この日は関東学生選手権(選手権)、関東学生女子選手権(女子選手権)共に予選である1回戦と2回戦が行われた。早大からは選手権に3名、女子選手権に2名の選手が出場。1回戦は障害飛越競技、2回戦は部班競技によって競われ、それぞれ上位16名の選手があすの3回戦へと駒を進めた。
1回戦では、まず畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)が登場。減点なしの安定した走行を見せた。長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)は最初の障害を落としてしまう。今回はルールであぶみをつけることができず、馬のことを考えて慎重になりすぎた結果、「強くアプローチできなかった」(長谷部主将)と言う。しかし、そこからはペースを取り戻し、まずまずの結果となった。ここで苦戦してしまったのは、長尾圭祐副将(東京・東農大一)。普段は主に馬場馬術競技を行っており、慣れない障害飛越競技ということで「普段の力を下回る力しか発揮できなかった」(長尾副将)。2つの障害を落とし、規定タイムである74秒もわずかに上回ってしまったため、総減点9となった。女子選手権には、大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)と相磯真来(創理3=東京・早実)が出場。大澤は障害を1つ落とし、減点4となったものの、相磯は減点なしと良い滑り出しを見せる。
慣れない障害に苦戦した長尾副将と稲斗
迎えた2回戦。部班競技とは、8名ずつの4班に分かれて、指示される経路通りに走行し、得点を決められるというものであった。審査基準としては、運動項目と総合観察に分けられ、総合観察では騎手の姿勢と騎座の位置、運動の正確性、他の馬との距離と間隔が採点対象となる。この得点から1回戦の障害減点を引いた成績で上位16名を決定し、その選手たちが3回戦に進出できる。その結果、選手権では畠山が全体4位、長谷部主将が全体15位となり、予選を突破。長尾副将はミスのなく競技を終えるも、1回戦での遅れを取り戻すことはできずに敗退となった。女子選手権では相磯が失権となってしまったが、大澤は全体14位で予選通過を果たした。
2回戦ではミスのない走行を見せた
長谷部主将と稲麟
あすからは貸与馬に騎乗しての競技となる。初めて騎乗する馬をいかに上手く操ることができるか。本当の意味で人の力が試される上に、トーナメント方式となり、一戦一戦の緊張感も高まることが予想される。全日本学生選手権への出場権獲得のためにも、それぞれが上位進出を目指す。
(記事、写真 井上雄太)
結果
▽六大学総合順位
優勝 早大 123点
2位 立大 79点
3位 慶大 42点
▽新人馬場馬術
1位 長尾圭祐・稲武
3位 後藤寛佳・リアルヴィジョン
4位 三宅紘一・コーラルウィンド(政経4=アメリカ・Dulaney)
6位 暮地景介・稲麟(文4=神奈川・桐蔭学園)
▽学生賞典馬場馬術
4位 畠山聖・リアルヴィジョン
9位 長尾圭祐・稲武
▽複合馬術
1位 五十嵐裕哉・稲隆
2位 畠山聖・アイシングラー
5位 大澤佳純・稲帥
▽新人障害飛越
4位 大澤佳純・稲帥
5位 栗栖美和・稲斗
▽中障害C飛越
1位 畠山聖・アイシングラー
2位 長谷部悦郎・Gグラナダ
3位 五十嵐裕哉・稲隆
コメント
長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)
――1回戦では、出だしで1つ障害を落としてしまいましたが、焦りはありましたか
焦りというか、今回はあぶみ上げというルールで、あぶみなしでやっていたので、少し馬が敏感であぶみがない分走ってしまうので、慎重にいきすぎて逆にペースが悪くて、強くアプローチできなかったのが良くなかったのかなと思うんですけど、全体的にはあぶみがない中ではとりあえず最低限のことはできたのかなと感じています。
――2回戦では、後ろから2番目という位置での競技となりましたが、その位置に関してはどのように感じていましたか
特に能力のある馬ではなくて、早稲田の練習馬で出たので、1回戦の障害である程度の順位について、2回戦はあまりミスをしないようにして、なんとか予選を通過できればいいかなと考えていたので、位置というのは特に意識してなかったですし、目立ったミスもなかったと思うので、それなりに良くできたのかなと思ってます。
――予選を終えてみて、ご自身の出来をどのように捉えていますか
まあ良くはなかったですけど、とりあえず予選は通過したので、最低限のことはできたのかなと思うので、あしたは早稲田の馬ではなくて、貸与馬という形になるので、上手い人しか残ってこないですし、初めてなる馬ですけど、そのあたりは自分の技術だったり、いままで1年間積み上げてきたものを発揮できたらいいのかなと思います。
長尾圭祐副将(社4=東京・東農大一)
――きょうを振り返っての感想をお願いします
いい馬で試合に出れましたが、ずっと馬の邪魔ばかりしたせいで結果も良くありませんでした。これからはもっと自分が上手くならなくてはいけないなと思いました。
――1回戦目の競技についての感想や今後の課題について何かありますか
自分は普段、障害競技ではなく馬場競技を行っているので全然障害競技の経験がありませんでした。よって普段の力を下回る力しか発揮できなかったことから、もっと経験を積むことが大切だと思いました。
――2回戦目の競技は馬場でしたが、こちらはどうでしたか
少し軽く乗りすぎた部分はありますけれど、きょうは障害が駄目でしたので馬場に関しての課題は特に考えていません。
――馬場馬術競技について教えてください
やはり競技を知らない状態で観戦すると状況が分からないと思います。馬一つ一つリズムが違って良い馬は大きい動きをします。逆に得意ではない馬は細かい動きをします。こういった馬のリズムを見て欲しいと思います。
――馬のリズムというのは、馬のコンディションによっても大きく左右しますか
そうですね。コンディションも大切です。しかし、一番はしっかり調教されているかどうか、に関わってきます。