ルーキーたちが奮闘するも、全国では勝てず

ゴルフ

 学生女子ゴルファーの頂点を決める戦い。第50回日本女子学生選手権競技(日本女子学生)が兵庫・加古川ゴルフ倶楽部で行われた。本大会は予選ラウンド2日間を戦い、予選通過者は決勝ラウンドに臨む。3日間の合計スコアで勝敗を決する。早大からは3選手が出場。全選手1年生ながらも健闘し、鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)は11位に食い込む。しかし、全国の緊張感もあり、浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)は21位タイに沈み、小出真鈴(文構1=長野西)は予選落ちとなった。

全体11位で終えた鈴木

 初日に全国の舞台で実力を発揮したのは鈴木だった。自身は「パットが決まらず苦しい展開だった」と語るも、アプローチの正確さを武器に1日目を全体5位タイの高スコア73で終える。2日目でスコアをうまくまとめられなかったものの、全体10位タイで予選を難なく通過する。早大内トップの全体4位で第51回関東女子学生選手権(関東)を突破した浜上は日本女子学生の緊張感から実力を発揮できず苦しむ。1日目で6オーバーと大きく出遅れ、早くも決勝ラウンド入りを危ぶまれる展開。背水の陣で臨んだ2日目は前日よりも3打縮め、予選のボーダーラインとなった24位タイで決勝ラウンド進出を果たした。同じく初日に大きく出遅れた小出はその差を詰めることができない。ボーダーラインまで3打で力尽き、予選ラウンド敗退に終わった。

 最終日は後半、雨に打たれる難しいコンディションでのプレーとなる。予選ラウンドを10位タイにつけ、さらに順位を伸ばしたい鈴木。しかし、予選ラウンドでも課題となったパターが上昇気流に乗りたい鈴木の行く手を阻む。18番のショートパットを外すなど、調子は悪くなかったものの、最後まで粘り切れない戦いとなった。決勝ラウンドを終え、全体11位と予選ラウンドよりも1つ順位を下げた。決勝ラウンドで少しでも上位に食らいつきたい浜上だったが、大幅に順位を伸ばすことはできない。「全国に通用しない自分がわかった」と語るように、自身の力不足に悔しさをにじませ全体21位タイに沈んだ。

グリーンを狙う浜上

 早大女子部にとって3人もの選手が日本女子学生に出場したことは快挙。また、鈴木は日本女子学生トップ10入りには1打足りなかったものの健闘を見せた。しかし、日本女子学生で結果を残すことは残念ながらかなわなかった。入部1年目で全国の舞台を踏んだルーキーたちは今大会で見えた課題を克服し、来年の日本女子学生でのリベンジを誓う。新星たちの4年間は始まったばかりだ。

(記事 辛嶋寛文、写真 小森順子、豊田光司)

結果

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)73・76・75=224(11位)

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)78・75・75=228(24位タイ)

小出真鈴(文構1=長野西)80・77=157(予選落ち)

コメント

(1日目終了後)

小出真鈴(文構1=長野西)

――きょうの一日のプレー、スコアを振り返ってみていかがですか

そうですね。パットの調子が今まではずっと良かったのですが、きょうにきて急に悪くなってしまって、3パットが3回あったのと短いパーパットも何度か外してしまったので、それでちょっとスコアが出なかったです。

――その要因は何と考えられますか

ちょっと今からパター練習してみて、調整してみたいと思っています。

――初の全国という舞台で意識したことはありますか

特に緊張したというのはなかったと思うんですけど、どこかで全国を意識してしまいそれがパットに出たのかなと思うので。明日はもうちょっと気楽にやっていきたいと思います。

――特に印象に残ったホールはありますか

良かったホールですか。良かったホールは一番長いパー3でバーディーをとれたのが。それが今日唯一のバーディーだったのですが。前半の18番で3パットをしてそこからパットがどんどんどんどん悪くなってショットとかアプローチもあまり良くなくなってきちゃった感じがあるので。

――他のプレーでカバーしきれなかったということでしょうか

そうですね。

――明日からの戦いに向けて、抱負や目標をお願いします

パットを調整していきます。

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)

――きょうのプレー振り返っていかがですか。

きょうは1オーバーという形でしたが、パットが決まらず苦しい展開でした。その中でなんとかまとめて1オーバーで終われたので、その部分は良かったと思います。

――全国という舞台ですが緊張などはありましたか。

最初、打つ前は緊張しましたが、コースに出ればいつも通りでした。楽しめました。

――印象に残るホールはありましたか。

最初の10番ホールです。このホールはショットをあげてバンカーに入ってしまったのですが、そこからうまく寄せられたので、今日は外してもいい感じでまとめることができるかなと思えました。最初のスタートをパーで終われたので安心しました。

――決勝に向けての意気込みをお願いします。

現在、1オーバーで、1アンダーぐらいがトップなので、なんとかアンダーで回って巻き返せるようにしたいです。頑張ります。

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)

――きょう一日のスコアを振り返っていかがですか

スコアは78で自分的には悪くてショットも安定しなくて、パットもけられるのが多くてついてなかったのです。耐えるゴルフでしたね。

――パットがついていないなか、ショットはどうだったか

後半、最後の方バーディーチャンスにつけて1つ取れたのですが、それでも一日で一個だったので。

――他のプレーであまりカバーしきれなかった

きょうは3つぐらいバーディーが欲しかったんですけど、1個だったので明日はもうちょっと取りたいです。

――初の全国という舞台への意識は

初めはちょっと緊張してて、ドライバーも振りきれなかったです(笑)。でも途中からは一緒にまわった同伴の先輩方がとてもいい人だったので、和やかな雰囲気でまわれました。

――後半はリラックスできましたか

そうですね。あしたからはまた調子を取り戻したいと思います。

――よかったプレーはありましたか

よかった点ではバーディーを取ったホールでピン横1メートルぐらいにつけて、ショットがキレてたんですよ。その次のホールでTショットを左にOBしてしまったのが、すごくもったいなかったです。

――あしたからの戦いに向けての抱負や目標はありますか

あしたはとりあえずイーブンで上がってきたいと思います。最終的にもうちょっと上位に食い込めるように。パッティングの調子を上げて、ショットを安定させて、全体的になのですが、もうちょっとスコアをまとめられるように結果的に良ければいいかなと思います。

(最終日終了後)

鈴木ありさ(スポ1=東京・杉並学院)

――決勝ラウンドのプレー振り返っていかがですか

きょうはアンダーで回りたかったです。前半途中までは良かったのですが、最後の方にパットが入らなくなってしまいました。前半の上がりがボギー、ボギーで苦しい展開でした。後半は、少しは巻き返せたのですが、バーディーが決まらず結果3オーバーとなってしまったので悔しいです。

――予選からパットの調子が悪いとおっしゃっていましたが、改善できなかったのですか

初日よりは距離の感覚などは良くなりましたが、最後のショートパットが決まらなかったので、このパットがやはりこの試合で課題として残りました。

――ご自身の成績についてはどのように感じていますか

結果11位ということで、まだまだだなということを感じました。ただ、今後に向けて課題も見えたので次にうまくつなげられるようにしたいです。

――全国大会出場ということで今後につながる収穫などはありましたか

全体的には調子も悪くないので、ちょっとした粘りがなかったです。なので、そこをしっかりと改善してリーグ戦(関東大学ゴルフBブロック対抗戦)に向けて頑張りたいと思います。

 

浜上佳奈(人1=長野・佐久長聖)

――決勝ラウンドはいかがでしたか

最後の後半は2アンダーでまわれたのが、ようやく最後になって自分のゴルフができました。悔いはありますけど、また来年に向けて課題も見つかったので、それに向けて頑張っていきたいと思います。

――予選からのギリギリでの決勝進出についてはいかがですか

予選を通ったら、そこまでは切り替えて、決勝は決勝でまた自分が出来る限りのプレーをして行けるところまで上に行きたいと思ったので。ギリギリでの通過は意識してなかったです。

――大会を終えて、大会前からの大会に対して抱いていた思いの変化はありますか

名前だけだった大会に自分も出て、全国に通用しない自分がわかりました。もっともっと課題を修正して、どんどん練習して目標を立てて来年リベンジしたいです。

――OUTで34、INで41の7打差についてはいかがですか

前半で悪かったんですけど、持ち直して、2アンダー。意地でした。早大の粘り強さで頑張りました(笑)。

――今大会の結果についてはいかがですか

全然満足してないですね。もうちょっと3日間通して飛距離の無さとか体力の無さ、色々課題がありました。自分の今できるプレーはできたと思いますが、まだまだ上には上がいることを実感しました。

――初日から気にかけていたパットやショットはどうでしたか

最終日パットは良かったです。1パットで入るシーンも多くて良かったです。

――今後につながる収穫はありましたか

そうですね。いろんな課題が見つかったので、パットとショット共に、もうちょっと練習していきたいと思います。