11月2日、第67回全日本団体選手権予選が行われた。10月に行われた世界選手権で活躍した選手も出場する、レベルの高い今大会。午前中から試合が始まる1班と、午後から始まる2班に分かれて行われ、翌日の決勝に残るためには全12チーム中8位以内に入らなければならない。早大は得意の跳馬で点数を伸ばしたもののあん馬でのミスが響き結果は9位。8位との差2.5点で涙をのんだ。
1種目目のつり輪。トップバッターはこの大会で引退となる綿崎啓太主将(スポ4=京都・洛南)。得点こそ伸び悩んだが美しい倒立を決めて流れを作る。「つり輪は自分の中の見せ場」と語る藤原昇平(スポ2=埼玉栄)も自身が納得のいく演技を披露。下り技の難度を上げた嶋津尚弥(スポ3=和歌山・田辺工)が着地で手をついてしまったものの全員まずまずの滑り出しで、2種目目の跳馬に移る。跳馬では夏の全日本学生選手権(インカレ)で学生王者に輝いた小倉佳祐(スポ2=千葉・習志野)が登場。15.250点をたたき出し会場の視線を集めた。また、浅野佑樹(スポ1=東京・明星)もドリッグスを成功させ高得点を取り、早大はこの時点で日体大に次ぐ3位につける健闘を見せた。4種目目の鉄棒では、離れ技で距離を取りすぎた綿崎主将が落下してしまったが、他の4人は大きなミスなく演技を終える。ゆかでは佐藤紘翔(スポ3=岡山・関西)が高い跳躍とのびやかな演技を見せチーム最高得点をマーク。翌日の決勝進出へ希望をつないだ。
跳馬で得点を稼いだ浅野
ここまでプレッシャーに負けずに1種目ずつこなし、着実に点数を積み重ねたワセダ。最終種目はインカレで連続してミスが出たあん馬だ。ことし1年、跳馬以外の種目を強化してきた小倉がガッツポーズを見せるほどの演技を披露し次にバトンをつなぐ。しかし3人目の演技者の佐藤が足を引っ掛けバランスを崩し、あん馬から下りてしまう。「気持ちが焦っていつものリズムで演技することができなかった」(佐藤)。この後きれいな倒立を見せた藤原、最終演技者の嶋津も落下して演技が途切れる結果に。悪い流れを断ち切ることができなかったワセダ。9月に行われたインカレ同様最後の最後でミスを連発してしまった。
惜しくも落下した佐藤。今季はあん馬に苦しみ続けた
またしても最終種目のあん馬に課題の残る結果となった。「下の学年はまだ次があるので、自分は何ができなかったのか、どこに弱さが出たかよく考えて、この大会を糧にして学んでほしい」(綿崎主将)。この試合で15年間にわたる体操生活に幕を下ろした綿崎主将の言葉は後輩たちに強く響くに違いない。体操部はこれから試合のない期間に入る。そこでどれだけ各自の演技に磨きをかけ修正できるかが来季のチームのカギとなるだろう。 来季こそは悲願のインカレ3位以内へ――早大体操部の挑戦は続いていく。
(記事 森田夕貴、写真 久保田有紀)
男子団体総合 | ||||||||
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選手名 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 | 合計点 | 順位 |
綿崎 啓太(スポ4) | 14.350 | 13.200 | 13.400 | 14.800 | 14.700 | 12.800 | 82.450 | – |
佐藤 紘翔(スポ3) | 14.750 | 12.500 | – | 10.500 | 14.450 | 14.150 | 66.350 | – |
嶋津 尚弥(スポ3) | – | 12.200 | 13.550 | – | 13.350 | 13.400 | 52.500 | – |
小倉 佳祐(スポ2) | 13.850 | 13.700 | 12.900 | 15.250 | – | – | 55.700 | – |
藤原 昇平(スポ2) | 14.200 | 13.250 | 14.150 | 14.650 | 14.050 | 14.450 | 84.750 | – |
浅野 佑樹(スポ1) | 14.700 | – | 13.600 | 14.700 | 13.350 | 14.300 | 70.650 | – |
チーム得点 | 58.000 | 52.650 | 54.700 | 58.600 | 56.550 | 56.300 | 336.800 | 9位 |
コメント
綿崎啓太主将(スポ4=京都・洛南)
内容は、良くはなかったです。ミスも出ましたし。決めなきゃいけないところで決められなかった部分が多々あって。僕も含めてなんですけど。そういうところは弱さなので、僕は終わりですけど下の学年はまだ次があるので、今回の試合で自分は何ができなかったのか、どこに弱さが出たかよく考えて、この大会を糧にしてほしいですね。この大会から学んでほしいです。
――あん馬ではチーム最高得点を出しました