アジア選手権日本代表とユニバーシアード日本代表を決定する代表選考会に、河崎羽珠愛(スポ2=千葉・植草学園大付)が出場した。アジア選手権日本代表には成績上位1名が、ユニバーシアード日本代表には有資格者の内上位2名が選ばれる。高校生から大学生の実力者がそろう中、河崎は全体の4位、ユニバーシアード出場資格保有者の2位に入り、見事ユニバーシアード日本代表候補選手に選出された。
代表を目指す河崎はいきなりピンチを迎える。1種目目のフープで、「手具と体のバランスが合っていなかった」と開始20秒ほどで手具を取り損ね、しかも手具がラインから出てしまったのだ。とっさの判断で予備のフープを手に取り演技を続けたが、1分過ぎにも手具落下のミス。13.4で8位と、上位を目指すには厳しい点数からのスタートとなった。続いてはボール。代表を勝ち取るためにはここで巻き返しを図りたいところだ。真っ白な衣装に身を包み、しっとりとした曲調に合わせ優雅に舞い踊る河崎。「冷静に切り替えて臨むことができた」と自身でも納得の演技を披露し、16点台という高得点をたたき出した。
高得点をマークしたボール
3種目目は得意種目のクラブ。素早い手具操作で大人っぽさの中に激しさを感じさせる演技は、まさにプログラムのイメージであるタンゴを踊っている女性そのものだ。大きなミスもなく高得点が期待されたが、ローテーションの後処理やジャンプの開脚度の不足などで、想定していた難度を取れず、15点台に留まった。最終種目のリボンは、深いブルーの衣装で登場。キャッチーなダンスナンバーにのせて、ターンやバランスを確実に決めていった。しかし終盤での手具落下が響き、点数を伸ばせず。最終的にはボールで得たリードを保ち、全体の4位で大会を終えた。
代表に選出され笑顔を見せる河崎
きょねんからの足のけがの影響で、少ない時間の中で練習を積み臨んだシーズン初戦。ミスは出たが、河崎は「いい経験になった」と前向きだった。今大会で得た課題を修正しつつ、これから新しいプログラムを磨き上げていくことだろう。8月のユニバーシアードまでに様々な試合があるが、経験を重ねて一層成長した姿を、台湾の地で見せてくれるに違いない。
(記事 村田華乃、写真 大浦帆乃佳)
結果
シニア個人総合 | ||||||||
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選手名 | フープ | ボール | クラブ | リボン | 合計点 | 総合順位 | ||
河崎羽珠愛(スポ2) | 13.400 | 16.300 | 15.300 | 13.850 | 58.850 | 4位 |
コメント
河崎羽珠愛(スポ2=千葉・植草学園大付)
――いまの率直な気持ちをお願いします
とりあえず代表に選ばれてほっとしています。
――シーズン初戦、代表選考会ということでどのような意気込みで臨まれましたか
足のけがもあって練習する期間が少し短かったんですけど、自分なりにたくさん練習してきて、ベストは出なかったんですけど、いい経験にはなったので、ユニバーシアードできょうの失敗を克服したいなと思います。
――きょうのコンディションは
動きは悪くなかったんですけど、緊張したせいか手具と体のバランスが合ってなかったんですけど、それも少しずつ慣れていったかなという感じです。
――フープでは2回手具落下がありましたが、原因は
やっぱり緊張してしまったことです。
――ボールはすばらしい演技でしたが、ご自身ではいかがでしたか
フープで失敗したんですけど、ここは冷静に切り替えて臨むことができたので、すごくよくまとめられたので、よかったと思います。
――クラブはあまり点数が伸びませんでしたが、原因は何だとお考えですか
難度の終末とか開脚度があまり見えていなかったのかなという感じだと思います。
――演技の難度を昨年度から落としたということですか
そうですね、少し落としています。
――リボンでも1回手具落下がありましたが振り返っていかがですか
最後なので冷静にしっかり踊ろうと思ったんですけど、まだまだ練習不足だと思うので、4種目しっかりまとめられるようにしたいなと思います。
――4種目とも昨年からプログラムを変えましたが、それぞれどのようなプログラムですか
フープはノリノリの曲なので、自分の人には出来ない演技を見せようと思っていて、リボンはフープとは逆にきれいにしなやかな感じです。クラブは1人の女性がタンゴを踊るのをイメージしていて、リボンはダンスが好きな女の子っていう感じです。
――次に向けての課題は
今回失敗したのを、ユニバーシアードでも同じ失敗をせずに、しっかり楽しんで踊り切りたいと思います。