今年も無事に開催を迎えた全慶應義塾対全早稲田定期戦(早慶戦)。例年は高校生障害、OB障害なども行われるが、今年は規模を縮小して現役4競技のみの開催となった。現在4連敗を喫しており、早大にとっては何としても負けられない一戦。3競技で快勝し、見事5年ぶりの優勝を手にした。
初日に行われた馬場馬術には早大から5組、慶大からは7組が出場。上位4組を慶大に譲ったものの、5~8位を早大の4組が占め、まずまずの滑り出し。現役最後の演技となった古賀有希(文構4=千葉・市川)は関東学生でもペアを組んだ稲彩と出場した。演技全体では足りないところがあったとしつつも、「駆け足区間は今までで一番良かった」と最後の演技を終えた。同じく4年の榎本毬亜(社4=カナダ・The Bishop Strachan School)は大会前に騎乗予定だった稲俊の状態を考慮し、急遽騎乗する馬を変更。わずか4日の調整期間だったが、「課題点については克服できた感じがあったので、私の中では馬としてはよかった」と現役生活を締めくくった。次に行われたS1課目は早大が2組、慶大が3組の計5組が出場。武井梧右主将(スポ4=東京・東農大一)は全日本での入賞時と同じくロッキーロイヤルとともに最後の演技に臨んだ。「あまりうまく乗りきれなかった」としながらも、60パーセントを超える得点率をたたき出した吉田光佑(スポ2=東福岡)に続く2位と、早大で上位2組を独占し、優勝に向けて大きく前進した。
最後の演技に臨んだ武井とロッキーロイヤル
2日目に行われた小障害飛越競技には早大から2、3年生が5組出場した。うち3組が減点0で完走。優勝は慶大の小森春乃に譲ったものの、以下4位までを早大が占め2位の高田雅(人2=大阪女学院)をはじめとした下級生の活躍が光った。障害の難易度が上がる中障害飛越競技に出場したのは全日本で障害に団体出場した時と同じメンバー。第一走行では吉田、絹川隆彦(文構4=静岡・韮山)が障害落下一つに抑え、健闘を見せた。全組が走行を終え、慶大からは1組、対する早大からは4年の武井、山下大輝副将(スポ4=宮城・東北)に加え、1年の鶴見汐花(スポ1=栃木・佐野日大中教校)の3組がジャンプオフに駒を進めた。初めに走行したのは鶴見。総減点11で完走し、悔しさをのぞかせたものの優勝に大きく貢献した。慶大の友松円理が減点4で走行を終え、続く武井も障害落下を一つに抑えて、総減点4で完走。最終走行の山下は減点0なら優勝という局面。途中大きくバランスを崩しあわや落馬の危機もあったもののなんとか体制を立て直し、クリアラウンド。最後は会場が拍手に包まれ今年の対決は終わりを迎えた。
中障害飛越競技で優勝した山下と稲嵐
4年にわたる雪辱をついに果たした早大。特に障害では圧倒的な強さを見せた。今大会でチームの中枢を担ってきた4年生が引退し、部としても新たなスタートを切る。武井主将は「いい馬が揃っていますし、エネルギッシュな部員も多い」とこれからの活躍に期待を寄せる。いい馬の実力をどこまで引き出せるかが今後のカギとなるだろう。「来年(の早慶戦)も勝てるようなチーム作りをしていきたい」と決意を新たにした新主将の牛尾哉太(人3=兵庫・福崎)を中心として、新チームが始動する。 (記事 伊藤可菜、写真 日野遥、樋本岳)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
表彰式後の集合写真
結果
▽第1競技 馬場馬術競技L1課目
●早大1―2慶大
5位 添川・カプチーノA 最終得点率59.333
6位 マギー・ロッキーロイヤル 最終得点率58.733
7位 古賀・稲彩 最終得点率58.733
8位 高田・アイシングラー 最終得点率57.667
11位 榎本・稲翼 最終得点率54.667
▽第2競技 馬場馬術競技S1課目
〇早大3―1慶大
1位 吉田・カプチーノA 最終得点率62.884
2位 武井・ロッキーロイヤル 最終得点率59.615
▽第3競技 小障害飛越競技
〇早大2-1慶大
2位 高田・プリンチペスコ 総減点0タイム59.18
3位 熊田・ゾビオン 総減点0タイム59.46
4位 森・稲嵐 総減点0タイム59.92
6位 牛尾・アイシングラー 総減点4タイム57.11
2反抗E 伊藤・稲煌
▽第4競技 中障害飛越競技
〇早大3-1慶大
1位 山下・稲嵐 総減点0タイム54.78 JO総減点0タイム33.84
3位 武井・ジョルジオ・アルマーニ 総減点0タイム66.38 JO総減点4タイム36.91
4位 鶴見・カタリーナ 総減点0タイム63.92 JO総減点11タイム48.3
5位 絹川・ゾビオン 総減点4タイム60.50
6位 吉田・プリンチペスコ 総減点4タイム63.46