男子エペ1部残留!女子サーブル1部昇格ならず

フェンシング

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)の翌日に、入替戦が行われた。早大からは、男子エペ、女子サーブルが出場。男子エペは、ルーキー増田陽人(商1=岡山大安寺中教校)の活躍により、見事日体大から白星を挙げる。無事、1部残留を決めた。一方、女子サーブルは、最後の1本勝負に敗れて、惜敗。またもや、1部昇格は遠のいた。

☆日体大に勝利し、無事1部残留を決める(男子エペ)

 前日まで行われていたリーグ戦でまさかの1部最下位となり、入替戦に臨むことになった早大。1部残留を懸けて、2部優勝校である日体大と対戦した。最後回りを任され、第1セットに挑んだ安雅人(スポ3=茨城・水戸一)だったが、「コンディションは良くなく、最後回りをやるということで、気負って最初は自分のプレーができなかった」(安)と、2点ビハインドで自分の出番を終えてしまう。続く小野真英主将(スポ4=埼玉栄)も1点分差を広げられるが、第3セットでルーキー増田が追い付くことに成功。ここから巻き返しを図りたい早大であったが、その直後小野が同時突きを含む3連取を相手に奪われてしまう。続く安も、なかなか点差を縮められない。しかし第6セットではまた増田が奮闘し、同点まで持ち込んだ。第7セットを23−24を終え、迎えた第8セット。ここで増田が大活躍を見せ、ついに逆転。28−25で、最後回り安の出番がやってきた。これ以上点差を縮められたくない早大であったが、安もなかなか調子が戻らず、一時は30−30の同点にまで追い付かれてしまう。だが、「団体戦は最後回りが負けたら、最後回りの責任になってしまうので、絶対に落としてはいけないと思ってやった」(安)と、そこからは相手にシングルでの得点を許さなかった。後がなくなり攻めに転じた相手を冷静に突き、得点を重ねていく。結果41−34で、無事1部残留を決めた。

ガッツポーズを見せる安

 1年生増田がポイントゲッターとなり、安が勝負どころで強さを見せたことで、なんとか2部降格を免れた早大。特に入替戦での勝利は増田の活躍による部分が大きかったが、「均衡している場面で、もっと流れをつかめる試合ができたら」(増田)と、本人は謙虚な姿勢を崩さない。団体公式戦の次戦は、関東学生選手権(関カレ)。関カレではディフェンディングチャンピオンとして、好成績を残したいところである。

(記事、写真 藤岡小雪)

☆専大に敗れ、1部昇格を逃す

 1部昇格を懸けて挑んだ入替戦。女子サーブルは、1部6位の専大と対戦した。試合開始直後、早大が1本を取るが、リードを許してしまう。しかし、第2セットで佐々木陽菜(社4=東京・大原学園)が逆転に成功する。10-8で迎えた第3セット。ルーキー村上万里亜(スポ1=愛媛・三島)の1回目の番が回って来た。一進一退の攻防が続くが、同点に追い付かれてしまう。しかし、そのまま逆転を許すわけにはいかない。村上は、1本を奪い取る。気迫のあるプレーを見せた。次の齊藤里羅子(スポ3=山形東)も奮闘し、2点リードを保つ。続く村上の2回目の番。今度は、相手に逆転を許してしまった。2点ビハインドで、エース佐々木に回す。佐々木は、相手に1点も与えずに、7連取。一気に早大が優位に立つ。しかし、4点リードで迎えた第8セット。齊藤が4連取されてしまう。気づけば同点にまで追い付かれた。齊藤は敢闘するが、1点差にまで点差を縮められる。40−39で回ってきた最終セット。始まってすぐ、佐々木が奪取。このまま点差を離していきたいところだった。しかし、徐々に点差が詰まってきてしまう。スコアは44−44になった。次の1点で、1部昇格が決まる。勝利まではあと少し。だが、斬り合いを制したのは、専大だった。

第2セットで気迫のあるプレーを見せた村上

 今回、1部昇格を果たせなかった女子サーブル。「みんな、自分が取れている点数と、取られているところがわからず、ただ自分の欲だけでやっているように感じます」と、佐々木は課題点を挙げた。秋に向けて、課題点をきちんと修正し、個人、そしてチームとしてレベルアップを図りたい。

(記事 本野日向子、写真 宇根加菜葉)

 ※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

 ※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

 ※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽男子エペ
早大[小野真英主将(スポ4=埼玉栄)、十河昌也(スポ3=香川・三本松)、安雅人(スポ3=茨城・水戸一)、増田陽人(商1=岡山大安寺中教校)] 1部残留
 ○41−34日体大

▽女子サーブル
早大[佐々木陽菜(社4=東京・大原学園)、齊藤里羅子(スポ3=山形東)、佐野友香(スポ3=静岡・沼津西)、村上万里亜(スポ1=愛媛・三島)] 2部残留
 ●44−45専大

安雅人(スポ3=茨城・水戸一)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

昨日帰国したばかりだったので、コンディションは良くなく、最後周りをやるということで、結構気負って最初の方はあまり自分のプレーができなかったかな、と思うのですが、最後は勝てたので、結果的には良かったのかな、と思っています。

――試合前はどのような気持ちで臨まれましたか

入れ替え戦が初めてなので、すごく緊張したのですが、自分達の方が絶対メンツ的には強いはずなので、そういう気持ちで臨めたと思います。

――追い付かれそうになった場面がありましたがどのような気持ちでしたか

少し負ける感じの雰囲気が出てしまったのですけど、団体戦は最後回りが負けたら最後回りの責任になってしまうので、絶対に落としてはいけないと思ってやりました。

――団体戦で初の新チームでの試合でしたが、いかがでした

加納(虹輝、スポ3=山口・岩国工)がきょうはいないのですが、それでも個人個人を見ればすごく強いチームだったので、団体戦としてはそれぞれが役割を理解してやれたので良かったかなと思います。

――秋に向けての意気込みをお願いします

秋はフルメンバーで臨めば絶対に関カレ(関東学生選手権)は2連覇で、インカレ(全日本学生選手権)も優勝できるチームだと思っているので、しっかりと勝って優勝を狙えたらな、と思っています。

増田陽人(商1=岡山大安寺中教校)

――1部残留を決めましたが、今の気持ちは

ホッとしています。

――きょうは大活躍だったと思いますが、自分のプレーを振り返っていかがですか

最小失点に抑えられていたので集中はできていたと思います。しかし、均衡している場面でもっと流れをつかめる試合内容ができなかったのが反省点です。

――小野→早回り、増田→中回り、安→最後回りという回り方はどういう経緯で決まりましたか

自分の中回りが確定していて、小野(真英主将、スポ4=埼玉栄)さんに疲れが見えていたため、最後回りは安(雅人、スポ3=茨城・水戸一)さんに決まりました。自分に最後を任せるのはまだ怖いため、調子は良かったのですがこのようなかたちになりました。

――早大に入学した理由は

優しくて強い先輩たちがいい雰囲気で練習をしていたからです。

――学部はなぜ商学部に

会計などの分野に高校のときから興味があったからです。

――男子エペチームの雰囲気はどうですか

とても良い雰囲気だと思います。点数を取ったとき皆で盛り上がってくれるのはとても僕の活力になります。早くこの雰囲気になじみたいと思います。

――大学4年間での目標

インカレ(全日本学生選手権)優勝だけでなく世界でも戦っていける選手になりたいと思います。

佐々木陽菜(社4=東京・大原学園)

――きょうの結果はどのように受け止めていますか

勝てる試合だっただけに、悔しさしかないです。

――敗因はどのような部分にあると思いますか

途中、点数を離していたのですが、最後の方は徐々に詰まってきて、自分の最後の試合をする前に、ちょっとずつ気持ちが切れてきてしまったのかと思います。最後の試合も、最初2点は自分から取りに行ったのに、下がってしまい、そこで流れが相手に行ってしまいました。そこから立て直したのですが、遅かったと思います。

――これからどのように修正していこうと思いますか

自分の試合で、余裕がなくなってくると精神的に切れやすくなるというか、自分の試合が客観的に見られなくなってきて、自分がどれくらい点数が取れているかとか、取られているかとかを見られなくなってしまっています。技術的な部分でまだ課題はあるのですが精神的な部分のところでも、練習のときから、試合を意識して、自分のことをコントロールしていきたいと思います。

――チームとしてどのようにまとめていきたいと思いますか

みんな、自分が取れている点数と、取られているところがわからず、ただ自分の欲だけでやっているように感じます。そういうところをもう少し、チームとして、みんなで話し合いながら練習していけたら、もっと良くなるかと思います。

――今年の目標は

関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)、全日本(全日本選手権)と残っているので、昨年以上の成績を残せたらいいかなと思います