鋭い日差しが照りつけ、強い風も吹く中で行われた第61回関東学生選手権(関東)。昨年、第67回日本学生選手権競技(日本学生)出場を果たした木﨑亮太主将(スポ4=茨城・水城)は実力を発揮できず予選落ち。大型ルーキーと期待された石毛巧(スポ1=埼玉栄)も決勝ラウンドまで残ったものの出場には一打届かない。しかし、ことしの早大ゴルフ部は2年生が躍動する。滝雅志(スポ2=茨城・水城)、青野憲太郎(スポ2=京都学園)、山城泰介(先理2=沖縄・開邦)が力を示し、日本学生3人出場という近年まれに見る好成績を収めた。
パットがさえた滝
本大会は4日間に渡る個人戦前半2日間の予選ラウンド、後半2日間の決勝ラウンドを戦う。4日間の合計スコアを競い、上位44名には日本学生の出場権が与えられる。昨年は木﨑主将が早大唯一の出場権をつかみ、全国の舞台に駒を進めた。関東のレベルは高く、日本学生への出場は早大選手にとって大きな壁である。
予選ラウンドは早大にとって波乱の幕開けとなる。「主将として、最終学年としてと考え込んでしまい、この大会を特別なものにしすぎてしまったことが原因かなと思います。自分を追い詰めすぎたかなとも思いたくなる結果でした」と振り返った木崎主将。チームを一つにまとめてきた主将が予選で姿を消したのだ。早大をけん引してきた背中からは悔しさがにじみ出ていた。一方、予選ラウンド2日目で大きく成績を伸ばしたのは山城。69という高スコアで回り、一日目と比べ8打縮めた。青野、石毛はうまくスコアをまとめ、難なく予選を突破した。
アイアンショットを放つ山城
体力的にも厳しくなる決勝ラウンド。エンジのショットは輝き始める。特に大きな活躍を見せたのは滝。「いいパットができるショットを打つことができたので、うまくそこがかみ合った」と自身のプレーを振り返る。さえわたるショットで決勝ラウンド1日目を全体2位の高スコア66で回り、全体5位に躍り出た。最終日は思うような結果が出せなかったものの、全体16位という好成績を収めた。山城は決勝ラウンド1日目に6オーバーと苦しんだが、最終日に粘りを見せ全国への切符をつかんだ。青野は4日間を通して安定したパフォーマンスを見せ、危なげなく日本学生に駒を進める。一年生からレギュラーの座をつかんだ石毛は大学という慣れない環境の中で実力を発揮できなかったものの、日本学生出場まで1打差とこれからに期待が持てるプレーを見せた。
今大会は早大にとって大きな収穫となった。3人もの選手が日本学生に出場するのは力をつけた証拠。ただ、出場するだけで満足するわけにはいかない。6月の全国大学ゴルフ対抗戦では惜しくも3打差で入賞を逃し、涙をのんだ。部内1位スコアで全国出場を決めた滝は、個人の目標をトップ3、早大の目標を3人全員10位以内としている。3週間後に兵庫で始まる全国大会。求められているのは結果のみ。勝負の時はすぐそこまで迫ってきている。
(記事 豊田光司、写真 辛嶋寛文、依田萌)
関東最終日を戦った選手たち
結果
木﨑亮太(スポ4=茨城・水城)81・82(予選落ち)
滝雅志(スポ2=茨城・水城)74・73・66・75=288(16位)
青野憲太郎(スポ2=京都学園)72・76・72・74=294(30位タイ)
山城泰介(先理2=沖縄・開邦)75・69・78・74=296(35位タイ)
石毛巧(スポ1=埼玉栄)72・76・78・75=301(48位タイ)
コメント
(予選ラウンド2日間終了後)
木﨑亮太主将(スポ4=茨城・水城)
――2日間を振り返っていかがですか
4年生として大学最後の試合ということで思い入れがあったのですが、自分の思いとは裏腹に結果はついてきませんでした。
――2日間のスコアについてはいかがですか
81、82と4年間通しても一番悪かったスコアかなと思います。とても悪いスコアで。巻き返そうと思っても、巻き返すことができないくらい。どのショットをとっても酷かった。良いところなしでした。
――関東大学ゴルフBブロック対抗戦のときまではチームをけん引してきたわけですが、このような結果になってしまった原因についてはどのように思いますか
そうですね。原因はやはり気持ちの面だと思います。幼いころから試合の場数は踏んでいるので試合慣れはしているのですが、主将として、最終学年としてと考え込んでしまい、この大会を特別なものにしすぎてしまったことが原因かなと思います。あまり言いたくはないですが、自分を追い詰めすぎたかなとも思いたくなる結果でしたね。
――昨年は出場した全国(第67回日本学生選手権競技)の舞台だったわけですが、ことしはそこへの思いは強かったですか
それは強かったですね。1年と3年のときに全日本(第67回日本学生選手権競技)の舞台にいくことができて、いけなかった2年のときも一打足りなくて行けなかった。正直、ここのコースへの相性は良いはずなんですよね。全国に行った年も40位台で終わっていて。それよりも上に、最後なんだから優勝を狙おうと考えていた大会でした。
――早大としては近年ではあまり見ることのなかった4人もの選手が決勝ラウンドに残りましたがそのことに関してはいかがですか
それは、チームとしては素晴らしいことだと思います。残ったのがこれからを担う1、2年生で。先のことを考えると非常に明るい結果だとは思いますが、いまのことを考えると、3、4年生がこういったところで姿を消していくことは4年という立場を考えると良くないことですね。せめて4年生として、この関東(関東学生選手権)の舞台に立ったからにはせめてチームを引っ張っていく必要があると思います。そんな中、予選落ちてしまったことはとても悔しいですね。
――今回、日本学生への出場権は逃しましたが、来月にはまた団体での全国出場がかかる大会が控えていますがどのように感じますか
そうですね。終わったことは終わったことで。悔やんでいてもしかたないので。直近である、リーグ戦(第61回関東学生Aブロック対抗戦)で近年出場できていない、信夫杯(第57回信夫杯争奪日本学生対抗戦)出場目指して。Aブロックで4位以内を取ることができるように。夏合宿などの練習で自分の技術を上げて、チームの士気を高めていきたいです。
(予選、決勝ラウンド4日間終了後)
滝雅志(スポ2=茨城・水城)
――4日間を振り返っていかがですか
あまり調子自体が良くなかったのですが、パターだけはよかったので活かすことができるゴルフができたので。結果としては良いコースマネージメントができてよかったです。
――3日目に猛チャージがありましたが、そのことに関してはいかがですか
きのうはちょっと出来すぎかなというのはあったのですけど(笑)。良いパットができるショットを打つことができたので、うまくそこがかみ合って、あのような結果になったかなと思います。
――4日間通して、16位という好成績で回ることができた要因としてはどのように考えていますか
この試合が始まる前からショートゲームの練習をしていたので、ショットが悪くても、そこでリカバリーのできるスコアを崩さないラウンドができていたのがこのような結果にできた要因かなと思います。
――個人戦としては昨年、同じ大会で予選落ちと悔しい結果に終わりましたが、ことしは早大では一位の成績で全国を決めたことに関してはいかがですか
きょねんは予選落ちでことしは絶対に落ちたくないという気持ちで臨んだので。この試合出るときも本当はちょっと緊張していたのですが、とりあえず勝つ準備はしてきたので。自分のゴルフをしようと心がけました。こうして関東(第61回関東学生選手権)を通過して全国(第67回日本学生選手権競技)に行けると決まって、本当に全国に行けるんだと思い、一安心しました。
――5人関東に進み、半数以上の3人が日本学生出場というのは早大としては快挙ですが、木﨑主将(亮太、スポ4=茨城・水城)が姿を消しましたがそのことに関してはいかがですか
調子が悪くてもコースマネージメントなどでカバー出来たり、最後まで何が起こるかわからないのがゴルフなので。今回、木﨑さんが予選落ちてしまったことは残念で。きょねん自分が落ちてしまって、同じ高校の先輩としても一緒に全国に行きたいと思っていたのですけど。まあ、木﨑さんとしては悔いの残る結果なのかなとは思いますけど。日本学生では落ちてしまった人たちのためにも悔いの残らないようにプレーしていきたいです。
――日本学生での目標はどのように考えていますか
出るからには勝たないといけないので優勝を目指します。でも、目標としてはトップ3に入ること。実現できるように調整していきたいと思います。
――最後に日本学生への意気込みをお願いします
個人としてはトップ3に入ることを目指します。ただ、山城(泰介、先理1=沖縄・開邦)と青野(憲太郎、スポ1=京都学園)が出場するので、早大で全員10位以内に入れるように頑張りたいです。
山城泰介(先理1=沖縄・開邦)
――1日目を振り返って
途中までは耐えられたんですが、最後の4ホールで3オーバーとなってしまいました。
――きょうの2日目の良かった点は
中盤崩れないように心がけていました。全体的に良くて、パターが特に決まりました。きのうと比べると8打縮められましたし、スコアにも満足しています。
――見つかった課題は
グリーンまでのアプローチでまだ距離感がつかめていないことですね。あと2日はそこに気をつけたいです。
――今後に向けて
今回個人戦なんですが、リーグ戦にむけて良い弾みとなるように今大会を頑張りたいです。