【連載】インカレ直前特集『Beyond the Bottom』【第3回】 小野真英×十河昌也×安雅人

フェンシング

 先月行われた関東学生選手権(関カレ)にて優勝を果たした男子エペ。昨年チームを組み、ことしで2年目。徐々にチームは安定感を増してきた。今回は小野真英(スポ3=埼玉栄)、十河昌也(スポ2=香川・三本松)、安雅人(スポ2=茨城・水戸一)の三人に集まっていただき、今シーズンの裏話や、三人の関係性についても伺った。

※この取材は11月6日に行われたものです。

「リーグの負けが関カレのモチベーションにつながった」(小野)

これまでを振り返る安

――全日本学生選手権(インカレ)まで1週間ほどですが、調子はいかがですか

小野 いつも通りです。

 普通ですね。

十河 特に変わりないですね。

――関カレから3週間ほど経ちましたが、インカレ向けてどのようなことを重点的にされてきましたか

小野 自分はその間に遠征があったので、特に特別なことはしていなくて、いつも通りの練習をしていました。

 自分は関カレまでがすごくいい状態で、(関カレが)終わってどーんと落ちて、試合も駄目でという感じで。今はいい調子に持ってこられるようにやっています。

十河 関カレがあまり良くなくて…。結局何が駄目なんだろうと考えて試行錯誤している途中ですかね(笑)。ちょっとは良くなっている気がします。

――春の関東学生リーグ戦(リーグ戦)から振り返っていただきます。1部4位となりましたが、負けた試合も僅差が多かったように思われます

 リーグ戦はまあ、しゃあないです。しょうがないです。やり直したいです。

小野 確かに。

――始まる前に予想していたのとは違った展開でしたか

小野 そうですね。普通に優勝か2位のどっちかだと自分たちの中ではそう思っていたので。絶対王座(全日本学生王座決定戦)には行けると心のどこかにはあったんだと思います。それで慢心していたわけではないのですが、いざ試合となるとちょっと違った感じになってしまって。自分の中でヤマ場だったのが法大と、専大だったんです。そこ2つを落としてしまって、ただそこを落としても残り全部勝てば(王座に)行けるところでケガをしてしまい、チームに迷惑をかけてしまったので…。あんまりいい思い出ではないですけど、逆にそれが関カレでのモチベーションにつながったというか。リーグ戦でできなかったから関カレで絶対優勝しようというのにつながったと思うので、個人的にはそれで良かったのかなと思います。

――リーグ戦の中ではどの試合が一番印象に残っていますか

 僕は日大戦が個人的に楽しくて。1回り目と2回り目は駄目だったんですけど。真英先輩がケガしちゃって僕が最後回りで、最後めっちゃまくったのが、負けているんですけどめっちゃ楽しい~!と思って。その時点で割と王座無理かなという感じだったので、楽しく終わろうと思っていて、楽しくやったらまくれてベンチも盛り上がりました。

十河 同じ日大です。立ち上がりが結構がちがちに緊張していて、2回り目でなんとか持ち直したかなと思ったのですが、3回り目で崩れてしまって。そこが勝てるどうかの山だったので、やっちゃったなという思いがありました。

――その後団体戦があったのが関カレでしたが、ヤマ場であった法大戦も圧勝しました。改めて振り返っていかがですか

 1回り目で勝負はついた感はあったかなって。

小野 確かに。

 調子が良かったんだと思います。何やっても決まるなっていう感じでやっていて。みんなも結構うまくやっていたんで、絶対勝ったじゃんと思っていました。

――歯車がかみ合ったのでしょうか

小野 そうですね。多少のミスでも、それが他のプレーや他の人に影響しなかったのが結構大きな要因だと思います。

――優勝が決まった時にはうれしい気持ちとほっとした気持ちとどちらが大きかったですか

小野 ほっとした気持ちですね。

――関カレが始まる前に、チーム内で話し合ったことはありましたか

 立て方くらいじゃないですか?

小野 個人的に専大がかなり苦手なので、そこでどうしようかと。自分たちはシードで、試合をしていない状態で苦手なチームと当たるので、その日のコンディションもあやふやなまま入ってしまって。そこで2人が結構カバーしてくれたので。話し合ったのは当たりぐらいですね。

――専大に苦手意識があるのはなぜですか

小野 専大にいる選手の中に、自分が高校の時から当たっていた子がいて。その時からちょっとやりにくいなという意識がありました。個人戦では調子が良ければ勝って、調子が悪ければ負けるという感じだったのですが、団体戦ではやはり仕事をこなさなきゃと、変に自分の中でプレッシャーをかけてしまってかみ合わず。それで、団体戦だと結構苦手になってしまうのかなと。専大が苦手というより、その選手が苦手っていうだけで(笑)。

――団体戦と個人戦では、ご自身の中で意識は変わりますか

 僕はベンチに耳を傾けようと思っています。個人戦だと、後ろについてもらっても結構自分だけでやってしまう感じなのですが、団体戦の時は何したらいいんだろう?時に、ベンチに耳を傾けてああ、下がった方がいいんだと気付いて下がるみたいな。そういうのって客観的に見れらた方が正しいことが多いので、自分はベンチの声をよく聞いています。頑張って耳を澄ましています。

小野 個人戦は勝っても負けても自分の責任なんで、結構好きにやるんですけど、団体戦では自分の1つのミスが周りに影響してしまう可能性があるので、そこは「こういうのどうだった?」、「今のどうかな」というのを聞いて、なるべくコミュニケーションを取っています。あとは、ベンチワークとかもしっかりできるようなプレーにしようと心掛けていますね。

十河 基本的に周りが安定しているので僕が(団体戦に)出ることはないんですけど、出た時は僕が取ってくる必要はないので、いかに後ろに点差をつけずに回すかというところに意識を置いています。個人戦と全然違いますね。

――ベンチワークにおいて意識されていることはありますか

小野 自分はチームの中の最年長なので、他の人がプレーしやすいような心遣いや声掛けと、何を求められているのかというのをすぐ判断して「これはこうしたほうがいいよ」と言うのができるようになるべく試合全体を見ています。あとはあんまり自分が感情的になりすぎないようにはしているんですけど、どうかな(笑)?

 大丈夫じゃないですか?

小野 大丈夫かな(笑)。

――小野選手がいると心強いですか

 真英先輩がいるといないとでは全然違うんで

十河 安心感が。

小野 言わされている感が(笑)。

一同 (笑)

――関カレの個人戦を振り返っていかがでしょうか

小野 1番成績が良かった人から(笑)。

 個人戦では、当たりが良くて結構危なげなくできて。最初は体が全然動かなくて、ちょっとやだなあ、(トーナメントを)上に上がったらすぐ負けそうだなと思っていたのですが、意外と終盤の方は体が動いてきて。なぜか分からないのですが。そうしたら、もうちょっと競るかなという試合も楽に勝てて。準決勝の加納(虹輝、スポ2=山口・岩国工)との試合はどうせ負けるんだろうと思って、のびのびやって負けて、そこで使い果たしてしまいました。でも監督に、「準決勝が本当の決勝だったと言われるように頑張れ」と言われたので、切り替えたら体がよく動いて結構心にゆとりを持った試合展開ができて良かったです(笑)。

――安選手は遠征直後で疲労があった中での試合となったと思いますが、その中でもメダルを取れたことは自信にはなりましたか

 そうですね。めっちゃうれしいですし、今の自分のやり方で間違ってなかったんだと思えました。何と言っても来年シードというのが、うれしいです(笑)。

――お二人は関カレの個人戦を振り返っていかがですか

小野 予選自体はそんなにきつくなくて全勝して、上りとしては良かったのです。でも1位シードの法大の中村豪と当たって、ずっと知っている人なのでお互い手の内を知っている状態でやっていたのですが、でもなんか…。個人戦ではあまり苦手意識はなくて、点数取れるところは取れるし、取られるところは取られると割り切っていて。展開的にもシーソーゲームになったのですが、最後の1本、2本が取れなくて競り負けてしまったので、そこは自分の中で詰めが甘かったと思いました。内容としては悪くなかったと思うのですが、結果を意識して試合に臨んでいたので、ベスト16でちょっと不甲斐ないなという感じでした。

十河 予選から自分にがちがちにプレッシャーをかけてしまっていて、当たり自体予選はそんなに悪くなかったのですが、良くない負け方をしてしまって。(予選を)上がれるかな、上がれないかなというラインで、上がれたのは良かったのです。相手も知っている人で苦手意識もなかったのですが、試合の途中で(点の)取り合いになって熱くなってしまって、もったいないポイントも多くなったのが大きいかなと思っています。

「なんかいいですよね、部活って」(安)

――初めて出会ったのはいつ頃でしょうか

小野 十河は早大に入ると決まった時に初めて知りました。試合であいさつに来て。安は中学くらいから同じ関東なので、試合とかでもちょくちょく見ていました。その時からフルーレで活躍していたので、名前は知っている感じでした。

 負けたんですけど…(笑)。

一同 (笑)

 ちゃんと十河だと思って会ったのは、早大で合宿の前日の練習とか。どんって来て、十河じゃんって(笑)。それが初めてですね。

――初めて会った時と今とで印象が変わったことや、新しく発見した一面はありますか

小野 雅人は最初人見知りみたいな感じで、ちょっとペコペコという感じでした。でも早大入ると決まってちょくちょく練習来るようになってから、ずっと練習してください、練習してくださいとグイグイで来て。自分はその時に試合があったので、全然良かったのですが、試合がなくなってからも自分のところに練習してください、練習してくださいってグイグイに来ていたので、思っていたより気が強いのかなって。

 二人で2時間くらい、サシでフェンシングをして。

――安選手が一番練習をされるのですか

小野 一番していますね。練習の鬼ですね。

 練習の鬼とよく言われるのですが、僕はフェンシングが趣味なんですよ。遊びなんですよ。楽しくやっていて。

――仕事兼遊びで、必然的にフェンシングに充てる時間が長くなってしまうと

 そうです。他に充てることがないですね(笑)。

――小野選手から見て、十河選手の変わったところはありますか

小野 入る前はずっとゲームばかりやっている印象だったんですよ。今でもゲームばっかりやっているんですけど(笑)。それプラスアルファで、自炊とかもちゃんとやっていて、家事とかもちょっとアピールしてくるんですよ。「あー洗濯やんなきゃ」みたいに(笑)。

一同 (笑)

小野 別に何とも思っていないですけど、意外と身の回りのことはしっかりやっているのかなって。でもやっぱりちょっと抜けているところはあるので。ね、いろいろと仕事的にはね(笑)。

十河 そうですね、申し訳ない(苦笑)。

――安選手から見て十河選手の以前から変わったところはありましたか

 入学前とかはLINEちょっとしていたんですけど、すごくフレンドリーな感じで来て、おお十河めっちゃそういう感じなんだって思って(笑)。入ってきたら、そんな感じなんですけど、ちょっとおかしいところがあるというか。

一同 (笑)

 おかしいというか、ちょっと変わったところがあるというか。またその変わった感じが、僕的に好きで。ドツボにはまるというか…。

小野 例えば?

十河 先輩もやめましょう(笑)!

一同 (笑)

小野 対談ってこういうやつだから(笑)。

 例えばって言われると分からないんですけど、十河ってしゃべり方独特なんですよ。

十河 いやいやいやいやいや。

 それを真似するのが好きで。

十河 良くないよそういうの(笑)。

 僕が個人的に真似していて、よく似てるって言われてうれしくなってやっていました。最近やんなくなりました。飽きちゃったんですかね(笑)。

――2年生の二人から見て小野選手が変わったと思うことはありますか

 いや、変わんないです。このままです。

十河 加納ですか?

一同 (笑)

小野 そういうところだよ(笑)。

十河 安は、入る前…。

小野 ちょっと違う、俺の話してるんだよ(笑)。

一同 (笑)

――では、十河選手から見て安選手、小野選手が変わったと思うところはありますか

十河 安は入る前、めっちゃ熱いやつだなと思っていて。めちゃめちゃしっかりしているやつだと思っていたのですが、フェンシングに関してはめちゃめちゃ熱いんですけど、他結構雑というか(笑)。自炊するって言って気付いたら外食に行っているみたいなことも結構…。

 大丈夫です。きょうはハンバーグを捏ねて置いてきました。ご飯も炊いてきました。

十河 というところです。絶対食べないんで。

小野 恐らくこっち(外食)に…。

 ハンバーグを寝かした方がいいんじゃないかなと(笑)。

小野 腐らせない程度にね(笑)。

十河 真英先輩は初めて知ったのが、高3の時のランキングマッチで、確かその時明るい茶髪だったんですよ。その時、ああやばい人が先輩になるんだって(笑)。こんな感じだと思っていなくて、イケイケなのかと思っていて、試合もなんか変わった感じで…。変わった感じ?

一同 (笑)

十河 ちょっと怖いなと思ったんですけど、入ったらめっちゃいい人で、見た目と人は違うんだなって。

小野 今のお前の髪の毛で言えることじゃないから(笑)。

取材当時髪の毛が灰色だった十河

――2年生の二人は後輩ができたと思いますが、先輩になってから変わったことはありますか

 変わってないんですよね…。でも部活としてフェンシングをやるのが初めてなので、後輩が初めてできたんですけどなんかいいですよね。部活動の中って先輩後輩で教え合ったりするじゃないですか。自分はどこかの練習に参加するみたいな感じでそういうのがなかったので、「お願いします」とか「アドバイスください」と言われたとき先輩になったー!と思ってうれしかったです(笑)。それだけです、変わったことと言ったら。

十河 あんまりないですね。小中野球で、高校も後輩はいたので、あんまり変わったことはないのですが…。

小野 髪の毛でしょ。2年生になって変わったことって(笑)。

――小野選手はキャプテンに就任されましたが、キャプテンになってから意識していることはありますか

小野 中学、高校もキャプテンやっていたんですけど、その時は完全にほったらかしみたいな。自分の中学、高校は同期とか後輩もあまり言うことを聞いてくれない人ばかりだったので(笑)、そこはもう任せていたのですが。大学では、OBの方からの指示とか、アドバイスとか全て自分を通してくるので、そこは部がちゃんとまとまるように声掛けをしています。あとは、一番上が普段の行動とか早大としてあまり悪い印象を与えないようにするためにはどうすればいいかというのを考えて、できていないところはちゃんと注意して。試合でもなるべく全体が盛り上がるように、どういうふうに声掛けするかとか、自分の結果も(部の雰囲気に)大きく左右されると思うのでちゃんと結果を出さなきゃと意識しています。

――ことしの早大のフェンシング部のいいところはどのようなところが挙げられますか

小野 下級生が多いので良く言えばにぎやかで、悪く言えばうるさいという感じですね。それが結構試合の雰囲気にもいい感じでつながっているので、全体として盛り上がれているのかなという感じですね。

 なぜか分からないんですけど、毎年にぎやかで楽しいですよね(笑)。入る人入る人、早大にどんどん染まって染まって、半年もしないうちに早大のノリになってしまったなと思いながら、楽しくやっています。

十河 フェンサー自体変わっている人が多いと思っていて、自分も周りから見たらそうだと思うんですけど、その中でも早大は結構明るい人が多くて、すごくノリもいいので楽しいです。

――ことしは1年生も多くいますが、1年生の印象は

 高校生みたいです。若いです。みんなでハッピーバースデイって祝っていて。

――2、3年生はそういうことはあまりやらないのですか

 自分は個人的に同期全員にワンホールのケーキを渡すっていう目標を掲げていて。でもそれはみんなの前で渡すのではなくて、個人的にしんみり持っていきます。

小野 1年生…。今までは女子が少なかったんですけど、ことし入って女子がすごく多かったので、部のバランスがちょっとくずれたみたいな(笑)。男子ばっかりだったので。それが悪いことではなくて新鮮だなって思います。上は全然女子いなくて、早大ではなく他のところで練習していて実質上級生は女子がゼロになってしまうときがあるのですが、下級生に女子が増えて。今までアップのサッカーも男子ばっかりだったんですけど、半々くらいになってちゃんと女子にも回さないとうまく点が入らないということもありますね。

――最近はまっていることはありますか

 はまっていることは、自炊してそれをアピールするためにインスタのストーリーにあげることです。ちょっとアピールして、食べるっていう。

小野 最近じゃなくてずっとなんですけど、ZOZOTOWNをずっと見ることです。とりあえずそれを見てどこのブランドだろうと調べてから買いに行きます。ZOZOTOWNは下調べです。

十河 冬にスノボ計画しているんですけど、それに向けて自炊していて、上手くなりたいのもあってキッチンのバイトに入りました。

「常にチャレンジャー精神で」(十河)

試合前のルーティーンを語る小野

――試合前に必ずすることはありますか

小野 試合の時はロングスパッツと、アンダーアーマーの長いやつを着ます。食べるものも決まっていて、生茶と、アクエリアスの1Lと、ウィダーとこんにゃくゼリーと、チョコレートというのを中学の時からずっと決めています。

――そのラインナップになった理由はありますか

小野 生茶がすごく好きで、毎日のように買っているんですよ。それで試合とかにも持つようになって。あとは、スポーツドリンクの中で一番好きなのがアクエリアスなのでアクエリアスを買って、エネルギーチャージとしてウィダーを飲んで。プラス糖分でチョコレート。あとはこんにゃくゼリーが好きで、こんにゃくゼリーを持っていくというのをやっていたらそれがルーティーン化して、今でもずっと続けていますね。

――何か1つでも忘れたら…

小野 忘れるのが嫌だから、(試合前日の)夜にコンビニに行って買って、なかったら朝コンビニ行って買います(笑)。

――十河選手と安選手は何かありますか

 試合前に麺は食べないです。もう卒業されてしまったのですが、慶大に自分の好きな選手がいて、その人のところに練習に行って、試合前の日に日吉のおいしいラーメン屋さんに食べに行くかという話をしていたら、「安、試合前はラーメンやめたほうがいい」と言われて。「何でですか?」と聞いたら「いや、わかんないけど」って(笑)。そこからラーメンを食べなくなって、ずっと前日はめっちゃ米を食べています。刷り込みですね、あんまり関係ないと思うんですけど(笑)。

十河 自分は結構睡眠が不規則なんですけど、試合前だけは1時に寝て7時に起きるようにはしています。1時は僕にとっては結構早い方なんですよね。好きな音楽を聞いて1時には寝られるように。

――ライバルと思っている選手はいますか

小野 原田(圭佑、専大)かな?ライバルって認めたくないんだよね(笑)。まあでもライバルですね。向こうはどう思っているか分からないんですけど。こっちが一方的に敵対視している感じですね。

 ライバルって思われているか分からないんですけど、法大の村山(健太郎)と中大の古俣(聖)とか。ジュニアでまだ一緒で、ちょっと負けたくないなと個人的に思っているだけです。向こうはあんまり思っていないと思うんですけど。

十河 ライバルって呼べる人はいないですね。結構僕からしたら上の人たちばかりなので、常にチャレンジャー精神でやっています。

――インカレの目標は

小野 団体はちゃんと優勝できればいいなと。加納がいないので、実際の当日の流れがどうなるか分からないのですが、加納がいなくてもちゃんと成績を出せれば、誰かが欠けても強いワセダというのを知らしめることができると思うので、団体戦はしっかり取りたいです。個人戦は結果を意識してベスト4以上には入れるようにしていきたいと思っています。

 団体は優勝で、個人も優勝です。優勝だけです。(関カレより)下げたくはないです。関カレの3位もたまたまみたいな感じなので、インカレも運よくそこまで行けたらいいなと、気負わずに頑張ります。

十河 個人がないので、団体でしっかり盛り上げて、もし出る機会があればしっかり相手に食らい付くくらいです。

――団体戦でヤマ場となりそうなのは

小野 準決勝の法大ですかね。また法大と当たるので、そこと1試合1試合気を引き締めてがんばっていきます。

――このチームの他に負けない強みはありますか

小野 上下のカベがない。試合中はなるべくそういうカベをなくそうと思っているので、思ったことがあれば何でも言えるような関係ではあると思います。

――最後に意気込みをお願いします

小野 9月から部を引っ張っていく立場となって。自分の試合もそうなんですが、部全体としていい結果を残せるように残りの少ない練習期間ですけど盛り上げて、インカレと早慶戦(早慶対抗定期戦)でも全種目優勝して、全日本選手権団体戦でも、それぞれの種目がいい結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

 インカレもそうですし、早慶戦も、全日本団体も、いい結果が残せるように頑張って、あとはその過程でめちゃくちゃ練習して、ジュニアの世界選手権で上位に入れるような選手になれたらいいなと思っています。

十河 同期も強くてチームメンバーも強くて、結構いい環境でやらせてもらっているので、そこで安ぐらい練習してインカレ、早慶戦、全日本を取った後に来年につなげていければと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤佑紀乃)

 

意気込みを書いた色紙を持つ三人

◆小野真英(おの・まさひで)(※写真左)

1996年(平8)10月22日生まれ。178センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部3年。小野選手が色紙に書かれた言葉は『克己心』。この言葉は、小野選手がキャプテンに就任した際に決めた部のスローガンでもあります。小野選手と武山達選手(創理3=東京・早大学院)が考えたそうです。インカレでも己に打ち勝ってほしいです!

◆安雅人(やす・まさと)(※写真中央)

1998年(平10)3月1日生まれ。173センチ。茨城・水戸一高出身。スポーツ科学部2年。安選手が色紙に書いた言葉は『山盛りごはん』。対談の中でもありましたが、試合の前の日は米をたくさん食べるそうです。安選手曰く「勝つための山盛りごはんです!」とのこと。インカレ前も山盛りごはんでエネルギーチャージして、インカレ男を狙ってください!

◆十河昌也(そごう・まさや)(※写真右)

1997(平9)年6月6日生まれ。180センチ。香川・三本松高出身。スポーツ科学学部2年。きょうは銀髪だった十河選手。実は関カレの初日のあたりは金髪、後半には青髪になり、今は青が抜けて銀になったんだとか。青にした理由は「関カレだから」。長身でもあるため、関カレの会場では一際存在感を放っていました。インカレでは果たして…?