悔しさとともにインカレ閉幕

フェンシング

 5日間に及んだ全日本学生選手権(インカレ)も最終日。激闘に終止符を打つ種目は男子エペ団体と女子サーブル団体。最後にいい形でこの大会を締めくくりたかったワセダ剣士たちだったが勝利を挙げることは出来ず悔しさとともに終戦した。

 前日、関西学院大を45-31と危なげなく退け迎えたこの日、3回戦の相手はこの種目の関東学生選手権(関カレ)王者・専大。ワセダ自身も関カレで大敗を喫していた相手とあり雪辱を期して臨んだこの一戦。試合序盤は今大会この種目の個人戦で3位に入った小野弘貴(社4=東京・早稲田)をはじめ各選手が集中力を見せ専大と互角の戦いを演じる。しかし「流れをうまくつかみ取ることができなかった」(津江碧主将、スポ4=山口・岩国工)と語るように試合の後半に入ってからじわじわとリードを広げられる苦しい展開に。同じ相手に何度も負けるわけにはいかない。ワセダも意地と粘りを見せ次の選手につないだ。そして35-40で最後回りの津江主将へ。『優勝』への夢はこの1年チームを引っ張ってきた大黒柱にたくされた。「最後は自分がやるしかない」と決意し臨んだ津江はまず1点を奪う。流れに乗りたいところだったが、時間が経つとともに点を取らなければという焦りが生まれ、失点。なかなか差が埋まらない。必死の応戦もむなしくワセダの敗北を告げるランプが相手チームに灯った。39-45と関カレの時よりも善戦はしたものの、津江主将、小野弘を含めたメンバーで目指したインカレ優勝への道はここで絶たれた。

最後回りを務めた津江主将

 女子サーブルは主力の佐々木陽菜(社1=東京・大原学園)が遠征のため不在でフルーレ団体と同じ布陣で臨んだ。厳しい戦いが予想される中「1回戦は勝ちに行こう」(尾上、創理4=東京・田園調布雙葉)と臨んだ関西学院大との試合。序盤から相手に主導権を握られる展開となりペースを作れぬまま36-40で最後回りの尾上で勝敗が決まることに。何とか、追いつきたいところだったが一矢報いることは出来ず41-45で敗戦。女子サーブル陣は今大会勝利をあげることが出来ず悔しさが残った。

果敢に攻める尾上

 この1年インカレで輝くために鍛錬を積んできた選手たち。結果が良かった選手も悪かった選手もそれぞれ思うことはあるはず。充実した5日間を終えた早大フェンシング部はその思いを剣に乗せてまた新しいスタートを切る。

(記事 山田周史、写真 松本理沙)

集合写真

結果

▽男子エペ 〔津江碧主将(スポ4=山口・岩国工)、小野弘貴(社4=東京・早稲田) 、仙葉恭輔(ス

ポ4=秋田南)、小野真英(スポ1=埼玉栄) 〕準々決勝敗退

2回戦:○45-31 関西学院大

準々決勝:●39-45 専大

▽女子サーブル 〔尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)、永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)、狩野愛巳
(スポ1=宮城・仙台三)〕1回戦敗退

1回戦:●41-45 関学大

コメント

津江碧主将(スポ4=山口・岩国工)

――お疲れ様でした。男子エペの団体戦を振り返って一言お願いします

悔しいの一言です。専大には関カレ(関東学生選手権)でも負けていた分、また負けてしまったという気持ちがあります。

――初戦の関西学院大はどのような意気込みで挑みましたか

最初から簡単に点を与えてもらえるとは思っていなかったので、一本ずつ一本ずつみんなでプラスを少しずつつなげていこうという話をしながら試合を続けていました。

――結果的には45―31で勝利することができましたね

そこはおのおのでつなげることができたので、点差を広げた結果で勝つことができたと思います。

――きのうの時点で次の相手が専大と分かりましたが、一晩どのように過ごされましたか

専大は関カレのときに10点差以上で負けてしまったので、インカレ(全日本学生選手権)では小野ちゃん(弘貴、社4=東京・早稲田)も結構調子が良かったということで順番を変えてみようかという話もありました。ですが、団体の当たりを全部考えてみた結果、やっぱりいまのままがベストなんじゃないかということになりました。僕たちも順番を変えて試合をしたことがなかったので、ちょっとそれは賭けとしてリスクが大きすぎるなということになって、いまの状態が一番勝てる可能性があるんじゃないかというような話し合いはしました。

――実際試合では序盤は接戦で良い形だったと思います

チームに支えられました。自分自身が本当に点数を取ってこれなかったので、チームには迷惑をかけたなと思います。ただ、周りの同期や後輩がしっかりとつないでくれたので気持ちを切らさないようにという強い思いを持って試合には臨んでいました。

――やはり緊張感はありましたか

前回の関カレのときは自分が点を取りにいかなきゃという気持ちの方が前に出てしまいました。今回はもちろん緊張もあったのですが、チームに支えられて試合を運ぶことができたなと思います。

――中盤からは点差がじわじわと開いてしまいましたが

流れをうまくつかみ取ることができなかったなと試合中に感じました。

――最後は35-40で津江選手に回ってきましたがそのときのお気持ちはいかがでしたか

最後は自分がやるしかないと思っていました。最初に1点を取ったときに一本ずつしっかり時間を使っていけば取れると自分に言い聞かせながら試合に臨みました。

――焦りなどはなかったのですか

だんだん相手もしっかりポイントを決めてきて、正直時間とともに焦りと自分が取りたいという気持ちが増して相手にチャンスを与えてしまいました。そこの部分でカウンターを食らったりした部分が多かったなと感じます。

――45点目を相手に与えてしまったときはお気持ちは

正直、自分が先に突いたと思ったのですが、パッと振り返って見たら歓声が聞こえてランプも相手についていたので、やっぱりかという感じでしたね。

――また専大に敗れてしまいました

学生最後の試合でまた同じ相手に負けてしまったというのは非常に悔しいのです。らいねんは僕たちがいなくなって後輩は真英(小野、スポ1=埼玉栄)一人なのですが、また新しい後輩が入ってきてくれると思うので、ぜひその後輩たちには自分たちの分まで頑張ってもらいたいと思います。

――同期の小野弘選手と学生大会でチームを組むのも最後となりましたが

4年間一緒にチームとして戦ってくれた仲間なので非常に感謝しています。また小野ちゃんが同期でいてくれたからここまで一緒にやってこられたし戦えたかなと思うので、やっぱり感謝です。仙葉恭輔(スポ4=秋田南)

――男子エペ団体を振り返って仙葉選手は専大戦で序盤に出場していましたがどのような意図で起用されたのでしょうか

1年生の小野(真英、スポ1=埼玉栄)があまり西本くん(勇斗、専大)が得意でないということで他の二人(津江碧主将、スポ4=山口・岩国工、小野弘貴、社4=東京・早稲田)が相談して僕だったら意外と剣も合うのではないかということで当たることになりました。関カレのときもそんな感じでやったので同じ感じでした。

――エペ団体の結果に関してはいかがですか

個人としてはビハインドの状態で逆転して後ろに回せたので、個人的には上出来だったのかなと思います。

尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)

――今日は専門ではないサーブルの試合でしたが試合前の意気込みは

メンバーがいない中でフルーレと同じメンバーで戦うことになったので取りあえず1回戦は勝ちに行こうという意気込みでやっていました。

――やはりサーブルとフルーレでは違うことが多いですか

そうですね、だいぶ違くて審判機のランプのつくタイミングとかも違くてフルーレでつくところがサーブルではつかないことが結構あるのでその点では結構苦しんでいました。

――1回戦はどうでしたか

力だしきれずといったところですかね。皆専門ではないので厳しい部分もあるかとは思うのですが特に自分がいつも通りのプレーが出来なかったなと思います。

――具体的にどのような部分がいつも通りに出来ませんでしたか

いつもならもっとアタックで取りにいけるのですがそこが出来なかったです。下がりで結構取られてしまった部分があってそこはいつもよりできなかったと思います。

――今日でインカレが終りましたが

そうですね、あの試合で締めくくるっていうのはしっかりと終わりきれなかった感じであってすごい残念なんですけど、ここにきて最後のインカレが終ってしまったと実感しています。昨日のフルーレが終ってからもそうなのですが、始まるまえは正直最後とかそういうのが実感としてはあまりなかったのですが終わってみて初めて、ああ終わっちゃたんだなという気持ちがあって少し寂しい感じがあります。

――力は出し切れましたか

自分としては少し心残りというか、やり切れなかった部分があるかなと思います。