悔しさ残る関カレ最終日

フェンシング

 5日間に及ぶ関東学生選手権(関カレ)も最終日。男子エペ団体と女子サーブル団体の試合が行われた。男子は悔しさの残る2回戦敗退。主力を欠いた女子は初戦で挙げた劇的な1勝のみに終わり4位だった。

 1回戦では学習院大を圧倒し幸先の良いスタートを切った男子エペ陣。しかし、次の専大戦の立ち上がりに落とし穴があった。前日、個人戦で優勝した1番手の小野弘貴(社4=東京・早稲田)でリードを広げたいところだったが際どい判定などでリズムに乗ることが出来ない。まだ、試合は始まったばかりとはいえ1-5と苦しい展開になってしまう。この窮地でワセダは個人戦でベスト8に入った津江碧主将(スポ4=山口・岩国工)を送り出し巻き返しを図る。ところが、「最悪なプレーだった」(津江主将)と語るように、悪い流れを断ち切れずまさかの5連続失点。これで1-10。点を離されると逆転をすることが他の種目よりも難しいとされるエペだけに序盤の大量ビハインドが致命傷となった。その後も点数を縮められず34-45で敗れまさかの2回戦敗退。課題を残す試合となった。

失点し悔しがる津江

 女子は主力のルーキー佐々木陽菜(社1=東京・大原学園)が遠征のため欠場。万全なメンバーではなかったが初戦の慶大戦で意地を見せた。序盤から競った展開となった試合は慶大の1点リードで最後回りの勝負に。負けられない早慶戦、最後にピストに送り出されたのは尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)だった。まずは追いつきたい展開で見事に点を奪取し40-40の同点とする。しかし、ここから相手の怒涛(怒涛)の攻撃を受け40-44と王手をかけられてしまう。これで万事休したかと思われたがここから尾上の一気呵成(いっきかせい)な反撃。なんと、崖っぷちから5連続ポイント。45-44で劇的な逆転勝利を収めて歓喜の輪ができた。その後の試合には敗れはしたが次につながる大会となった。

勝利しガッツポーズをする尾上

 これで、関カレの全日程が終了。しかし、2週間後にはすぐに全日本学生選手権(インカレ)が控えている。インカレまで時間は少ないが「あと2週間あると考えるのか、まだ2週間あると考えるのかは自分次第」(津江主将)、と短い時間をプラスに捉え有効に活用するつもりだ。強みを伸ばし課題を潰してインカレでの飛躍を誓う。

(記事 山田周史、写真 松本理沙)

結果

▽男子エペ 〔津江碧主将(スポ4=山口・岩国工)、小野弘貴(社4=東京・早稲田) 、仙葉恭輔(スポ4=秋田南)、小野真英(スポ1=埼玉栄) 〕二回戦敗退

1回戦:○45-23 学習院大

2回戦:●34-45 専大

▽女子サーブル 〔尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)、永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)、狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)〕ベスト4

準々決勝:○45-44 慶大

準決勝:●21-45 専大

3位決定戦:●24-45 日大

コメント

津江碧(スポ4=山口・岩国工)

――昨日の個人戦を踏まえ1回戦の学習院大戦にはどのような意気込みで臨みましたか

普段通りにやったら負けることはないだろうと思っていましたが、試合は何が起こるかわからないので気を引き締めて臨みました。

――良いプレーができていたように見えましたが

2回戦での専大戦では自分が最初に点を取っていかなければいけないところで、相手に全部点をあげてしまいました。最悪な状態で次の恭輔(仙葉、スポ4=秋田南)にバトンタッチをしてしまったことは自分自身でも最悪なプレーだったなと思います。

――2回戦の最初、小野選手の際どいプレーで審議があって、小野選手が波に乗れない形で津江選手に回ってきましたが、その辺りはいかがでしたか

正直、僕らが弱かったというか、そこで取れなかったのが1番悪いのですが、あのようなところでこちらの展開に持ってくることができなかったというのが良くなかったと思います。納得いかない部分もあったのですがそこをしっかり受け止めて、その後試合でそれを引きづらないようにできなかったのが負けた原因だと思います。

――この悔しさを胸にインカレはどのような戦いがしたいですか

2週間ぐらいですぐにインカレ(全日本学生選手権)が始まります。あと2週間しかないと思うのかまだ2週間あると思うのかは自分次第だと思うので、これからの練習に打ち込んで、最後に良い成績が残せるように頑張りたいと思います。

尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)

――サーブルの団体戦を振り返っていかがですか

メンバー的にサーブル人がいない中ではよく頑張ったなと思います。最後の2試合で点が取れなかったのは悔しいですが、初戦でしっかり勝てたのは大きかったと思います。

――1回戦は慶大との対決でしたがどのような意気込みで挑みましたか

相手もメンバー3人そろっているというわけではなかったのでやり方次第では勝てる相手だと思っていました。とりあえず1試合目は絶対に勝ちにいこうという気持ちで挑みました。

――早大もメンバー全員がフルーレ専門の選手というチームでしたね

そうですね。フルーレ団体のメンバーと全く同じメンバーで組むことになってしまったのですが、サーブルはフルーレと一緒でフレーズがありフルーレ人でも戦えるとは思うので、フルーレ人としてできることを最大限にやっていこうと意識していました。なので無理にサーブルをやるよりはフルーレに近い形でもいいのでそれでも戦えればという感じでやっていました。

――慶大戦は尾上選手が2セット目で大きく巻き返しましたが、その場面を振り返っていかがですか

自分の次に狩野が出てくる場面だったと思うのですが、狩野もあまりサーブルの練習ができていなくて少し不安もあったので、そこで返したいと思っていました。最後の方は少し点を取られてしまったのですが、結果的にはプラスで回せたので良かったと思います。

――39-40で回ってきた最後回りの場面ではどのような思いでピストに入ったのでしょうか

相手がサーブル人で強かったのでできれば点差が欲しかったのですが、そういった状況になってしまったのはしょうがないということで、思いっきりやろうと思ってプレーしました。ですが、最初に結構点を取られてしまって。でも逆に自分としてはそれで開き直って色々できたのは良かったかなと思います。

――40-44からの連続ポイントもありましたね

44点目を取られた時点で実際に1点も取られずに5点取るというのは厳しいかなと思う気持ちはありました。でも逆に開き直ってしまったことで、いつも出ることのできないところで前に出れたりしたので結果としては良かったかなと思います。

――最後の一本勝負は緊張しましたか

そうですね、緊張していました。それまでは引いて点を取っていたのが多かったのですが、相手のアタックが怖かったというのもあり、いけたら前で取ろうとずっと思っていました。なので、行くしかないと思って前で取れたのは良かったです。

――その後の準決勝、3位決定戦では負けてしまいましたが、その戦いを振り返っていかがですか

3人きちんとサーブル人がそろっていたというのもありますが、やっぱり相手は強かったです。でももう少し取れるところでは取れたと思うし、相手のペースに飲み込まれ過ぎていて立て直すことができなかったので、試合の流れとしては反省点があったかなと思います。

――今回のベスト4という結果に関してはいかがですかか

ベスト4はこのメンバーとしては良くやったなという感じです。

――きのう行われた個人戦についてはいかがですか

プール戦は予想通りでした。3勝2敗だったのですが、勝つべきところを勝つことができたので、それは良かったかなと思います。トーナメント1回戦では負けてしまったのですが、最後は一本勝負まで持っていけました。最終的な敗因は序盤が良くなくて点差を離されてしまったことかなと思います。もっと早いうちに切り替えられたら良かったと思います。

――最後にインカレに向けてお願いします

自分たちはフルーレ専門なのでフルーレの方メインでこれから頑張っていきたいと思っています。ですが、サーブルも団体戦も個人戦も出られるということなので、そこも出るからにはしっかり上を目指してやっていきたいと思います。