大澤主将、笑顔の全国2位

馬術

 地方予選を勝ち抜いた32名が日本一を目指す、全日本学生女子選手権(女子選手権)が2日間にわたって開催された。早大からは大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)が出場。大澤主将が女子選手権に出場するのは2年ぶり2回目だが、初出場の際は1回戦敗退で涙をのんでいる。しかしことしは馬場馬術競技(馬場)で争う1、2回戦をどちらもブロック1位で通過すると、勢いそのままに決勝に駒を進めた。決勝は馬場の得点が伸び悩み優勝はならなかったものの見事2位入賞。笑顔で大会を終えることとなった。

 今大会は4人ずつブロックに分かれ、それぞれの上位2名が勝ち上がる方式。全て貸与馬戦で行われる。また1、2回戦は馬場のみで競われた。馬場に苦手意識のある大澤主将だが女子選手権という大舞台で、美しく正確な演技を披露。強豪がひしめく中1、2回戦共にブロック1位で突破し、準決勝に弾みをつけて大会1日目を終えた。

1、2回戦共にブロック1位の得点を獲得した馬場

 大会2日目はあいにくの雨模様。北海道の肌寒さとは対照的に、熱い戦いが繰り広げられた。準決勝からは、馬場の得点から障害飛越競技(障害)の減点を差し引いた総得点で勝敗を決する。準決勝の馬場でブロック3位につけ、迎えた障害。「障害は誰にも負けたくない」(大澤主将)と強い気持ちで挑み、減点なしの快走をしてみせた。その結果、逆転に成功し見事決勝進出を果たす。その決勝は馬場、障害とそれぞれ二頭の馬に乗って競われたが、2回の馬場の得点を思うように伸ばせず、障害を前に最下位と出遅れてしまう。しかし得意の障害でまたも強さを見せてくれた。他選手の落馬や失権が相次ぐ中、2度の走行を共に減点なしで走り切り堂々の銀メダル獲得。大学4年生というラストイヤーで大きな結果を手にした。

完璧な走りを見せた決勝の障害

 早大の主将として堂々たる姿と成績を残した大澤主将。しかしその目はすでに先を見据えている。「きょうの準優勝という成績を自信にして、11月の全日本(学生大会)に臨みたい」(大澤主将)。全日本学生大会は団体戦となる。今大会の個人戦で得た自信と経験を早大馬術部に還元したい。団体で上位入賞するために――。新たな戦いがもう始まっている。

(記事、写真 稲満美也)

コメント

大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)

――2位入賞されましたが、今どんなお気持ちですか

今大会、自分の中で1、2回戦の馬場で負けないようにと思っていたので、そこを突破できたのがよかったです。準優勝という成績は素直にうれしいなと思っています。

――2度目の女子選手権となりましたが、大会の雰囲気はいかがでしたか

初めての会場だったので緊張感があったと思います。

――先ほどお話にもありましたが1、2回戦の馬場をブロック1位で通過しました。振り返っていかがですか

トップだったのはうれしかったですし、自分の自信になったと思っています。本当に(馬場に)苦手意識があったので、色んな強い人と当たってトップになれたことは自信になりました。

――ブロック1位通過は、準決勝に向けて精神的に大きかったですか

そうですね、馬場でいつも点差を付けられてしまうので思い切って臨もうと思えました。

――準決勝の障害は減点なしでしたが、振り返っていかがですか

障害は(馬場終了時点で)2位の選手と競っていて、かなりの緊張で走行中のことは覚えていないんですが、振り返ってみると良い馬に乗れて良い経験ができたなと思っています。

――女子選手権ではご自身は初めての決勝でしたが緊張はありましたか

決勝までいくと逆に緊張はしなかったです。ここまできたら、自分のやりたいことをしっかりやって悔いのないようにしようと思っていました。

――決勝の馬場を振り返っていかがですか

馬はすごく良い馬で、自分が普段乗らないような馬だったので良い経験になったなと思っています。

――決勝の障害は2回の走行共に減点なしで走り切りましたが

馬場はだめだったんですけど、障害は誰にも負けたくないと思っていたので、それができたかなと思っています。

――今大会の収穫は何ですか

1、2回戦の馬場を1位通過できたことが大きい自信になったので、それを生かして全日本(学生大会)も頑張っていきたいと思っています。

――引退まで試合が続きますが、意気込みをお願いします

きょうの準優勝という成績を自信にして、11月の全日本(学生大会)に臨みたいと思います。