全国から精鋭が集う朝日杯(朝日杯争奪日本女子学生選手権)。昨年は早大からは出場者を出すことができなかったこの大会だが、今年は関東地区予選を1位タイで通過した深谷琴乃(教2=東京・早実)が初の出場を果たした。初日で1位と5打差の2位タイにつけるも、2日目に失速し最終結果は6位。優勝を目標に掲げていただけに悔しさは残るものの、この1年の成長を確実に感じさせる大会となった。
出場選手は全部で51名。そのうち上位30名が2日目の最終ラウンドに進出し、最終順位の上位15名が11月の文部科学大臣杯(文部科学大臣杯争奪日本女子学生王座決定戦)への出場権を獲得できる。深谷は文部科学大臣杯出場権に加えて来年度のこの大会のシード権を得られる上位10位以内を最低条件に、優勝を狙っていた。初日はドライバーの調子が良く、ほぼフェアウェイにボールをキープし順調にスコアを伸ばす。初日を終えて暫定1位は昨年度今大会の覇者・木村円(日体大)。夏の日本女子学生選手権で2位という好成績を残している日大1年の星川ひなのと共に、深谷は5打差の2位につけた。
調子の安定しているパット
2日目はこれら3人に単独4位の森はな(日大)を加えた4名の最終組というレベルの高いラウンドとなった。2位以下は1打差に多くの選手がひしめき合う激戦。少しのミスで順位が大幅に変わる可能性を秘めた厳しい戦いだったが、初日の武器であったティーショットが振るわない。「ドライバーがいいときはいいんですけど悪くなるとかなりスコアを崩す原因となっている」(深谷)。前半はなんとかイーブンで回り切ったものの、最終ホールでスリーパットを叩く痛恨のミスが響き6位に順位を落として今大会を終えた。
『もろ刃のつるぎ』となってしまったドライバー
深谷が入学した昨年、女子ゴルフ部は4年ぶりにBブロックへ降格した。選手層の厚かった数年前に比べると大学から競技を始めた初心者スタートの部員に頼る面も大きく、早大は厳しい戦いを強いられてきたと言える。そういった状況の中で小学5年生からの長い競技歴を持つ深谷のような選手の活躍が、早大のAブロック復帰には必須と言わざるを得ない状況だ。次回のリーグ戦は、来年5月の関東女子大学春季Bブロック対抗戦。まずは直近の課題であるティーショットの安定性を高め、春には3年生として後輩たちを引っ張る姿が見られることに期待したい。
(記事、写真 石塚ひなの)
結果
▽個人成績
選手名 | 学部・学年 | 総合成績 | 総合順位 |
深谷琴乃 | 教2 | 144 | 6位 |
コメント
深谷琴乃(教2=東京・早実)
――初めての出場となりましたが、どういった目標をもって臨まれましたか
個人的な目標としては優勝を目指していて、(来年の)シードと文部科学大臣杯(文部科学大臣杯争奪日本女子学生王座決定戦)の出場権もついてくるということだったので、最低シード圏内には入ることを目標にやっていました。
――10月2日の今大会の予選会を1位タイで通過されていましたが、調子はよかったのですか
予選会は距離が短かったので、最近ドライバーの飛距離が出るようになったのでセカンドが短い距離で残って、その時はパターがかなり入っていたのでそれが影響していたと思います。
――初日を終えて1位と5打差の2位タイという結果でしたが、1日目のプレーを振り返っていかがでしたか
1日目はバーディーは5個取れて、ボギーが3つという感じでもう少しスコアは伸ばせたのではないかなというのが感想です。
――2日目はスコアが伸び悩んでいましたがどういった点が原因として挙げられますか
ドライバーの調子が悪くなってしまって、きのうはほとんどフェアウェイキープをしていたんですけどきょうはちょっと特に後半はぶれるところが多くて、それがきのうとの大きな違いかなと思います。
――印象的なホールはありますか
失敗したという意味ではスリーパットをしてしまったきょうの最終ホールです。良かったのはその1つ前の8番です。まず1打目が右のバンカーに入ってしまって、セカンドがまたグリーン手前のバンカーに入ってしまったんですけど、そこから2メートルくらいに寄せてパーで終われたのが印象に残っています。
――順位についてはどう受け止めていますか
きょうもきのうと同じくらいで回ってスコアを伸ばしたかったというのが正直なところです。満足はしていないですけど、シード圏内に入れたのは良かったかなと思います。
――今大会で良かった点と課題を挙げるとすれば
矛盾するかもしれませんが、ドライバーがいいときはいいんですけど悪くなるとかなりスコアを崩す原因となっているのかなと思うので、リーグ戦(関東女子大学秋季Bブロック対抗戦)のときはパターの調子があまりよくなくてスコアを伸ばせなかったんですけど、最近は結構パターの調子が上がってきたので、今度はティーショットの精度を直したいかなと思います。
――今後の目標があれば教えてください
個人的には文部科学大臣杯を頑張るのと、やはり次の春のリーグ戦(関東女子大学春季Bブロック対抗戦)に向けて冬を有意義に過ごしたいと思います。