第69回日本学生選手権競技(日本学生)が茨城・大利根カントリークラブ東コースで開催された。この大会は、日本一の学生ゴルファーを決める大会であり、男子部は4日間、女子部は3日間で勝負が決まる個人戦である。早大からは男子部、女子部共に3選手が出場。山城泰介主将(先理4=沖縄・開邦)など4選手が決勝ラウンドに残ったものの、上位には食い込めなかった。それでも秋のリーグ戦でそれぞれの目標に向けて、良い実戦の機会となった。
男子部は先日行われた関東学生選手権(関東学生)で出場権を得た山城主将、滝雅志(スポ4=茨城・水城)、照沼恭平(社3=東京・早実)の3選手が出場。2日目には大雨に見舞われるなど苦しい展開となる。その中で山城主将は4年生の意地をみせた。「2日目に崩れてしまっても、初日の貯金があった」と振り返るように、初日の好成績で予選を突破。「3年連続で本戦へいけたということはすごくよかった」(山城主将)。決して大会を通した結果は誇れるものではないが、学生生活最後の個人戦をきっちりと最終日まで回った。「残すは秋のリーグ戦のみ」(山城主将)。チームで最大の目標としている秋のリーグ戦を控え、その日を待ち望んでいるのは山城主将だけではないだろう。男子部は、春に返り咲いたAブロックの舞台で、今度は躍進してみせる。
男子部で唯一本戦への出場を果たした山城
女子部は先日の関東学生で好成績を挙げた鈴木ありさ主将(スポ3=東京・杉並学院)と筆頭に、同期の小出真鈴(文構3=長野西)、堤なつき(教3=東京・早実)と予選に出場した3選手がそろって本戦への出場を決めた。鈴木主将は「優勝を目標にこの試合に臨んでいた」と、今大会の結果には満足していない。自身の目標であるアンダーパーを3日間とも果たせなかったからだ。すでにシードを獲得している朝日杯争奪日本学生選手権(朝日杯)では、ロースコアにまとめることを期待したい。小出は19位タイに終わったものの、「監督、コーチにご指導いただいて、この1年で自分でも成長できたと感じている」と、自らの成長を感じ周囲への感謝を聞かせてくれた。堤は「ショットの調子が悪く、粘りのゴルフだった」と、苦しい3日間だったと振り返る一方で、「リーグ戦も近いので(ショットが安定しない中でなんとかホールを回ったことは)良い経験になった」と前向きにも捉えた。本戦まで出場した3選手は、団体戦となれば主力となる存在である。3選手が、女子部員全選手が最大の目標としているAブロック優勝へ。ワセダ伝統の『粘り強いゴルフ』を武器に、全員で勝ちに行く。
ショットが安定しなかった堤。粘りに粘った3日間だった
これで男子部、女子部共にリーグ戦前の実戦機会を終えた。ここからはリーグ戦に向けての調整期間となる。長い最終日、ホールアウトした後に小出はこのようなことを語った。「1年生の頃から先輩方や指導者の方から『粘り強いゴルフ』を教えてもらっていたので、それが染み付いているのかなと実感しています」。毎年決まって有望な選手が入ってくるわけではない。初心者部員も多いワセダだからこそのスタイルである。この『粘り強い』という言葉には全員が『エース』だと言う意味も込められている。「全員ゴルフ」(山城主将)。本戦に残った実力者たちも、今大会に出なかった選手も『自分の1打はチームの1打』のスローガンのもと、2週後に控えるリーグ戦に全員が最大限のパワーを集中させる。
(記事、写真 菖蒲貴司)
結果
46位 山城泰介主将(先理4=沖縄・開邦)
19位 小出真鈴(文構3=長野西)
19位 堤なつき(教3=東京・早実)
21位 鈴木ありさ主将(スポ3=東京・杉並学院)
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コメント
山城泰介(先理4=沖縄・開邦)
――4日間を振り返って、日本学生を終えた感想をお願いします
初日、上出来のスタートが切れたので最低でもきょねんの順位は上回ろうと思っていたのですが、2日目以降崩れてしまい悔しいという気持ちが正直なところです。
――きょうに関しては天候が不安定でした。悪天候の中のプレーはいかがでしたでしょうか
2日目にはきょうよりも激しい雨が降っていましたが、それでもプレーに影響することはないですね。雨が降ったときの対策はできているつもりなので気にはならなかったです。
――男子で予選を通過したのは山城選手のみでした。本戦へ出場できた要因と来年以降の後輩へ向けてメッセージをお願いします
初日、かなり良いプレーができたので、それが大きいですね。その結果、のびのびとプレーすることができました。初日に好スコアだったので、技術面だけでなく心に余裕があったことも良かったと思います。2日目に崩れてしまっても、初日の貯金があったので予選を通過できたのかなと感じています。初日から守りに入り過ぎず、しっかりと攻めるところは攻めるということが大事かなと思います。
――4年生で、学生としての大会がひとつずつ終わっているかと思いますが
個人的には日本学生で3年連続で本戦へいけたということはすごくよかったです。これで個人戦はほぼ終わったので、残すは秋のリーグ戦のみとなりましたが、そこで今大会の反省を克服して、今度はチームでも全員ゴルフで目標達成を勝ち取れるように頑張りたいと思います。
鈴木ありさ(スポ3=東京・杉並学院)
――大会を終えて
優勝を目標にこの試合に臨んでいたので、思うようなゴルフができずに悔しいです。
――決して納得のいくスコアではなかったと思います
パープレーくらいで回れば優勝が狙えると思っていた中で、オーバーパーを打っているということで、やはり粘り強さがまだまだ足りていないのかなと感じています。
――一方で、内容の良いホールも見られました
取りたいホールでしっかり取れている日もありましたので、そこはこれから自信にしていきたいとは思っています。
――来月以降、すでに出場を決めている朝日杯、秋のリーグ戦が控えています。意気込みをお願いします
朝日杯は個人戦なので、今回の悔しさをそのままぶつけていきたいなと思って調整していきます。その前にチームとしてリーグ戦があって、優勝を目標に今までやってきているので、選手としてももちろんですが主将としてチーム一丸となってやっていこうと思います。
小出真鈴(文構3=長野西)
――3日間の振り返り
1年時、2年時には3日目まで残れなかった日本学生で、3年目ということで本戦に残れるように(1ラウンドあたり)75平均を目標にやってきました。75平均はオーバーしてしまいましたが、最後まで戦えたのでよかったと思います。
――ワセダらしい粘り強いゴルフだったと思います
そうですね。1年生の頃から先輩方や指導者の方から『粘り強いゴルフ』を教えてもらっていたので、それが染み付いているのかなと実感しています。
――予選落ちしてしまった過去2年と比べて、どのあたりで成長できたと感じていられますか
様々な取り組みを通して、コースのマネジメントであるとか、考える面で大きく成長できているのかなと思いました。技術面も監督、コーチにご指導いただいて、この1年で自分でも成長できたと感じているのでよかったですね。
――『Aブロック優勝』を目指すリーグ戦へ向けて
団体戦であるので不可能なことではないと思いますし、いろいろかみ合ってくれば可能だと思うので、絶対に優勝するという強い気持ちを持ってワセダらしく戦えたらいいと思います。
堤なつき(教3=東京・早実)
――3日間の振り返りをお願いします
ショートゲームに助けられた3日間だったなと感じています。今大会ではショットの調子が悪くて、ワセダだとどうしても粘りのゴルフとなるのですが、ショートゲームでもなんとか粘って粘って3日間できたかなという感じですね。
――どのような点で粘ることができたのでしょうか
グリーン周りですね。ショットは本当に安定せずに、なかなかグリーンに乗らなかったのでアプローチ、パターと粘りのゴルフでしたね。リーグ戦も近いので(ショットが安定しない中でなんとかホールを回ったこと)良い経験になったかなと思いますね。
――最大の目標としているリーグ戦へ向けて
やはりチーム一丸となってリーグ戦に向かっていければいいですね。その日に実力以上の力を発揮できるかもしれないですし、全員の力で戦うというのがワセダの長所だと思うので、応援を力に、全員の力で優勝できるように頑張っていきたいと思います。