悲願のAブロック残留!全員ゴルフで全国の切符をつかむ

ゴルフ

 選手たちがもっとも待ち望んだ秋季対抗戦が幕を開けた。昨年度はこの大会で最下位に終わり、Bブロック降格という屈辱を味わった。今春すぐさまAブロックに復帰し、臨んだ今大会。結果は5位と決して良いものではなかったが、見事にAブロック残留を果たした。

 5月に行われた関東大学春季Bブロック対抗戦で優勝し、Aブロック昇格を果たした早大。「初日から大事にいこう」(長谷川和市、スポ3=兵庫・滝川二)というチームでの共通認識を持ち、関東大学秋季Aブロック対抗戦に臨んだ。しかし、初日は雨天のため中止に。この事態の中で、気持ちを切り替え一発勝負の2日目に向かって、チームはひとつにまとまらなければならなかった。

18番ホールでの長谷川のパター

 2日目、『自分の一打はチームの一打』というスローガンのもと、それぞれが自分の一打を縮めるプレーを見せた。「キャプテンが気を切らすなという感じでチームに働きかけてくれた」と2年生の山本雄太(教2=栃木・作新学院)が言うように、雨天中止後、1日空いた再開にも集中を切らさずにグリーンへ復帰した。その山本は後半の9ホールで32という高スコアをマークし、早大内で最高の69というスコアをたたき出す。他の選手も前半にアンダーパーを記録した石毛巧(スポ4=埼玉栄)、長谷川を中心に、全員がそれぞれのゴルフを展開。特に、9ホール目で照沼恭平(社4=東京・早実)が見せたアプローチショットは圧巻で、後半に勢いをもたらせた。その結果、山梨学院大を2点差で退け、最下位を阻止。Aブロック残留を決めたとともに、全国大会である信夫杯争奪日本学生対抗戦(信夫杯)の出場も決めた。「(次の世代に)なんとかつなげた」(照沼)。昨年、自分たちが味わった屈辱を後輩には味わせたくないと、照沼をはじめ、最高学年の選手たちからは本音が聞かれた。

後半、一気に追い上げた山本

 「チームの状態は良かった」(岩周巧泰主将、社4=宮城・東北)。『初日から大事に』と言った矢先、初日が雨で流れることとなった。そんな中でも、2日目まで程よい緊張感を保ったままで、チームは一つにまとまり最後までやり切ることができた。その結果、最下位を免れ来春はBブロックで戦うことはなくなった。まさに、『チームの一打』を『自分の一打』で減らしていった全員の結実であろう。「来年、後輩たちにAブロックを戦わせてあげられるという権利を残すことができた」と、クラブハウスでは岩周主将も自信を持って言い放った。来年以降のアドバンテージを手に入れたゴルフ部が次に臨むのは全国の舞台、信夫杯。ここでもきっと全員がまとまり、チームのゴルフを見せてくれるはずだ。

(記事 菖蒲貴司、写真 越智万里子)

結果

▽総合順位(男子)

順位 大学名 2日目 総合成績
優勝 東北福祉大学 479 479
2位 日本大学 488 488
3位 中央学院大学 507 507
4位 専修大学 508 508
5位 早稲田大学 510 510
6位 山梨学院大学 512 512
※各大学出場8人中上位7人のスコアを採用

▽個人成績(男子)

選手名 学部・学年 2日目 総合成績 総合スコア
石毛巧 スポ4 71 71 ±0
照沼恭平 社4 74 74 +3
前山聖那 商4 77 77 +6
長谷川和市 スポ3 70 70 -1
宇都敬汰 スポ3 79 79※ +8
徳嶽太 スポ2 73 73 +2
山本雄太 教2 69 69 -2
押田凌大郎 スポ1 76 76 +5
※1ラウンド・パー71打
コメント

岩周巧泰主将(社4=宮城・東北)

――2日間の振り返りをお願いします

1日目は雨で完全になしということでチャンスでもありピンチでもあったんですけど、自分の中では初日から気を一瞬も緩めずにやれたことが2日目、最後に少しの差で勝てた要因かなと思います。

――選手から応援との距離がよかったとのお話もありました

今まで自分が選手と応援のどちらもやってきて、選手から見た応援の立場とか応援から見た選手の立場というものを見てきました。そこで、どれだけの力になれるかなということを1年間考えてきたので、応援の形であったり姿であったりというのは良い影響が与えられるようにやってきたつもりです。

――Aブロックに残ることができましたが

順位としては満足のいくものではなかったんですけど、日本一という目標に向けて最低限の切符は獲得しましたし、来年後輩たちにAブロックを戦わせてあげられるという、本当に最低限でしかないんですけどもその権利を残すことができたのは本当に良かったかなと思います。

――チームの状態はいかがでしたか

今回の大会に関して言えば、チームの状態は良かったかなと思うんですけど、今までの取り組み等早慶戦も含めてまだまだ未熟な部分が多いので、その部分を残りの1ヶ月で全国レベルまでに詰めていくのと、次の長谷川の代でさらに良いチームに仕上げてもらえるようにいろいろなものを残していきたいなと思います。

照沼恭平(社4=東京・早実)

――2日間の振り返りをお願いします

初日は雨でなくなって結構みんな難しい状況だったと思うんですけど、2日目にしっかりと切り替えて、テーマとしていたスタートダッシュは前半のほうで切れたと思うのでそのあたりは良かったなと思います。が、やはり後半になるにつれて強豪校に押されてしまったことが浮き彫りになったので、そこを信夫杯では修正していきたいと思っています。

――日本学生の時に、後輩のためにAブロックで頑張りたいとお話ししていましたが

なんとかつなげたとは思うんですけど、今回自分が先輩として多少不甲斐ない結果になってしまって、後輩に助けられたなという部分はあったんですけど、逆に後輩の頼もしさが感じられたリーグ戦だったのかなと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

ショットの調子があまり良くなかったです。前半はなんとか上がりのホールでバーディを取れて、気持ちを乗せて後半取ってこうと思ったんですけどそこでやはり乗り切れなくて崩してしまったというのがきょうの反省かなと思いましたけど、最終ホールでバーディ取れたのが気持ちの部分で押せたプレーができたのかなと思いました。

――9番ホールでピンに球が当たるミラクルもありました

バーディをとりたいホールで短い距離だったので狙ってはいたんですけど、当たるとは思ってなかったです(笑)。とりあえずバーディは取れたのでよかったとは思います。

――信夫杯に向けて意気込みを

自分たちは日本一という目標を掲げているので、しっかりと日本一を目指してこれから1ヶ月間チームを再構築して優勝できるように頑張っていきたいと思います。

石毛巧(スポ4=埼玉栄)

――きょうの結果についてはいかがですか

スタートから調子が悪くなくて、最初にバーディーが来てそこから乗れていけたと思います。後半は10番でボギーをたたいてしまって、11番ではOBとなってしまい3オーバーとなってしまいましたが、そこから3つバーディーを取って元が取れたので総合としてチームに貢献できたのかなと感じています。

――雨天中止になった前日について

初日がどうこうというより、ぼくは2日目が勝負だと思っていましたね。きのうは全員がパープレーで回って他大もパープレーで回っていて、差がついていなかったので、きょうが勝負だなという感じでやりました。

――では、きょうに懸けていたと

1日勝負だからこそ、うちにもチャンスがあると思っていました。

――この大会で意識されていたことは

この試合に入るまでに調子が上がっていて、そしてこの試合に臨めたので、自分の4年生としてのプレーを見せることを意識していました。

――4年生らしいプレーは見せられましたか

そうですね。出場した4年生の中では一番スコアがよかったので、ね。

(そばにいた照沼)うるせえよ(笑)。

――5位という結果については

きょねんは最下位でBブロックに降格してしまっただけに、5位という結果は悔しいですがひとつ後輩に残せたのではないかなと思います。

――次の信夫杯に向けて

頑張ります。一言で。

長谷川和市(スポ3=兵庫・滝川二)

――きょうの結果についてはいかがですか

きょうは一日勝負ということで、全員が気合いを入れて朝から『紺碧の空』を歌って、皆が目の色を変えてやっていたので、その結果、僅差ではありましたが最下位にはならなかったのかなと思います。

――前日が雨で中止になったしまったことは、どのように受け止めましたか

一発勝負になったということで、この一年は初日を大事にしてきたので、きょうが初日という気持ちで臨めました。

――きょうのホールを終えてチームのゴルフができたと感じられましたか

感じましたね。まずサポートの選手たちの応援が今までよりもすごくて、親身になって支えてくれたのでそのおかげで皆の一打が縮まったのではないかなと思います。

――ご自身の結果(35、35)については

本当は前半にもう少し良いスコアで回れるはずだったので、あまり良い結果ではなかったというのが本音です。後半は難しい中でもしっかりパーで決められたのでよかったです。

――この大会で大事にしていたことは

技術ではなく気持ちの部分ですね。終わって一人一人がホッとしている顔を思い浮かべて、そのためには自分が頑張らないといけないなと感じていました。

――全国に向けて

前の大会の内容が悪かったので、最低でもその順位よりは上で。目標はチームでの日本一なので、きょう見つかった課題を改善しつつそこに向かっていきたいと思います。

山本雄太(教2=栃木・作新学院)

――2日間の振り返りをお願いします

初日は悪天候で、1時間40分くらいスタートからやるのかやらないのかという感じでうだうだした状況だったんですけど、そこでキャプテンが気を切らすなという感じでチームに働きかけてくれたことがきょうの前半のスタートダッシュにつながったのではないかと思います。

――スコアはチームトップの69ストロークで、すごく良い成績だと思いますが

前半、スタートダッシュとは言いながらもボギーが先行してしまって最初の2つがボギーでバーディーを1つ取り返してワンオーバーという前半だったんですけど、やはりハーフで上がったときにみんなが寄ってきてくれて、疲れてるところはないかだとかなんか足りないものはないかだとか、声をかけてくれて、選手と応援がすごく近い距離感でできたので、やるしかないという気持ちに切り替わって、少し午前中は守りに入ってしまった部分もあるんですけど、後半は結構攻めていけたのが69につながったのではないかと思います。

――プレーの中で何か良かったショットなどはありますか

結構Tショットが不調だったんですけど、練習の後で部員の方と連携しながら改善していって安定したというのがバーディーチャンスを作れたもとになったのでやはりチームでやってきたTショットが安定した、そしてまたしっかりショートゲームで締めることができたので、良いスコアになったのではないかと思います。

――Aブロックに残ることができましたが

目標は優勝だったんですけど、最低目標の残留、信夫杯に出場する切符が取れたというのは、ことしはまだ1ヶ月ありますけど、来年以降に向けてかなり大きな一歩になったのではないかなと思います。

――最後に信夫杯に向けて意気込みをお願いします

信夫杯は出場する人数も変わるのですが、私たちは昨年から日本一という目標を掲げているので、そこをブラさずに、また今回足りなかったところを部員でしっかり共有しながら女子と一緒に日本一を目指していきたいと思います。