全体5位と結果は振るわず

馬術

 第86回関東学生争覇戦(争覇戦)が3日間に渡って行われた。大学対抗のトーナメント戦で、各大学ごとに6選手と3頭が出場しその勝ち点で勝敗を決める。昨年は惜しくも優勝を逃して準優勝だった早大だが、ことしは全体5位と決していいとは言えない結果だった。しかし、強豪相手に打ち勝つなど、試合内容としては収穫のある大会だったようだ。

 1回戦の相手は慶大。自馬でも大きく減点がつくなどもどかしい展開だった。「勝てるところで落としたのが大きかった」(河野貴大 スポ3=東京・東農大一)。まさかの大量失点を喫してしまい、1-5で敗れてしまう。続いて翌日行われた5位決定戦1回戦では、強豪・日大と当たる。最初に出場した石山晴茄(スポ1=茨城・つくば秀英)・稲純組が2落下に抑えると、それに工藤千明(人4=東京・三鷹)・ラトゥールブリエ組が続き1落下で走行。強豪相手に早大のいい流れは途絶えることなく、日大のミスが重なったこともあり、自馬だけでなく貸与馬でも勝ち星を挙げる。4-2で勝利を収めた。

勝ち星を挙げることが出来た工藤・ラトゥールブリエ組

 大会最終日、5位決定戦2回戦の相手は専大だ。山田瑞月(創理3=英国・立教英国学院)・稲翠組が1落下、仙波悠介(先理3=東京・成蹊)・稲純組が1落下とタイム減点1で帰ってくるなど、着実に自馬での勝ち点を重ねる。しかし、相手も同じく自馬で得点を稼ぎ、2-2と両校勝ち点が並ぶ展開に。勝負は最後に走行する河野に託された。貸与馬で挑んだ一戦。「プレッシャーをかけられました」と語った河野だったが、その重圧をはねのけ慣れない馬でも落ち着いた走りを披露した。落下無しで走行を終え、タイムで相手を大きく突き放し、見事勝利する。結果、勝ち点は3-3で並んだが、減点数がより少ない早大が5位に決定した。

貸与馬で勝利を決めた河野

 強豪相手に善戦を繰り広げた早大。試合を振り返って工藤は「たまたまワセダの時に落下が少なかっただけで、勝ったという感じでは無いです」と語っている。しかし、難敵を下したという経験は必ずや選手たちの糧となっただろう。結果を見るとやはり依然として戦力の底上げは急務であるが、個人個人が少しずつレベルアップしていくことで大きな大会で表彰台に上ることも出来るはずだ。シーズンはまだ始まったばかり。早大馬術部の戦いは続く。

(記事、写真 吉田安祐香)

コメント

工藤千明(人4=東京・三鷹)

―― この争覇戦はどのようなお気持ちで臨まれましたか

最後の争覇戦ですし、トーナメント戦で貸与馬を使うという試合はあまりないので、後悔せず楽しめるように頑張りたいと思って臨みました。

――大会3日間を振り返って

結構足を引っ張ってばかりでしたが、同じコースを同じ馬で、しかも自馬で乗ることが出来たのでそれはいい収穫になったと思います。

――1回戦を振り返って

1回戦は私のミスでコースを忘れてしまって…しかも前半で忘れてしまったのでリズムが崩れてしまいました。馬に申し訳無かったと思います。馬は頑張って飛んでいたので。

――5位決定戦1回戦を振り返って

同じコースだったので初日よりは良かったと思います。でも少し無理をさせてしまって、急回転のところを躓かせてしまったり、あまり初日の反省点を生かすことが出来なかったのは悔しいです。

――日大相手に勝つことが出来ました

いや…奇跡のたまものだと思います。馬がたまたまワセダの時に落下が少なかっただけで、勝ったという感じでは無いですね。もう少し丁寧に乗れたら良かったのかなと思います。

――5位決定戦2回戦を振り返って

貸与馬で今まで乗ったことがない馬だったので、とてもいい経験が出来ました。やはり私より大柄な人が普段乗っている馬で、そこに終始持って行かれてばかりだったので、自分の実力不足を痛感しました。

――今シーズンの目標をお聞かせください

とりあえずきょうのオープンの120センチ障害とオリンピック記念の130センチ障害でもう最後の全日本なので、悔いなく今までの反省点を生かした走行が残り少ない試合でしっかり出来るように頑張りたいです。

河野貴大(スポ3=東京・東農大一)

―― この争覇戦はどのようなお気持ちで臨まれましたか

ここ2年間が結構良い成績だったので、その流れで頑張ろうと思っていました。

――1回戦を振り返って

すごく良い馬に乗せてもらいましたが、あまり上手くいかなかったので残念です。自分の中では色々と反省点があります。チームとしては勝てるところで落としたのが大きかったと思います。

――5位決定戦1回戦を振り返って

自馬に乗って出て、結果的には負けてしまいましたが走行の内容としてはそんなに悪いものでは無かったので個人的には満足しています。

――強豪相手に勝ち星を挙げる展開になりました

相手が良い馬を使ってきて人が邪魔せずにくっ付いていれば良かったので、それが上手く噛み合って勝てたのではないかと思います。

――5位決定戦2回戦を振り返って

3日間を通してとても良い馬に乗せてもらえてとても楽しめました。結果も勝つことが出来て良かったです。

――最後は河野選手が勝負を決めました

プレッシャーをかけられましたが、頑張りました。

――今回の5位という結果について

順位だけ見れば5位ですが、日大と専大に勝つことが出来たので内容としてはまずまずの結果だったかなと思います。

――今シーズンの目標をお聞かせください

全日本学生選手権が10月の終わりから11月の頭にかけてあるので、そこに向けて人馬ともに健康な状態で臨むことが出来るように頑張って行こうと思います。