ことしの春、早大フェンシング部にルーキー7人が加入。第1回目の対談では1年生の、青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)、高原真央(人1=福井・武生)、増田陽人(商1=岡山大安寺中教校)、村上万里亜(スポ1=愛媛・三島)にお話を伺った。早大に入学してからのことから、プライベートのこと、そして初めての全日本学生選手権(インカレ)に向けての思いに迫る。
※この取材は11月7日に行われたものです。
ワセダに入学して
ワセダはいい環境だと語る青木
――右隣の人の他己紹介をお願いします
高原 村上万里亜さんは、いつも明るくて、その場の雰囲気をすぐに明るくしてくれる感じで、1年生の仕事も積極的にやってくれるのでありがたいです。
村上 増田くんは、非常にストイックな性格で、練習には一番熱心に取り組んでいるんじゃないかと思います。
――どのような人柄ですか
村上 周りを見て、一番自分がいいところを見つける。
一同 (笑)。
増田 どういうこと?(笑)
村上 容量がいいです。
増田 貴雅は、周りの雰囲気にのまれずに、自分をしっかり持っているところがいいところかなと思います。
青木 ありがとう。
増田 どういたしまして(笑)。
青木 高原真央さんは、1年生の同期の中で、一番しっかりしているから、周りの人は一番頼りにしている重要な人です。
――では、ここからは、これまでの試合を振り返りたいと思います。まずは、青木選手は男子サーブル団体は、関東学生リーグ戦(リーグ戦)で2位となり、全日本学生王座決定戦(王座)に出場し、王座では2位となりましたがいかがでしたか
青木 リーグ戦は、自分が初めての大学の試合だったんですけど、その中でリザーブという、団体戦の一応メンバーの1人として、出場させていただいたのがありがたかったです。先輩たちがとても強いので、先輩たちのおかげで、リーグ戦と王座で2位になれたんですけど、その点で先輩たちに感謝しつつ、自分も少しでも貢献したいなと思っています。結果は2位だったので嬉しく思います。
――男子エペ団体はリーグ戦で1部最下位となってしまいましたが、入替戦で1部残留が決まったが振り返っていかがですか
増田 私も、リーグ戦に初めて出場させていただいて、全試合出たんですけど、各大学の応援のすごさだったりとか、会場の雰囲気にのまれて、普段のパフォーマンスだったりとかがリーグ戦では発揮することが全くできなかったので、僕のせいで最下位になったのかなという気持ちではありました。入替戦の時は、会場の入り方だったり、試合までの流れというのがリーグ戦で大体読めていたので、その点で結構リラックスして臨めたのかなと思います。
――女子サーブル団体はリーグ戦で2部1位となって入替戦に臨み、1部昇格とはならなかったが振り返っていかがですか
村上 自分的には、1部にすごく上がりたくて、初めて試合に出させてもらえてそこの時点ですごく嬉しかったんですけど、そこで自分に経験があれば、もう少し先輩に楽をさせて、1部にも上がれたのではないかと思ったのですごく悔しかったです。
――女子フルーレ団体は1部3位となったが振り返っていかがですか
高原 リーグ戦は、1試合だけ出させてもらったんですけど、その時は自由にやっておいでという感じで出させてもらったので、プレッシャーなく、初めて大学生になってからの試合を楽しませてもらいました。けど、チームに貢献できたという感じではなかったので、まだまだ未熟だったと思いました。先輩たちがみんな強いので、1部でも、2年生だけであんなに勝てるのを見て、憧れの思いもとても強くなりました。
――夏はどのようなことを重点的に練習してきましたか
青木 夏休み明けから強化練習(強練)が始まって、主にフィジカルを鍛えて、基礎的な力を蓄えて、自分が意識してきたことはまず強練で体を鍛えて、強練が終わったあとはフェンシングを練習するんですけど、そこでフェンシングの技術を高めて、これからある試合で結果を出したいなと思いながら練習していました。
増田 夏の目標が、メンタルとフィジカルの強化というのが自分の中であって、試合前の気持ちによってパフォーマンスが変わるっていうのが自分の中での短所だとずっと思っていて。どういう試合でも変わらない気持ちを持って安定したパフォーマンスができるようにという気持ちを持って練習したんですけど、関カレ(関東学生選手権)では発揮できたんですけど、その前の試合では、まだメンタル面というのは全く駄目だなと感じました。フィジカル面では、先輩たちに負けないようなパワーだったり、スピードだったりは少し付いてきたのかなと思います。
村上 夏休みの合宿では、筋肉痛がすごかったんですけど、筋肉痛があるってことは自分にフィジカルが全然足りなかったなってことが分かったので、そこを強化することで、自分のフェンシングも少し安定が出てきて、フェシングができるようになったのかなと少し感じました。関カレでは、日大戦で、自分のレベル不足をすごく感じて、夏の強化練習で、たくさん色々なメニューをやったんですけど、そのメニューを思い出しながら、自分がどこを改善していけるかをインカレに向けて考え直せるきっかけになりました。
高原 先輩を抜かないと、団体戦のメンバーにも入れないし、関カレでも勝てないと思っていたので、夏は、とにかく先輩を抜きたいという思いで、誰よりも練習したら強くなると思って練習してきました。だけど、関カレでは、あまりいい結果が出ずに、団体戦では、メンバーになれずに、試合になったときに自分がどうパフォーマンスできるかというところをもっと工夫して練習できたらと思います。
――女子選手には関カレも一緒に振り返っていただいたので、男子選手も関カレを振り返っていかがですか
青木 予選は自分の中では結構いいパフォーマンスができたと思っていたんですけど、個人戦のトーナメントの1回戦で負けてしまって、ギリギリで、インカレに出られることになったのは良かったんですけど、1回戦で負けるのは、すごく悔しかったです。今度は、本戦でいかに勝つかを考えて、常にどんな時でも自分の最高のパフォーマンスを発揮できるようにしたいと思いました。
増田 関カレの個人戦は3位だったんですけど、正直言うとラッキーだったんですよ。初戦もいい感じのヤマに入らせてもらってトーナメント上がってもいい感じのヤマに入って、とにかくラッキーで、自分の実力で取った3位と言うよりも、運が良かったと言われれば、それで終わりの結果なんです。実力を発揮するために準決勝で勝たなければいけないなとは思っていたんですが、そこで焦りとか相手の強さに負けてしまって、準決勝で敗北してしまったので、個人戦は3位だったんですけど、完全に飾りになってしまったと思ってます。団体戦は、大事な場面で出場させていただいたんですけど個人戦が終わってすぐに団体戦の試合っていう、2日連続の試合で、疲労とかもあって、疲労とかでいつものパフォーマンスができずに足を引っ張ってしまったので、体力がないというのをすごく感じて、悔しいという感じでした。
――早大フェンシング部の雰囲気はいかがですか
高原 大学に入る前に、大学はめっちゃ怖いところって聞いて来たんですけど、そしたらそんなこと全然なくて、先輩は優しいし明るいし最初の春合宿が辛いというよりも楽しくという方が大きくて、ワセダは自由でいい感じだなと思いました。
村上 自分も大学に入る前はすごく怖かったんですけど、合宿から初めて参加して、その練習の時にすごく先輩方に助けていただいて、技術面でも、練習以外のところでもたくさん助けていただいたりしてもらって、自分にとってすごく居心地がいい場所だなと感じました。
増田 僕も入る前は、先輩の怖さと、練習量の多さのイメージがあって、おびえながら春合宿に参加したんですけど、どの先輩も優しくて、受け入れてくださって、一気に気持ちが楽になって練習にも積極的に参加できるようになって、すごく良い大学だなと思いました。居心地がいいんですけど、居心地の良さに甘えちゃって、練習がおろそかになってしまわないかっていう面はずっと持っていて、そこは流されないように心を鬼にして、めっちゃ優しくていい先輩なんですけど、それに流されすぎてしまったら、上には行けないと思っていて、そこは自分の中で考えて練習しています。
青木 先輩方はめちゃめちゃ優しくて、どの先輩も自分よりも全然強いので、日頃の練習の中で、様々なアドバイスをいただいて、自分は教えてもらってばかりで、いい練習時間を過ごさせてもらって、いい環境だと思います。
高校から大学へ
最近のオフはアウトドアな高原(写真左)と村上(写真右)
――ワセダを選んだ理由は何ですか
村上 自分は入学する前に1度練習に参加させて頂いたことがあって、その時に雰囲気が明るくて自分が思い描いていた大学のイメージとすごく合っていました。練習した日もすごく楽しかったのでワセダがいいなと思いました。
増田 僕はフェンシングです。僕の2個上に安先輩(安雅人、スポ3=茨城・水戸一)と加納先輩(加納虹輝、スポ3=山口・岩国工)がいるのですが僕が大学に入る前から仲良くさせてもらっていて、また全日本でもベスト4に入るぐらい強い選手でもあってそんな人たちと毎日(練習)できたら自分がもっと強くなって上にいけるんだろうなと思って進学を決めました。
青木 自分は静岡出身なんですけど、同じ静岡出身の先輩がいて入学する前に練習しに行っていいか聞いて来てみたら雰囲気がすごくよくてここに進学したいなと思ったのでワセダに決めました。
高原 自分は他の3人みたいに戦績とかは全然なくて、競技の成績でどっかの大学に入るというのは厳しかったです。自分の学校は進学校で指定校推薦があり、それでフェンシングがある大学のワセダか慶應かで迷っていたのですが今の2年生が強いというのは知っていたのでワセダに決めました。
――入学してから半年以上が過ぎましたが学業と部活の両立は大変ですか
高原 自分は簡単です。高校より楽だと思います。
増田 それはすごく感じます(笑)。
一同 (笑)。
――どの辺がその様に感じますか
増田 (高校の時は)朝も早いし、夜も遅かったよね。
高原 遅かったね。テスト前とか勉強たくさんしてめっちゃ忙しかった。
増田 僕も指定校(推薦)だったのでたくさん勉強を。そう思ったら大学はきょうとか1コマしかないので、なんかあれ?みたいな感じです(笑)。
――他の2人はいかがですか
青木 今のところ大丈夫です。
村上 自分は、春は大丈夫だったのですが、秋になって教職を取り始めて結構テストとか多いと聞いてすごく今怖いです。
――オフの日などはどのように過ごしていますか
高原、村上 最近アウトドア。
村上 10月とかは日曜日になったら外へ出かけて、映画を観て、服を見に行ってみたいな感じですごく外に出かけていたのですがちょっと寒くなってきたので…。
――男子選手はいかがですか
増田 映画見るのが好きなんですよ。映画の内容というよりも(映画館)雰囲気が好きなので、○○観るよ〜って言われたらとりあえず行きたいって感じで何回か付いて行っています。
――結構皆さんで出かけられるのですか
高原 全員とはではないんですけど、結構同期で。
増田 ここ3人(増田、高原、村上)が仲良くて。
――青木選手はいかがですか
青木 基本は家で寝ているんですけど、静岡の友達とよく遊びますね。東京に呼んでいろいろご飯食べたり。
増田 そうなんだ。来てもらうの?
青木 そう。なんか友達が来たいって家に泊めて。
――最近のマイブームなどはありますか
増田 映画と…。
村上 映画でしょ、今。
増田 映画きてるよ。でも服もきてるよ。
高原 初耳!
増田 でも一瞬で冷めるんだろうなって思ってる(笑)。
――最近はどんな映画を観られたのですか
増田 一番最近は「コーヒーが冷めないうちに」って知っていますか?4回泣けるらしいです。
――4回泣きましたか
高原 自分は4回。
村上 3回。
増田 3回なの?0回(笑)。僕間に合わなくてめっちゃ走ったんですよ、バァーって入ってハァハァってしてるうちに終わっちゃいました。映画が。
一同 (笑)。
増田 隣見たら泣いているから、えっ!?って思って(笑)。
村上 自分とここ(高原)は結構涙もろい方なんできてたんですけど、隣ですっごい暑そうにしていて。
増田 俺も泣きたかったんよ。でも涙が(笑)。
――尊敬している先輩などはいらっしゃいますか
高原 女子フルーレみんなそうなんですけど、溝口礼菜先輩(スポ2=千葉・柏陵)が結局勝って帰ってきてくれるんですよね。いろいろあっても結局勝って帰ってきてくれて女子フルーレに欠かせない存在気がして、団体戦でも頼りの存在で尊敬しています。
村上 自分は4年生の佐々木陽菜先輩(社4=東京・大原学園)をすごく尊敬しています。よくJISSで練習をしているのですが自分たちの面倒も見てくれて、それプラス自分のこともストイックに練習していて、ほかにも戦略とかをとても考えていている点を尊敬しています。自分はあまり考えられる方ではなかったのでそういうところはすごく勉強になります。
増田 僕は2人います。OBの坂先輩(坂俊甫、平21第一文卒=現三井物産)と現役で2個上の加納先輩です。加納先輩は僕とあまり身長は変わらないのにすごく大きな選手にもスピードだったりパワーだったりで圧倒して勝っていく姿がすごいなと、あとオンとオフの切り替えがすごいです。僕の想像ではずっと練習をしている方だと思っていたのですが、今日はこれをやるからっていったらそれしかしないみたいな感じでパッパッパって練習して帰って行く人で、そういう切り替えすごいなと思います。あと坂先輩はすごくたくさんの言語が話せて、海外に留学したりだとか積極的に行動される方です。コミュニケーション能力も高く社会に出て尊敬できる方です。
青木 自分が尊敬している先輩は男子サーブルの茂木先輩(雄大、スポ4=東京・法政二)です。今までの試合ももちろん他の先輩も強いのですが茂木先輩がいたからこそ勝てたものがたくさんあったし、練習でもアドバイスをしてくれるので感謝して尊敬しています。あとは竹下先輩(昇輝、平30スポ卒)です。自分と同じ静岡出身で主将として完璧だったという話も聞いているからです。
初のインカレに向けて
フェンシングに対してとてもストイックな増田
――インカレへ向けて強化しているポイントはありますか
高原 関カレで負けた原因が、自分がイライラしてしまって点差が離れても追い付けずに終わるという感じだったので今は特に試合中にイライラしないとか感情を表に出さないでリセットできるかというのを意識してやっています。
村上 個人戦も団体戦もそうなのですが緊張してしまって自分の悪いところが出てしまいそれが失点につながるというのが関カレでは多かったです。なので、そこをもっと自分の考える思いっきりできるフェンシングで相手に出し惜しみなく自分の実力を出し切るというのが目標です。
増田 関カレの敗因が先ほども言ったようにメンタル面だったりもするんですけど、もう1つが急に準決勝で相手のレベルが上がったんですよ。そこで柔軟な対応というか相手によって戦い方を変えていかないといけないのに変えられなかったというのが大きかったと思います。インカレでもそのような状況は発生してくると思うのでそこをしっかり対応して自分のフェンシングができるようにしたいなと思います。
青木 試合で強気強気で気持ちで負けないようにして足をたくさん使って相手の攻撃を避けたりして自分が行けるところまで行きたいです。
――インカレで注目している選手、意識している大学などがあれば教えてください
高原 日体(大)です。多分団体は決勝であたることになると思うのですが、今まで1回も勝てていないのでチーム全体で勝てるように頑張りたいです。
村上 関カレであたった日大の選手ですかね。たくさん人数がいて強い選手にもまれて、名前も聞いたことがなかった選手たちがどんどん強くなっているのを感じたのでそれに負けないように自分もレベルアップしたいと思いました。
増田 個人戦は僕の先輩の安先輩と法大の村山先輩(村山健太郎)ですかね。インカレはシニアの遠征と被っていて大学生の上の選手たちが出ないので、その2人に勝つことが優勝への絶対条件だと思います。団体戦では僕らのチームは先輩たちがすごく強くて頼りになるので普通にやれば優勝できると思います。ただ普通にやるというのが難しくてそこを日程的に厳しい中でしっかり整えて行きたいです。
青木 インカレはレベルが高いので基本自分より強いと思うのであまり意識せず目の前で戦う選手を倒して行きたいなと思います。
――最後にインカレでの目標を教えてください
高原 インカレは大学生になって初めてなのでできる限り上に、先輩よりも1個上の成績っていうのを意識してメンバーに入れるように頑張りたいと思います。
村上 自分は緊張せずに自分の力を出し切りたいです。
増田 僕は個人も団体も優勝したいです。
青木 僕は自分の中で最高のフェンシングをしたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 新藤綾佳、本野日向子 写真 藤岡小雪)
インカレへの意気込みを書いていただきました
◆高原真央(たかはら・まお)(※写真左)
1999(平11)年10月10日生まれ。156センチ。福井・武生高出身。人間科学部1年。種目はフルーレ。インカレの行われる京都では食べ物を期待しているそうです!女子フルーレのインカレでの活躍に期待です!
◆村上万里亜(むらかみ・まりあ)(※写真中央左)
2000(平12)年2月16日生まれ。154センチ。愛知・三島高出身。スポーツ科学部1年。種目はサーブル。寒さとともにインドア派になりつつあるという村上選手。教職も取りながらフェンシングも行う文武両道な選手です!
◆増田陽人(ますだ・よひと)(※写真中央右)
1999(平11)年6月21日生まれ。170センチ。岡山大安寺中教校出身。商学部1年。種目はエペ。京都で開催されるインカレでは地元の友達に会えることが楽しみだそうです。インカレ優勝を狙う増田選手の戦いに期待です!
◆青木貴雅(あおき・たかまさ)(※写真右)
1999(平11)年4月6日生まれ。175センチ。静岡・沼津西高出身。スポーツ科学部1年。種目はサーブル。対談では落ち着いた受け答えが印象的だった青木選手。試合では雄叫びをあげる勇ましさ、インカレでも青木選手の雄叫びに注目です!