昨年の全日本選手権で個人総合2連覇を成し遂げた河崎羽珠愛(スポ1=千葉・植草学園大付)。そんな日本新体操界のホープが早大にやってきた。先月は2つの国際大会をこなし、着実に経験を積んでいる。ジュニア選手の登竜門である全日本ユース選手権(ユース)の出場資格が与えられているのは高校3年生まで。しかし、今回は日本体操協会の強化指定選手として特別に出場。そのため点数は順位に反映されないが、日本代表として世界で戦う勇姿に、男女合わせて500名を超える出場者たちは終始憧れのまなざしを向けていた。
大会2日目から登場した河崎は、まずリボンの演技を行う。フロアに1歩足を踏み入れると、観客はその存在感にくぎ付けになった。河崎は自分に集まった視線を楽しむかのように、エキゾチックな曲調に合わせて得意の手具操作を披露。続くフープでも勢いのある実施で持ち味を遺憾なく発揮した。しかし、「気持ちがガタついて、焦りもあった」と振り返るように、この日はどちらの種目でもフロア外に手具が出てしまう。翌日に控える残り2種目に向けて、メンタル面での改善点を冷静に見つめた。
巧みな手具さばきを見せたフープ
最終日はボールとクラブ。前日に行った種目ではアップテンポの曲を用いていたが、ボールではイメージをガラリと変え、しっとりとした曲で臨んだ。曲調の変化にも柔軟に対応し、情感豊かに踊り切る。「(曲調がこれまでの種目とは違って)初めてのイメージだったが、丁寧に演技できた」と、多様な表現力をアピールした。クラブでは再びテンポの速い曲で、手具特有のスピード感を見事に演出する。軽やかにステップを踏んだかと思えば、時間が止まったかのようにピタリと静止したバランスを披露。メリハリのついた圧巻の演技に、会場からは感嘆のため息が漏れた。
前半2種目とは違う表現で魅了したボール
高校1年生でこの大会を制したことがきっかけで頭角を現し始めた河崎。試合数を重ねていくたびに多くのことを吸収し、その成長は止まることを知らない。次に控えるのはクラブチーム対抗戦と個人総合を兼ねた全日本クラブ選手権。強豪イオンの名を背負って、河崎らしく「楽しみながら」優勝を目指す。
(記事 大浦帆乃佳、写真 大浦帆乃佳、廣田妃蘭)
リボン | ||||||||
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選手名 | 結果 | |||||||
河崎羽珠愛(スポ1) | 15.400 |
フープ | ||||||||
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選手名 | 結果 | |||||||
河崎羽珠愛(スポ1) | 14.450 |
ボール | ||||||||
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選手名 | 結果 | |||||||
河崎羽珠愛(スポ1) | 16.450 |
クラブ | ||||||||
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選手名 | 結果 | |||||||
河崎羽珠愛(スポ1) | 15.700 |
コメント
※6月11日終了時
河崎羽珠愛(スポ1=千葉・植草学園大付)
――この大会の位置付けというのは
わたしの好きな大会の一つです。1種目1種目楽しんで踊れたという思い出があるので、きょうも伸び伸びと踊れました。
――先月のアジア選手権とW杯はどのような大会でしたか
アジア選手権でもW杯でもミスはあったんですけど、自分の出せる力を出し切れたと思うし、(アジア選手権では)個人総合で7位入賞できたのでとてもうれしかったです。
――きょうの試合で意識したことは
順位には反映されないけど、自分の演技をひとつひとつ注意しながら、チャレンジする気持ちでやっていました。
――リボンとフープの演技を振り返っていかがですか
気持ちが少しガタついたところがあって、焦りもあったので、あしたは気持ちを落ち着かせてひとつひとつ丁寧に演技したいと思います。
※6月12日終了時
河崎羽珠愛(スポ1=千葉・植草学園大付)
――「落ち着いて、丁寧に演技したい」とおっしゃっていましたが、きょうの演技はいかがでしたか
きのうよりも気持ちは落ち着いていたし、伸び伸びと楽しんで踊れたのがよかったです。
――ボールとクラブ、それぞれの演技を振り返っていかがですか
ボールはゆっくりめのきれいな曲調で、(これまでの種目とは違って)初めてのイメージだったんですけど、それを丁寧に演技できたのでよかったです。クラブはわたしの好きな演技でもありますし、強さとか表現力を生かせたと思います。少しミスは出てしまったんですけど、楽しくできました。
――得意な種目と、苦手な種目を教えてください
得意な種目はクラブで、苦手な種目はリボンです。
――2日間演技して、見つかった改善点や収穫はありましたか
久しぶりに国内の大きな試合に出させてもらって少し緊張してしまいました。どんな試合でも、どんな技でも決められるように、普段の練習からしっかりやっていきたいと思います。
――次戦の全日本クラブ選手権に向けた意気込みをお聞かせください
クラブ対抗と個人総合と両方あるので、優勝を目指しつつ、楽しんで踊れたらいいなと思います。