山根司が無念のベスト8

フェンシング

 全日本学生選手権(インカレ)2日目は女子エペ、男子サーブルの個人戦が行われた。早大フェンシング部は頂点を目指ししのぎを削ったが、結果は厳しいものに。女子エペでは山根司(スポ3=香川・三本松)がベスト8、男子サーブルは甘粕貴大(社4=神奈川・サレジオ学院)がベスト16まで進むも、満足のいく結果を得ることはできなかった。

 女子エペには4人が出場を果たす。独特の緊張感に包まれるインカレの舞台で多くの選手が3回戦を前に散った。そんな中、粘りのプレーで勝利を重ねたのは山根司だった。関東学生選手権(関カレ)では堀川こず恵(日体大)に惜敗し準優勝。インカレでのタイトル獲得を目指していた。初戦は着実に勝利したい山根司だったが、出だしは思うように点を取ることができない。さらに2セット目の中盤10-10の同点に追い込まれると、その後も失点が続く。だが、執念を見せラストに4連続ポイントを獲得。意地のフェンシングで白星を挙げた。迎えた3回戦でも山根司は前半に攻められ相手に得点を許す。しかし、持ち味の俊敏な動きでポイントを重ねると15-10で勝利を収め、早大女子エペ陣で唯一ベスト8に残った。仲間の声援を背に臨んだ準々決勝。試合は11-12で最終セットまでもつれる展開に。窮地に立たされた山根司は逆転を試みるも、相手の勢いを止めることはできず12-15で戦いの幕は閉じる。「本当に悔しいの一言」(山根司)と無念の敗戦となった。

ベスト8に終わり肩を落とす山根

 男子サーブルでは初のインカレ出場となった甘粕が健闘した。「結果にとらわれずに伸び伸びとやろうと決めていました」という甘粕は、初戦を15-11で制しベスト16に進出する。勝利すれば目標のベスト8となる3回戦で、法大の吉田健人に挑んだ。吉田は関カレ準優勝を誇る強豪選手だが、甘粕は臆せず果敢なプレーを見せる。攻めの姿勢で相手を翻弄(ほんろう)し、1セット目を8-7とリードしたまま終えた。ところが、第2セットでは相手に主導権を握られてしまう。ひるむことなく切り込む甘粕だったが、流れをつかめないまま12-15で苦杯をなめた。。

 男子サーブルでは初のインカレ出場となった甘粕が健闘した。「結果にとらわれずに伸び伸びとやろうと決めていました」という甘粕は、初戦を15-11で制しベスト16に進出する。勝利すれば目標のベスト8となる3回戦で、法大の吉田健人に挑んだ。吉田は関カレ準優勝を誇る強豪選手だが、甘粕は臆せず果敢なプレーを見せる。攻めの姿勢で相手を翻弄(ほんろう)し、1セット目を8-7とリードしたまま終えた。ところが、第2セットでは相手に主導権を握られてしまう。ひるむことなく切り込む甘粕だったが、流れをつかめないまま12-15で苦杯をなめた。

果敢に攻め込む甘粕

 個人戦で納得のいく成績を残すことができなかった女子エペと男子サーブル。両種目合わせて入賞者一人という状況を打破するには、きょうの試合で見つかった課題の修正が欠かせない。実力を最大限に発揮するためにも、選手たちは己の剣と向き合っていく。

(記事 副島美沙子、写真 三上雄大)

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽女子エペ

山根司(スポ3=香川・三本松) ベスト8

2回戦:○15-13 大迫夏奈(日体大)

3回戦:○15-10 岡部夏奈(日女体大)

準決勝:●12-15 大石栞菜(法大)

伊藤由佳(スポ2=栃木・宇都宮中央女)2回戦敗退

1回戦:○15-11 小林未来(法大)

2回戦:●13-15 仁木毬乃(東女体大)

山村彩和子(教2=岡山・玉野光南) 2回戦敗退

1回戦:○15-11 濱野万葉(中京大)

2回戦:●9-15 岡部

千葉絢音(スポ1=大阪・北野) 2回戦敗退

1回戦:○9-4 後藤葵(京都府立大)

2回戦:●4-15 堀川こず恵(日体大)

▽男子サーブル

甘粕貴大(社4=神奈川・サレジオ学院) ベスト16

1回戦:○15-11 大石晋弘(学習院大)

2回戦:○15-9 杉田賢人(明大)

3回戦:●12-15 吉田健人(法大)

奥村祥大(教3=京都京大付) 2回戦敗退

1回戦:○15-10 江川颯一(専大)

2回戦:●0-15 川浪光輝(朝日大)

山本隼大(スポ2=香川・三本松) 2回戦敗退

1回戦:○15-12 笹井大河(愛知工業大)

2回戦:●5-15 吉田

佐々木勇歩(スポ4=静岡・沼津東) 1回戦敗退

1回戦:●7-15 江嶋宏太(日大)

竹下昇輝(スポ1=静岡・袋井) 1回戦敗退

1回戦:●12-15 森翔一(日大)

コメント

山根司(スポ3=香川・三本松)

――お疲れ様でした。今大会を振り返っていかがですか

自分の気持ちの甘さが出たかなと思います。/p>

――個人戦を振り返っての感想をお願いします

まだ考えがまとまっていないです。本当に悔しいの一言なのですが、相手の方が上手rだったかなと思います。

――ベスト8という結果については

全く満足していないです。きょねんもベスト8だったのですが、今回は全然気持ちが違います。自分はベスト8なんて目指してないというか…。素直に言えばもっと勝ちたかったなというところなんですけど。結果に関して、「これでいいや」とか全然思えないです。

――団体戦を振り返っていかがですか

優勝したかったなという感じです。

――初演の同志社大戦は前半なかなか点を重ねられなかったと思うのですが

あそこは点数は重ねられなかったのですが、やることをやれば結果はついてくると思っていたのですが、やっぱりどこか焦るところがあって。そこでそれがプレーに出たり、無意力試合になってしまったのですが、あれももっと注意していれば流れがよくなったのかなと思います。結果論ではあるんですが…。

――準決勝は序盤にリード、最後は離されてしまうという展開でした

結果が出ていないので、そもそも意味はないのですが、きょねんに比べたら、ちょっとは日体大とも戦えるようになっているし、流れとかも分かるかなと思ったのですが、また自分たちの負けパターンである試合をしてしまって、それが今回本当に悔いが残ります。何回こんな試合してるんだよと思いました。

――今大会団体に挑むうえでの目標はありましたか

結果を残そうとするよりも、しっかりと自分たちの動きをして、楽しんで目の前の一本に集中するというのが大切というのはみんな思っていたと思います。

――全日本選手権に向けての意気込みは

今回見つかった反省をしっかりと活かして自分たちの成長につながるような納得のできる試合を団体戦ではしたいと思います。

甘粕貴大(社4=神奈川・サレジオ学院)

――今大会はどのような意気込みで挑みましたか

インカレに出るのは自分は今回初めてなのでどんなものなのか分かっていなかったのですが、とりあえず練習でやってきたことを発揮してみようと思っていました。結果にとらわれずに伸び伸びやろうと決めていました。

――大会全体を振り返って

個人戦も目標はベスト8だったのですが、それを逃してしまって、団体戦も結果としては全日本(全日本学生選手権)に出ることができたのですが、確実に出るにはベスト4に入らなければいけないところを逃して。でも相手が両方とも強いところと当たって負けたので出れることになりました。個人も団体も惜しかったのですが、上手くいって惜しかったという感じなので実力不足だなという感じです。

――個人の3回戦を振り返って

戦っていた相手は結果的に優勝した選手で、試合をやる前から強いと分かっていました。前半折り返して勝って正直前半折り返して自分が勝っているとは想像していなくて。だからと言って後半焦ったというか、勝ちを意識し過ぎたというわけではないのですが、前半は相手の調子が上がり切る前に上手くいって自分が8点を取って折り返すことができました。でも最後は実力の差で…、上手く行き過ぎたという感じですね。

――3回戦の相手選手には対策などを練っていましたか

恭輔(仙葉、スポ3=秋田南)に後ろに入ってもらいました。恭輔は今回ベスト8に入ったので勝ち馬に乗ろうと思って、そうしました。強い選手はトータルで強いじゃないですか。だから自分は何かを捨ててどこかに懸けて勝負しなければいけないんじゃないかということは恭輔に言われました。それを意識しました。

――関東学生選手権(関カレ)でもベスト16でしたが、ベスト8にあと一歩届かない理由は

特にフェンシングの中でサーブルは強い人が勝つという、あまり事故が起こらないイメージが自分の中ではあるので、自分にはまだベスト8に入る実力が足りないのだと思います。今回は一泡吹かせることはできたと思うのですが、終わってみれば順当に負けて。確実にベスト8に入れる実力をつけてベスト8に入りたいなと思います。

――団体戦を振り返って

団体戦はこう言うと失礼ですが、初戦は勝てると思っていて。その結果として勝ってそれは良かったなと思います。日大戦は本当に上手くいけば勝てるのかなと思っていました。勇歩(スポ4=静岡・沼津東)はと勝ったのですが、自分が2戦目を取れるかなというところで取れなくて、3戦目も取らなきゃいけないところで取れなくて。特に緊張していたわけではないのですが、大事なところで点が取れないというのが実力かなと思います。もっと自分の実力をつければそういうところで力を出せるのかなと思います。

――今回はいつもと違う団体のメンバーでしたね

いつも勇歩と3人目を誰にしようか相談するんですよ。日大戦で奥村(祥大、教3=京都京大付)を出してみたいと思ったので、初戦でも出してみようってなって。初戦で上手くいったので日大戦でも奥村を出しました。ワセダには3人三番手になる候補の選手がいて一番爆発力があるのは奥村かなと思っていて、強い相手に普通にいっても負けてしまうだけなので、何かしてくれそうな選手ということで出しました。

――次は全日本選手権ですが、そこへの意気込みは

ワセダだけではなくて外に出ていろんな人と練習したいなといまは思っています。

――課題などはありますか

個人戦は本当に上手くいったので地力をつけるというのが個人戦の課題です。団体戦は大事な場面というのが分かりややすいので、そこが明確になったときにいつもと違って取りに行っちゃったりすると取れないので、そこで気持ちをどう抑えるかが課題です。