63年ぶりの栄冠に輝く!

馬術

 大学対抗のトーナメント方式で行われる第84回関東学生争覇戦(争覇戦)。各大学からそれぞれ6選手と3頭が出場し、双方の選手が同じ馬に乗り勝敗を決定。勝ち点の合計が多い大学の勝利となる。1、2回戦を順調に勝ち進んだ早大は決勝戦で日大と対戦した。5-1と差をつけて勝利し、見事優勝を収めた。

 まずは自馬での戦いで確実に勝ち点1を取りたい早大。その3頭に佐々紫苑(スポ1=神奈川・日女大付)、大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)、五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)といった大会出場経験の多い選手が騎乗することで取りこぼしなく勝ち点を獲得していく。1回戦の中央大との対戦では河野貴大(スポ1=東京・東農大一)が貸与馬戦で相手選手をタイムで上回り貴重な白星をあげる。その結果により4-2で2回戦へと駒を進めることに。相手は昨年7位決定戦で負けた東農大。お互い自馬での勝負を譲らず3-3の同点となってしまう。しかし総減点では55-68と早大に軍配があがった。

安定した走りを見せる五十嵐

 むかえた決勝戦では日大と対戦。それまで自馬に騎乗していた大澤が貸与馬で戦うことに。初めての馬ということで厳しい戦いになるかと思われたが、総減点を4に留め勝ち点1をつかんだ。山田瑞生(創理1=英国・立教英国学院)も1年生ながら大健闘し相手選手のタイムを上回る素晴らしい走行を見せ貸与馬戦で勝利。「挑戦者のつもりで臨みました」(五十嵐)と語ったその姿勢がチーム全体では功を奏したのか強豪相手に臆することなく走行し、5-1と快勝で日大を下した。

最優秀選手賞に選ばれた大澤

 試合慣れしていない選手も多く、主力である畠山聖(スポ4=茨城・常総学院)が別の大会に出場しているため不在だった今大会。その中でも全員が自分のベストを尽くしつかんだ栄冠は大きな自信につながるだろう。初めての馬にも柔軟に対応し上手く跳べたことも収穫の1つだ。全日本学生大会に向け弾みをつけた早大にさらなる期待がかかる。

(記事 藤巻晴帆、写真 桝田大暉)

コメント

五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)

――1、2回戦を振り返っていかがでしたか

くじ運が良くて強豪校と当たらなかったということもあって、確実に1,2回戦勝てるメンバーを配置して、しっかり勝てるところは勝つということで結果その予定通り勝てました。皆頑張ってくれたので良かったなと思います。

――決勝戦は相手が日大ということもありましたがどのような気持ちで臨まれましたか

普通にやっても勝てる相手ではないので本当に挑戦者のつもりで臨みました。勝とうなんてことは皆にも一言も言わないで、負けて当然なんだから緊張せず、決勝だからとか気負わずにいこうという話はして、それがいい結果につながったんじゃないかなと思います。

――結果を振り返って内容も含めていかがですか

1回戦、2回戦は(結果が)いい人悪い人分かれてしまったのですが、本当にきょうは全員が良くて、河野(貴大、スポ1=東京・東農大一)だけ負けたんですけど、その河野もすごく内容のいい走行で皆がんばって気持ち良く終われた試合だったので良かったかなと思います。

――優勝ということですがいまのお気持ちは

いつもから試合に出ている人だけではなく、普段から試合に出ている畠山(聖、スポ4=茨城・常総学院)がいない中でも団体戦で勝てたというのは収穫でした。初めての馬でも皆上手く飛んでいて、これを自信にしてこれからも頑張って欲しいなと思います。

――オーダーで意識されたことは

この人にはこの馬が合うなという相性があったので、そこを上手く僕が畠山と電話したりして相談して決めたのがすごく決勝戦では嵌ったのが良かったかと思います。

――全日本学生大会(全日本)に向けてはいかがですか

今回(出ている馬で全日本でも)使う馬は少しいますが、関東からゆっくり休んでいた馬を調整試合が何試合かあるのでそこでしっかり試合勘を馬に取り戻させて、全日本に向けて調整をしっかりしていきたいです。3種目総合3位内に入れるように頑張りたいと思います。

大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)

――1回戦を振り返っていかがでしたか

自分の馬で1勝するというのが目標で、自馬で3頭勝っていれば貸与馬に乗る3人がもし崩れてしまった時でもなんとか勝てると思っていました。自分が勝ち点1を稼ぐことが第一だと思っていたので、その点は達成できてよかったと思っています。

――2回戦を振り返っていかがでしたか

ほとんど1回戦と同じ気持ちで、自分がしっかり走行して勝ち点を確実に稼ぐということを考えて走行していました。

――2回戦、馬の調子はいかがでしたか

100㎝までしか出たことがない馬で105㎝は初めてだったのですが、すごい良く頑張ってくれて足なども悪くなることなく調子よく頑張ってくれました。

――決勝戦は相手が日大ということもありましたがどのような気持ちで臨まれましたか

まずはワセダの馬3頭に頑張ってもらってそこで確実に勝ち点を取って、私自身は日大の馬に乗って、馬が難しいというのもあったし、初めて乗る馬なのでしっかりゴールを切ることを目標に頑張っていました。

――結果を振り返っていかがでしたか

ゴールを切れた点は良かったのですが、内容的には日大の方の方が良かったですし、私のせいで馬にも負担をかけてしまったので、もう少し自身のレベルアップをして来年はもっと高いクオリティで対戦できるように頑張っていきたいと思っています。

――最優秀選手ということでしたが、いまのお気持ちは

自分が最優秀選手賞だとは思っていなかったので驚いてはいるのですが、率直にいうと嬉しいです。

――次戦に向けてはいかがですか

来週早学戦で、乗る馬は今回と全く違うのですがまた障害の試合に私はいつも練習している馬で出るので、練習の成果をしっかり出せるように頑張っていきたいと思っています。