フェンシング部に所属しながら、「近代五種」に力を注ぐ選手がいる。2年生の柴田華(スポ2=神奈川・横須賀大津)だ。早稲田大学フェンシング部の部員として活動する傍ら、個人で近代五種に取り組み実績を残している。11月に行われた全日本選手権(全日本)では3位につけ、目標としていた表彰台に上った。
その過酷さから、キングオブスポーツとも呼ばれる近代五種。名前の通り、水泳、フェンシング、馬術、射撃、ランニングの5種目で順位を競う。柴田が競技を始めたきっかけは、小学6年生のときに参加した近代三種の体験会。好成績を残した柴田に、近代五種協会から声がかかった。その後、中学では陸上部、高校では水泳部、そして大学ではフェンシング部に所属しながら外部で他種目を練習し、近代五種競技を続けてきた。現在も、種目によっては自らメニューを考え独りで練習を重ねている。
表彰台に上る柴田(写真右)
表彰台を目指して臨んだ全日本。その目標を見事に達成し、銅メダルを手にした。最初の種目は柴田が得意とする水泳。後半に巻き返し、全体で2位につけた。続くフェンシング、馬術は会心の出来とは言えずともうまくまとめ、他の選手の失権も影響しこの時点で2位に躍り出た。最後の種目となったレーザーラン。「全然ダメだった」と振り返ったように、射撃の不安定さが目立ちレーザーラン単体では8位に終わった。しかし、水泳で手にしたリードがレーザーランの成績をカバーし、総合3位。課題が見える種目がありながらも、自信を得たレースとなった。
先日、見事シニアのナショナルチーム入りを決めた柴田。ジュニアのナショナルチームに所属していた柴田にとって大きな目標であった。次に見据えるのは、「アジア大会の出場枠を確実にとることと、ワールドカップで経験を積むこと」と語る。フェンシングという枠にとどまらず、近代五種で世界と渡り合う柴田。今後のさらなる活躍に期待がかかる。
(記事 澤崎円佳、写真 本人提供)
コメント
――全日本選手権を振り返って、感想をお願いします
まずこのような状況の中、今大会を開催していただきありがとうございました。前大会は思うような結果が出ず、苦しい1年となりましたが今大会は3位という結果を残すことができうれしく思います。
――3位という好成績を残せた要因はどこにあるとお考えですか
苦手としていた陸上の強化に励みました。また、周りの人たちの支えがとても大きかったと思います。
――良かった点、悪かった点をそれぞれ教えてください
良かった点は、どの種目も全体的によくまとめられていたかなと思います。悪かった点は、2回目以降の射撃で、かたくなってしまいあまり当たらなかったところです。
――今後強化したい点はどこですか
陸上とフェンシングです。
――今後に向けて意気込みをお願いします
コロナ禍で色々大変なことがあると思いますが、感謝の気持ちを忘れずに取り組んでいきたいです。