全員が予選で敗退、悔しい結果に

馬術

 全国の舞台への切符をかけた個人戦である関東学生選手権(選手権)、関東学生女子選手権(女子選手権)が静岡県の御殿場市馬術・スポーツセンターで行われた。この大会では1回戦の障害飛越競技(障害)、2回戦の部班競技が行われ、1回戦と2回戦の成績を加味して3回戦への進出が決まる。昨年この大会でベスト8に入り、全国学生女子選手権に出場した石山晴茄(スポ2=茨城・つくば秀英)は怪我のため欠場。早大からは選手権に3人、女子選手権に4人の選手の出場となった。しかし全員が予選で敗退してしまい、全国へ駒を進めることはできなかった。

 選手権の1回戦。まず初めに走行したのは山下大輝(スポ1=宮城・東北)とタニノマティーニだ。タニノマティーニの癖を意識して走行を進める山下だったが、障害の落下があり、減点がつく。続く仙波悠介(先理4=東京・成蹊)は障害を落とすことなくゴールし、2人が2回戦に進んだ。一方の女子選手権では4人中3人が反抗による失権となってしまう。早大勢では最後に登場した山田瑞月(創理4=東京・立教英国学院)は新たにペアを組んだ稲嵐と減点なしで走行を終え、2回戦に進出した。

1回戦で障害を飛ぶ山田

 2回戦は部班競技でベスト16を決める。部班競技とは7,8人ほどの4つの班に分かれ、指示された経路通りに走行し、得点で競うものだ。選手権では「馬の意識が自分になかった」と山下が振り返るように思うように得点を伸ばせない。結果、2回戦の成績は山下が28位、仙波が27位と初日で敗退となってしまった。続く女子選手権では山田が2回戦で11位となるも1回戦の成績が足を引っ張り、3回戦に進出することはできなかった。

2回戦で演技をする山下

 今回は出場した7人中4人が失権になってしまうなど、思うような結果が出せなかった早大勢だが、すぐに関東学生大会が控えている。個人のレベルアップを図り、次戦ではよい結果が出ることを期待したい。

(記事 、写真 佐藤詩織)

コメント

山田瑞月(創理4=東京・立教英国学院)

――1回戦の反省を教えてください

1回戦は私があの馬に3月ぐらいから乗り始めて、まだ全然タッグが組めていなかったので、今回は選手権で勝つというよりも私が練習したくてあの馬で出たという感じです。難しいというのが正直なところでいいペースで乗っていかないといけないのですが、今回はうまくいかなかったなというう感じですね

――今回は慎重に行かれた感じですか

そうですね。いつもはもう少し馬がいってくれて、馬のペースに私がのっていくという感じだったんですけど、今日はあまり馬が前にいくような感じではなかったので、人間が馬を前に出さないといけなかったんですけど、そこがうまくいきませんでしたね

――2回戦の方も馬が変わりましたが、経緯等あれば教えてください

1回戦は障害用の馬で、2回戦は馬場の馬で出ました。今いるうちの馬で1番乗りやすいかなということで。

――2回戦はいかがでしたか

もう少し頭をあげて馬場のような感じでできたらよかったです。練習馬場ではよかったのですが、本番になってからは馬が少しもたれかかってしまってあまりいい形にできなかったので、そこが課題かなという感じですね

――チーム全体の結果についてはいかがですか

できれば帰ってきてほしかったのですが、まだまだ練習が必要ですね

――次戦の関東学生大会への意気込みをお願いします

-乗れる人が少なくて、団体を組むぎりぎりの頭数になるとは思いますが、全頭帰ってきて、全国への枠を取りたいと思います

山下大輝(スポ1=宮城・東北)

――大学での公式戦はいかがでしたか

小学3年生から競技しているのですが、特定の馬でいかに結果を残すかというのをやってきました。大学で求められることは大学の馬にいかに適応して、その馬に合わせた走行や乗り方ができるかということなんですけど、それがまだ自分に足りないところで、学生の大会ではそれに気づかされました

―ーきょう乗ったタニノマティーニとの相性はいかがでしたか

タニノマティーニは担当馬ではなくて、たまに乗せていただく馬なのですが、馬のコンディションがどうだということではなく、馬の持ってる力を何割人が引き出すかということで、まだ自分は4割、5割ぐらいしか引き出せていなくて、足りなかったと思います。

――1回戦の反省があれば教えてください

タニノマティーニが障害で失敗するときは横によけるんですよ。それを警戒していたのはよかったんですけど、8番障害でよけられてしまいました。馬をもっと人に集中させる必要があって、周りを気にしちゃう馬なので、こっちに意識を集中させないといけないのですね。そこも人次第ですね、馬は悪くないです

――次に2回戦ですが、周りに馬がたくさんいると気が散ってしまっていたのでしょうか

馬の意識が自分になかったかなというのはありますね。2回戦は難しいことを求められているわけではなくて、普段していることなので、普段をもっと意識することが必要かなと思いました

――試合からは離れますが、大学の馬術部には慣れましたか

慣れました。3月頭ぐらいから練習には参加していて、4月にこっちに来ました

――では最後に今後の目標をお願いします

いつも思うのですが、今回改めて感じたことは試合を頑張るというより普段の練習をもっと質の高いものにしていくことが大切だということです。試合だから頑張るというのではなく、試合に向けた普段の練習の1日1日の質を高くしていきたいと思います