エペ決勝で因縁の相手に敗れ、山根司が準優勝

フェンシング

 関東学生選手権(関カレ)も折り返しとなる3日目に行われたのは、男子サーブルと女子エペの個人戦。早大からは9名が出場し、甘粕貴大(社4=神奈川・サレジオ学院)や伊藤由佳(スポ2=栃木・宇都宮中央女)らがベスト8目前で敗退する中、女子エペの山根司(スポ3=香川・三本松)が決勝へ進出した。頂点をかけた戦いには敗れたが2大会ぶりの準優勝に輝いた。

 2回戦から登場した山根司は終始安定した試合展開で相手を圧倒。順調に勝ち進んでいく。山田あゆみ(日大)との準決勝では4-5とリードされた状態で1セット目を折り返し、迎えた第2セット。この場面で山根司は相手に流れを渡すことなく、逆転に成功する。さらにその点差を保ち15-13で決勝への挑戦権をつかんだ。

3回戦で惜しくも敗退した甘粕

 関カレでの2年ぶりの決勝。対戦相手はその当時敗戦した因縁の相手・堀川こず恵(日体大)だ。2年前に取れなかった頂点の座をかけて、リベンジの舞台は整った――。プレ・アレの掛け声とともに試合はスタート。出だしは体格も良くリーチの長い相手に対し攻めあぐね、両者無得点で第2セットに流れる。ここから試合は大きく動いた。攻撃を決めきれない山根司は相打ちを含め10連続失点。「自分で試合をダメにした」(山根司)と語るように負の連鎖を止めることができずに4-10で最終セットへ。しかし開いた点差はあまりにも大きすぎた。そのまま相手に8-15で突き放され、再び優勝を阻まれた。

決勝で強敵相手に奮闘する山根司

 今大会、個人の戦いで久しぶりに表彰台に上ることができた山根司。2年前と同じ準優勝という結果だが、「悔しいという気持ちの方が大きい」(山根司)と結果に対する思いは大きく違った。『自分に負けた』決勝戦。今後は自分自身との戦い、そして理想のフェンシングの実現が頂点奪取に向けての大きなカギとなるだろう。つかみかけた優勝の栄冠、次こそは必ず手に入れたい。

(記事、写真 松本理沙)

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子エペ(個人)

山根司(スポ3=香川・三本松) 準優勝

2回戦:○15-14 岡部夏奈(日女体大)

3回戦:○15-10 小林未来(法大)

準々決勝:○15-12 池田五月(法大)

準決勝:○15-13 山田あゆみ(日大)

決勝:●8-15 堀川こず恵(日体大)

伊藤由佳(スポ2=栃木・宇都宮中央女) ベスト16

1回戦:○12-7 上田詩乃(東女体大)

2回戦:○15-12 大迫夏奈(日体大)

3回戦:●8-15 古俣潮里(明大)

千葉絢音(スポ1=大阪・北野) ベスト16

2回戦:○15-14 齊藤美和(東農大)

3回戦:●8-15 堀川こず恵(日体大)

山村彩和子(教2=岡山・玉野光南) 2回戦敗退

2回戦:●12-15 小林未来(法大)

▽男子サーブル(個人)

甘粕貴大(社3=神奈川・サレジオ学院) ベスト16

1回戦:○15-5 根元聰(拓大)

2回戦:○15-8 若園怜(東大)

3回戦:●4-15 古川信清(日大)

佐々木勇歩(スポ3=静岡・沼津東) 2回戦敗退

1回戦:○15-11 奥村祥大(早大)

2回戦:●6-15 中島哲雄(中大)

山本隼大(スポ2=香川・三本松) 2回戦敗退

1回戦:○15-4鹿島康利(日体大)

2回戦:●10-15 町田拓哉(慶大)

竹下昇輝(スポ1=静岡・袋井) 2回戦敗退

1回戦:○15-7 鈴木尋也(日体大)

2回戦:●4-15 安藤光平(法大)

奥村祥大(教3=京都京大付) 1回戦敗退

1回戦:●11-15 佐々木勇歩(早大)

※山根司選手、伊藤選手、山村選手のコメントは団体戦の記事に掲載されています。