女子サーブル、念願の1部昇格!

フェンシング

 待ちに待った瞬間がやってきた。前日までの関東学生リーグ戦(リーグ戦)の結果を受け、行われた入替戦。早大からは1部昇格を目指す女子サーブルが出場。対戦相手の専大に、序盤こそ相手に流れを渡したものの、中盤以降は選手自身のプレーが見られるように。逆転し、そのまま流れをつかみとった。そして44-35から、木村結(社4=山口・柳井)が一本を決める。その瞬間、緊張から解き放たれた選手はこれ以上にない喜びを見せた。

勝利後、選手は喜びを分かち合った

 「1部に上がりたい」(齋藤里羅子、スポ4=山形東)。無念の2部降格から3年間、女子サーブルチームが抱え続けてきた強い思いを胸に試合に臨んだ。相手は専大。昨年の入替戦で熱戦の末に一本勝負に負けた因縁の相手だ。雪辱を果たしたい早大は立ち上がり、「いろいろ考えすぎて緊張した」(齋藤)と相手のペースについていけず、開始早々から追いかける展開に。だが、その後の木村、黒田ほのか(スポ1=香川・三本松)が流れに飲まれず、差を詰め迎えた4周り目。登場した齋藤は、立ち上がりとは打って変わって落ち着きが見られるように。順調に得点を重ね逆転に成功すると、続く黒田は「いいムードを作って帰る」(黒田)意識で冷静に得点を重ねる。5連取で主導権を早大に呼び込んだ。10点差と引き離して終盤に突入したが、7周り目に入った黒田が相手のリズムに苦戦を強いられ、アタックが決まらない。じりじりと追い上げを受けるものの、リードは守り切る。齋藤、最後周りの木村も安定して試合を進めていく。そして最後の1点を取りきると、木村は雄たけびを上げた。昨年成しえなかった専大からの白星、そして3年ぶりの1部返り咲きをつかんでみせた。

流れを呼び寄せた黒田

 昨年までチームを率いてきた佐々木陽菜(平31スポ卒=現ANA)が抜け、新たなチーム作りが5月の段階で結果に表れた。特に、この試合で見られたのは落ち着いた試合運び。ビハインドの展開でも切り替えて、点差を着実に詰めていくことができた。これがリーグ戦最後の出場となった4年生は、2部で過ごした時間が長い。団体として結果を残すことの難しさを身に染みて実感していただけに、喜びもひとしおだっただろう。苦難を乗り越え、飛躍の時を迎えようとしている女子サーブル。新たな夢への第一歩を踏み出した。

(記事、写真 小原央)

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子サーブル

早大[木村結(社4=山口・柳井)、齋藤里羅子(スポ4=山形東)、村上万里亜(スポ2=愛媛・三島)、黒田ほのか(スポ1=香川・三本松)] 1部昇格

◯45―35専大

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コメント

齋藤里羅子(スポ4=山形東)

――今の率直な気持ちをお願いします

本当に良かったとほっとしている、その一言ですね

――昨日までのリーグ戦2日間を振り返っていただけますか

一つ一つ勝っていく思いでやっていたという感じですかね。ずっと1部に上がりたいと思っていて、去年はかなわなかったので、今年こそはという気持ちでやっていました

――今日の試合は何を意識して臨まれましたか

すべてを出し切ろうと。いつも通り、後悔のないようにやろうと思っていました。

――序盤は相手のペースでしたが、逆転できた要因はどこにあったと思いますか

立ち上がりが私が負けて帰ってきて流れが悪かったので、ここで私が取らなきゃ流れが変わらないなと思ったので。最初はいろいろ考えすぎちゃって緊張したんですけど、いい意味で何も考えすぎずに、一本一本やろうというような気持ちでやりました

――秋の大会の意気込みをお願いします

リーグを通して団体戦のチーム力も上がってきているので、秋の大会では優勝目指して頑張っていきたいと思います。関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)優勝目指して頑張ります。

黒田ほのか(スポ1=香川・三本松)

――今の率直な気持ちをお願いします

本当に良かったなと安心した気持ちです

――早大に入部した理由は何でしょうか

大きな理由としては、フェンシングをするとして、関東に行きたかったということがあって。その中で大学をいろいろ見て回って、練習環境とかを見て自分にあった環境を探して、それで早大が一番自分にあった環境かなと思って、入学したいなと思って早大に入りました。

――今日の試合は何を意識して臨まれましたか

自分が点を取るんじゃなくて、1年という立場なので、いいムードを作って(ベンチに)帰るということを意識しました

――7周り目で相手の勢いに押される場面が見受けられたのですが、それまでと何か変わった部分があったのですか

2回目の周りでいい感じの試合ができたので、その分余裕はあったんですけど、7周り目は自分とリズムが合わない相手で、思考が停止しちゃって悪い展開になっちゃいましたね

――早大での4年間の目標は

インカレで優勝することです

――秋の大会の意気込みをお願いします

関カレで団体は優勝、個人はベスト4に入りたいと思っています