ついに歴史が塗り替えられた。例年、全日本団体選手権(全日本)決勝進出を目標に掲げるも、一度も達成できずにいた早大体操部。藤原昇平主将(スポ4=埼玉栄)率いるチームは悲願をかなえるべく、今季最終戦となるこの試合に臨んだ。一種目目のあん馬をミスなくクリアした早大は、良い流れのまま安定した実施を披露。予選を通過し、念願の目標を達成する。決勝でもその勢いは衰えることをしらず、順位をさらに上げ見事6位入賞を果たした。
第一種目のあん馬で良い流れを作った藤原昇
予選の一種目目は早大鬼門のあん馬。落下のミスに泣き、ここ数年早大が最も苦しんできた種目だ。ケガ明けの復帰戦となった藤原昇がミスのない演技で先陣を切ると、続く竹中貴一(スポ2=福井・鯖江)、岸本邦秀(スポ3=兵庫・市尼崎)も次々と成功していく。最大の山場を乗り切った早大は、続くつり輪でも順調に演技を進めていった。
鉄棒で高得点を叩きだした松田
迎えた決勝。一種目目の跳馬では、予選で悔しい思いをした小倉が15.300点をたたき出し、本来の実力を発揮。続く種目でも早大は危なげない演技を披露していく。鉄棒で落下のミスが相次ぐものの、その他でおのおのが実力を発揮し、得点を積み重ねていった。全種目を終え、出場チームの最終成績が大型スクリーン上で発表される。そこに映ったのは『早大6位』という文字。その瞬間、選手たちは最高の笑顔を輝かせた。
決勝の最終演技者を務めた小倉
思えば苦難だらけの一年であった。複数人のケガに見舞われ、実力を出し切れなかったシーズン序盤。そこから個々の調子を上げ、インカレ前にはまれに見るほどの激しい団体メンバー争いも繰り広げられた。しかしインカレ開幕直前、藤原昇のケガによるまさかの棄権により、チーム状態が失速。目標とする団体3位には遠く及ばず5位にまで沈んだ。雪辱を胸に再出発をしたシーズン後半。最後に待っていたのはこの上なく喜ばしい結果であった。「成功することにも原因があると思うし、失敗することにももちろん原因があると思う。そういうことを考えながらまたチーム一丸となって頑張ってほしい」(藤原昇)。歴史的快挙を達成したことは、偶然ではなく必然だったのだろう。チーム藤原昇が歩んだ激動の1年が、最高のかたちでここに完結。
(記事 中村ちひろ、写真 大森葵、寺脇知佳)
集合写真
男子団体予選 | |||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 |
藤原 昇平(スポ4) | 14.450 | 13.700 | – | 14.550 | – | 14.250 | 56.950 |
松田 祐太(スポ4) | – | – | – | – | 14.250 | 14.800 | 29.050 |
小倉 佳祐(スポ4) | 14.450 | – | 14.650 | 13.600 | – | – | 42.700 |
浅野 佑樹(スポ3) | 14.700 | – | 14.150 | 14.650 | – | 14.500 | 58.000 |
岸本 邦秀(スポ3) | – | 14.050 | – | – | 14.550 | – | 28.600 |
竹中 貴一(スポ2) | – | 13.250 | 14.300 | – | 14.100 | – | 41.650 |
団体 | 43.600 | 41.000 | 43.100 | 42.800 | 42.900 | 43.550 | 256.950(3位) |
男子団体決勝 | |||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 |
藤原 昇平(スポ4) | 14.200 | 14.000 | – | 14.600 | – | 12.650 | 55.450 |
松田 祐太(スポ4) | – | – | – | – | 14.250 | 12.800 | 27.050 |
小倉 佳祐(スポ4) | 14.300 | – | 14.550 | 15.300 | – | – | 44.150 |
浅野 佑樹(スポ3) | 14.800 | – | – | 14.700 | 14.050 | 14.650 | 58.200 |
竹中 貴一(スポ2) | – | 13.650 | 14.350 | – | 14.500 | – | 42.500 |
高橋 一矢(スポ1) | – | 14.250 | 14.300 | – | – | – | 28.550 |
団体 | 43.300 | 41.900 | 43.200 | 44.600 | 42.800 | 40.100 | 255.900(6位) |
コメント
※11月28日終了時
松田祐太副将(スポ4=埼玉栄)
――念願の決勝進出を決めました。今のお気持ちを教えてください
うれしいですね。みんな思い切ってやって、やり切れたのではないかなと思います。やってきたことはできたと思います。
――久しぶりの団体戦出場となりましたね
そうですね。緊張しましたね。やはり6-3ー3ということもありますが、らいねんの全日本選手権の個人の枠が懸っていることや、自分自身最後の試合となるということ、あとはチームに入る入らないで部内で争ってきた中でチームに入ることができなかった子たちの思いなど、背負っているものが多すぎてプレッシャーはすごくありました。
――平行棒と鉄棒の2種目での出場となりましたがどのような準備をしてきましたか
練習自体はあん馬と平行棒と鉄棒の3種目をやっていました。その中でとにかく平行棒と鉄棒の質を高めようということで、自分が伸びた分直接チームの点数が上がるので、最後までやり切ろうと思って練習をしてきました。
――平行棒の演技を振り返ってみていかがですか
出来自体はあまりよくなかったのですが、なんとかこらえてしっかりチームのバトンをつなげることができたと思います。
――平行棒を大きなミスなく終えられたということは大きかったでしょうか
そうですね。絶対に失敗したくなかったですし、失敗したらダメだと思っていました。自分のこの日の初登場の種目でもあったので、絶対に通してやろうと思って臨みました。
――得意の鉄棒はいかがでしたか
他のチームと点数が僅差だったということもあって直前でコバチを抜いたのですが、そのことで自分自身気持ちがすごく楽になりました。それがよい結果につながったのではないかなと思います。
――ワセダに勢いをもたらすような演技でしたね
そうですね。自分は鉄棒の点数でチームに入ったようなものなので、鉄棒は本当にやってやろうと思って臨みました。
――ワセダ全体の雰囲気というのはいかがでしたか
バッチリではないですかね。よいチームだと思います。
――あすは松田選手自身としても最後の演技となると思います。どのような思いを持って決勝に臨みますか
もうやり切るしかないですね。びびってやって失敗しても後悔するだけなので、やってきたことをやるだけです。
小倉佳祐(スポ4=千葉・習志野)
――きょうはどのような意気込みで臨まれましたか
決勝へ行くということをみんなで目標にやっていました。その中でも私は、いつもプレッシャーがかかると少し失敗しがちだったので、いつも通り楽しくやろうと思っていたのですけど、ちょっとミスがあって…。
――会場練習での調子はいかがでしたか
会場練習はちょっと、ゆかの3コース目の前方二回半がずっと合わなくて、それ以外はまあまあよかったですね。
――つり輪は安定感がありましたが、ご自身ではどのように感じましたか
一応練習通りにできたかなっていう感じはあります。まあ、悪くないっていう出来です。
――跳馬ではミスがありました。自分が点を取らないとというプレッシャーがあったのでしょうか
それも、まあ多少ありますけど、アップがすごく良すぎて後ろに跳んで行っちゃったので、それを気にして少し高さを出して行きすぎてしまったのが失敗した原因かなと思います。
――最終種目のゆかが始まる前のチームの雰囲気はどのような感じでしたか
すごく盛り上がっていましたね。自分はすごく沈んでいましたけど。
――ご自身のゆかの演技を振り返っていかがでしたか
悪くもないし、良くもないです。まあ、良くはなかったですね。前方二回半がやっぱり合わせ切れず、そこをどう乗り切っていくかっていう感じだったので、通し切れて良かったかなと思います。
――あすの決勝に向けての意気込みを聞かせてください
昨年もちょうどミスをしてみんなに迷惑をかけて今回もそういう感じだったので、決勝ではしっかりリベンジしてみんなでいい演技で終われるように頑張りたいと思います。
浅野佑樹(スポ3=東京・明星)
――きょうの試合の率直な感想をお聞かせください
率直な感想は本当にうれしい気持ちでいっぱいです。
――それはどういった思いからですか
18個演技がある中で、17個成功させることができて。確かに小倉さんの失敗こそありましたがみんな精いっぱい自分の力を出そうとした結果が決勝進出に結びついたからです。
――きょうはどういった目標で臨みましたか
点数的には260点というのが本来の目標でしたが、練習を重ねていくなかで260点の難しさは感じていました。現実的には256、7点あたりが頑張れば取れる点数、目標だったのですが、それを今回達成できて良かったと思います。
――試技会等で点数を出す場面があったと思いますが、何点くらい出ていましたか
254点から6点という感じでした。
――その中で今回の試合はご自身にとってどういう試合になりましたか
僕自身全部の演技を見ることができたわけではないのですが、見ることができた演技に関してはみんなが演技をつなごうという気持ちがすごい伝わってきていて。僕は絶対に失敗しないぞという気持ちが強くて、それが達成できて良かったです。
――浅野選手はインカレ前にケガをして、思うような成績を残すことができていませんでしたが、そのなかで今回の試合に向けて
まずは身の丈を知ると言いますか、自分のできる精いっぱいのことをしなければいけないなと思いました。いまは決して以前ほどDスコアは高くないのですが、Eスコアを高めて自分の演技を見せようと心掛けました。
――今回4種目演技されてEスコアが高いという印象を受けました
もっと出したかったというのがあります。試合に来てみて、確かによく点数が出ているなという印象はありましたが、やはりまだまだ着地の取りこぼしであったり自分でもっときれいにできたなと思うところがあるので意識していきたいです。
――4種目で一番印象に残っている演技は
鉄棒の伸身トカチェフですね。コバチのあとに近付きすぎているので、体力使ってしまうなと思って少しずらしたら思い切り遠くなってしまって。あのときはもうなんとかという感じでした。そのあともずっと考えてしまっていました。
――最終種目ゆかでは最終演技者でした
いつもと同じことをしようということを意識していました。違うことをしてしまうと、今までの練習が無駄になってしまうのでリラックスした状態で臨みました。
――最後は一礼してからガッツポーズが出ました
自分の納得いく演技の一歩手前だったので申し訳なさの一礼と自分の通しはしっかり達成したぞという気持ちでした。
――あしたの意気込みは
あしたは平行棒をやることになって、つり輪が無くなって、やる種目が変わりました。なのでしっかりと調整して、まずはノーミス、そして着地の取りこぼしをなくしたいです。
――4年生との最後の試合になりますが
本当にきょうあすにつなげる試合ができて良かったです。あすの決勝に4年生を連れていくことができて満足してしまっている自分もいます。ですが、自分の演技をしっかりとして、4年生につなぎ、良かったなと思ってもらえる試合をしたいです。
岸本邦秀(スポ3=兵庫・市尼崎)
――きょうはどのような意気込みで臨みましたか
きょうはあん馬と平行棒の2種目だけの出場だったのですが、しっかり自分の役目を果たせました。1種目目のあん馬は失敗が多い種目なので、絶対に通し切るということを目標にしました。平行棒も一番手だったのですが、良い流れを作るということを意識してやりました。
――会場練習での調子はいかがでしたか
会場練習では、平行棒は良かったのですが、あん馬があまり良くなくて。でもきょう会場に入ってから疲れるぐらいに自分を追い込んでやってたので、気持ちが演技にも出たと思います。
――きょうの大会に向けてはどのような練習をしてきたのですか
今までは通しの日というのは決まっていて、その日にあん馬の通しの練習をしていたのですが、通しじゃない日も「絶対に通すんだ」という気持ちで毎日トレーニングをやっていました。
――早大鬼門のあん馬での最終演技者というプレッシャーがありましたか
ありましたね。あったんですけど、練習の時から順番は決まっていたので、最後になる準備もしっかりして、練習から自分を追い込んでいたので対応できました。
――平行棒では、とても丁寧な演技をしている印象を受けました。Eスコアもすごく良かったと思うのですが、ご自身で演技を振り返っていかがですか
自分はあまりDスコアが良くなくて、丁寧に演技してEスコアで残すという体操をしているので、それがしっかり達成できた結果だと思います。着地が少し動いてしまって、それだけが残念でした。
――あん馬と平行棒どちらもチーム内ではトップの点数でしたね
実際はそうなったのですが、いつもはそんなことないような気がします。でも結果的にはそうなったし、自分の仕事はしっかり果たせたかなと思います。
――決勝にはどのような意気込みで臨みたいですか
先ほどミーティングがあって、決勝では予選で出ていない高橋(一矢、スポ1=岐阜・中京)を出して自分が下げられてしまうので、もう自分ができることは応援しかないです。みんな自分の気持ちを乗せて演技をしてくれると思うので、その応援をしっかりしたいです。
竹中貴一(スポ2=福井・鯖江)
――出場された種目を振り返ってみていかがですか
自分的には50点ぐらいだと思います。危ないところも何か所かあったので。あすはそういったことがないようにしたいと思います。
――平行棒で危ない場面がありましたが
やばいと思ったんですけど、絶対に落ちるわけにはいかないと思ってやりました。
――会場練習のときの調子はいかがでしたか
いつもより良い感じにやれました。
――きょうはどのような気持ちで試合に臨まれましたか
予選は絶対に通過するという気持ちで臨みました。
――チームの雰囲気はいかがでしたか
良い感じだったと思います。
――あすの決勝への意気込みをお願いします
きょうより良い演技ができるようにしたいと思います。
※11月29日終了時
藤原昇平主将(スポ4=埼玉栄)
――悲願の目標である決勝進出を達成したときのお気持ちを教えてください
ことし一年間、僕的にはケガもあり、東インカレ(東日本学生選手権)までがことし出ている試合だったのですが、そういうつらいことも思い出しながらも全日本に向けて全員でまたまとまってやってきたので、その結果が予選通過、そしてきょうの団体6位につながったことは本当にうれしいことです。
――試合に入る前のチームの雰囲気は、主将としてどうご覧になっていましたか
きのうからそんなに力まずに一人一人やることをやって楽しんでやろうということを言っていたので、チームがまとまっていたかんじはしました。
――藤原選手ご自身はケガ明けの復帰戦となりました。緊張はしましたか
それが全くなかったです。久々だったので、緊張するかなと思ったのですが、自分のやることを果たすためには、まず自分の世界に入らなければいけないと思っていたので、それがちゃんとできたから緊張しなかったというのもあります。
――きのうの試合を振り返っていかがですか
あん馬から始まったのですが、ここを乗り切ればあとは続いてくれるかなというのを信じていました。最初危ない場面も何か所かあったのですが、あん馬に出る3人は「絶対に落ちないで最後の着地までやる」という話でやっていたので、粘り強い体操ができたのではないかなと思います。
――その演技内容を振り返って
危ない場面もあったのでそんなに良くはなかったのですが、耐える試合ができたのではないかなと思います。
――藤原選手ご自身は全ての種目で安定した演技をしている印象がありました
復帰後の初戦ということもあり、4種目に出場したのですが、自分の果たす役割はしっかりできたかなと思っています。
――跳馬で小倉選手のまさかのミスがありました。その時のチームの雰囲気はいかがでしたか
僕はそうでもなかったのですが、本人がちょっと落ち込んでいるかんじはありました。でももう終わったことは仕方がない、と。次に気持ちを切り替えてと言っていたので、多分切り替えられたのだと思います。
――試合中、何度も笑顔が見られました。楽しむことはできましたか
きのうは本当にチームがまとまっていて。ミスが出ている練習が結構多かったのですが、きのうは1ミスだけでつなげられたので楽しんでできました。
――決勝では何を目標に試合に臨みましたか
僕としては予選通過で8位入賞が目標だったので、1つの目標は達成できたのですが、きょうはコーチ陣も言っていたように一つでも順位を上げられるようにということで。僕的には順位は気にせず楽しんでやれればいいかなと考えていました。
――全体では6位、大学内では3位という結果になりました
僕がインカレに出れなかったというのもあり、インカレの結果も良くなくて全日本でリベンジができたのではと思います。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
大学最後の試合が2日間できたことが本当に幸せだなと感じました。
――主将として臨んだ1年間を全体的に振り返ってみていかがですか
ケガでほとんどの試合を部員のみんなに託していたかんじだったので、主将としての役割を果たせたかというと少し考えるところがあります。でも僕が出てこうやって試合で結果を残せたということは本当にいい方向にみんなが着いてきてくれたのかなと思っています。
――今シーズンを戦い終わったチームに主将としてどのような言葉を掛けてあげたいですか
こうやっていいときもあればインカレのように上手くいかないときもあるけれど、そのつらいとか悔しいとかいう思いを絶対に忘れないでほしいです。成功することにも原因があると思うし、失敗することにももちろん原因があると思うので、そういうことを考えながらまたチーム一丸となって頑張ってほしいなと思います。
――大学4年間の競技生活を終え、今どんな気持ちですか
結構波乱万丈でしたね。個人的な結果では、2年3年とインカレやNHK杯に出場できたので良かったのですが、団体としてはきょねんの全日本もそうですけどあまりいい結果が残せていなかったので、最後こうやって締めくくれたことは本当にうれしいです。
――一緒に引退を迎える4年生に一言お願いします
4年間大学で体操をやってきて、4年生全員がそろってチームで体操をやることはあまりなかったのですが、ことしの東インカレと今回の全日本は4年生がまとまって団体に入って戦えたことは本当にうれしく思います。またいつもマネージャーとしてサポートしてくれた相原(優稀、スポ4=群馬・中央中教校)にはすごく感謝しています。今後それぞれ違う道に進むと思うのですが、この喜びを忘れず大学で学んだことをこれから生かしてもらえたらいいなと思います。
松田裕太副将(スポ4=埼玉栄)
――きょうはどのような意気込みで試合に臨みましたか
きのうの予選を通過することが第一の目標で、それを達成できたというのもあり、自分自身最後の試合ということもあって、自分たちのやってきたことを出し切ろうという気持ちで臨みました。
――きのうの疲労は残っていましたか
疲労はありましたね。手を上げて演技に入ることを忘れました。集中というか、ちょっと緊張もしていました。
――普段から試合のときは緊張されるのですか
緊張はしているとは思うのですが、きのうの試合が一番緊張しました、本当に。
――きょうの演技を振り返って
僕は鉄棒で点数を取らないといけないのに失敗してしまったんですけど、6位になれたので、チームのみんなに救われたなと思います。
――平行棒の演技を振り返って
途中で技を変更して予選よりDスコアが下がったんですけど内容は良く、結果的にも同じ点を出すことができたので結果オーライかなっていうかんじです。
――鉄棒では惜しくも落下がありましたが、原因は
気合いを入れすぎました(笑)。
――落下後は気持ちを切り替えることができましたか
本当はコバチを構成に入れる予定だったんですけど、団体戦ということを考えたら入れられなくて。降りも止めてやるというつもりで臨んだのですが、力が入りすぎました。
――決勝の舞台で6位に輝きました
もう最高です。本当に良かったです。
――ワセダで4年間体操をやってきて、今思うことは
つらいことのほうが多かったですね。なかなか結果が出せなかったんです。でも最後の最後にチームの一員として試合することができて、それで念願の予選通過がかなって。決勝では6位入賞できて、最高の結果で競技人生を締めくくることができました。きのう、きょうの試合が一番楽しかったです。みんなに感謝しています。
――今までなかなか団体メンバーに入れず悔しい思いもされたと思います。今大会は自力でメンバー入りを果たしましたね
4年目で初めて見えてくるものがあるんですよね。あと、追い込まれないとできない部分があって。自分で分かっているんですけど、やっぱり追い込まれないとできなくて。最後の最後に、自分が体操できる残りの時間をちゃんと理解して頑張ることができたので、結果がついてきたんだと思います。
――早慶戦の際、「予選通過して全日本個人総合の出場権利を後輩にあげたい」とおっしゃっていましたが、見事権利をつかみ取ることができました
きょねんも全日本で予選通過を目標としていたのですが通過できず、個人総合の1枠が取れなかったんです。もし通過できていたら僕も個人総合に挑戦できたのですが惜しくも権利を得ることはできなくて。そのとき僕は団体メンバーじゃなかったんですけどすごく悔しかったんです。なのでことしは早大の個人総合の枠を自分が取ろうと思って臨みました。きょねん、悔しい思いをしたからこのような結果につながったんだと思います。
――大変なプレッシャーがあったと思います
きのうのプレッシャーは、今考えてもすごかったなと思います。それに比べたら、きょうはプレッシャーというのはあまり感じなくて、自分自身の力を出し切るだけだと思ってたら、力入りすぎちゃいました(笑)。きのうより力が出ていたんですよね。自分のためというより、チームのためって考えたときのほうが上手くいきます。
――副将という立場から見て、早大体操部はどのようなチームでしたか
インカレで結果が残せなくて、自分がやってきたことは間違っていたのかな、もうちょっと違うチームの作り方があったのかなって感じたのですが、結果的に全日本でこのような成績が出せたので良いチームが作れたと思います。
――早大体操部の皆さんにメッセージをお願いします
自分たちは今回の試合で「やればできる」ということが証明されたので、自信を持ってこれからの練習や試合にしっかり取り組んで、らいねんのインカレや全日本ではベストを尽くして、後悔のないように頑張ってください!
小倉佳祐(スポ4=千葉・習志野)
――6位という結果について
5種目目が終わった時点では得点や順位は見れていなくて、ゆかの演技が終わった時点で最下位だったので結果にこだわらず、決勝進出がまずの目標だったので6位は本当に満足しています。
――最終種目の時点では得点は意識していなかったのですか
そうですね。最後の種目なので、みんなで楽しくやろうと思ってやっていました。思い切ってやって、点数や順位にこだわらないで自分の演技をやろうと話をしていました。
――では、6位という結果はいつ知りましたか
オーロラビジョンに出たときに初めて見ました。「えっ6位!?」という感じでしたね(笑)。
――決勝の演技を振り返って
予選で失敗があって、みんなに迷惑をかけてしまって。決勝でいつも通りの演技ができたんですけど、ゆかではちょっと危ないところはあったのですが粘り切れて良かったです。
――予選ではまさかの失敗もありましたが、そこから切り替えはどのように図りましたか
決勝に残ったので、切り替えて岸本(邦秀、スポ3=兵庫・市尼崎)が入れ替わりで出れなくなったし、そういった人の分までしっかりとしないといけないなという気持ちで試合に臨みました。
――そして、決勝1種目目は前日失敗した跳馬でした
割と緊張していましたね(笑)。きのうはアップが良すぎて合わせ切れなかったので、きょうはアップの時点で着地を狙いにいくくらいでやっていました。それが成功につながったと思います。
――跳馬を無事に着地できてどういう思いですか
率直に、安心しました。
――ゆかは大きな失敗はなかったという印象なのですが
やはり前方二回半が危なかったりして、4節目でもあたふたしてしまっていたのでまずいなと思っていました。なんとか乗り切れたという印象でした。
――先ほども話にありましたが順位が伸び悩んでいましたが
そんなに最初から順位は気にしていませんでした。
――鉄棒では2人の失敗がありました
この大会で4年生しか失敗していないので、申し訳ないなという思いはあります。ただ、何よりも楽しんでやろうという気持ちで臨んでいたのでその点に関しては良かったです。
――鉄棒が終わってチームの雰囲気は沈んでいたりしましたか
そんなこともなく、そこまで沈んでいませんでした。
――鬼門のあん馬では予選同様3人とも落下はありませんでした
結構危ない場面はあったと思いますが、なんとか通し切ってくれて。つり輪はミスが比較的少ない競技なのであん馬で流れに乗ることができました。
――つり輪では最終演技者でした。緊張は
少し緊張はしていましたが、失敗するとしたら降りの着地だけなので着地を止めに行くではありませんが、まずは立つことだけを考えていました。
――エンジのユニフォームを着て最後の演技ということで、特別な思いは
あまり気にしていませんでしたね(笑)。みんなでサポーターと選手、補欠の二人が納得いく演技ができれば良いかなと思っていました。
――チームの演技を振り返って
インカレでは思わぬアクシデントがあって、みんなに余裕がないなということはあったのですが、今回の試合は一番良いメンバーで試合に臨むことができて。それぞれが自分の仕事をしっかりとこなせるように意識して練習していたことで、予選で自分以外失敗しなかったことに結び付いていると思います。
――大学内では3位という結果になり、長年の目標が達成できました
結果的にはそういうことになるのですが、実際にはインカレで3位になってこそ本当の3位だと思うので、後輩にはこの調子のまま努力を続けていってもらって、インカレ団体3位という目標をらいねんこそ達成してもらいたいです。
――きのうは「ワセダで本当に良かった」という話をされていましたが、改めてきょうの試合を終えていかがですか
楽しかったです。きのうは失敗があって少し沈んでいた部分もあったのですが、きょうも何人か失敗こそありましたが沈まず楽しくできたので、みんなで納得できた本当に良い試合だったと思います。
――ワセダで過ごした4年間はいかがでしたか
1年生のときは何も分からない状態で貢献できるような選手でもなかったのですが、団体に入ってから大学の雰囲気を知って。その中で、自分たちの年が上がることで雰囲気が明るくなってきて。良い意味で伝統が変わって来ていると思います。
――その明るさが成績につながっていますか
そうですね、空気が暗くならないようにみんなで声を出し合うことで良くなってきていると思います。
――後輩へのメッセージをお願いします
インカレ3位をずっとみんなで狙ってきて今回も取れなかったのですけど、まずは自分たちの納得のいく演技をしっかりと練習からやっていってほしいなと思います。