第4回目は近藤宏紀(スポ3=福井・鯖江)、柏木寅冶(スポ1=千葉・市船橋)、南亜蘭(スポ1=大阪・太成学院大高)の「いつメン」組が登場。それぞれの演技に対するこだわりや、仲良しなプライベートに切り込んだ。この三人ならではの、息の合ったやりとりは必読!
※この取材は7月29日に行われたものです。
「自分のしたい試合ができている」(南)
大学生として臨む大会を楽しんでいる南
――この組み合わせで対談をすると聞いたとき、どう思いましたか
近藤 よく分かってるなあと(笑)。
一同 (笑)。
――ありがとうございます(笑)。これまでの試合を振り返っていかがですか
近藤 あまり良い結果が残せていないので、インカレでは頑張りたいと思っています。
南 試合には3回くらいしか出てなくて、まだまだこれからだと思うんですけど、インカレではしっかり結果を残したいと思います。
柏木 ノーミスの試合ができてないので、インカレではミスなく演技したいです。
――上級生になって、心境の変化などはありますか
近藤 去年までは先輩のほうが多くて、先輩についていくことが多かったんですけど、ことしはいつも一緒にいるのが1年生というのもあって、後輩をうまく引っ張っていけたらいいなと思ってます。
――1年生のお二人は、大学生として試合に出てみていかがでしたか
南 試合はそんなに緊張感なく、むしろ解放された感じで楽しかったです。高校までは圧力とかあったので(笑)。それがなくなって、自分のしたい試合ができてるかなって思います。
柏木 自分は、今まで出てきた試合と変わらない感じですね。
――先輩方はどんな方々ですか
柏木 優しい。
南 優しいよな。
――中でも近藤選手が優しい、と
南 宏紀さんは、親しみやすい。
近藤 敬語使わないですよ、こいつ(柏木選手)。
一同 (笑)。
――先輩後輩は関係なく、気の置けない仲なのですね
柏木 そうです、そうです(笑)。
「ほぼ三人部屋」(柏木)
笑いが絶えない三人
――尊敬している選手はいますか
近藤 僕は田中佑典選手(コナミ)で変わりないです。体力を使いすぎないエコな体操がかっこいいです。
南 ドイツのハンビュヘン選手、好きですね。豪快な体操が好きなので。
柏木 野々村笙吾選手(セントラル)ですね。
南 置きにいったな。
一同 (笑)。
柏木 やっぱり、きれい。倒立姿勢とか、見本みたいな体操するのが好きです。
――この三人が仲良くなったきっかけは
近藤 僕と柏木は部屋が一緒で、あとは、1年生は仕事があるので一緒に行動することが多くて。この三人でごはんに行って、その後亜蘭もこっちの部屋に来るようになりましたね。
南 僕は居候してるって感じです。
柏木 ほぼ三人部屋みたいになってます(笑)。
――部屋は狭く感じませんか
南 そんなことないです、大丈夫です。逆に、一人いなかったら「あれ?おらんの?」ってなります。
近藤 亜蘭のアイスとかジュースはほぼこっちの部屋にあります(笑)。
南 自分の部屋には寝るときと着替えるときくらいしかいないです。
――よく一緒に遊びに行かれますか
南 このメンツでしか行ってないです。
近藤 カラオケとかボウリングによく行きます。ダーツとか。
南 今度プールに行きます。
――体操部の推しメンを教えてください
近藤 柏木かな。
――理由は
近藤 こいつ、最近アモーレが…。
南 モテモテなんですよ。
柏木 まじでやめてくださいよ(笑)。
――柏木選手の推しメンはどなたでしょうか
柏木 宏紀さんです。かっこいいっす。やることの一つ一つがかっこいいっす。メリハリもあるし。遊ぶときは遊ぶし、練習中はすごく真面目なんですよ。
近藤 僕は、真面目に言うと佑樹さんですね。
一同 (笑)。
近藤 やるときはやるっていう姿勢がかっこいいです。自分にないものを持ってるし、すごく素敵だなと思います。
――南選手はいかがでしょうか
南 宏紀さんですね。
近藤 俺?うれしい(笑)。
南 真剣な雰囲気の練習中でも盛り上げてくれます。僕、静かな中で体操するのが嫌なので、そういうときに盛り上げてくれるとやる気出ます。
近藤 照れる(笑)。
「自分にしかできない技をやりたい」(柏木)
ワセダの中で一番難度の高い跳馬の技をこなす柏木
――1年生のお二人は、大学生活に慣れましたか
柏木・南 慣れました。
――授業やテストはいかがでしたか
南 もうバッチリです。
柏木 まだ結果は分からないですけど…。
――高校と大学では練習の雰囲気は違いますか
南 大学の練習は楽しいです。高校は練習時間が長くて、いかにサボるかっていう戦いだったんですけど。
一同 (笑)。
南 ここ(大学)は各自で練習を考えてやることもあって、自分がやりたいことができるので楽しいですね。
柏木 僕は、高校もかなり楽しかったです(笑)。練習としては、ワセダのほうが人数少ないので、自分の好きなタイミングで(器具を使った)練習もできるっていうのはいいですね。
――今後4年間でどのような選手になりたいですか
南 周りの人から「この選手すごい!」と思われるような選手になりたいです。
柏木 自分にしかできない技をやりたいです。
南 跳馬で?何?
柏木 リ・セグァン1回ひねり(笑)。
――練習しているのでしょうか
柏木 してないです。
一同 (笑)。
柏木 けど実際やりたいです。自分にしかできない技。
――それぞれの第一印象を教えてください
近藤 亜蘭は、初めて会ったときから「なんか波長合うな」と思いました。とらじ(柏木選手のあだ名)は暗かったな(笑)。あんまりしゃべらなかったし声小さいし。
南 宏紀さんはしゃべれたんですけど…。
一同 (笑)。
南 こいつ(柏木選手)は、しゃべりかけてくるなオーラみたいなのがあって。
近藤 あったあった(笑)。
南 きついなあとは思ったんですけど、今はこんな感じなので(笑)。
近藤 このギャップがむかつく(笑)。
南 鍵がついてて、鍵を外すとこんなんだった、っていう。
柏木 本来はこっちなんすよ(笑)。
――柏木選手から見たお二人は
柏木 僕人見知りなので、かなり(しゃべりかけてくるなオーラ)あったと思います。入学前から練習行ってたので、そこで宏紀さんとかしゃべりかけてくれて。でも、自分は話せなくて(笑)。
近藤 入学前に一緒にごはんも行ったんですよ。そのときも全然しゃべんなかったですね。
柏木 なれなれしくしちゃいけないんじゃないかって思ったんですよ、最初。
――最近ハマっているものは何でしょうか
近藤 日本語ラップです。テレビで見たり、サイバーって言われるやつを見に行ったりしてます。
南 おしゃれするのが好きなので、雑誌読みますね。あとは、ネットで服を見たりしてます。将来ブランド立ち上げたいので。自分の名前でブランドを作るのが夢です。
柏木 モニタリングっていう番組をよく見てます。
近藤 ドラえもんも見てるよな?
南 録画してるよな?
柏木 ドラえもんって夢があるじゃないですか。そこがいいです。
「インカレは失敗しない人が上に行く」(近藤)
完成度重視の体操でU-21代表入りを狙う近藤
――ことしの体操部の雰囲気は
柏木 メリハリがあります。浅野さん(浅野佑樹主将、スポ4=東京・明星)は、厳しいときは厳しいです。体操以外のあいさつや礼儀に関しては厳しいです。
近藤 4年生になって、チームを引っ張っていかなきゃ、というのが感じられます。細かいことも言ってくれたりして、ありがたいです。
――近藤選手にとって、去年のインカレはどのような大会でしたか
近藤 去年もU-21代表入りを目標にしてやってたんですけど、3種目目の鉄棒で落下してしまって。そのことがいまだに印象強くて。ことしの3種目目は平行棒なので、そこを乗り切ったら良い流れができるんじゃないかな、と思います。
――3種目目がカギ、ということでしょうか
近藤 そうですね、平行棒でうまくいけばよい流れに乗れると思います。
――現在の調子はいかがでしょうか
南 大丈夫です。
柏木 日によって調子の良し悪しがあるので、良い日を多くしていきたいです。
近藤 ちょっと不調なので、体調管理をしっかりいたいと思います。
――近藤選手はことしのインカレ開催地の鯖江で高校時代を過ごされましたが、思い出はありますか
近藤 すごく練習時間が長くて厳しかったです。体操以外のことはしてこなかったですね。あと、高校2年生のインターハイ(高校総体)がインカレの会場でもあるサンドーム福井であって。そのときは選手ではなく補助員として試合に関わったんですけど、本当にきつかったです。試合に出れるのは当たり前じゃない、というか、補助役員がいるから試合ができるっていうのを知ったので、今回もそういう裏方への感謝を忘れずに試合に臨みたいと思います。
――柏木選手と南選手は初めて臨むインカレですが、今どんなお気持ちでしょうか
南 早く試合したいです。
柏木 楽しみです。
――特に意識して取り組んでいることはありますか
南 鉄棒です。離れ技を持つか持たないかで点数が大きく変わってくるので、大事にしていきたいところですね。カッシーナとコールマンという技をやるんですけど、G難度とF難度じゃないですか。(※体操競技の技は難度が易しいほうからAから順に難度分けされている)そこで落ちたら得点に反映されないので(※G難度の技は0.7、F難度は0.6)。
近藤 きょねんからDスコア(技術点)はそんなに変わってないんですけど、つり輪だけ上げました。今回は1種目目がつり輪で、そこで失敗したらダメになってしまうので、頑張ってきました。
柏木 跳馬のロペスですかね。調子はまずまずですけど(笑)。あと、平行棒ですね。苦手種目なんですけど、技も少し増やしました。
――自分の演技のアピールポイントは
近藤 安定感です。
南 平行棒のバブサーか、鉄棒の離れ技ですね。バブサーは得意なので。
柏木 (跳馬の)ロペスです。
――個人的な目標はありますか
近藤・柏木・南 U-21代表に入ることです。
――最後に、インカレへの意気込みをお聞かせください
近藤 インカレは失敗しない人が上に行くと思うので、どれだけ失敗しないかが勝負だと思います。大過失さえでなければ結果はついてくると思うので、不安のある箇所は修正していって、絶対ミスを出さないようにしたいです。
南 ガチガチな雰囲気は好きじゃないので、自分で試合を盛り上げて、楽しく笑って試合をしたいです。
柏木 失敗とかはあまり気にせず、のびのびと楽に演技したいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 大浦帆乃佳)
ことしの色紙のテーマは「自分の体操を一言で表すと?」
◆近藤宏紀(こんどう・ひろき)(※写真中央)
1995年(平7)7月6日生まれ。身長170センチ、体重60キロ。福井・鯖江高出身。スポーツ科学部3年。1年生2名から絶大な人気を誇っている近藤選手。取材中、面倒見の良さが垣間見えました。プライベートな話から競技の話に移ると表情は一変、真剣な目つきで話してくださったのが印象的でした。U-21代表入りのラストチャンスに向けて、気合は十分です!
◆柏木寅冶(かしわぎ・ともや)(※写真左)
1997年(平9)9月11日生まれ。身長164センチ、体重58キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部1年。普段はいじられキャラな柏木選手ですが、いざ試合になると、ルーキーながら先輩に劣らない活躍でチームに刺激を与えます。自慢の『跳躍力』を思う存分生かして、初めてのインカレでのびのびと演技する柏木選手に期待です!
◆南亜蘭(みなみ・あらん)(※写真右)
1997年(平9)8月14日生まれ。身長160センチ、体重61キロ。大阪・太成学院大高出身。スポーツ科学部1年。関西人らしい鋭いツッコミで対談を盛り上げてくださった南選手。色紙をお願いすると、迷わず『ダイナミック』と書いてくださいました。思わず口が開いてしまうほどの実施の雄大さ、特に平行棒は要チェック!