全員ゴルフでAブロック昇格!

ゴルフ

 昨年度、関東大学秋季Aブロックリーグ戦(秋季リーグ戦)で敗戦を喫した早大。この結果により、新チームはBブロックからのスタートを余儀なくされた。そして迎えた、関東大学春季Bブロック対抗戦(春季対抗戦)。ここで優勝をしたチームがAブロックへ昇格ができる重要な大会だ。何としてでも再びAブロックへ――。この1年を占う決戦に早大は臨んだ。

 初日、早大は上々の立ち上がりを見せる。この日、チーム唯一アンダーパーで終えたのは、滝雅志(スポ4=茨城・水城)。山間に築かれた起伏のある難コースにも、持ち前の『崩さないゴルフ』で上手く対応し、チームに勢いを呼び込んだ。初日終了時点で、早大は首位・山梨学院大と1打差の2位。優勝を射程圏内に捉え、2日目を迎えることとなった。

 迎えた2日目。「技術だけではなく、いかに優勝したいか、Aリーグに行きたいのかという気持ちで勝負しよう」(山本雄太、教1=栃木・作新学院)。ゴルフという競技は、プレー中は孤独との戦い。しかし、今大会は団体戦。一つの目標に全員で向かうことができるのは、この大会の大きな醍醐味(だいごみ)だ。目指す、春季対抗戦優勝へ。2日目は、早大の全員ゴルフがその強さを発揮した。この日、チームのベストスコアをたたき出したのは、ルーキーの山本。前半は安定性を欠き、納得のいくプレーができずに終わっていた。その山本を支えたのは、エールを送ってくれた仲間の存在だ。「部員の方々が『頑張れ』と声を掛けてくれて、それで落ち着くことができました」(山本)。力強い応援に後押しをされて迎えた後半戦。山本は本来の力を発揮し、67打で締めくくる。チームも後半戦で山梨学院大を逆転。見事にBブロック優勝を果たした。

 この2日間について、山城泰介主将(先理4=沖縄・開邦)は「Bブロックで優勝したいという気持ちがみんなで共有できていました」と振り返る。試合に出場している選手、そして応援に回った選手も含めて、まさに全員で勝ち取った優勝であった。しかし、Bブロック優勝はあくまでも通過点。目標は全国の舞台で渡り合えるチームだ。続く試合は、関東学生ゴルフ選手権。個人戦となるが、チームの個々の力を試す大事な試合となる。一人一人がレベルアップを図り、秋に行われる秋季Aブロックリーグ戦で覇権を争うことができるのか――。勝負の夏がこれから始まる。

優勝の賞状と盾を手にし、微笑む一同

(記事、写真 杉田陵也)

結果

▽総合順位

順位 大学名 1日目 2日目 総合成績
優勝 早稲田大学 509 503 1012
2位 山梨学院大学 508 507 1015
3位 駒澤大学 537 542 1079
4位 法政大学 531 549 1080
5位 神奈川大学 558 550 1108
6位 東北学院大学 585 578 1163
※各大学出場8人中上位7人のスコアを採用

▽個人成績

選手名 学部・学年 1日目 2日目 総合成績 総合スコア
山城泰介 先理4 72 77 149 +7
滝雅志 スポ4 70 72 142 ±0
石毛巧 スポ3 76 75 151 +9
照沼恭平 社3 71 72 143 +1
前山聖耶 商3 79 71 150 +8
長谷川和市 スポ2 72 73 145 +3
宇都敬汰 スポ2 72 73 145 +3
山本 雄太 教1 74 67 141 -1
※1ラウンド・パー71打
コメント

山城泰介主将(先理4=沖縄・開邦)

――ご自身の2日目のプレーを振り返っていかがですか

最終日ということで、主将として一番のスコアを出してチームに貢献したいという気持ちが強すぎて、結果的には朝からずっと空回りしてしまったことが残念でした。

――初日を2位で折り返したチームの雰囲気はいかがでしたか

1打差でかなり接戦だったのですが、焦り過ぎて緊張してしまうという悪い方向にはいかずに、Bブロックで優勝したいという気持ちがみんなで共有できていました。気持ちの部分でまとまっていけたので、最後のハーフで逆転することができたと思います。

――山城選手はチームの中では最後の組でプレーしていましたが、順位の情報はプレー中に入っていましたか

そうですね。前半終わって負けていると聞いていたので、後半は少しでも差を縮めてチームに貢献したいとは常に思っていました。

――ことしのチームについてどう思われますか

きょうのプレーにも象徴されるように、追い込まれた中でも粘って自分の実力を発揮できるチームだと思います。雰囲気も良いですし、チームメイトを最後まで信じてプレーできることがチームの強みだと思います。

――ことしのチームの目標を教えてください

Aブロック(関東大学秋季Aブロックリーグ戦)で3位に入って、そこで上位に入ると関東だけではなく全国の団体戦である信夫杯(信夫杯争奪日本大学対抗戦)に行けるので、3位以内に入ることを目標にしています。

――先は長いですが、Aブロックリーグ戦に向けての意気込みをお願いします

次の目標はBブロックよりも格段に上のステージになるので、チーム一同また気を引き締めなおして、組織向上のためにも頑張っていきたいと思います。

滝雅志(スポ4=茨城・水城)

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

2日間を通して、自分の調子ほど良いプレーはできなかったのですが、その中でもリーグ戦(関東大学春季Bブロック対抗戦)前に自分なりに考えて臨んだ結果、あまり流れが良くない中でもスコアをまとめることができました。

――リーグ戦の冬から春にかけてはどのような練習をしていましたか

基本的には練習量をこなして、ショートゲームをメインに崩さないゴルフを念頭にやっていました。ことしからは平均2アンダーというのを目標に、コースマネジメントやラウンド中の戦略、自己のコントロールのことも考えていました。やはり試合では、そのようなことが調子の悪い時ほど結果に大きく反映されると思っているので、マネジメントなどを意識して、リーグ戦に調整していきました。

――いままでの練習の成果は発揮できましたか

そうですね。いままでの合宿やリーグ戦よりもスコアが安定してきて、きょうの前半は3オーバーを打ってしまった中で、難しいコースでも流れを変えることができたことは良かったです。

――きょうのプレーの中で流れを変えたホールはありましたか

全体を通して良い流れではなかったので、バーディーを取れたホールで流れを変えられるかなと思いましたが、特別大きく変わるところはありませんでした。初日も同じで、ずっと自分の中でもモヤモヤした中でのプレーでした。

――今大会でのご自身の反省点はありますか

チームとしては優勝できましたが、個人としては納得できる結果ではありませんでした。朝の準備の仕方や、気持ちの持っていき方などが上手くできていないですし、自分も分かりきっていないという部分があります。昨日はチームで一番良いスコアでしたが、きょうは1年生に助けられたりして、今大会はみんな良いスコアで助けられた部分が大きかったです。スポーツ推薦の4年生としてチームを引っ張っていきたいと考えていた中で、スコアとしては不甲斐ない結果で終わってしまったと思っているので、気持ちの調整の仕方など、もう一度練習を練り直したいと思います。

――最上級生としてチームではどのような役割をされていますか

今回の課題を反省して、毎試合成長できるように全力を尽くすのですが、常に課題意識を持つことを念頭にしていきたいです。やはり課題意識がないと、惰性で過ごしてしまって自分の成長につながらないと思います。1番は課題意識を持つこと、ラウンドや練習で常に課題点を見つけて取り組んでいくことを意識したいと思います。

――これからのシーズンに向けての意気込みをお願いします

先ほども言いましたが、今回の課題点を反省して日々成長できるように練習をして、試合出るからには優勝を目指しているので、出場する大会では優勝できるように頑張ります。

山本雄太(教1=栃木・作新学院)

――きょうはチーム最高の67打で終えましたが、プレーを振り返っていかがですか

きょうは前半が大荒れでイーグルも取ればトリプルボギーも取るという感じでしたが、ハーフターンの時に部員の方々が「頑張れ」と声を掛けてくれて、それで気持ちが落ち着いて後半の4アンダーにつながったと思います。

――初日はいかがでしたか

初めての団体戦だったので右も左も分からない状況で、自分のプレーに徹することができませんでした。それでも3オーバーで収まったのは、レギュラー組と応援組が初日は頑張ろうと結束した結果だと思います。

――初日を首位と1打差の2位で折り返しましたが、2日目はどのような意気込みで臨みましたか

団体戦の1打差というのはあってないようなものなので、そこは技術だけではなく、いかに優勝したいか、Aリーグに行きたいのかという気持ちで勝負しようということをみんなが共通意識として持っていたと思います。

――先輩からはどのようなアドバイスを受けていましたか

1年生だからといって気負いすることなく、のびのびやらせていただけました。これもワセダのチーム力というか、自分が気持ちよくプレーできた要因だったと思います。

――入部して約2カ月が経ちますが、チームの雰囲気はいかがですか

上下関係がしっかりしていて、体育会という感じです。やはりこの団結力があったからこそ、優勝できたのかなと思います。

――これからも試合が続きますが、そこに向けての意気込みをお願いします

次の関東学生(関東学生選手権)は個人戦ですが、ワセダの部員の一人として参加するので、関東学生をステップに秋のリーグ戦に向けて全員で頑張っていきたいと思います。