関東学生選手権(関カレ)から約1か月。静岡県沼津の地で、大学日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が開催された。初日にはフルーレの森多舞(スポ3=山口・岩国工)が個人戦で3位となり、後半には男子サーブルが団体戦で銅メダルを獲得するなど、早大の選手は次々と上位にランクインしていった。そして迎えたインカレ最終日、早大を最後に盛り上げたのは女子サーブル団体だった。
※最終日のみの取材のため、女子サーブル団体戦中心の記事になりますこと、ご了承ください。
インカレに臨んだ早大勢。笑顔あり、悔しさありの5日間を過ごした
女子サーブルの団体戦は、山崎妃奈乃(法1=千葉・渋谷幕張)と伊藤花乃(スポ1=愛媛・三島)にフルーレ専門の森多を加えて臨んだ。1回戦で日体大、2回戦で立命大を相手に難なく勝利を収めると、続く準決勝では関カレ準優勝校の日大と対戦。格上とされる相手との一戦であったが、山崎が第1セットをものにし、一時逆転を許すもすぐさま「(勢いが)爆発していた」森多が11ポイントを奪って早大に流れを引き寄せる。そのまま山崎と伊藤も得点を重ね、第6セット終了時点で日大に10点差をつける快進撃を見せた。しかしその後、森多が足を負傷するアクシデントに見舞われ、3点差まで詰め寄られる。森多はなんとか第7セットを取り切ったものの、残りの2セットで日大に傾いた流れを取り戻すことができず逆転負け。40-45で敗戦し、決勝進出を逃した。ただ、試合後に日大の選手全員に安堵の涙を流させるほど早大のサーブル陣は力をつけ、相手に強いプレッシャーを与えられたことには間違いないだろう。
気迫を前面に押し出しプレーする山崎
気持ちを切り替えて挑む3位決定戦では、負傷した森多に代わり、同じくフルーレの早川葵彩(スポ1=東京・東亜学園)がメンバー入りした。序盤からわずかな差で東女体大にペースをつかまれ、終始早大が追う展開に。サーブル陣の2人はもちろん、「楽しく自由にやって」とエールを送られた早川もしっかりと点を重ねるが、結局一度もリードすることなく3点ビハインドで最終セットの山崎にバトンが渡った。このとき頭によぎったのは、関カレでの団体戦の光景だ。1か月前の関カレで、今回と全く同じように3点を追う状態でピストに入ったものの「(点を)取り急いでしまった」と点差をつめることができず、悔し涙を流していた山崎。雪辱を果たしたい場面で、山崎は今度こそ「ここで出し切ろうと思った」と気迫あふれるプレーで相手を圧倒し、見事逆転に成功した。45-43の接戦を制し、悲願の銅メダルを獲得。勝利が決まると女子サーブル陣は抱き合ってお互いの健闘を称え合った。
3位決定戦で勝利し抱き合う女子サーブル陣
日本一が見える位置にいただけに悔しさも残るが、満足度は「120点」だという女子サーブル。山崎と伊藤のいい意味で1年生らしからぬ活躍と、森多と早川による頼もしい援護、そして日本一のチーム力でつかみ取ったこの輝かしい功績を自信に、さらなる高みを目指したい。
インカレが終わり、4年生の引退も一歩近づいた。残るは全日本選手権の団体戦と早慶戦。このメンバーで過ごす貴重な時間を大切に、チーム全員でラストスパートを駆け抜けていく。
(記事、写真 槌田花)
コメント
山崎妃奈乃(法1=千葉・渋谷幕張)
――今大会で立てていた目標を教えてください
個人はベスト4で、団体はメダルを獲ることが目標でした。
――準決勝、強豪の日大とあそこまでいい試合ができるのは想定内でしたか
いや、舞先輩がすごい爆発していて(笑)それに助けられて自分も。最初1試合目で流れをつくれて、それを舞先輩と花乃がつないでくれたおかげですごくよく戦えました。全体的に調子はみんなよくて、いい雰囲気でした。
――3位決定戦、相手の東女体大には勝つイメージはできていましたか
もちろん勝てる相手ではあると思っていて。舞先輩が(けがで)出られなくなったので、自分たちが代わりにどう点を取っていくかという感じだったんですけど、葵彩が大活躍してくれて、自分もすごい心に余裕を持って戦えて、メンバーに助けられたインカレでした。
――舞さんから葵彩さんに代わって、3位決定戦までの時間で何かチーム内で話したことはありますか
もう自由にやって、って(笑)サーブル陣はみんなフルーレ陣のことを嫌がるので、楽しく自由にやってって言いました。
――関カレのときも同じような場面で、最後取り切れなくて悔しい思いをされたと思いますが、今回逆転できた要因はなんだと思いますか
前の試合があまりよくなかったので、ここで出し切ろうって思って。みんなが良い流れでつないでくれたのでできました。
――インカレまでの間で強化したことってありますか
私は自分の試合が多かったのもあって、その試合のよかった点と悪かった点を振り返って、自分のプレーに活かせたかなと思います。
――前回は点を取り急いでしまったと仰っていましたが、今回はどういうところがよかったですか
団体戦に関しては本当に流れが大事なので、その流れをつなげたことと、厳しい状況のときに最後点を取れたところが本当によかったです、安心しました。
――満足度は何点くらいでしょう
120です。
――優勝も見える位置にいたと思うのですが、悔しさは残りますか
日大戦は勝てたなと、自分が最後逆転できなかったので悔しい気持ちもあるんですけど…
――それでも、悔しさを上回って120点?
はい!
――それでは最後に全日本選手権団体戦の目標を教えてください
日大に勝って、優勝を目指して頑張ります!
【結果】
☆女子フルーレ個人戦
森多舞(スポ3=山口・岩国工)3位
早川葵彩(スポ1=東京・東亜学園)13位
岡田彩希(スポ1=京都・龍谷大平安)52位
☆女子フルーレ団体戦 6位
早大○45-11東北文化学園大
早大●36-45専大
☆男子フルーレ個人戦
ダグラス・ビューワーニック(スポ4=埼玉・星槎国際)11位
藤澤将匡(スポ4=宮城・仙台城南)40位
☆男子フルーレ団体戦 7位
早大○45-41愛工大
早大●23-45法大
☆女子サーブル個人戦
伊藤花乃(スポ1=愛媛・三島)8位
山崎妃奈乃(法1=千葉・渋谷幕張)10位
☆女子サーブル団体戦 3位
早大○45-36日体大
早大○45-36立命大
早大●40-45日大
早大○45-43東女体大
☆男子サーブル個人戦
田中智也(商3=千葉・東葛飾)14位
佐藤悠雅(人科2=福岡・西南学院)15位
☆男子サーブル団体戦 3位
早大○45-25関学大
早大○45-43立命大
早大●19-45中大
早大○45-41法大
☆女子エペ個人戦
蓮井陽菜(スポ4=香川・高松北)6位
池田佳央理(社1=岡山大安寺中教校)56位
☆女子エペ団体戦 6位
早大○45-25同志社大
早大●41-42専大
☆男子エペ個人戦
中本尚志(スポ1=山口・岩国工)6位
周旻朗(国教4=香港・セントステフェンズカレッジ)11位
仙葉遼輔(国教4=秋田南)41位
☆男子エペ団体戦 8位
早大○45-37関学大
早大●33-45法大