女子フルーレ1部残留決める

フェンシング

 先日行われた関東学生リーグ戦(リーグ戦)1部で最下位となった早大女子フルーレ陣が1部残留をかけ明大と対戦した。前期の最終戦とあって会場には多くの早大フェンシング部員が駆けつけ、大きな声援でフルーレ陣を鼓舞した。

 早大としてのプライドを懸け、負けられない1戦。まずはトップアスリート推薦で早大に入学した期待のルーキー狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)がピストに立った。リーグ戦は海外遠征のため欠場した狩野にとってはこの入れ替え戦が早大でのデビュー戦。最初は早大の雰囲気になじめるか不安だったという狩野だったが安定した剣さばきでリードを奪い、その実力を見せつけた。続いて登場したのは永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)、尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)の上級生2人。1部最下位の悔しさを強く感じる2人も落ち着いたプレーを見せ明大との点差を広げる。序盤から試合の主導権を握った早大は終盤にかけても攻撃の手を緩めず着実に加点。最後は狩野が圧巻の5連続ポイントを奪い45-21で圧勝。会場に駆けつけた早大フェンシング部と輪を作り1部残留を喜んだ。

軽快に攻めるルーキー狩野

 1部残留を決めたこの入れ替え戦を以て早大フェンシング部はしばらくのオフシーズンに入る。女子エペが学生日本一になるなど話題が多かった前期。また、ルーキーの活躍も目立った。トップアスリートの2人を含め有望な選手が多く、女子エペの才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)や男子サーブルの茂木雄大(スポ1=神奈川・法政二)は早くも主力としてチームに交じり活躍を見せた。その若い世代と経験豊富な上級生が切磋琢磨し良い相乗効果を生み出すことで関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)、全日本選手権での頂点がみえてくる。まだまだ強くなる可能性を存分に秘めている早大フェンシング部。今後の活躍から目が離せない。

果敢に相手を攻める尾上

(記事 山田周史、写真 桝田大暉)

結果

▽女子フルーレ 早大 1部残留
〔尾上千尋(創理4=東京・田園調布雙葉)、永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)、狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)〕○45-21 明大

コメント

永瀬夏帆(スポ3=宮城学院)

――この勝利で一部残留となりました。率直に今のお気持ちをお聞かせください

一部に残れたことは安心したという感じです。

――相手にポイントを許す場面が多くありました。きょうの調子はいかがでしたか

調子が悪かったわけではないですが、相手が格下だった分こちらが空回りしてしまいました。普段戦っている相手とは違い、難しく考えすぎたのがポイントを許した原因だと思います。もっとシンプルにできたら良かったかな。調子が悪かったわけではないです。

――試合の入り方がうまくいかなかったといったところでしょうか

そうですね、ずっと緊張していました。リーグ戦(関東学生リーグ戦)のときと緊張感が違うので、プレッシャーや雰囲気にやられてしまいました。

――きょうの試合で見えてきたことはなんでしょうか

同じようなかたちで続けて失点してしまいました。一回ポイントを許したらそこで変えなくちゃいけないので、そこからずるずる同じやられ方をしたところを変えられれば良かったと思います。

――リーグ戦から期間が空いた中、この試合に向けどのように調整されてきましたか

きょうの相手が全員右手の人だったので、今までずっと左手の選手と練習してきた分男子とのファイティングを増やして右手の人との練習を増やしました。また、千尋先輩(尾上千尋、創理4=東京・田園調布雙葉)にも右手で持ってもらって練習して右手の人との練習機会を増やしたり相手との距離を詰めるようにしました。

――スカウティングの段階から右手の選手に対応できるようにしてきたといったところでしょうか

ずっと左手の相手が得意だったこともありますが、1年生の狩野(狩野愛巳、スポ1=宮城・仙台三)がJISの方の練習でワセダの練習にあまり来られない分練習相手が左手の選手ばかりで右手の選手が苦手でした。それを克服しようとずっと右手の選手と練習してきました。

――きょうは狩野選手が出場したことでチーム編成が変わりました

そうですね、狩野はポイントを取ってきてくれるのでそこは安心していました。しかしリーグ戦とは違いきょうは早回りで、その戦い方が違う分もっと練習できれば良かったかなと。団体戦のやり方をもっと練習できれば良かったです。

――いつもと違う役回りに手こずったといったところでしょうか

そうですね。役回り的に自分のところでポイントを稼がなくても良かったのですが、そこでもっと時間使って慎重に試合を進められれば良かったかなと思います。

――次の関東学生選手権(関カレ)まで期間が空きますがこれからどのように過ごしていきますか

狩野もいるので関カレは優勝を目指します。具体的な面でいえば、私は相手に先にアクションを起こすのを許してしまい後手に回ることが多いので、自分で先手を打って試合に入れるような戦い方をしていきたいと思います。

狩野愛巳(スポ1=宮城・仙台三)

――大学の試合は初めてでしたが試合前はどのような心境でしたか

入れ替え戦なので絶対に勝たなくてはいけないと思いました。初めて大学の試合に出て最初は緊張もありました。それは試合に対する緊張ではなくワセダの雰囲気に馴染めるかどうかの不安からくる緊張でした。しかし、思っていたよりも先輩とか同期とかが応援してくれたり雰囲気づくりをしてくれたので思ったよりも緊張しないでできました。

――やり易かったということですね

はい。やり易かったです。

――プレーに関しては連続ポイントも取っていて良かったように見受けられましたが

1、2試合目は自分の中であんまり良くなかったなと思います。体が硬い感じがしてました。それは、試合に対する不安からきているものだと思っていたんですけど、先輩たちが点を取って離してくれたので最後はリラックスできたし、ベンチからももっと楽しくやっていいよと言われたので最後は楽しくできました。

――ワセダとしてシーズンの前半が終わりましたが

海外遠征が多くてワセダの試合にあまり出れてなくてすごく迷惑をかけてしまったので後期はできるだけ部活に出て、試合にも出てワセダに貢献できるように頑張りたいです。

――海外の遠征が多いがそれをどのようにワセダの試合に活かしますか

新しい技術を海外でもらって来たり、それをチームで共有したりすればワセダのフルーレのレベルも高められると思います。

――今後の目標を教えてください

ワセダとしてはオフに入るのですがシニアの試合は続くのでアジア選手権と世界選手権で結果を出してリオデジャネイロ五輪に出れるようにしたいです。