ライバルに完敗

馬術

 ことしも特別な一戦が行なわれた。また4年生の引退試合にもなるため部員全員が全力を出し切りたいところ。この大会では個人の成績によって順位点が与えられる。その合計点の多いチームへ競技ごとに勝ち点が入り総合計で勝敗を決定する方式。しかし6つの競技すべてで白星を挙げられず、無念の幕引きとなった。

 第1競技と第2競技は馬場馬術競技(馬場)によって競われた。第1競技には多くの4年生が出場。しかしは試合経験の少ない選手が多く、慶大に差をつけられてしまう結果に。続く第2競技では1年間チームを引っ張ってきた五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)と来季の主将就任が決まっている大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)が登場した。大澤は初めてコンビを組む馬ということが影響して実力を発揮できない。五十嵐主将も「ベストな演技ではなかった」と話すように納得の演技ではなかった。早大の総得点は1195点、それに対し慶大は1300点と勝ち点を逃してしまう。

1年間チームを支えた五十嵐とファイネス

 第3競技からは障害飛越競技(障害)へと変わり巻き返しを図りたい早大。河野貴大(スポ1=東京・東農大一)と大澤がジャンプオフへ進む。河野は途中までミスなく落ち着いた走りだったが、終盤に8番障害と9番障害を続けて落下させてしまった。もうこれ以上ミスは許されないというプレッシャーの中、見事大澤が総減点0で走り切る。タイムでも慶大の選手を上回りこの競技で1位に輝いた。しかし河野はジャンプオフに進んだ5人のうちで最下位に。順位点合計で慶大に届かず、ここでも白星を挙げることはかなわなかった。第4競技は高校生、第5競技はOBによって行なわれたがどちらも相手に勝ちを譲るかたちになる。全敗だけは阻止したいと臨んだ第6競技の現役中障害飛越。五十嵐主将がジャンプオフに進出し、総減点4で優勝するも畠山聖副将(スポ4=茨城・常総学院)が総減点11、佐々紫苑(スポ1=神奈川・日女大付)も総減点17と振るわず。結果的に慶大に完敗した。

障害を次々に越えていく畠山と稲嵐

 大敗を喫してしまった今回の大会。馬術部は大きな不安を残して新体制に移行することになってしまった。まずは次の関東学生女子大会に向けてしっかりと調整を行い、着実なステップアップを重ねて欲しい。そして1年後に同じ舞台で宿敵を下す姿に期待だ。

(記事 藤巻晴帆、写真 藤巻晴帆、土屋佳織)

コメント

五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)

――4年生の引退試合で、早慶戦ということもありましたがどのようなお気持ちで挑まれましたか

ことしは厳しいかなってところと、拮抗するかなっていうところがありました。きょねん負けているのでなんとかことしは(勝ちたい)って気持ちはあったんですけど、ことしはメンバー的にギリギリで厳しいなってところがありました。きょうの結果としてはL1(JFE馬場馬術競技L1課目2013)取りたかったなというところはあるのですが、向こうがすごく上手に乗っていたのでしょうがないかなと思います。

――ご自身の演技を振り返ってはいかがですか

そんなに良くはなかったです。ベストな演技ではなかったですけど、そこまで悪くはなかったので良かったかなと思います。

――1年間主将としての思いや、成長された点はありますか

きょねんから考えとかは変わっていないです。立場と言っても主将という肩書きが付いただけで、やっていることは変わってないです。下が結構雰囲気良くやれているのでそういう点はすごくいいかなと思うのと、戦力的には落ちるかもしれませんが雰囲気良くやれればいいかなと思います。

――来年のチームに期待することは

早慶戦に勝ってほしいです。負けているので。 運営面をしっかりして欲しいのと、シーズンオフ短いんですけど、すぐ試合、試合ってなるのでちゃんと体制をしっかり整えて、3月から本格的に始まるのでそれまでの間にチームづくりという面でやっていって欲しいです。関東(関東学生大会)に向けて調子を上げていってもらえればなと思います。

大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)

――早慶戦ということでしたがどのようなお気持ちで臨まれましたか

自分が出たのがヤング(ヤングライダープレリミナリーテスト2009)とあと100㎝(現役小障害飛越)だったんですけどそれぞれ意気込みが違っていて、馬場の方は初めてコンビを組む馬だったので本番でどういうふうになるか分からなかったので、そういうのがちょっとつかめればいいかなっていう気持ちでいました。上位は狙えなかったのですが、その目的は果たせたかなって感じです。 障害の方は馬の能力もすごくある馬なので優勝を目標にしていました。

――きょうの走行を振り返っていかがでしたか

予想通りというか、練習からうまくいっていないところがたくさんあったんでそれが出てしまったかなという感じでした。課題だらけです。

――ジャンプオフを行う中でプレッシャー等もあったと思いますがいかがですか

勝ってチームに勝ち点を入れたいっていうのが1番であって、馬自体はすごい良い馬なんで安心してまわってくることができたと思います。

――4年生が最後の試合ということで、次期主将ということもありなにか特別な思いはありますか

4年生の引退試合だったので小障害に関してはみんな勝ちたいという思いがあったんですけど、それができなくて少し残念な気持ちがあります。あと1年間あって自分がチームを引っ張っていくという立場になると思うので、ことしの反省を生かして来年1年間の試合につなげていきたいというふうに思っています。