第67回日本学生選手権競技(日本学生)が兵庫・加古川ゴルフ倶楽部で開催された。この大会は、日本一の学生ゴルファーを決める大会。予選ラウンド2日間、決勝ラウンド2日間で勝負が決まる個人戦である。4日間に及ぶため、選手個人の強さ、安定感がなければ上位は争えない。早大の男子部からは3選手が出場した。全選手決勝ラウンドに残ったものの上位には食い込めず、全国の壁の前に打ち砕かれる結果となった。
1日目躍進した滝
大会1日目、存在感を示したのは滝雅志(スポ2=茨城・水城)だ。滝は部内トップの16位で第61回関東学生選手権(関東)を突破した早大のエース候補である。新エースは71という高スコアで回り、全体の10位という上位を狙える位置に付けた。そして、その滝に引っ張られるように「初日はいい感じで回れた」と振り返った山城泰介(先理2=沖縄・開邦)も72打で回り、上々の滑り出しを見せた。大会2日目は、良い滑り出しを見せた滝と山城が思うようなプレーをできず、調子を落とす。山城も前日より5打多くたたき、順位を大きく落とした。そんな中で意地を見せたのが青野憲太郎(スポ2=京都学園)である。青野は初日を予選通過ラインボーダー上で回り、予選落ちも懸念された。しかし、2日目の8番ホールで青野が魅せる。「もう後がない状況で最後思い切って難しいコースを狙った」と振り返る難しいショットを見事決め、予選通過を果たした。滝と山城も予選を通過し、出場3選手全員が決勝ラウンドへと駒を進めた。
「みんな今の順位を上がられるようにしたい」(山城)とチーム全体での上昇を目指して臨んだ決勝ラウンド。順位を上げていきたいところだが、予選では調子が悪いなりにスコアをまとめてきた3選手のスコアが荒れ始める。大会1日目では10位に付けた滝だったが、ミスを修正できず決勝ラウンドのスコアを大きく落とし48位に沈んだ。山城も「攻めるあまりにミスが重なり、崩れてしまったのが残念」と話すように攻めの姿勢を最後まで貫いたが4日目のスコアがブレーキとなり47位。予選で粘った青野は50位で終え、「これが今の実力です」と悔しそうに振り返った。
アプローチショットを放つ山城
思うような結果を残せなかった男子部。しかし、全員がまだ2年生という下級生中心のチームであるだけに今後の試合に更なる期待が高まる。さらに、各選手は日本学生に出場することによって得た収穫は大きいと感じているようだ。また、3人がそろって口に出した言葉は、「安定感の無さ」。「安定感の無さ」は若さゆえの課題だ。ただ、大きな舞台で結果を出していくためには克服しなければならない。全国出場で終わらず、全国で結果を出す。早大は次のステップを踏む必要がある。「来月に関東大学秋季Aブロック対抗戦(リーグ戦)があるので、今回感じたことを生かして頑張りたい」(青野)と語るようにすでに選手の目線は前へと向いている。リーグ戦の上位4チームには第57回信夫争奪日本大学対抗戦への出場権が与えられる。全国の舞台での勝利を目指し、まずはリーグ戦で夏の集大成を見せつける。
(記事 和泉智也、写真 和泉智也、中澤奈々)
結果
青野憲太郎(スポ2=京都学園)75・74・78・75=302(50位)
滝雅志(スポ2=茨城・水城)71・74・80・74=299(48位)
山城泰介(先理2=沖縄・開邦)72・77・71・78=298(47位)
コメント
(2日目終了後)
青野憲太郎(スポ2=京都学園)
――2日間を振り返っていかがですか
今回はあまり調子が良くなくて、左に引っ掛ける球を修正できなくて。逆にそれに合わせてプレーしていく感じで、ずっと我慢のゴルフでした。OBを2発打っていて、スリーパットを1回。満足はいかないですけど、残り2日間巻き返すチャンスはあるので、ここから挽回していきたいです。
――きのうは決勝ラウンドへのボーダー上ということで、緊張感を持って臨んだと思いますが、気持ちはいかがでしたか
ボーダー上というのを意識してしまうと自分が緊張してしまうので、きのうはきのうできょうはきょうと言うことで、臨みました。きょうの目標スコアは72ということで、OBを打ってしまった分だけオーバーしてしまいました。なので、ボーダーを意識することは無かったですね。
――きょねんは出られなかった日本学生選手権競技に出場できたわけですが、この大会をどのように感じていますか
やはり、周りの人のレベルは高くて、大学を出たらすぐにプロにいくような選手たちなので、ここでプレーできることは光栄だなと思います。
――きょねんは木崎亮太主将(スポ4=茨城•水城)のみの出場だった日本学生にワセダから3人の選手が出場しました。そのことについてはいかがですか
木崎さんにもやはり出場して欲しかったですが、自分たちは木崎さんの分も精一杯やらなければならないと感じています。3人で頑張っていきたいと思います。
――2日間で印象に残ったホールはありますか
きょうの8番ホールで、予選落ちのスコアまでいったと思いました。ただ、もう後がないという状況で最後思い切って難しいコースを狙った結果、そこを上手く決めることができました。あれを決めて本戦出場権を取ることができたというのはとてもうれしかったです。あのホールのショットは良かったです。
――最後に決勝ラウンドへの意気込みをお願いします
合計スコア5オーバーなので、まずはイーブンに戻して、一から頑張りたいと思います。
滝雅志(スポ2=茨城・水城)
――2日間を振り返っていかがですか
全体的に調子が良くない中のラウンドだったので、なんとかミスを少なくしようと抑えながらプレーする感じでした。思うようにラウンドはできていないのでこんなもんかという感じです。
――きのうが上々の滑り出しということでしたがその事についてはどのように考えていましたか
悪い中でもスコアはアンダーで上がれたということなので良かったのですが、全体的には調子良くないのできのうはきのうで良かったって感じです。
――日本学生ゴルフ選手権に初出場という事で何か意識した事はありますか
特に無いのですが、きょねん全国の出場権を懸けた試合を全部落としたのでようやく1年越しの全国大会ということで一応チャレンジャーなのでとりあえず思い切っていこうかなという感じでした。
――決勝ラウンドに向けて何かひと言お願いします
調子は良くありませんがなんとかスコアをまとめて残り2日間を伸ばせるようにしていきたいです。
山城泰介(先理2=沖縄・開邦)
――2日間を振り返っていかがですか
初日は結構いい感じで出来たのですが、きょうはミスしたらそれが連続する感じでだめでした。
――きょうのプレーで意識したことは何でしたか
きのうと同じように悪い流れになりかけたときに粘っていいスコアで上がるということを意識しました。
――早慶戦から安定したスコアを出し続けられていますがその原因は何ですか
短いパッティングが安定していたので、あまり大崩れしなかったことですね。
――印象に残ったホールは何でしたか
15番です。そのホールにはいるまでの2ホールでスコアを落としてしまったのですが、そこでバーディーを取れて流れを戻せたので良かったです。
――明日に向けての目標はなんですか
あしたあさってでできたら20位台くらいまでに上がっていきたいです。みんな今の順位よりも上げられるようにしたいです。
(最終日終了後)
青野憲太郎(スポ2=京都学園)
――決勝ラウンドを振り返っていかがですか
そうですね。少しショットが悪くて。練習場からそうだったのですが、コースに出てからは景色に惑わされたりとか。一緒に回っていたのが日本アマチュアゴルフ選手権で勝った大堀(裕次郎、大阪学院大4年)選手でした。その人の飛距離を見てみるとやはり違っていて。その差をどう埋めるか考えながらプレーしてもなかなか直らなくて。最終日一緒に回る人が変わり、ショットは良くなったのですが、OBも出してしまいましたね。もったいなかったですけど、まあ、これが今の実力かなとは思います。
――結果についてはいかがですか
順位は50位と良くないです。ただ、今の自分の実力、調子を考えるとこんなもんかなと思います。でもまあ、もっとコンディションが良ければ上も狙えたと思うので、自分の教訓にして来年につなげていきたいと思います。
――はじめての日本学生選手権競技で得た収穫はありますか
やはり、大学の層は厚いなと実感しました。自分もレベルの高い中で決勝ラウンドに残ったり、ミスがあったにしてもそこを修正したりして、来年リベンジを果たしたいです。
――来年までに修正したいことはありますか
高順位の選手は安定感があります。自分にはそれが足りません。良い日悪い日の差をどこまで小さくできるかがポイントだと思います。
――今後に向けて意気込みをお願いします
来月にリーグ戦(関東大学秋季Aブロック対抗戦)があるので期間はないですけど、今回感じたことを生かしていければと思います。
滝雅志(スポ2=茨城・)水城)
――決勝ラウンドとその結果を振り返って
決勝ラウンドは3日目が崩れてしまった。最初の予選ラウンドも調子悪かったのでそれが大きく出てしまいました。
――3日目大幅に落としたがそのことについて何か原因はありますか
ちょっと大きなミスが2つあったのと、悪い流れを止められなかったのが1番大きいです。
――コースマネジメントを意識してプレーすることが目標と伺いましたがそのことについてはいかがですか
一応意識しながらやっていたのですが、予想外のミスが立て続いたので崩してしまいました。
――今大会を通して何か収穫はありましたか
普通に回っていてもまだまだレベル的に足りなかったと思うのでこれを糧にもっと練習して、課題も見つかったのでまた来年に向けて成長できるように練習したいです。
山城泰介(先進2=沖縄・開邦)
――決勝ラウンドを振り返っていかがでしたか
決勝ラウンドはとにかく攻めていこうということを決めていて。3日目の前半の途中までは結構いい感じで攻めていけていたんですけど、そこから攻めるあまりミスも重なって崩してしまったのが少し残念でした。
――今日は何を意識してプレーされましたか
今日も3日目同様、下はなかったので上に上がるのみだと思って攻めていこうと思ってプレーしました。
――今大会を通してどのような収穫が得られましたか
3日目に特に攻めていこうと思ったときにいつも以上にバーディーがとれたことは収穫でしたが、耐えないといけないときに崩してしまったのが反省です。
――スコアについてどうお考えですか
初日と3日目が良くて2日目と4日目が悪くてあまり安定感がなかったのでこれからは安定感を出せるようにしていきたいです。
――安定感がなかった要因をどのようにお考えですか
アプローチとパターが日によって調子がばらついていて、特に2日目と4日目に我慢すべきところでできなかったのが要因だと思います。