女子エペ個人3人入賞!一方、男子サーブル団体は厳しい結果に

フェンシング

 5日間にわたって行われる関東学生選手権(関カレ)の半分が過ぎた。3日目に行われた試合は、女子エペ個人団体、男子サーブル団体である。女子エペ個人は、駒場みなみ(スポ2=富山西)が2位、才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)が4位、登尾早奈(スポ2=愛媛・三島)が8位となり、各々が大健闘した結果となった。また、女子エペ団体では、決勝にて宿敵日大を倒すことができず、2位となる。一方男子サーブルは3回戦敗退となり、トーナメントから早々に姿を消した。

☆駒場が2位に輝く!(女子エペ個人)

 女子エペ個人は、7人の選手が出場。女子エペ個人の試合は関カレ2日目から始まり、そのうち4人が、関カレ3日目に行われるベスト16以降のトーナメントに残った。4人の中でも、大奮闘したのは駒場。順調に勝ち進み、4回戦に進んだ。4回戦では、序盤から拮抗(きっこう)した展開が続き、1−1で第2セットを終える。最終セットが始まり、相手に3点を許してしまう。しかし、ここから駒場の反撃が始まる。相手をピストの端まで追い詰め、まずは1点を奪い返した。その後も、残り10秒で駒場が2点を返し、試合は延長戦へ。見事延長戦を制したのは駒場だった。続く準決勝では、早大女子エペのエース才藤と対戦。両者一歩も譲らない展開となった。この試合も延長戦に突入し、駒場が勝利をつかんだ。迎えた決勝戦。3−6の3点ビハインドで最終セットを迎えてしまう。だが、駒場が5連取し、2点リードとなった。優勝まではあと少し。しかし、相手も巻き返しを図る。またもや、延長戦にもつれ込むこととなった。開始後、同時突きとなり勝敗が決まらない。ところが、直後に相手の剣が駒場を突き、惜しくも優勝を逃した。

怒涛の追い上げを見せた駒場

 各試合、終盤に見事な追い上げを見せた駒場。4回戦での後半の追い上げについて駒場は、「こうしたら取れるというのが1つ分かって、そこを狙って出るようにして、自分がこういうので取れるっていうのをしっかり意識して、やりました」と語った。試合の中で、相手の攻撃に対応し、自分のプレーを修正していったことが勝利につながった。また、駒場だけではなく、女子エペ個人では各々の選手が活躍し、3人も入賞した。11月に行われる全日本学生選手権(インカレ)では、女子エペ個人の早大選手がさらに上の順位に食い込めるに違いない。

(記事 本野日向子、写真 馬塲貴子)

☆日大に敗れ2位(女子エペ団体)

 女子エペ団体の試合は、個人戦の後すぐに行われた。初戦は、日体大と対戦。中盤までは、ロースコアの試合展開が続いた。19−19の同点で迎えた最終セット。まず、才藤が1点を奪った。その後は、同時突きが続き接戦になる。しかし、才藤が1点のリードを守り切り、試合を制した。続く準決勝では、終盤追いつかれる場面もあったが、39−33で勝利。迎えた決勝戦では日大と戦った。日大は、早大が5月の関東学生リーグ戦(リーグ戦)、6月の全日本学生王座決定戦(王座)で敗れている宿敵である。終始相手にリードを許し、苦しい展開が続いた。中盤まで2点ビハインドであったが、徐々に点差が開き、25−30で迎えた最終セット。5点を追いかける才藤。しかし、相手は手ごわかった。果敢に攻めるものの、相手に追いつくことができず、点差はさらに広げられる。最終的に34−44で敗北を喫した。

決勝戦に臨む女子エペ陣

 またしても日大から勝利を挙げることができなかった女子エペ団体。駒場は、「(決勝戦で)最初にリードを広げられてしまい、行かなければいけないところで、時間を使ってしまって、大量に得点を取らなければいけないところで、取れない部分がすごく多かったと思っています」と試合を振り返った。インカレ優勝に向けて、今大会で得た課題点の修正が必要である。

(記事 本野日向子、写真 藤岡小雪)

☆まさかの3回戦敗退(男子サーブル団体)

 今年度、創部史上初めて王座に進出、そして2位につけた男子サーブル。この勢いのまま今大会も男子サーブル団体での優勝を目標に掲げ、トーナメントを勝ち上がるかと期待を寄せられたが、まさかの3回戦敗退。第2セット終了の時点で3-10と大きく遅れをとってしまい、その後もじわじわと点差を広げられ最終スコアは26-45で敗北を喫した。

 シード権を握った早大の初戦は、トーナメント上では3回戦となった慶大との対戦。しかしいきなり第1セットにおいて、茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)が1ポイントも奪えず0-5と試合開始後早々苦しい展開に。待望の得点は第2セットの小山桂史(スポ2=東京・クラーク)が奪取。小山は一時9ポイント差がついていた得点を、第4セットにおいて5連続得点を奪い14-18まで追い上げに成功する。しかし第5セット、逆転も視野に入った点差で2度目の機会が回ってきた。茂木はまたしてもポイントを得ることができず、本人にとってもチームにとってもなかなか勢いに乗れない時間が長く続くことに。サーブル陣もこの状況を打破しようと声を掛け合い味方の存在を確認させるように互いを鼓舞し合ったが、状況としては追い込まれていくばかり。その後も慶大の猛攻を前に、早大は1度も慶大より優位に立つことはできず、3回戦で姿を消した。

攻めあぐねる茂木

 今大会は、全員が何かしら体の不調を抱えて試合に臨むこととなってしまい不本意な結果となった。しかし、来月にはインカレが待ち構えている。今年度の男子サーブル団体の栄光を揺るがないものにするために。あと1ヶ月、万全の状態で挑むべく調整を続ける。

(記事 柴田侑佳、写真 馬塲貴子)

 ※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

 ※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

 ※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

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結果

▽女子エペ

駒場みなみ(スポ2=富山西)2位

2回戦:◯10-2 只野真由(津田塾大)

3回戦:〇15-7 島田舜希(東女体大)

4回戦:〇7-6 久末汐里(慶大)

準決勝:〇11-10 才藤歩夢(早大)

決勝:●10-11 上田果歩(明大)

才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)4位

2回戦:◯15-6 松山絢香(日体大)

3回戦:◯15-9 村上夏希(早大)

4回戦:◯15-11 竹中椎葉(日女体大)

準決勝:●10-11 駒場みなみ(早大)

3位決定戦:●13-15 登坂梨乃(日大)

登尾早奈(スポ2=愛媛・三島)8位

1回戦:◯15-7 橋本早貴(東農大)

2回戦:◯15-13 富永恵美(法大)

3回戦:◯11-8 山田瑞樹(専大)

4回戦:●8-13 登坂梨乃(日大)

村上夏希(スポ2=三重・津東)12位

2回戦:◯15-9 前田友菜(法大)

3回戦:●9-15 才藤歩夢(早大)

澤浦美玖(スポ3=群馬・沼田女)31位

1回戦:◯15-11 新井ひより(法大)

2回戦:●13-15 森本菜月(明大)

溝口礼菜(スポ2=千葉・柏陵)40位

1回戦:●13-15 上原貴帆(防衛大)

中島美月(スポ1=群馬・沼田女)46位

1回戦:●14-15 中浦柚樹(日大)

▽女子エペ
早大[才藤歩夢(スポ4=埼玉栄)、澤浦美玖(スポ3=群馬・沼田女)、駒場みなみ(スポ2=富山西)、村上夏希(スポ2=三重・津東)] 2位
 2回戦:○32−31日体大
 準決勝:○39−33明大
 決勝:●34−44日大

▽男子サーブル
早大[武山達(創理4=東京・早大学院)、茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)、高木良輔(スポ3=埼玉・立教新座)、小山桂史(スポ2=東京・クラーク)] 5位
 3回戦:●26−45慶大

コメント

駒場みなみ(スポ2=富山西)

――今大会の目標を教えてください

個人戦は、昨年が3位だったのですが、昨年と同じくらいで3位くらいに入れたらいいかなという感じでした。インカレはシードがあるので、インカレ出場は決まっていました。ですが、エペは2日間に試合が分かれているので、とりあえず2日目にしっかり残って、最低でもベスト16かベスト8という感じでやっていました。

――(個人戦の)4回戦、準決勝では、試合の後半、見事な追い上げでしたが、振り返っていかがですか

準々決勝(4回戦)の時は、後半に自分が攻めなければいけなくなって、こうしたら取れるというのが1つ分かって、そこを狙って出るようにして、自分がこういうので取れるっていうのをしっかり意識して、やりました。歩夢先輩(才藤歩夢)とは、歩夢先輩があまりワセダで練習されないので、試合もそんなにやらないのですが、いつも距離が近いところを足に落とされたりとか、私が軽く出たところをフレッシュでやられてしまったりしていたので、気持ちちょっと距離を遠目にして、自分から無理に行かないように、というのを意識してやりました。最後(才藤との試合での延長戦)も、自分が行かなければいけなくて、不利かなって思ったのですが、そこで無理に突っ込まずに、出てくるのを待ってというふうにやりました。

――団体戦は2位となってしまったが振り返っていかがですか

リーグ戦は優勝しているのですが、リーグ戦も王座も日大に負けていて。昨年からもまだ日大に勝てていなくて、リーグ戦と王座で日大との点差がだんだん近づいてきていて、次こそは勝ちたいと思っていたんですけど。最初にリードを広げられてしまい、行かなければいけないところで、時間を使ってしまって、大量に得点を取らなければいけないところで、取れない部分がすごく多かったと思っています。王座を落としてしまったので、残りの試合は優勝したいと思っていたので、2位というのはすごく悔しいです。

――インカレに向けて一言お願いします

個人戦は、昨年ベスト32であったので、それ以上というか、インカレでもメダルを取れるように、落ち着いて試合をしたいです。団体戦では、関西の強い大学も出てきて、やったことのない大学も多いと思うので、自分たちの良いところを生かして、自分たちの強いところで勝てるように、これからまた今回の試合の反省をしっかりして、インカレに向けて練習していきたいと思います。

茂木雄大(スポ4=神奈川・法政二)

――今回の団体戦では勝ち星を挙げることができませんでしたが、どう感じていますか

試合内容を見てもらえれば分かると思うんですけど、自分自身精神的にも肉体的にも全然調子が上がっていませんでした。それが敗因であると思っています。

――ずっと調子は悪かったのでしょうか

フェンシングと自分の関係がかみ合わなくなってきていて。うまくいかないことが多くて、それを打開するきっかけをつかみ取ることができずに、ずるずる引きずった結果がきょうに現れてしまったかな、と個人的には思っています。チームとしてはケガ人がかなり多くて、そこが準備の段階で失敗した点だと思います。

――具体的にどなたがケガをしていたのでしょうか

高木(良輔、スポ3=埼玉・立教新座)と小山(桂史、スポ2=東京・クラーク)が右足首で、僕自身も試合前に肉離れをまた繰り返してしまったので…。試合に出ているメンバーが本調子でなく、なおかつリザーブの武山(達、創理4=東京・早大学院)も肉離れになっていたみたいで。全員何かしらのケガを抱えてやっていたので、そこが不安要素でした。

――青木貴雅(スポ1=静岡・沼津西)選手は元気ですか

青木は元気です。

――良かったです。この状態をインカレまでに立て直すためには、どのようなことが必要になると思いますか

試合後のミーティングでも話したんですけど、まずは個人でケガを完治させて、万全な状態で練習に臨まなければいけないと思います。前期の結果が今まででは一番良かったので、そのいいイメージを忘れずに。でもきょうのような悪い試合のイメージも風化させないように。毎日コミュニケーションを取り合って、主体的な練習をしていこうという話も(ミーティングで)出ました。僕自身も、あまり気負わずに楽しくやりたいと思います。

――ケガはインカレまでに治せそうですか

僕は大丈夫ですが、他がちょっと微妙ですかね。これから病院に行かなければいけないので、その診断結果でこれからの準備のスケジュールを立てていくことになると思います。

――改めてインカレへの目標や意気込みをお願いします

団体戦としては前期2位という結果の一方で、関カレではベスト8という本当にふがいない、情けない成績で終わってしまいました。まずは全員で楽しんで勢いのあるチームを作り直して、全勝優勝して笑って終われるようにしたいです。