップテンポからしっとりとした曲調に変更。動きの緩急や表情で「女性らしさ」を演出し、種目別で8位に入る健闘ぶりを見せた。オフシーズンから取り組んでいるトレーニングが徐々に成果を現している証拠だろう。次なる目標は東インカレを突破し全日本学生選手権に出場すること。ラストイヤーを笑顔で終えるため、さらなるスキルアップを図る。
(記事 大浦帆乃佳)
結果
女子個人総合 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 跳馬 | 段違い | 平均台 | ゆか | 合計点 | 順位 |
内山由綺(スポ1) | 13.900 | 12.800 | 14.650 | 11.800 | 53.150 | 1位 |
長沼園佳(スポ4) | 12.400 | 11.400 | 10.600 | 12.650 | 47.050 | 15位 |
周防優花(スポ4) | 0.000 | 0.000 | 7.800 | 9.150 | 16.950 | 61位 |
コメント
長沼園佳女子主将(スポ4=群馬・中央中教校)
――試合全体を振り返って、いかがでしたか
前半、不安はあったものの、練習通りにできたかなと思います。平均台(の落下)はやっぱり・・・。練習もしっかり積んでいて、成功率も上がっていたので、試合の緊張感だったり、気持ちの緩みと言いますか、そこまでやり切ることができなかったです。(試合が)すごく短く感じて、それだけ緊張していたんだと感じました。練習で詰めていなかったところが出ちゃったなという感じです。
――不安というのはどこに感じていましたか
ゆかの1コース目が最近全然できてなくて不安でした。前方系の感覚をうまくつかめて、半分で止められなかったんですけど本番で止まって。「待って、こっち向いちゃってるよ?!」ってなりました(笑)。しかも応援の声で曲が聞き取りづらくて。プチパニックでした(笑)。
――この大会には4度目の出場となりましたが
緊張しない試合っていうのがなくて、ほとんど緊張してます(笑)。
――ラストイヤーだから、という特別な思いはあったのでしょうか
自分のことに関してはそんなにないんですけど、やっぱり同期の周防が(引退前)最後だし、まずこの試合で復帰できるか分からなかったし。でもやってくれたので、きょうはそこが一番でしたね。平均台の途中からうるうるしてきちゃいました(笑)。
――そんな中でも冷静に「ターン忘れてるよ」とアドバイスされていましたね
後悔してほしくなくて。「あのときやっておけばよかった」って後悔してほしくなくて精一杯声を掛けました。この会場で(けがを)したのでつらかったと思うんですけど、よくがんばってました。
――この大会で掲げた目標は何でしたか
インカレで、自分の持ってる技を全部出し切るっていうのがここ三年間できていないので、それを4年生のインカレで絶対できるように、グループ(東日本学生グループ選手権)、東インカレ、インカレとちょっとずつ(調子を)上げていけるように。今まではグループが全然だめで、東インカレでギリギリ通過できて、インカレは・・・。いつもインカレまでのプロセスがちゃんとできてなくて、徐々に技を増やしていくとかができなかったので、その一歩目の大事な大会というふうに思っていました。四年間で一番意識しました。
――その目標はどのくらい達成できたと思いますか
まだまだって感じですかね。東インカレは別のルールなのでもっと技を入れなきゃいけないし、最後までちゃんとやり切れば、東インカレにもうちょっと楽に進めたかな、と思います。
――ゆかの演技は今までと雰囲気をガラリと変えましたね
そうなんです。でも先輩方から「前のほうが合ってたよ」と言われちゃって(笑)。わたしは激しいアップテンポの曲が多かったんですけど、最後はしっとりと、女性らしさを身に付けたいなと思って(笑)。もう二度とゆかの演技なんて人生でやることないだろうし、悔いが残るのも嫌だなと思って、思い切って静かな曲に挑戦しました。ゆっくりなので、体力的に楽なのかな?と思ったんですけど、ゆっくりやるのも大変だということに気付きました(笑)。
――点数で見ても高評価だったと思います
思ったよりも評価してもらえて。今まで自己流で体操をやっていて、がむしゃらにやるしかなかったんですけど、最近は内山玲子コーチに動きの原理や練習の組み方とかを教えてもらったりして、ちょっとずつ自信をもって(演技)できるようになったかなと思います。ゆかは本当に評価してもらえて、徐々に点数が取れる演技をしたいなって思うようになりました。
――練習の組み方とは、具体的にどのように教わったのでしょうか
今までは「その日にできることをできるだけ」という感じでやってきたんですけど、やっぱりそれだとだめで。「いつまでにこの技を覚える」とか、「いつまでにこの技をやった上で通しを完成させる」とか、細かく目標を立ててやっていくのが大事なのかなと思いました。わたしは「調子を上げていけばいつかできるだろう」と思い込んでいたんですけど、それって結構曖昧で。わたしは夏と冬で練習に差があったんですけど、動きたくない冬でも、決めたところまではやらなきゃと思うようになりました。そうすると、試合までに少し楽になりました。一歩一歩進んでる感覚があります。
――内山由綺選手(スポ1=東京・帝京)の練習を見ていて感じることはありますか
体操に懸ける思いというか、モチベーションの保ち方とか勉強になることばかりです。(一緒に練習できるのは)本当に運が良いなと思います。気合いで乗り切ろうと思ったら毎日筋肉痛です(笑)。友達にも「ムキムキになったね」と言われます(笑)。由綺ちゃんは補強もすごいんです。
――段違い平行棒まで順調に進んでいたように感じます。最後に平均台を控えた心境はどんなものでしたか
わたしとしては平均台よりも段違い平行棒のほうが心配で、それでほっとしたというのもあるかもしれないです。平均台は緊張があったわけではなく、その場の雰囲気に飲まれたって感じですかね。そこまでの準備ができていなかったんだなと。すごく悔しいです。もうちょっと考えればよかったです。入りの技は踏み切り板の硬さなど、環境によって全然変わってきてしまうので、自分で合わせられるようになれば。そこが課題ですかね。東インカレまでにがんばります。
――オフシーズンはどんなことをしていましたか
冬のシーズンが本当に嫌で(笑)。動きたくなかったんですけど、12月くらいから内山コーチが来てくださって。それからは補強とかトレーニングを重視していました。基礎ですね。あとは、技を抜いて、自信をもって通せる通し練習で動きを習慣づけるとか。それを5〜6本続けてやって、そこにどんどん技を足していく、みたいなことを提案してくださって、やっていました。
――その成果はこの大会で感じましたか
平均台で言うと、途中で落ちても動きから入ると自然と気持ちがゼロに切り替えられるというか。失敗を引きずらなかったです。通しのルーティンができているから、不安なくできたかなと思います。実になってるなと感じますね。
――この一年の目標は
今までは「勉強も体操も、どっちもがんばろう」という感じだったんですけど、15年間やってきて体操できるのももう最後だし、どちらかというと体操に気持ちは傾いていて。15年間体操に懸けてきたことを優花みたいに出し切って終われるように、毎日を無駄にしないでがんばろうと思います。
――東インカレへの意気込みをお願いします
それが毎年の課題で(笑)。いつも通過ラインのギリギリなのでミスが許されなくて。きょうよりもさらに準備をして、ちゃんとインカレまで行かないと。そこが目標です。そこまで行かないと、「何のためのラストシーズンだ?」ってなるので。いつもより余裕をもった準備をして、何かあっても通過できるくらいの練習を積みたいと思います。
――きょうで引退される周防選手に何か伝えたいことはありますか
12月に内山コーチがいらっしゃってから、アップのメニューを変えたんですよ。それが本当にきつくて。腹筋がずっと続くんです。今までは筋反応させるだけ、くらいだったんですけど、今はがっつりトレーニングなんですよ。それを、一人だったらできないところを周防がいつも「一緒にやろう」って言ってくれて、同じペースでやってくれました。一緒につらいからがんばれました。試合形式の練習でも、周防が棄権する種目でも時間を合わせて一緒にやってくれたり。「きょうはやめよう」って言いそうになったときも「きょうやめたら次はもっとつらくなるよね」って思えて。本当に助けられました。わたしは自分のことに集中しちゃうんですけど、優花はわたしのことを気にかけてくれるし、自分のことをしっかりやってるし、本当にありがたい同期です。春から後輩も入ったので、二人で女子部も盛り上げていけるようにがんばろう!
周防優花(スポ4=東京・富士見)
――この大会で引退されると伺いました
身体的にも、もう全種目はできないので。本当はこの大会にも出ずに辞めようと思ってたんですけど、けがした会場でもう一回できるのは(トラウマを)克服するチャンスかなと思って。最後はゆかと平均台だけやって終わりました。
――では出場した二種目は、けがしたところへの負担が少ないということと、リベンジをかけた種目ということでしょうか
そうですね。段違い平行棒は負担が大きいので。とりあえず出た二種にしぼって練習してきました。
――この試合に出ると決めたのはいつですか
3月の初めですね。そのあたりに同期とわたしの今後のこととかを深く話し合って、「じゃあ(試合に向けて)がんばろうか」という方向になって。特に、はるひ(市川、スポ4=東京・鴎友学園女)と園佳(長沼、スポ4=群馬・中央中教校)がいたからきょう、ここで試合ができていたんだなと感じます。「最後の一年だから、優花の好きなようにやってほしい」って言われて。あと、「恐怖感をもったまま体操をやめるのはもったいない気がするから、ちゃんと自分と向き合って。絶対できるから!」って言ってくれました。それを聞いて、ああ、そうだなと。それからは少しずつできることを増やして、トレーニングもして、ここまでやってきました。
――去年の関東学生交流選手権(交流戦)でけがをしてから、リハビリなど大変だったと思います
けがをしてしばらくは左手が全然動かなくて、「やばい!」って思ってたんですけど、そこから地道に(リハビリを)始めていって、だんだん重いものとか持てるようになって、体も動くようになって・・・。できないことより、できることが多くなっていったと考えるようになりました。「これもできる、あれもできる!」って。
――そのとき同期から掛けられた励ましの言葉などは
同期には本当に助けられて。同期だけじゃなくて、先輩、後輩もなんですけど、「応援してるよ」とか、わたしがこの会場に来て不安になると思って声を掛けてくれたりとか、気遣いが本当に温かくて。土屋先生(純、昭61教卒=県長野)も馬場先生(亮輔、平18人卒=埼玉栄)も。周りの人がいたから演技できるようになったし、(けがも)良くなったかなと思います。
――どのあたりをけがしたのでしょうか
胸椎・・・背骨の7〜9番目を骨折しました。神経にも当たっちゃっていたので左手が動かなかったんです。今はもう上がるんですけど(笑)。一歩間違えてたら死んでたと言われました。(平均台の降り技で)もう少し回転がかかっていたら死んでいたし、初めて死を見た経験でした。「ああ、死ぬんだ」って。今考えたら良い経験だったと思います。
――平均台に臨む直前、やはりけがをした時の記憶は頭をよぎったのでは
夢をめっちゃ見ました。(平均台から)落ちて、息ができなくなる夢をけがした時からずっと。でもきょうの演技で(平均台を)克服できたので、「もう見なくていいんだ!」っていう嬉しさが大きいですね。
――ゆかはどんな意気込みで臨みましたか
曲を変えて、結構壮大な感じにしたんです。大人らしくしたいなと思って(笑)。自信をもって、というのをテーマにしました。緊張しすぎて振り付けが飛んじゃいましたけど(笑)。技はぜんぜん入れられないなと思ってダンス系、Eスコア(出来栄え点)で攻めようと思って、新しいジャンプやターンに挑戦しました。そこができたので、前よりは進歩できたかなと思います。
――全種目やりたかったという思いはありますか
それは思いますね。すごく思うんですけど、精神的にめっちゃつらくて。まず体操自体が怖くなっちゃって。そんな中(体操を)やるっていうのが自分の中で大きなカベでした。この体育館に来て(演技を)するってことが。だから、全種目無理して(演技)するよりも、今自分ができることを探して、それを精一杯やろうと。ゆかはダンス系がメインになっちゃったけど、妥協はしたくなくて。できることを精一杯やろうって感じで。(全種目)やりたかったけど、これで良かったと思います。悔いはないです。
――一番思い出に残る試合になったのでは
そうですね。今までいろんなことがあって、今までで一番自分が自信をもって、同期とも支え合って、うまくいったのがこの試合でした。(平均台は)落ちちゃったけど、悔いはないです。何にも代えられないです、この試合は。
――周防選手にとって、早大体操部とは
第二の家族みたいな。本当に温かい場所で、いると和むし、もちろんつらいこともあるけど、楽しい場所です。
――体操部で過ごした四年間はどんなものでしたか
わたしたちの代、仲良いんですよ(笑)。男女とも人数多いけど、ちょっとしたことでも気遣ってくれるし。わたしはレベルが高くないけど目線を合わせて言ってくれるし、同期だけじゃなくて先輩後輩もそうで。わたしが試合に対して不安になってる時、「めっちゃ応援しますから大丈夫ですよ!」とか「ばかみたいに応援しますから!」って言ってくれて。それ聞いて勇気もらいました。応援のメッセージもくれるし。本当に良い人ばっかり(笑)。
――体操を楽しいと感じるのはどんな時ですか
新しい技ができるようになった時とかかな。わたし、入学当初は段違い平行棒が全然できなくて。車輪も憧れだったんです。そこで土屋先生に一から教えてもらいました。(技が)完成するのにすごく時間はかかったんですけど、去年の交流戦で車輪を(構成に)入れることもできたし、振り飛びの練習までできるようになったので、当時の自分には考えられないくらい成長できたと思います(笑)。全体的に見たら、技がたくさんできるようになったというわけじゃないですけど、いろんな部分で成長できたなと思います。
――体操を続けてきて学んだことは
ある先輩が卒業する時に、「昨日の自分を0.1でも超える努力をしろ」と言ってくださって。わたしにはそういう視点が今までなくて、ただただ「すごい」と思ったんです。365日その努力を積み重ねたら36も成長できるってこと。その人の言葉のおかげで練習内容などは3年時とは全然変わったと思います。この言葉のおかげでがんばってこれました。
――周防選手は人からの言葉を力に変えられますよね
周りのみんながいなかったら自分の殻に閉じこもってゴミみたいになってるんで(笑)。周りからの言葉は結構大事にしますね。
――長沼選手との最後の試合でした
最後、平均台を終えた後のハグでぐっときました。お互い、演技の後半くらいからもう泣きそうで(笑)。わたしが最初落下したターンで、軸足じゃないほうの脚を台に乗せないまま落ちたので技として認定してもらえなかったんです。それでもう一回違うターンを入れなきゃいけなかったんですけど、普段はそんな失敗をしなくて。園佳が「よく考えて」「落ち着いて」って声を掛けてくれて気付きました。降り技の前にも「優花しっかり、大丈夫」って聞こえてきて落ち着けました。園佳の声、めっちゃ聞こえましたね(笑)。本当はめっちゃ怖くて、最初は平均台を触るのも怖かったんです。でもリハビリの時「とりあえず(平均台に)上がるだけやってみれば」とか、できることから始めて「これもできる!」っていうところから始めていけばいいんじゃないって言ってくれて。けがしてから4カ月くらい上がれなかったんですけど、そこから気持ちを変えて少しずつ(平均台に)乗るようにしていきました。ジャンプするのも怖かったですね。でもまた(演技が)できてよかったです。
――今まで一緒に戦ってきた長沼選手に一言お願いします
難しい(笑)。言いたいことはめっちゃあるんだけど(笑)。園佳のおかげでがんばれた。もちろん、はるひも。これからは、わたしは選手は辞めるけど部には残るので、いろいろ落ち着いたらマネージャーとして貢献できる部分もあるかなって思います。インカレ(全日本学生選手権)までは、今まで支えてくれた人たちをサポートできる立場になれたらなと。園佳には「今までありがとう。インカレがんばれ!」と伝えたいです。
内山由綺(スポ1=東京・帝京)
――きょうの演技振り返っていかがですか
ゆかがあまり良くなかったので、体調面もあまり良くない中で試合だったんですけど、ゆかに関してはあとは練習するだけっていう感じです。跳馬はまあまあの出来だったかなと思っています。段違い平行棒は私の演技を見に来てくださっていた方もいるので、そういう点であまり良くない演技をしてしまって申し訳ないと思っています。でも平均台で少し取り戻せたかなっていうのはあります。
――今大会の目標は
NHK杯に向けて、平均台があまり得意ではなかったので、平均台をメインに頑張ってたんですけど、そこの部分ではよかったかなと思います。
――先輩二人と同じグループで回りましたがいかがでしたか
いつも一人なんですけど、一人じゃないとやっぱり安心しますし、前半良くない演技が続いたときも、先輩がいることで、まだ折れちゃ駄目だという気持ちになりました。
――どこか痛めていたのでしょうか
足を痛めていて、昨日やっと治ったくらいで、全然筋力とか戻ってない状態での試合だったので、当然のかたちだったと思うんですけど、その中での平均台の演技は自分では結構良かったかなと思います。
――平均台の演技後、客席に謝る様子が見られましたが
前半のふがいない演技を謝ってました。とりあえず平均台が出来たので、上(東インカレ)に上がれるなと思って…。
――次のNHK杯に向けて意気込みをお願いします
平均台が自分の中で得意じゃない種目だったんですけど、今回そこが一番高い点数だったので、それは自信がつきましたし、段違い平行棒は練習が出来ていない中でのあの演技だったので、とりあえず練習あるのみという感じで、全体通して筋力戻して、また試合に向かっていけたらなという感じです。