【連載・第1回】『Challenger』神田真希子×舟山佳穂×安冨結

フェンシング

 神田真希子(スポ4=千葉・東葛飾)、舟山佳穂(教4=山形・米沢興譲館)、安冨結(スポ4=香川・三本松)の4年生で構成されているワセダ女子サーブルチーム。同期だけで組む最初で最後のシーズンは、三人とって思い入れ深いものだ。間近に迫った全日本学生選手権(インカレ)。最後の学生大会を直前に控えた三人のお話を伺った。

※この取材は11月3日に行われたものです。

新チームの始まり

普段は穏やかだが試合では果敢に攻める神田

――今シーズンを振り返って

安冨 まずリーグ戦(関東学生リーグ戦)があって団体戦で初めてチームを組んで試合をしたのですが、わくわく半分、不安半分でした。2日目に佳穂が教育実習で抜けてしまって最後まで一緒に組めなかったこともあり、あまり順位は良くなかったのですが、すごく得るものが多かったです。次の団体戦はこの前あった関カレ(関東学生選手権)で結果は4位だったのですが、初戦当たった東女体大はリーグ戦でも負けていた大学でした。その反省を生かして色々ビデオを見たり3人で話し合いなどをしたりして作戦は立てられたので、次につながる試合だったのかなと思います。そしてこれからインカレがありますが、そこでは優勝しかないかなと思ってます。

舟山 リーグ戦、結構安冨は楽しみな気持ちが強い感じだったのですが、自分は楽しみもあったけど不安の方が大きかったです。そんなに簡単にいくのかなと思って臨んでいたつもりだったのですが、だんだん影響されたのか、最初の東女体大戦は普通にいつも通りやれば勝てるんじゃないかなと軽く思っていたら、ちょっと調子乗ってしまったというか…。そこに照準を合わせていたのではなくて、東女体大は勝てるチームと見ていて、他のチームは結構危ないと思って臨んでいたので、リーグ戦を甘く見過ぎていたかなと思います。自分は2日目にいなくなったのですごく申し訳なかったのですが、後輩のフルーレ陣も入って試合をしてくれました。結果的には負けたけど、1日目の失敗を生かして2人が存分に頑張ってくれたので、自分は最後まで出れなくて悔しかったのですが、自分たちにとっても後輩にとってもいい経験になったのではないかなと思います。そしてこないだあった関カレでは、東女体大に勝たないと上に上がれないということで、最初から気を引き締めて作戦を立てて前に前に出ていったら勝てたので、そこは良かったなと思います。インカレは優勝目指して頑張ります。

神田 2人が話してくれたのと大体同じなのですが、リーグ戦のときと今回の関カレの1試合目が同じ相手だったのでリーグ戦での反省を生かして手堅く勝つことができたとは思います。次の試合や準決勝、3決の専大とかは手堅くという目標でやっていたのですが、まだちょっと詰めが甘い試合だったなと思います。良いところは個人個人出ていたのですが、まだ簡単に点をあげてしまうところなどがあるので、もう一回反省してインカレに臨みたいなと思います。

――昨年度からメンバーが変わって4年生3人のチームとなりましたね

安冨 やっぱり一番長く一緒にいるので、最初はあまり言えなかったのですが、すごく良い意味で言いたいことを言えます。色々意見とかを言うことはチーム作りにはすごく良いかなと思います。すごく安心します。

――舟山選手は昨年度も団体戦に出場していました。ことしと昨年と異なる点はありますか

舟山 きょねんは本当にやるだけだったので。

神田 やるだけとは?

舟山 自分たちも声を出してないわけじゃないのですが、雰囲気は先輩たちが盛り上げてくれましたね。先輩たちが強かったので、その流れに乗って自分ものびのびしていました。使命感とかではなくてただ自由に試合だけに集中してという感じでした。

――ことしのチームの雰囲気はどうですか

舟山 ことしは先輩たちがいないので、自分がその先輩たちの役割になっているというか。最後回りや点を取ってくる立場になったので、リーグ戦は点を取らなきゃと思っていました。でもまだリーグ戦はチームになりきれていなかった。

安冨 経験大事だと思います。

舟山 経験を積むために他大に行ったり、来てくれたりして団体は練習をしていたのですが、練習の雰囲気と試合の雰囲気が違っていて慣れなかったです。飲み込まれていたのかな。

安冨 まだ自分たちの団体がどんなものなのか分からなくて、それをいきなり試合で探ったので、上手くいかなくてという感じで結構大変でした。

舟山関カレは、経験不足と分かっていたので自分たちから「他大に行こう!」ってなって練習していました。いままでは先輩が「日大行く?」みたいな感じで誘ってくれて、「試合やりたいね。行こうか。」という感じで行っていたのですが、今回は前回よりも自発的にいろんな大学に声をかけました。でも自分自身、関カレ本番はあまり最後回りに使命感なかったんだよね。点を取らなきゃって思ったし、監督に硬いとも言われたけど、リーグ戦ほどではなくて、良い緊張感があったと思います。

  

――団体戦の順番はどのように決めているのですか

安冨自分たちも決め方がよく分からなかったので、相談したり、舟山がきょねんから試合に出ていて経験があるということとプレースタイルの問題もあります。

神田プレースタイルっていうのが前で点を取ってくる選手、粘って一本取ってくる選手ですね。この試合は時間使ってあまり相手と勝負しないというのが他の種目だとできるのですが、サーブルだと5本取ってこなければいけないので、他の種目とは違うかもしれないです。

  

――サーブルは試合の流れが重要だなと感じたのですが、相手に流れを持っていかれたときの対策などはありますか

神田 私のときにすごい流れを持っていかれるし、持っていくんですよ。プラスは良いけど、マイナスはなくしたい。私が波をつくってしまうので、その次の人が手堅く抑えてくれたりとかしてくれています。

安冨 点を取られる分には仕方ないので、2本か3本連続で取られたときは一回マスクを取るっていうのを意識しています。後ろを振り向いて周りが言っていることなどを聞いたり、その場から離脱したりっていう感じです。結構試合を止めて「マスクを取っていいですか?」って聞いている場面は多いと思うのですが、間を取りたいときにもそれをやります。私はあまりやらないけど。

舟山真希子が一番多くて、うちはその次だよね。東女体大のときにしたかな。

安冨すごい点が開いてたんですが最後に詰められてかなりやられていたので「一旦落ち着こう。大丈夫だから」って(笑)。

舟山 あのときは何もできなかった。

安冨 ことごとく点を取られていたので(笑)。

舟山 でもそれって意識してやってるのかな?

安冨 5点取るまで終われないので、ベンチにも戻れないですし、自分で何とかするしかないので。

舟山 でもベンチ的にも「前へ前へ」、「できてるよ」みたいなプラスなことを言ってたんだけど。

安冨 まだそこは課題残ってますね(笑)。

舟山 声かけだね。

神田 もうちょっと試合を操作したいよね。

舟山 それできたら強そう(笑)。

神田 できたら優勝できるわ~(笑)。

――経験は団体戦において重要ですか

神田 本番に強いのは経験値の差かなと思います。

安冨 こういう状況のときはこうしたらいいというデータが何もそろっていなくて、ただやるのみという感じだったので。経験を積んでいると「前にもこういうことあったよね」ってもっと落ち着いて試合ができると思います。自分たちより前から組んでいるチームなどはそういうことができていると感じます。

神田 ベンチに落ち着きがあるよね。

舟山 ワセダはずっと立ち上がって騒いでたよね(笑)。

舟山 確かに。アップダウン激しかったね。

――いつもはどのような練習をしていますか

舟山 基本はずっとファイティングです。

安冨 例えば、片方がずっと攻めて片方がずっと守りで10本やって交代という練習をします。3人だとすぐに順番が回ってきてしまうので、15本それぞれやったり、2対1で分かれてプチ団体みたいなのもやったりします。きょうのように先輩がいらっしゃるときもあります。サーブルに入ってくれる後輩も基本的にフルーレメインということで、試合前しか一緒に練習できないので。

――いつもは3人で練習されているのですか

安冨 そうですね。サーブルは回転が早いので結構体力を使います。

――夏休みの間は体力をつける練習などされたのですか

安冨 9月が強化期間でした。ひたすら走ったりしていました。

――鍛えた効果はありましたか

神田 鍛えてる感はありました(笑)。

舟山・安冨 鍛えてる感!?

安冨 でも自分たちだけではないのですが、他の部員も体幹をやったから下がったときにぶれないと言っていました。

神田 気持ちの部分も。

安冨 気持ちが強くなるね(笑)。

舟山 確かに。ちょっと自信がつくっていうね。

安冨 あれだけ辛いのやったから大丈夫でしょみたいなね。

――みなさん個人戦ではお互いにベンチに入っていますが、その理由は

舟山 後ろにいてくれたら見てくれるだけで安心感がありますね。いないよりはいる方が安心するよね。

神田 私は特にいてほしいですね。

安冨 試合が被ってないときはできる限り入りますね。みんな試合だった場合は男子のサーブルの人がベンチに入ってくれたりするので。

――昨年関カレの決勝で敗れた日大にことしも準決勝で敗れてしまいましたが、日大はどのような印象をお持ちですか

神田 日大は集中力が違いますね。場数が違うので。

安冨 試合に入り込んでいて、練習のときのレベルとは到底違うので本当に強いです。数々の修羅場をくぐり抜けているだけあります。普通に強いのですが団体だと倍強いです。こっちが点を取れないオーラが出てます。

未知の競技との出会い

団体チームの中心として活躍する舟山

――いつみなさんはフェンシングを始めましたか

安冨 みんな高校から始めました。

――なぜフェンシングという競技を選んだのですか

安冨 私は中学でバスケを3年間やっていたのですが、進学した高校ではあまり強くなくて。バスケ部に先輩がいたので部活を見に行く約束をしていたのですが、その前にフェンシング部に前の高校で全国4連覇している有名な良い先生がいると聞いていたのでフェンシングの部活を見に行きました。そしたら、「明日から練習するから来なよ」と言われて、それでいつの間にか入っていました。やってみたら球技でもないし1対1でもあるし、やったことのないスポーツだし、学校でも習えないスポーツだったので、のめり込んでいきました。うちの県にはフェンシング部がある高校が3校しかなくて、たまたま部があって、良い先生がいたので、いまがありますね。

――三本松高校出身者は同期の方も後輩の方もワセダに多くいらっしゃいますよね

安冨 ワセダに来たのは自分たちが一番最初で、試験的に送り込まれたという感じです。いままでいなかったのでたまたま取ってもらいました。先輩がいると情報も流せるし下の代も入りやすいと思うのでこれからも続いてくれるといいと思います。ですが、最近は関西の大学の方が近いのでそっちに行ってしまいますね(笑)

――舟山選手はなぜフェンシングを始めたのですか

舟山 私は中学でクロスカントリースキーをやっていて、高校受験のために中3のときにスキーを辞めました。スポーツは好きだったので何かの部活には入ろうと思っていたのですが、特にやりたいこともなかったんです。でもクラブでスキーをやっていた友達でフェンシング部に入ると言っていた子がいたので、その子と一緒に見学に行ったらなんだかおもしろそうだなと思って、3年のときのインターハイが沖縄と言われたので、これは入るしかないと思って入りました。

安冨 それ私も言われました(笑)。「沖縄!?」みたいな。

――神田選手はいかがですか

神田 私も中学ではバスケをやっていたのですが、動くことが好きだったので、運動部に入ろうと思っていました。バトミントンとか水泳とか定番のやつはおもしろくないかなと思って、結局フェンシングと弓道に絞りました。それで体験行ったのですが、弓道は最初に何もさせてもらえなくて。でもフェンシングは1個上の先輩が1人しかいなくて、体験の日にすぐファイティングさせてもらって、おもしろいなと感じて、そのときに、フェンシング部に入ろうと思いました。私はインターハイが沖縄だとも知らなかったです(笑)。でもなんだかおもしろいから入ろうと思いました。そしたら結局ここまで続けていました。まさか大学に入ってまでフェンシングをやるとは思っていなかったです。

舟山 私も思ってなかった。

安冨 というか私はフェンシングが何か全然知らなかった。本当に全身タイツでやってるのかと思ってた(笑)。

一同 (笑)。

――みなさんはなぜワセダを選んだのですか

安冨 せっかく代表になったし、フェンシングは大学でも続けたいなと思っていました。インターハイの結果は個人16位とあまり良い結果ではなかったので、悔しくてまだやりたいなと思っていました。親も最初は大学に行くことを賛成してくれていたのですが、親が先生なので「教師になれよ」みたいな感じで、そしたら今後の就活のことも考えて「ワセダか慶大でしょ?」みたいになりました。親はすぐその気になっちゃうんですよ(笑)。最初は女子のスポ推(スポーツ推薦)の枠が埋まっていたのですが、たまたまその子が辞めてしまって、空いたのでスポ推で受けました。あと、ワセダには弘瀬先輩(智子、平26年スポ卒)がいたので選びました。弘瀬先輩は同じ四国出身で高校にもたまに来ていて、本当に強くて男子の選手も勝てないくらいでした。だからこれはもう同じ大学で学ぶしかないと思いました。

舟山 私もフェンシング好きだったし、代表になれたし、大学に入っても続けたいなと思っていました。教えてもらっていた先生がワセダのOBで、「ワセダに入れ」みたいに言われました。あと、そのときにワセダに所属していた高校の直属の先輩がいて、その先輩も「ワセダに入りなよ」と言ってくれたし、他の大学を全然見ていなくて、ワセダしか見ていなかったので入りたいなと思って入りました。

神田 高校からワセダ入った人がいままでいなくて。大学でフェンシングを続ける人も私の高校ではほとんどいなくて、国立とかの大学に行く人が多かったです。もし、続けるのなら勉強で入れるところでと思っていました。フェンシングもそこだけ練習して、強くなれなかったら続けている意味がないのかなと思ったので、慶大に行っている先輩も多かったのですが、ワセダの方がフェンシング強いし、高校のときにお邪魔させてもらったときに練習の雰囲気もいいなと思って。最後の決め手になったのがコーチの「ワセダがいいんじゃない」という言葉ですね。例えば日大とか日体大とかはフェンシングは強いけど、勉強したいこととか合っていないから、ワセダのほうがいいんじゃないと言われたのが最後の決め手で。そこからはワセダに決めて勉強していたのですが、自己推で受かってしまいました。そこは妥協だったかもしれませんが(笑)。

――みなさんはいつ知り合ったのですか

安冨 東北、千葉、四国ということでみんな地域が違うんですよね。もともと舟山とは大会で顔見知りでした。そのときは別に仲良くなったというわけではないですが名前と顔だけ覚えていました。遠征に一緒に行ったときに2年生が4人いて同じ学年ということで少し仲良くなって、試合で会ったときなども話したりしました。そして同じ大学だということを知って、同じ種目ということで仲良くなりました。高3のJOC(ジュニアオリンピックカップ)で「もう一人ワセダに来るらしいよ」ということを知って、自分たちは知らない選手だったので、探しに行こうということになりました。

神田 そうなんですよ。サーブルの試合にもあまり出ていないし、フェンシングもあまり強い高校ではなかったし。そこで二人が探してくれました。

安冨 それでいっぱいいる中で探し当てたんですよ!でもそのときに連絡先聞くの忘れたので、もう一回探しに行こうということになりました。「あの子じゃない?」ってなって、舟山は「違う違う」って言ってたのですが、連絡先聞きに行ってみたら、携帯に違う子の連絡先が出ていて、間違えたということになって(笑)。あとから見つけてもう一度連絡先を聞きました(笑)。

神田 間違えたと聞いたときは、おもしろいなと思いました。

――第一印象はいかがでしたか

安冨 真希子はなんだかふわっとしていました(笑)。でもパッと見は優しそうなんですが、ちょっとおかしいところがあって(笑)。

神田 優しそうでしょ(笑)。

安冨 パッと見はね(笑)。

一同 (笑)。

安冨 女の子女の子しているわけではないですが、ふわふわ穏やかなオーラが出ていて、なんだか良い感じだなと思いました。でもいまの印象は天然です(笑)。

舟山 結構質問に対して違う方向から答えが返ってきますよね。言葉のキャッチボールができない(笑)。

安冨 質問と違う答えが返ってきたときに「え?」って二人で言ってます(笑)。

一同 (笑)。

神田 結はそのままなのですが、佳穂は最初全然絡んでこなくて、結構人見知りだったんですよ。だから第一印象といまのギャップはすごいです。

安冨 でも人見知り治りました。高校のときは本当に話さなくて、いまは学年上がるにつれて後輩とかとも話すようになったね。

舟山 確かに。だって最初の遠征でも結とあんまりしゃべってないもん(笑)。部屋がお互い別だったのでご飯や移動のときに少し話すくらいで、そこまで仲良くはなっていませんでした。

安冨 まだそのときは一線越えられてなかったよね(笑)。

舟山 でもそれで大学に入ってからも結は自分の人見知りを知っていてくれたので、周りにそれを言ってくれていて。「打ち解ければめっちゃうるさいから」みたいな(笑)。

神田 打ち解けたらうるさいよね(笑)。

安冨 飲んだらめっちゃうるさい(笑)。山形弁になって、声が本当に大きい(笑)。

それぞれの魅力を発揮し、後悔のない最後へ

4年間を一緒に過ごした3人は息ぴったり(左から神田、舟山、安冨)

――お互いの尊敬できる部分はどこですか

安冨 佳穂はこの中だと一番ズバっと言ってくれる方ですね。自分は思っていることがあっても自分で消化してしまうタイプなので、そういう部分では尊敬できます。でも結構ズバっと言うんですけど、気遣いとかできるし、そういうところは良いところだなと思います。真希子は同期の中で大人の対応ができますね。その場を上手くまとめられる。自分から謝ることができる。

舟山 真希子の自分の悪いところを受け止めて認められるっていうのは良いと思う。フェンシングに関して言えば、結のフェンシング結構好きだよ(笑)。

安冨 ありがとう(笑)。

一同 (笑)。

舟山 良い意味でも冷静で、悪い意味でも冷静。

神田 フェンシングに関しては結は小さいのに足があるので早いんですよ。フットワークがとても軽いです。

舟山 性格に関して言えば、その場を全力で楽しめると思います。しらふなのに雰囲気に酔って楽しむみたいな(笑)。お酒の席もだし、普段遊んでいても楽しそう。

神田 いま女子キャプなのですが、キャプテン気質はあると思います。みんなの間にいてくれるという感じです。下とも絡めるし、上ともちゃんとつながっていられるので、間に立って見てくれるというところはあると思います。上からもしっかり信頼されてるもんね。

舟山 真希子の良いところは、それ冷静に返答できること。自分は感情的に言っちゃうから、ムカつくときあるけど冷静に対応できるのがすごいなって思う(笑)。

神田 佳穂は人の気持ちを汲んでくれる。一番すごいなと思ったことがあって。私が1年生のときのJOC、二人は早生まれでらいねんもあったのですが、自分は最後という大会で結構大事な試合でした。でも目標に全然届かずに負けてしまいました。泣きそうになりながら練習場に戻って落ち込んでいるときに、佳穂も試合に負けて一緒だったのですが、そのとき自分だったら殻に閉じこもってしまうのですが、「悔しかったね~」って肩をトントンしてくれたんですよ。そのときは良い子だなと思いました。自分も泣くし、佳穂も泣くし、すごい感動的になってしまいました。

――4年生としての最後の学生大会であるインカレに向けての意気込みは

安冨 学生の試合は最後なので、集大成という意味でしっかり有終の美を飾ってきたいと思います。4年生というプレッシャーがあるのですが、別にこれまで成績を残せているわけではないので、そういう意味では気楽にできると思うので、しっかりと関カレの反省を生かしてしっかりと優勝します。

舟山 個人も団体も優勝する気持ちでがんばります。とりあえず個人は同士討ちは無いようにしたいです。会うなら決勝で。

神田 私も、団体も個人も結果はそんなに出ていないので結果はすごく欲しいのですが、あまりそういうことは気にしないでいいのかなと思っています。団体は後悔したくないので、関カレの反省をしっかりして後悔しないようにやるだけだと思います。

――ありがとうございました!

最後はWマークで決めていただきました

(取材・編集 松本理沙)

◆神田真希子(かんだ・まきこ)(※写真左)

1992(平4)年10月3日生まれ。161センチ。千葉・東葛飾高出身。スポーツ科学部4年。強気な選手の多いサーブル陣の中でも優しいオーラをまとっている神田選手。休みの日は温泉に行くなど、穏やかなイメージ通りゆっくりと過ごしているようです。

◆舟山佳穂(ふなやま・かほ)(※写真右)

1993年(平5)2月2日生まれ。157センチ。山形・米沢興譲館高出身。教育学部4年。食べ物で願掛けをすることが多いという舟山選手。この前はカツを食べて勝利を誓ったそうです。今回のインカレではどんなものを食べてパワーを注入するのでしょうか

◆安冨結(やすとみ・ゆい)(※写真中央)

1993年(平5)3月27日生まれ。152センチ。香川・三本松高出身。スポーツ科学部4年。今季の主な実績は関カレサーブル個人4位。買い物をしたり、おいしい食べ物をリサーチしたりするのが好きな安冨選手。オフの日はそれを目的にお出かけすることも多いというアクティブな一面も見せてくれました。