【連載】インカレ直前特集『VICTORY』 最終回 木村結×齋藤里羅子×安雅人(11/11)

フェンシング

 全日本学生選手権(インカレ)前対談も最終回。今回登場するのは木村結(社4=山口・柳井)、齋藤里羅子(スポ4=山形東)、安雅人(スポ4=茨城・水戸一)の3人。陰日なたに早大フェンシング部を支える4年生は最後のインカレを前に何を思うのか。

※この取材は11月9日に行われたものです。

質問に答える木村

「縁の下の力持ち」(齋藤)

――それぞれの選手の他己紹介をお願いします。まずは木村選手の紹介をお願いします

齋藤 見ての通り愛されキャラですね。

 みんなから愛されていて、日々いじられて成長していくタイプですね。

木村 良く泣かされます、いじめられすぎて。もっといいとこ言ってよ。

齋藤 すごい負けず嫌いですね。それがフェンシングにも生きているなというのを、同じサーブルとして。

 いいこと言うじゃん。

木村 そういうのを待ってた。

齋藤 それは本当にいいところだなと思います。

 面倒見がいいと言うか、結ちゃんのバイト先にあとから入ったんですけど、すごい色々教えてくれて。優しいなというのを最近感じました。

――齋藤選手の紹介をお願いします

木村 女子サーブルの中のムードメーカーで、団体戦の時とかも積極的に盛り上げてくれるし、笑わせてくれます。無茶振りしてもなんでもやってくれるのでそういうところが好きです(笑)。

 主務をやってきたので、真面目なのかなというのは感じるんですけど、たまにおっちょこちょいなところもあったりするので、そこがやっぱりギャップでいいところなのかなと思います。

――安選手の紹介をお願いします

 あんまりいいところないもんな俺。

齋藤 でも意外とやるときはやる男だと思っているので、ちゃんと決めるところは決めるので。普段適当にしていても、ちゃんと決めなきゃいけないところはしっかりしているんじゃないかと信じています(笑)。

 思いますじゃなくて。

木村 フェンシング大好き人間。

 結ちゃんも負けていないと思うけど。

木村 安君には負けるわ。

 負けず劣らずだと思っています。

木村 あとはよく話しかけてくれるので、嬉しいです。

 おー、嬉しい。

――関東学生リーグ戦(リーグ戦)、入れ替え戦、全日本王座決定戦(王座)を振り返っていただけますか

木村 リーグ戦はとりあえず1部昇格だけを考えていて、みんなで力を合わせて1部昇格できたので、すごいリーグ戦は良かったかなと思います。

齋藤 小学生の作文みたいな(笑)。

木村 良かったと思います。

齋藤 同じサーブルで1部昇格を目標にやっていて、リーグの中で、ヤマ場が日女体大との試合だったんですけど、みんなでつないで木村が踏ん張ってくれて。リーグを優勝という形で終わることができて。その後の入れ替え戦は去年負けて1部に上がれなかった専大と試合したんですけど、そこは絶対負けたくないところで確か私が負けて回しちゃったんですけど、そこでみんなで声を掛け合って流れを戻して。専大は勢いのあるチームなんですけど、そこと対戦して1部昇格できたというのは、嬉しいし、3年越しの1部昇格だったので、念願のという感じでしたね。

 男子エペは勝てる勝てる、優勝でしょう?という中で試合していたので、純粋にどっちも優勝できて本当に嬉しかったというのと、前期を優勝、優勝で後期まで5冠するぞ、というモチベーションを保ったまま、後期に入れるきっかけになれたので、そこはすごく良かったのかなと思っています。

――関東学生選手権(関カレ)の振り返っていただけますか

木村 個人は目標がベスト8で、けっこう強い選手も出ていたので、正直ベスト4に入れたというのは自分でもびっくりしていて。でも練習はほかの人よりも頑張っていた自信があるので、しっかり努力すれば結果がついてくるんだなと思いました。インカレでも4年生パワーで頑張りたいと思います。団体は法大とだったんですけど、個人戦でも法大の人と当たっていたんですけど、団体になると向こうの勢いに押されてしまって。私が負けの流れを作ってしまったのかなという自覚がちょっとあって、団体戦ではいつもの力が出せなかったのかなと思います。

齋藤 関カレの個人では1回戦目で一本勝負を落として負けてしまうことがあって。全然勝てる相手だったのに、自分で流れを持っていけずに一本勝負までもつれ込んで、負けてしまったという悔しい結果だったので、最後の一本を取り切る力を意識してインカレをやっていきたいと思っています。団体は2回戦目が法大との試合だったんですけど、私は団体戦の方が気持ちが入るタイプなので、そういう強い気持ちで臨んだんですけど、最初の方はいい流れでみんなそれぞれが仕事をしてくれたんですけど、やはり相手も選手を揃えていて、押されてしまったところが全体的にあったので、そこを団体力で。団体は個人とは違って、個人の力だけじゃない部分、チームワークで勝てるところがあると思うので、インカレではそこを意識してやっていきたいと思います。

 個人戦は勝てる人にちゃんと勝ったというところで、自分の実力を出せれば当たる相手的には優勝できる相手だったので、そこで優勝できたのは良かったのかなと思います。その時すごい調子良くて、何しても決まるイメージがあったので、競った試合とかはいろんなことをやりたすぎて、点を取られたけど、13-13にはなるけど、最終的には負けないだろくらいに思っていたので、そういうメンタルの持っていき方とかはすごく良かったのかなと思っています。団体はフルメンバーだったんですけど、良くも悪くも安心できたかなというところで。いい面は強いからみんなでちゃんとやれば優勝できると安心できたし、悪い意味っていうところでいうと、周りが強いからどこか自分が駄目でも後ろに回せれば大丈夫だろという感じで、結局試合が上手くいかないところがあったので、インカレでは自分がしっかり取るんだという気持ちで、自分にプレッシャーをかければ大丈夫だなって今はそう反省しています。

――4年生としてチームをまとめる立場にあると思うのですが、何か意識されていることはありますか

木村 自分の性格的に全体をまとめるということはあまりないんですが。今、女子サーブルのリーダーをやっているんですけど、来年4年生が3人抜けて、後輩が2人になっちゃうので、どういう練習をするかというのを全部指示するよりも、後輩の意見を聞きながら、どういう練習をするか提案する感じで意識してやっているので、来年につながる練習の作り方を意識してやっています。/p>

齋藤 代としては9月から3年生が引っ張っているので、私たちは上ですが、部を引っ張っている形ではないんですけど、その中で3年生がやりやすいように上手くつなげていけるようにというところで、いろんなみんなの話とか聞いたり、みんな悩んでいたりしないかなという心がけとか、そういう小さい部分、下級生だったり全体を見ていけたらいいのかなという風にやっています。

 僕も表立っていう方じゃないので、めちゃめちゃコミュニケーションをとりにいったりだとか。例えば、僕が遅くまで教場にいるのもあれなんですけど、余った人を連れてご飯に行ったりだとか、飲み会に誘ってみんなで飲んだりだとかして、その中でいろんな人からお話を聞いたりして。部がどういう感じなのかなとかそういうのをちょろちょろって小耳にはさみながら、それを頭にいて部を俯瞰して見てみると、そういうところがあるなというのが分かってきたりするので、そこをちょこっといじったりすると、いい方向に持っていける気がしたので、裏でいじる系の(笑)。

一同 (笑)。

 そういう仕事だと僕は個人的に思っています。

齋藤 縁の下の力持ち?

 縁の下の力持ちになりたい。そういうイメージでやっていました。

同期について話す齋藤

4年間の変化と日常

――4年間で、お互いの変わった部分や変わっていない部分はありますか

齋藤 安君最近、「なえ安」見ないなーって思った。

 確かに。

齋藤 結構すぐなえちゃうタイプで。

 しょんぼりしちゃっていて。

齋藤 なえている安君を、「なえ安」だっていじっていたりしていたんですけど、最近は割と元気です。

  最近はめちゃめちゃ元気ですね。情緒不安定かってぐらい教場で元気なときがあるんですけど。でもその反動で、家では、はぁってなるときもあるんですけど(笑)。

齋藤 「なえ安」を見せてないだけなんじゃない?

 ここに来るとすごく楽しくなっちゃって。今は、「ポジ安」ですね。

一同 (笑)。

 こっちが今住んでいる家よりもアットホームな感じなんですかね。それで、ポジティブになっていって、4年間で「なえ安」から「ポジ安」になりました。

――居心地がさらに良くなっていったのですか

 もともとも良かったんですけど、最近は4年生ということもあって、後輩が先輩—って来てくれるので、居心地がいいですね(笑)。

齋藤 よいしょよいしょ〜って(笑)。

 よいしょよいしょ、お〜って(笑)。

――齋藤選手についてはいかがですか

木村 里羅子は、入学当初は真面目で、ザ進学校みたいな感じだったんですけど、気づいたら一番パリピになっていました(笑)。

一同 (笑)。

齋藤 パリピではない(笑)。でも確かに色々出していくようにはなった。言われたら面白いこと何でもしちゃうみたいな。

木村 本当に何でもしてくれるんですよ(笑)。

――木村選手についてはいかがですか

齋藤 変わらないね。

 何にも変わってないね。

一同 (笑)。

木村 いいんですかね。

変わらない結ちゃんがいいです(笑)。

――この4年間で思い出に残っていることはありますか

 合宿で最終日に十河(昌也、スポ4=香川・三本松)が馬のマスクを被って、AKBの何かを全力で踊っていたのが、めちゃめちゃ面白かったです(笑)。4年間で、一番笑った(笑)。

一同  (笑)。

木村  毎日が思い出でした(笑)。

 うまくまとめようとするんだけど。

齋藤 ちょいちょい笑っているから、これといったことが・・・。

 嬉しかったことでいいんじゃないかな。

木村 嬉しかったのは、(今年の入替戦での)1部昇格です。

 僕は全日本で3番になった時です。過去一の喜びです。叫びで表現しました。

齋藤 2年生のときに同期3人で、団体戦だったんですけど、同期で団体戦を組めるのってなんかいいなーていうのを思いましたね。楽しかった。

木村 うん、楽しかった。

齋藤 やはり同期だと言いやすいんですよね。色々お互いの癖とかもわかっているので。今も団体戦は楽しいんですけど、同期で組むというのは特別な意味があるなと思います。

――今年の早大フェンシング部の雰囲気はいかがですか

 うまくまとまっている感じじゃない?

齋藤 多種多様だけどそれがいい感じになっている。

 凸凹なのがうまく組み合わさって、丸になっているかなって気がする。

――オススメの後輩はいますか

木村 1年の森多諒(社1=山口・柳井)。

一同 お〜。

木村 小学生の頃からずっと一緒で、弟みたいな感じです。

齋藤 結ちゃ〜んって言っているもんね(笑)。

木村 小中高全部一緒で、今学部も一緒なので。

齋藤 結ちゃんのこと大好きだね(笑)。

木村 私のストーカー(笑)。

齋藤 私は、村上万里亜(スポ2=愛媛・三島)です。私が同期女子にふざけても、最近スルーされることが多いんですね。でも、後輩ってこともあるのか、いつも私のボケとかを拾ってくれるので、感謝しています。

 自分は、2年の増田(陽人、商2=岡山大安寺中教校)です。陽人とは、高1、高2くらいから付き合いがあって、遠征も一緒に回ったりしていて、それで後輩として入って来てくれて嬉しいですし、今はチームメートであり、試合でもプライベートでも良きライバルです。

齋藤、木村 プライベートでも(笑)。

 ほんとかわいい後輩です。

インカレの心境を語る安

「早稲田が好き」(安)

――最後の全日本学生選手権(インカレ)となりますが、今の心境はいかがですか

木村 後期が始まる前に立てた目標は、インカレも個人の目標はベスト8でした。でも、関カレを終えて、目標は達成したんですけど、負けたことがすこく悔しくて。なので、インカレでは、絶対に個人も団体も優勝を目指して、強い相手でも立ち向かっていきたいです。

齋藤 やり切るしかないという強い気持ちを持って、個人ではベスト8を目指して、団体では優勝を目指してやっていきたいと思います。

 同世代の強いライバルたちが、海外遠征に行っている中、自分は日本に残ってインカレに出るので、個人団体で優勝を目指すというよりかは、しっかり取るというイメージで、本当に最後なので、負けたくないです。

――インカレで注目して欲しいところはありますか

 僕の華麗な剣技を見てください(笑)。

齋藤 いっぱい声を出すので、叫び声を。

一同 笑。

木村 絶対嘘(笑)。

齋藤 じゃあ、何だろう。

木村 里羅子はミステリアスな動きをするところ(笑)。読めないところ。

齋藤 独特な動きをするので、次どんな動きをするかを予想しながら見ていてください(笑)。

一同 笑。

木村 私は、いつも写真撮ってくださるじゃないですか。なんか、顔がすごくて(笑)。私のマスクがすごく顔が見えやすくて、必死な顔を見て欲しいです。

――早大が他大には負けていないと思う部分はどんなところですか

木村 先輩と後輩の距離が他の大学よりも近い。団体戦とかになっても、アドバイスをお互いにし合う関係が早稲田の強みだと思います。

齋藤 早稲田は指導者がいない中で、自分たちで考えてやっているので、そういうのもあって、先輩後輩関係なく仲がいい。それぞれ考える力、自分でやっていく力が強いところが早稲田の魅力なのかなと思います。

 みんなが早稲田に入って、早稲田が好きになって、早稲田を誇りに思って、試合会場に向かっていて。そういうところや、愛校心、早稲田を背負っているというところで、他の大学とは意識が違うのではないかと思います。そこがやはり強いところなのだと思います。

――インカレへの意気込みをお願いします

木村 個人戦は自分のフェンシング人生でインカレが最後になるので、しっかり悔いのないように勝って終わりたいです。

齋藤 4年間の全てを出し切って、勝ちにこだわっていきたいです。

 個人団体優勝して、美味しいお酒を飲みます。

――ありがとうございました!

(取材・編集 小原央、本野日向子)

4年間の絆が感じられる対談でした!

◆木村結(きむら・ゆい)(※写真左)

1998(平10)年3月9日生まれ。160センチ。山口・柳井高出身。社会科学部4年。種目はサーブル。色紙には横書きで「4年生パワー」と書いていただきました。早稲田を背負っての最後の個人戦。力を出し切ります!

◆安雅人(やす・まさと)(※写真中央)

1998(平10)年3月1日生まれ。172センチ。茨城・水戸一高出身。スポーツ科学部4年。種目はエペ。色紙には「焼肉食べたい」と綴った安選手。2年前の「山盛りご飯」に続き、安ワールド全開でした。団体5冠を成し遂げます!

◆齋藤里羅子(さいとう・りらこ)(※写真右)

1997(平9)年5月7日生まれ。159センチ。山形東高出身。スポーツ科学部4年。種目はサーブル。木村選手に触発されて絵文字を付け加えた齋藤選手でしたが、出来栄えにあまり満足されていませんでした。最後の学生大会を楽しみます!