女子部は6連覇に歓喜、一方男子部は2打差に泣く

ゴルフ

 またしても残念ながらアベック優勝を逃した。男子部はたったの2打差で昨年に続く連敗となってしまった。しかし女子部は6連覇と、伝統の早慶戦で先輩たちからのバトンをしっかりとつなぐことができた。昨年のレギュラーの多くが卒業してしまい、メンバーが大幅に変わった中でも優勝できたことは非常に意味のあることだろう。

 男子部で今大会をスコアでリードしたのは宇都敬汰(スポ4=宮崎日大)。前半を36打でまわると、後半は35打とさらにスコアを伸ばす。自身のプレーに関して宇都は「大学に入ってからベストなプレーだったのではないかと感じています」と振り返った。しかしながらもチームとして勝ちきれなかったことに悔いが残っており、「もっと良いプレーがしたかった」と語った。また、長谷川和市主将(スポ4=兵庫・滝川二)はトータルスコア75で上がったが、出だし前半途中での思いがけないミスショットにより、耐えしのぐゴルフに苦しめられた。しかし今回の早慶戦ではメンバーの半分が下級生と、まだまだチームとしてこれからの成長に期待ができると言えよう。来年こそは喜ぶ姿が見たいものだ。

雨の中9番ホールでの宇都のパター

 一方、女子部は圧巻の6連覇を達成した。選手の口からは喜ぶ声が聞こえてきた。この日トータルスコア77と、不調の中でも主将としての意地をみせた深澤みなみ主将(人4=東京・小金井北)は、「先輩方の伝統をつなげたことが素直にうれしい」と語った。雨の中、長く感じるコースでもウッドの精度がよかったと振り返る。また、深澤も川下有咲(政経3=兵庫・カナディアンアカデミー)も口をそろえて話したのが、仲間の支えだ。応援への感謝や、チームとしてのまとまりが勝利を導いたと語った。連覇という重圧の中、出場した選手だけではなく、みんなで戦うという意識が功を奏したのかもしれない。

深澤の後半最初のティーショット

 対戦した慶大は、リーグ戦のブロックからいうと男女ともに格下ではある。それでもなかなかに手ごわく、男子は悔しい結果に終わってしまった。この悔しさをばねに、秋季リーグ戦に向けて進化してほしいものだ。一方、歓喜に沸いた女子部もまだまだ満足はしていない。個人個人のさらなるレベルアップが望め、選手らも秋に向けこの早慶戦での経験を活かしたいと話す。秋リーグでの男女ともの活躍に期待したい。

(記事 越智万里子、写真 石塚ひなの)

結果

▽総合順位(男子)

順位 大学名 総合成績
優勝 慶応義塾大学 530
2位 早稲田大学 532

▽個人成績(男子)

選手名 学部・学年 総合成績 総合スコア
長谷川和市 スポ4 75 +3
宇都敬汰 スポ4 71 -1
加藤政和 商3 79 +7
山本雄太 教3 76 +4
押田凌大郎 スポ2 77 +5
永田耕平 教2 76 +4
二村健人 社2 78 +6
木本航輔 スポ1 79 +7
※1ラウンド・パー72打、ハーフ・パー36打

▽総合順位(女子)

順位 大学名 総合成績
優勝 早稲田大学 312
2位 慶応義塾大学 337

▽個人成績(女子)

選手名 学部・学年 総合成績 総合スコア
深澤みなみ 人4 77 +5
川下有咲 政経3 95 +23
川口さらら 政経3 84 +12
清水日奈 スポ2 73 +1
深谷琴乃 教1 78 +6
※1ラウンド・パー72打、ハーフ・パー36打
コメント

長谷川和市主将(スポ4=兵庫・滝川二)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは雨が降る悪天候だったのですが、合宿でも土砂降りの中でプレーした経験もあったので気持ちを切らさずにプレーすることができたと思います。ワセダは悪天候の中でも良い結果を今までも残してきましたので、ワセダらしいゴルフができれば勝てると思っていましたが、結果は敗北ということで率直に悔しい気持ちでいっぱいです。

――早慶戦にはどのような意気込みで臨まれましたか

1年生から4年生までの全ての早慶戦に選手として出場させていただきましたが、年々負けられない一戦である重要性を重く感じてきました。慶大は格下の相手でもありますので必ず勝たなければならない相手でもあり、4年間の集大成として全ての力を出し切る気持ちで挑みました。

――結果についてどう思われますか

率直に悔しいです。また、今まで伝統や勝ち星を築きあげていただいたOBの皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――ご自身のプレーについてはいかがでしたか

出だしの3ホールはリラックスしてプレーできたのですが、前半の途中で思いもしないミスショットが出てしまい、これ以上スコアを落とせない状況で耐えしのぐゴルフだったと思います。後半は昼休憩を挟むことができたので、気持ちを切り替えることができました。後半の方がスコアを伸ばしやすいセッティングだったので、前半打った分を取り返そうと気持ちを切り替えました。結果は1つ取り返すことができましたが、主将としてスコアで貢献することができなかったことが何よりも悔しいです。

――最後の早慶戦になりましたが

今回で4回目の出場ですが、先輩方から受け継いだ思いや伝統を繋ぐ大切な試合だと思います。後輩たちも今回の悔しい経験を糧に私たちの思いや伝統を積み重ねてもらいたいです。

――関東大学秋季Bブロック対抗戦(秋季リーグ戦)に向けて意気込みをお願いします

関東大学春季Aブロック対抗戦では降格し、今回も敗北という結果で、主将として不甲斐ない成績を残してしまっている以上、秋季リーグ戦では必ず勝たなければならないと感じています。残り1カ月を切っていますが、やれること全てをやり尽くして、万全の状態でリーグ戦を迎えられるよう精進していきます。

深澤みなみ女子主将(人4=東京・小金井北)

――6連覇おめでとうございます。率直な感想をお願いします

6連覇、先輩方の伝統をつなげたことが素直に嬉しいです。

――ラストとなった早慶戦、かける思いはありましたか

やはりチームに対する思いが強かったですね。同期が(自分)一人しかいないので、後輩のため、そして監督、コーチにも恩返しをしたいという思いで戦いました。

――個人のプレーに関しては

個人としては不調の中でもスコアをまとめられたと思います。スコアをまとめられたのもチームのみんなが支えてくれて頑張ってくれてというところを見ていたので、そのようなスコアが出せたのかなと思います。

――ショットやパターはどちらが良かったですか

ショットがきょうは良かったです。このコースはわたしにとっては長いコースで、さらに雨が降ったので距離がさらに長くなったのですが、その中でウッドの精度は良かったのかなと思います。

――次の関東大学秋季Aブロック対抗戦(秋季リーグ戦)に向けて一言お願いします

秋季リーグ戦は日大もAブロックに上がってきて、より春季リーグよりも厳しい戦いになると思います。その中でもワセダらしく死ぬ気でがんばって、Aブロック優勝を目指して行きたいと思います。

宇都敬汰(スポ4=宮崎日大)

――まずきょうの試合を振り返っていかがでしたか

悔しいの一言に尽きます。慶大の連覇を止めるために強い思いを持って臨んだ一戦でしたが、2打差で勝ち切ることができませんでした。2打差といっても負けは負けなので、非常に悔しい気持ちでいっぱいです。

――早慶戦にはどのような意気込みで臨まれましたか

最後の早慶戦ということもあり、勝ちにこだわり、何がなんでも勝つという意気込みでした。

――結果について率直にどう思われますか

関東大学春季Aブロック対抗戦の降格から、主将の長谷川をはじめ全員が危機感を持ち、スコアづくりという課題のもと準備をしてきました。成長した部分も見られましたが、勝つことができなかったということは、言い訳なしにまだまだ準備の質・量ともに劣っていたのだと思います。

――ご自身のプレーについてはいかがでしたか

個人的には、大学に入ってからベストなプレーだったのではないかと感じています。実力以上のスコアだったと思いますが、2打差で負けているので、もっと良いプレーをしたかったと考えています。

――最後の早慶戦になりましたが

最後の早慶戦ということで、勝って皆で笑って終わりたかったという気持ちはあります。早慶戦の負けは早慶戦でしか返せないので、来年の後輩たちにこの思いを託したいと思います。

――関東大学秋季Bブロック対抗戦(リーグ戦)に向けて意気込みをお願いします

必ず優勝し、Aブロックに昇格します。リーグ戦まで残りの時間は短いですが、もう一度全員で準備をし、勝ちたいと思います。

川下有咲(政経3=兵庫・カナディアンアカデミー)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

男子の方は私も一緒にやってきて大変悔しいんですけど、女子としてはワセダらしく、ラウンド中は必ず慶大の前を走ったりだとか、応援がキビキビと動いてくれたりだとかできたので、それが勝利につながったのではないかと思います。

――この早慶戦にはどのような意気込みで臨まれましたか

早慶戦はやっぱり絶対に負けてはいけない試合という意識があるので、もちろん慶大はCブロックで私たちはAブロックで戦ってはいますが、絶対に気を抜かないで全力で戦うという気持ちで来ました。

――6連覇を達成されましたが、意識はありましたか

はい、もちろんありました。6連覇というよりは、今まで5年にわたってOGの方々が優勝してくださったということで、それを絶対につなげていかないといけないなと思いました。

――ご自身のプレーについてはいかがでしたか

私はちょっときょう95回打ってしまったんですけど、私がスコアを出せなかった分みんなが出してくれたので良かったと思います。

――次の団体戦は関東女子大学秋季Aブロック対抗戦になると思いますが、それに向けて意気込みをお願いします

今回慶大には勝ちましたが、やっぱり一人一人悔しさというものがあったと思うので、それを秋に向けて生かすことができればと思います。