障害でまさかの事態も、チーム一丸で乗り切る

馬術

 1年間の努力結実へ。特別な思いで臨む全日本学生大会(全日本)。まずは全日本学生賞典障害飛越競技大会(障害)と全日本学生賞典馬場馬術競技大会(馬場)が行われた。障害は前年度3位、馬場は団体としては久々の出場となった。早大の得意とする障害では、大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)が棄権し団体で無念の順位圏外。馬場では後藤寛佳副将(政経4=東京・早実)が決勝に進出するなど健闘し、団体5位で大会を終えた。

 各選手が2回走行し、上位3名の総減点で団体の順位が決まる障害。早大からは大澤主将、工藤千明(人3=東京・三鷹)、佐々紫苑(スポ2=神奈川・日女大付)が登場した。1走目では、4落下にタイム減点が重なった工藤と大澤主将がそれぞれ減点20、減点22と苦しむ。佐々は最終障害を落とすだけに留めたが、この時点で団体9位といきなり2年連続の表彰台に黄信号が灯った。巻き返しを図りたい2走目だったが、騎乗する稲嵐の体調不良を理由に大澤主将が棄権。団体は思わぬかたちで終戦を迎えることとなった。そんな中2走目も1落下で終え総減点8と実力を発揮した佐々は、個人で5位に入り孤軍奮闘の活躍を見せた。

早大勢のトップバッターとして登場した工藤と稲帥

 障害と同じく上位3名の総得点で争う馬場は、風雨と寒さに見舞われた最悪のコンディションの中スタートした。障害に続き出場した大澤主将は32位、佐々は34位と厳しい結果に。一方馬場を得意としている後藤副将は落ち着いた演技で得点率60%以上の好成績を出し、翌日の決勝に駒を進めた。快晴の下行われた個人決勝。「馬に感謝の気持ちでいっぱい」と、カプチーノAとの息の合ったコンビネーションを披露する。荘厳な音楽に乗せた演技で観客を魅了し、前日より得点を上げ個人で5位入賞。団体順位は7校中5位となったが、久々に出場した馬場で早大の存在感を示した。

馬場で5位入賞を果たした後藤副将とカプチーノA

 個の力は光ったが、チームとしては不本意な結果に終わった障害と馬場。それでも後藤副将が「(馬場に)団体を組めて出場できただけでも嬉しい」と語るように、団体として戦ったことで一段と結束力が増したのは確かだ。最終日、日本学生賞典総合馬術競技大会(総合)での逆襲はあるのか。舞台は整った。

(記事 川浪康太郎、写真 寒竹咲月、吉田安祐香)

結果

▽全日本学生賞典障害飛越競技大会 個人結果(入賞者のみ)

5位 佐々・天童

▽全日本学生賞典馬場馬術競技大会 団体結果

5位 早大

▽全日本学生賞典馬場馬術競技大会 個人結果(入賞者のみ)

5位 後藤副将・カプチーノA

コメント

後藤寛佳副将(政経4=東京・早実)

――早大は馬場で団体を組むのは数年ぶりでしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

本当に久しぶりで、きょねん関東(学生大会)に出場させてもらったときに私が全然成績を残せなくて(全日本で)団体を組めなかったので、(ことしは全日本に出場できて)うれしかったです。それを殺さないように全学では自分が結果を残さなきゃいけないと思っていました。

――ご自身の演技を振り返っていかがですか

正直全然納得のいく演技はできなかったんですが、馬には本当に助けられたので、馬に感謝の気持ちでいっぱいです。

――個人で5位入賞されましたが、お気持ちはいかがですか

決勝でキュアという音楽に合わせてやる項目ができたことはすごくうれしかったので、それで勢いづけて頑張ろうと思っていました。

――団体は7校中5位となりましたが、その結果についてはどうお考えですか

他の二人がどう思っているかは分からないんですが、私は団体を組めて出場できたことだけでもうれしいので、満足です。

――引退も迫っていますが、引退までどのように取り組みたいですか

この2日間を通して良かった部分もあれば、悪かった部分も多かったので、それをしっかり克服して引退試合の早慶戦で100%の演技ができるようにしたいです。