関学大に圧勝で全日本に向け発進!

体操

 ホームである早大第二体育館で早関対抗定期戦が行われた。試合は団体戦形式で行われ、関学大から5人、早大から6人の選手が出場。1種目につきそれぞれ5人の選手が演技をし、上位4人の得点を合計した点数で競い合った。結果は343.90点対281.80点と早大が圧勝。また6種目全てを行った藤原昇平(スポ2=埼玉栄)が個人総合で1位となった。両校の選手は互いに声をかけ合ったり拍手をしたりと、試合中に交流を深める場面も見られた。

あん馬で高得点の嶋津

 1種目目のゆかでは第1演技者の小倉佳祐(スポ2=千葉・習志野)が大きなミスなくまとめいい流れをつくると、第3演技者の浅野佑樹(スポ1=東京・明星)が思い切った演技で14.750点を獲得し、チームは好スタートを切った。全日本学生選手権(インカレ)で課題を残した鬼門のあん馬では、この種目を得意とする嶋津尚弥(スポ3=和歌山・田辺工業)が落下をこらえて15.050点というハイスコアをたたき出し、自分の役割を果たす。続くつり輪では嶋津、藤原が難度の高い技をピタリと静止させ、着地も決める美しい演技を披露した。

 4種目目の跳馬では、藤原、浅野、小倉の3人が15点台という素晴らしい結果に。全日本チャンピオンである小倉は大技ロペスを決め、圧巻の跳躍を見せつけた。「前の4人がいい演技をしていたのでプレッシャーを感じたが、いつも通りいい演技ができてよかった」(小倉)と本人も納得の出来だった。しかし、次の平行棒では全員着地がやや乱れ得点を伸ばすことができず。迎えた最終種目の鉄棒では、浅野、藤原が続いて落下するもインカレで鉄棒7位入賞を果たした綿﨑主将(スポ4=京都・洛南)が14.800点の高得点を出す完璧な演技で悪い流れを断ち切った。最終演技者の佐藤紘翔(スポ3=岡山・関西)も減点はあったもののしっかりと着地を決め、いい形で試合を締めくくった。

鉄棒で実力を発揮した綿﨑

 綿﨑主将が「全日本選手権(全日本)に向けての演技確認としてみんな臨んだ」と話すこの試合。チームの課題であるあん馬や平行棒の着地などでミスも見られた。それぞれの課題を克服するために残された時間を有意義に使い、来月11月に行われる全日本に万全の状態で臨みたい。

(記事 谷田部友香、写真 深谷早紀)

結果

男子団体総合
選手名 ゆか あん馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒 合計点 順位
綿﨑啓太(スポ4) 14.250 12.650 13.150 14.350 13.950 14.800 83.150 2位
佐藤紘翔(スポ3) 14.650 13.850 14.950 13.900 14.250 71.600
嶋津尚弥(スポ3) 15.050 14.550 14.100 13.750 57.450
小倉佳祐(スポ2) 14.200 13.750 13.700 15.450 57.100
藤原昇平(スポ2) 13.100 14.350 13.500 15.050 13.500 13.600 84.100 1位
浅野佑樹(スポ1) 14.750 13.650 15.000 13.850 12.900 70.150
チーム得点 57.850 57.000 56.400 60.450 55.800 56.400 343.900 優勝
コメント

綿﨑啓太主将(スポ4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返って

きょうは全日本選手権(全日本)に向けての演技確認という感じでみんな臨んだと思うんですけど、やっぱり良くないところが浮き彫りとなってこれからの課題がしっかり見えた試合だったと思います。

――特に課題と感じた部分はどこですか

技の構成自体は全日本学生選手権(インカレ)とそんなに大差はないんですけど、詰めの甘さというか、細かいところで少し気を抜いたミスがあったんじゃないかと思います。

――鉄棒は悪い流れを断ち切る素晴らしい演技となりました

鉄棒は全日本学生選手権(インカレ)で入賞したのもあって自信がついてきて、堂々と演技できるようになったかなと思います。

――きょうの試合では関学大の選手と声を掛け合う場面も多くみられました。

今大会の意義はどんなところにあると思いますか

試合の目的は違っても同じ体操っていうフィールドで頑張っているので、そういう意味では仲間意識を持ってできたんじゃないかなと思います。

――全日本に向けてチームの仕上がりはいかがですか

まだちょっと足りないですね。次早慶(対抗定期戦)が2週間後にあったり、新人戦もあったりするので、それで日頃の練習もそうですけど、全日本意識した試合ができたらいいんじゃないかなと思います。

佐藤紘翔(スポ3=岡山・関西)

――きょうの試合を振り返って

あん馬で落下してしまったことと、平行棒の流れが悪かったことと、鉄棒で予定していた演技構成が実施できなかったところが良くなかったかな、と思います。

――あん馬の落下についてはどのように捉えていますか

自分が落下する可能性のあるところが終わったあとの、落下すると思っていないところだったので、少し気の緩みがあったと思います。

――先日行われた国民体育大会(国体)での疲れなどが要因ですか

気持ち的にはそんなに気にすることなくできていたが、体は正直で、少し体が重たいな、という印象がありました。

――国体での演技を振り返って

鉄棒だけ予定していた実施を行えませんでした。国体は4人での演技だったのですごく早いペースの試合展開だったのですが、自分のペースで落ち着いて試合に挑むことができて自分としては良かったです。

――きょうの反省点、改善点は

あん馬はとにかく最後まで着地するまで気を抜かずに演技することと、平行棒と鉄棒はまだまだ実施の部分で悪い部分があるのでもっと安定して毎回同じ演技ができるようにしていきたいです。

――全日本に向けての抱負をお願いします

予選8位以内に入れば決勝に進めるので、8位以内に入って決勝進出目指して、チーム一丸となって声をかけあって頑張っていきたいと思います。

嶋津尚弥(スポ3=和歌山・田辺工)

――きょうの試合を振り返って

演技内容はインカレの時と鉄棒以外変わらないので3種目に関してはいつも通り演技できたのですが、鉄棒だけ1つ増やして挑戦したので。タイミングが合わなくて失敗してしまったので今後失敗しないように調整していきたいと思います。

――具体的には

アドラー1回ひねりです。

――あん馬では高得点を出しました

いつも通りの演技が出来たと思っているのですが、すりとか足割れの減点をなくしてもっと得点を伸ばせるようにしていきたいです。

――次の戦いは全日本ですが、どのように戦っていくつもりですか

4種目でるので、きょうの得点よりも全種目点数をあげられるようにしたいと思っています。

――意気込みをお願いします

4種目しか出ないのですが、チームの中で全種目1番点数を出せるようにして、チームを引っ張っていきたいと思います。

小倉佳祐(スポ2=千葉・習志野)

――きょうの演技を振り返っていかがでしたか

インカレが結構ぼろぼろでしたが、その点は修正できて、少し演技構成を変えた部分もあって、それが大きなミスなくできたことがよかったです。

――あん馬の演技構成を変えられましたか

そうです。つり輪の構成も変えましたが、あまり点数がでなかったですが自分の中では納得した演技だったので良かったです。

――跳馬では素晴らしい得点を出されましたが、ご自分ではいかがでしたか

最近練習では立てなかったのであまり自信はありませんでしたが、自分の中で本番に強いことはわかっていたので、前の4人がいい感じで演技をしていてプレッシャーを感じましたが、いつも通りいい演技ができてよかったと思っています。

――インカレでの反省は生かされましたか

きょうに関してはよかったですが、日々の練習ではまだあまり修正できておらず、失敗することもありますが、今回に関してはよかったです。

――今後の課題を教えてください

最近通ってきているのはいいのですが、Eスコアが出ないので完成度をあげていきたいです。

藤原昇平(スポ2=埼玉栄)

――きょう一日を振り返って

おととい国体に出ていて疲れも多少残っていて、体調もそんなに良くなかったので、最初のミスが出てしまいました。それで流れが悪くなってしまいました。

――体調が万全でない中で全種目に出場されましたが、良かった点はありますか

前半種目は自分の納得のいく演技はできなかったのですが、後半からちょっとずつ元気が出てきて、たぶん跳馬は良かったと思います。

――どんなところが良かったのですか

余裕を持って着地できたました。それなりに点数も出たと思います。

――U21日本代表に選ばれましたが、今後どのような練習をしていきたいですか

代表になったからには国際大会もこれからあると思うので、恥のないような演技ができるようにしていきたいと思います。

浅野佑樹(スポ1=東京・明星)

――本日の試合を振り返って

全体的に調子が良く、得意の種目もきっちりまとめられました。ただ、鉄棒の落下が悔しいです。

――対抗戦として、どのようなモチベーションで臨みましたか

きのうまで国体があって、疲れがありましたが、自分の持っている力を全力で出し切ろうと思っていました。

――本調子ではなかったのですか

いえ、アップの時に体が動いていたので、そこまで悪くはなかったです。

――ゆかの演技はいかがでしたか

思った以上の演技が出来て、自分でもテンションが上がりました。これをいつも通りと思えるようにしたいです。

――鉄棒では落下がありました

普段は失敗しないところでした。もう一度調整し直したいです。

――今大会で得たものは

最後まで通し切る続行力と粘り強さを学びました。

――関東学生新人・交流選手権に向けて

着地をしっかりと決められる選手になりたいので、まずは着地をしっかり決め、技も増やしていきたいです。

――国体の感想をお願いします

チーム力があり、頼もしいメンバーがそろっていたので、自分も思い切り演技できました。