関東大学春季Bブロック対抗戦で優勝し、晴れてAブロックに昇格した早大。2年ぶりの関東最高峰での戦いに挑んだ。例年の早大であれば昇格するも、即降格。Aブロック残留を果たしたのは8年前にさかのぼる。ことしの早大も初日に上位に食い込むことはできず、残留を懸けた戦いとなる。最終日に最下位の明大に迫られるも、1打差で接戦を制し残留を果たした。部の目標にしてきた4位以内には届かなかったが、来年につながる結果となった。
一日目に活躍した滝
関東大学秋季Aブロック対抗戦は8人の出場選手のうち上位7人のスコア合計で勝敗を決める。6チーム中上位4校には信夫杯争奪日本大学対抗戦(信夫杯)の出場権が与えられ、最下位はBブロック降格となる。Aブロックのレベルは非常に高く、6月に行われた第50回全国大学対抗戦(全国大学対抗戦)で優勝した日大、名門、東北福祉大などがしのぎを削る。
初日から早大は強豪校の前に苦しむ展開となる。夏の個人戦で活躍した山城秦介(先理2=沖縄・開邦)、石毛巧(スポ1=埼玉栄)は73とまずまずの成績を残した。また、ことし早大の躍進の原動力となってきた滝雅志(スポ2=茨城・水城)は全体4位の69で回り、実力を強豪校に示す。しかし、部としては層の厚みに欠く。「いざ本番になったときに自分の力が出せるかというところの面ではまだまだ」(木﨑亮太主将、スポ4=茨城・水城)と語るように、レギュラー入りを果たしたルーキーたちは本来の実力を発揮できない。1日目を終えてチーム合計526。目標であった4位の専大とは6打差で最終日に望みをかける。
アイアンショットを放つ木﨑主将
部の1年間の目標であった信夫杯出場はならなかった。しかし、ことしは早大にとって飛躍の年であったのは間違いない。関東大学春季Bブロック対抗戦で優勝し、全国大学対抗戦では強豪校相手に健闘。個人戦では3人もの選手が第67回日本学生選手権競技に出場した。近年では最高の成績と言っても過言ではない。しかし、選手たちは満足しているわけではない。木﨑は「『Aブロックにワセダあり』という伝統を続けていって欲しい」と後輩たちへ思いを託した。どれだけ長い間、Aブロックの舞台で戦い続けることができるか。強豪校としての伝統はここから始まる。
(記事、写真 辛嶋寛文)
結果
▽総合順位
5位 早大 526・528=1054
▽個人成績
木﨑亮太主将(スポ4=茨城・水城) 75・82=157
鈴木豪(国教3=愛知・南山国際)81・80=161
青野憲太郎(スポ2=京都学園)76・75=151
滝雅志(スポ2=茨城・水城)69・71=140
山城秦介(先理2=沖縄・開邦)73・75=148
石毛巧(スポ1=埼玉栄)73・77=150
照沼恭平(社1=東京・早実)79・73=152
前山聖耶(商1=青森・弘前)81・77=158
コメント
木﨑亮太主将(スポ4=茨城・水城)
――2日間を振り返って
他の部よりも練習ラウンドが少なかったということで、初日の朝は不安しかありませんでした。しかし、それを割り切って、怖いものなしに自分の打ちたいコースを狙っていくことができ、ホールを重ねるごとに良くなりました。際どいパーパットを沈めたり、なんとかつないでの1日目は75でした。なので、初日はまあまあ良かったです。2日目は全てがかみ合わなくなってしまいました。これが最後のリーグ戦(関東大学秋季Aブロック対抗戦)だと思うと、このままじゃいけないと余計に焦り、ずるずるとスコアを上げることもできず、ボギーの連発になってしまいました。
――第61回関東学生選手権のときには自身のショットへの不安があるとおっしゃっていましたが、まだあるということでしょうか
無い状態で臨めたのですが、やはりコースに立つと自らかけてる見えないプレッシャーがあるのか、結果としてミスショットにつながってしまいました。結構広くて、距離もないコースにも関わらず、グリーンにヒットできなかったのは痛かったです。
――ここまで主将としてチームをまとめてきて、5位という結果についてはいかがですか
結果には満足していません。関東大学秋季Aブロック対抗戦で4位以内に入り、信夫杯争奪日本学生選手権(信夫杯)に出場することが部の目標でした。主将としてみんなでかなえたかった夢でもありましたので。ですが、何年振りかわかりませんが、久しぶりにAブロックに残れたというのは良いことかなとは思います。これから後輩にはずっとAブロックで戦って欲しいです。「Aブロックにワセダあり」という伝統を続けていって欲しいです。
――ここまで部を作り上げてきましたが、部は以前とは変わりましたか
変わりましたね。
――どのようなところが変わりましたか
自分が1年の春にレギュラーで試合に出たときはBブロックの5位。実力的にもそうですし、チームとしてもチームで動いているんだという意識の高さが以前よりも高まりました。部として結束できているなと感じる部分が多いです。
――ことしはかなえることのできなかった信夫杯出場ですが、どのようなことを改善すれば出場は近づくと思いますか
部員には力があります。このレギュラーに入れなかったメンバーも試合に出るために切磋琢磨していますし、意識面では他大には負けていません。ただ、いざ本番になったときに自分の力をどれだけ出せるかというところの面ではまだまだです。やはり、実戦をつんで試合でスコアを出すことに自信を持ってもらうことが、みんなの課題ですし、これから改善していって欲しいです。
――部としての戦いは一段落つきましたが、来年部員に達成して欲しいことなどありますか
まずは今回達成できなかった信夫杯に出場すること。そして、ことし北海道であった全国大学対抗戦の上位に入り、TOPY杯(TOPY CUP 日米大学対抗選手権)に出場することですね。ことしは3打足らず出場を逃してしまいましたので、その2つを達成して欲しいですね。
――最後に個人としてはまだ試合はありますので、選手としての意気込みをお願いします
学生ゴルファーとしては最後に軽井沢で朝日杯争奪日本学生選手権関東地区予選がありますので。コースが同じとは限りませんが、団体戦で足を引っ張ってしまったので、せめて個人戦だけでも主将としていい形で終われるように、本戦の出場権を獲得したいです。
滝雅志(スポ2=茨城・水城)
――なんとか残留を決めました
リーグ戦Aブロック4位以内を目標としてきたので、結果的には目標を果たせませんでした。毎年上がっては落ちるというパターンが続き、今回の残留がかなり久しぶりだったので、それに貢献できたことは良かったです。
――きのうのラウンドから振り返っていただけますか
二日間通して調子はあまり良くなかったのですが、その中で我慢のゴルフでした。きのうはバーディーが取れ、ミスが少なかったので(スコアが)伸びたという感じで、二日間通してスコアをまとめられたことは自分の中で収穫になりました。
――今日は後半スコアを上げましたがいかがでしたか
前半、ボギーが一つで、あとはすべてパーでした。バーディーチャンスにはついていたのに、決めきれなかったです。今日は出だしからホールアウトするまで同じような雰囲気のラウンドで、たまたま途中でバーディーがきたというゴルフでした。
――意識していたことはありましたか
ショットの曲がり幅が最近大きかったので、それを抑えるのに、目標に対する集中力をいつもより上げて臨みました。あとはアドレス(プレーヤーがスタンスをとってクラブを地面に付けること)の向きなど、細かいところを調整しました。2日間通して、ボギーが3つだったので、そういうところにはつながったかなと思います。
――個人戦へ向けて一言お願いします
ことしは全国には行けましたが、納得のいく結果では全くありませんでした。今回の個人戦と団体戦の試合を反省にして、もっとうまくなれるように練習していきたいと思います。全国3位以内を目標にしてやっていきたいです。
山城秦介(スポ2=沖縄・開邦)
――2日間を振り返っていかがですか
この大会に入る前までは結構調子が上がっていて、自分自身でも2日間アンダーでも回れるのではないかと思っていたのですが、この試合の2、3日前からスイングが良くなくなってしまい、今回はごまかしながらのプレーで苦しかったです。
――5位で残留することができましたが結果については
残留できたことは良かったですが、部としての目標は4位以内で。それが達成できなかったのは残念です。
――6月の第50回全国大学対抗戦競技でも勝てなかった専大に負けての5位ということでしたが勝つためにはどのようなところを変えていく必要があると思いますか
今回Aブロックの選手たちと回って、すべてが違うのですが、特にショートゲーム、アプローチでのショット、パターの制度がすごくて。そこの差を縮められればもっと良い勝負ができると思います。
――個人として課題に残ったことはありますか
個人的に課題に残ったことはセカンドショットの距離感とパットです。その二つがかなり他の選手よりも劣っていました。
――団体戦が終わりましたが、ことしの団体戦を振り返っていかがでしたか
団体戦では春も秋も思うようなスコアが出なくて、もどかしい思いをしたので、来年の春はマッチプレーで全校と当たるのでそこで結果が出せるように、ショットの精度を高めていきたいです。
――来年の団体戦に向けて意気込みをお願いします
自分の中では良い方向に進んでいると思うので。個人としてはショットの精度、パターの精度をより上げていきたいと思います。