全慶應義塾対全早稲田定期戦選手コメント集

馬術

武井梧右主将(スポ4=東京・東農大一)

――先日の馬場競技については、いかがでしたか

正直に言うと、あまりうまく乗りきれなかったです。もちろんもっとできる馬であったのですが、僕のミスも重なって、後輩の吉田(光佑、スポ2・東福岡)に負けてしまう悔しい結果になりました。

――一方で、今日の障害についてはいかがでしたか

馬場よりは満足しています。早慶戦での障害の目標は、まずはジャンプオフに必ず残って、全日本で2位の山下(大輝副将、スポ4=宮城・東北)と戦うということが最低目標ではあったので、それを達成できたことは良かったと思います。ただ同期の山下に負けたことは、すごい悔しいですね。

――部としては、5年ぶりの優勝となりました

人馬共に勝てる組み合わせが揃っていたので、勝たないといけない試合ではありました。早慶戦優勝を1年間の目標として掲げていたので、達成できて嬉しく思います。

――今年はコロナもあり、様々な困難があったと思いますが、主将としてどんな一年間でしたか

コロナの影響で、部活も停止になりかける期間もあり、チームの輪も1つになることが難しい時期があったりしました。それでもまとまってきて、最後はチーム一丸となって戦えたと思います。それが早慶戦の結果につながったと思います。

――最後に、後輩にむけてメッセージをお願いします

いい馬が揃っていますし、エネルギッシュな部員も多いので、僕らの成績を絶対に超えていってほしいと思います。頑張ってほしいです!

山下大輝副将(スポ4=宮城・東北)

――今日の競技に関してはいかがですか

今日の試合はもちろん勝たないといけない試合と分かっていたので、勝つつもりでいました。ただ、いつもと違うところが何点かあって。まず、走る馬なのでこういう狭い馬場だと不利なんですね。広い馬場の方が走れる馬だから、その点ここは狭いから難しいところと、あとシンプルな障害の方が馬がなめて跳びが小さい。(障害が)大きいと馬は張り切って跳ぶんですけど、(障害が)小さいから馬がこれくらいだろって力を抜くんで逆に落とすリスクがあるっていう、その二つが今回の試合でした。大きい試合よりも何気ない落下が想定できたのでそこにとても気を付けました。

――騎乗するうえで気を付けた点はありますか

こういうところではいつも丁寧な走行を意識しすぎて、人馬ともに安心しながらも落下するというパターンを何度かやってきたので、狭い馬場ですけど結構思い切って走行をしたつもりです。

――部の結果に関してはいかがですか

満足しています。流れを変えるような代になりたかったから、ここ数年の(早慶戦での)負けの悪い流れをストップできてうれしいです。

――4年間を振り返っていかがですか

もともと大学で馬術をやるつもりはなくて。でも急に早稲田からお声がかかって、僕はいかないって言っていたんですけど、いろんな人に説得されて入ることになったという経緯があって。だからそんなに大学馬術がやりたくて入ったわけではないし、そんなにやりたいとも思っていなかったんですけれど、結果的にめちゃくちゃ楽しかったし、僕が、自分でいうのもあれなんですけれど(笑)、有名かつ華のある選手になれたからそれは思いがけない報酬というか、やってみないとわからないもんだなと。だからこの4年間はとても満足しています。

――最後に後輩へのメッセージをお願いします

僕たちもそうさせてもらっていたけれど、何かを押し付けるとかこれをした方がいいよとかそういうのではなくて、自分たちで考えて自分たちのベストというのを探してほしいですね。そのメンバーのいい形ってそれぞれだと思うからみんなで考えてやればいいと思うけれど、ただ、馬という動物を管理しているわけだからそこだけ、命を預かっているという覚悟を持って、ある意味ミスが許されないところもあるのでピリッとやってほしいなと思っています。

榎本毬亜(社4=カナダ・The Bishop Strachan School)

――緊張していましたか

緊張しましたね。早慶戦だからというより、学生戦、対抗戦に出るのは初めてで。ただ、上位を目指せるかというとちょっと……っていうところだったので、そういう面では緊張しなかったです。経路も練習はしてきていたので。ただ勝たないといけないなっていう緊張感はありました。

――馬場を振り返っていかがですか

私がもともと乗っていた稲俊の足の調子が悪く、具合がよくなくて。本当はその馬で出る予定だったんですけど、急遽4日前くらいに稲翼で出ることになりました。4日間乗って、いろいろ課題もありました。今日は、その課題点については克服できた感じがあったので、私の中では馬としてはよかったと思っています。ただ、もうちょっと自分自身が詰められたところもあって。隅角っていう、角をしっかり曲がるところとか、人が気を付けられるところはもうちょっとあったのかなと。改善できる点は全然あったなと思います。

――今年はイレギュラーな点も多かったと思うのですが、一年間の主務の仕事は大変でしたか

違う意味での大変さでした。本来は、オリンピック関連の予定プラス、六大学の主催校として、忙しくなる予定でした。それがなくなってわりとスケジュールが空いたんです。 一方で、コロナの影響で練習がなかなかできなかったり、部員が集まれなかったりしたので、コミュニケーションをとるのはすごく難しかったです。ただ、その中でもみんなすごく協力して、もちろん監督やOBの方にもご支援いただいて。なので、主務の仕事をやりながら、本当に部員だけでは馬術はできないなと感じていました。

――これまで馬術部の活動を続けられたのはどうしてだと思いますか

馬が好きだからですかね。そもそも早稲田に入学した時から馬術部に入りたくて。馬術部があるから早稲田を選んだくらい馬術をやりたかったんです。それが一番大きいと思います。ただ、本当に先輩も後輩もいい人ばかりで、たぶん私には合っている人が多かったのかなと思います。私にとっては、すごく過ごしやすい環境だったかな。

――馬術のどんなところが面白いですか

みんな言うと思うんですけど、チームスポーツでありながらも個人のスポーツという。もちろん馬と頑張らなきゃいけないんですけど、自分が頑張れば頑張るほど、結果につながるスポーツだなと。

――最後に後輩へ向けてメッセージをお願いします

やっぱり何をするにあたっても、ほかの部活と違って馬がいるので、馬を優先的に考えてほしいですね。例えば、競技で結果を出すっていうことももちろん馬のためになります。というのも、馬は馬術部っていうところにいる以上、競技用として、あるいは練習用として活躍できないと、どうしても早稲田にいることが難しくなってしまったりする。そういう面でもしっかり、馬の健康管理と、競技で成績を残せるような体調管理を、しっかり頑張ってほしいなと思います。

絹川隆彦(文構4=静岡・韮山)

――今日の試合はいかがでしたか

自分は大学から馬術をはじめた人間なのですが、大学から始めた人として、今日の中障害に出場した選手は他にいないように、何年かぶりに出たことになると思います。中障害に出場するレベルまで、4年間で持ってこられたことは誇りに思います。9番障害を落としてしまったことは、“大学はじめ“の壁を4年間ずっと感じてはいましたが、最後の最後に大きな壁があったと思っています。

――大学から馬術をするようになったきっかけを、改めてお聞かせください

早大で馬術の授業、馬術部OBの倉田先生(孝之氏、昭60文卒)が講師をされているのですが、その授業をたまたま取っていました。そうしたら、その授業で倉田先生がたくさん褒めてくださったんですよ。すごい褒め上手な方でして、まんまと倉田マジックに乗せられて、そのまま入部を決めたという流れです(笑)。それまでは馬に触ったことすらなかったですが、初めて馬術を授業でやって、褒められ入部をしました。

――授業から始まり今日までの4年間は、どのような時間でしたか

屈辱と劣等感の4年間だったなと思いますね。大学から始める選手もいますが、僕らが入部した頃では、全日本学生や早慶戦の中障害に出場することは、前例がなく、ありえないような話でした。そんな中、“全日本学生には絶対に出場する“ことを目標に4年間ずっとやってきました。それでも競技歴10、15年の選手と交じると、いろんな場面で常に劣等感を感じていて、それが一番の敵であったと思います。

――絹川選手と同じように大学から馬術をはじめている選手も多いと思います。そんな後輩に向けてメッセージをお願いします

大学からはじめて全日本学生や早慶戦に出場することのハードルは、僕らが大学に入った当初より、低くなっていると思います。馬も充実していますし、実際に実現している選手も出てきているということで、今まで手探り状態であったことが、ある程度ゴールが見えてきてると思います。ぜひ効率的に工夫した練習をして、どうしたら10年、15年の差を埋められるかということを常に考えながらやってもらえれば、結果は後からおのずとついてくると思います。

古賀有希(文構4=千葉・市川)

――いい天気ですね

(今までで)一番晴れていますね。今日はコンディションが良くてよかったです。

――緊張しましたか

さすがに緊張しましたね。でも、準備運動のときに馬が落ち着いていてくれて。それで自分も落ち着かなきゃと思えたのでよかったです。昨日までは結構馬が緊張していて。見たことない場所だし、ちょっと苦手な場所なんですよね。周りが家で、向かいが道路で。しかもちょっと塀が低いので向こう側が見えちゃうんですよ。普段と違う、こういうところはちょっと苦手なので、昨日と今朝もはねていました。準備運動のときにははねていなくて、緊張がとれたのでどっちも(馬も自分も)よかったと思います。

――全体的に馬場の感触はよかったですか

もうちょっと、足りないなってところはあったんですけど、駆け足区間は今までで一番良かった。馬も人も落ち着いて、リラックスして、いい運動ができていたんじゃないかなと思います。

――これまで馬術部の活動を続けられた理由は何だと思いますか

やっぱり馬術が面白いっていうのが最初にあります。見ているだけだと「馬に乗っているだけじゃん」って思うんですけど、実際に乗ってみて動かそうとすると、自分の姿勢とかバランスの置き方、手の強さ、全部ちゃんとやらなきゃいけない。ちゃんとやらないと、馬もちゃんと動いてくれないっていうところがすごく面白くて、それが一番の理由ですね。あとは、周りの環境がよかったです。同期は「めちゃくちゃ仲が良くてずっとくっついている」っていう感じじゃないんですけど、一定の距離を保って、でも必要な時に必要な言葉くれたり、ちゃんと接してくれたり……そういうところがすごくよかったです。

――後輩にメッセージを残すとしたら何を伝えますか

言いたいことはたくさんあるんですけど、一番言いたいのは、道具を大切にしてほしいということです。(道具には)学校で買っているものも自分で買う私物のものもあるんですけど。4年間見ていて、学校で買ってもらっている共有のものは、どうしても扱いがぞんざいになっちゃってちゃんと手入れしない傾向があると思います。やっぱり馬に乗る時って道具がきれいじゃないと、馬も気持ちよくないし、人も実は結構道具の影響でうまく乗れたり乗れなかったりするんです。皮の道具は、定期的に油を入れないと、ツルツルになっちゃって座りにくいとか、逆にかさついてきちゃって馬が傷つくとか。道具をちゃんと大切に手入れして、定期的にきれいにするのが、上達の早い道かなって思います。

牛尾哉太(人3=兵庫・福崎)

――今日の障害に関してはいかがですか

本当に最悪でしたね。馬のおかげで何とか帰ってこれたような試合で、自分はただまたがっているだけみたいな感じでしたね。

――先輩から声をかけられている場面がありましたが、いつも指導を受けるなどしているのでしょうか

そうですね、特に山下さん(山下大輝副将)に今回指導をしていただいて、あとOBさんとかにもよく指導をしていただいています。

――今日のチーム全体の結果を振り返っていかがですか

L1(課目)以外は勝てたので、なんとか3つ勝てて総合優勝することができて本当にうれしく思っています。

――次期主将となるのはどのように決まったのですか

今回は後輩の意見を聞きつつ、最後は4年生が決めたという形になります。

――次期主将となることが決まってどのようなお気持ちでしたか

そうですね、自分では驚きの部分もあって少し不安な部分もあるんですけれど、しっかり頑張っていこうと思っています。

――武井主将とはどのようなお話をしましたか

僕の頑固なところ、ある意味筋が通ってるところがいいと言ってくれて、そこを評価してお前に次を任すからやるべきことをしっかり決めてチームを引っ張っていくように、と言われました。

――これから主将としてどのようなチームにしていきたいですか

やはり当たり前の挨拶だったり、そういったことをきちんとできるようなチームにはしていきたいと思っています。競技面だと今年は早慶戦で勝てましたけれど、来年も勝てるようなチーム作りをしていきたいなと思っています。