関東学生選手権(選手権)、関東学生女子選手権(女子選手権)は2日目を迎え、3回戦と準々決勝が行われた。この日からは貸与馬を用いたトーナメント方式の戦いが続く。選手権には長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)と畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)、女子選手権には大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)が出場。しかし、3名ともに準々決勝を終えた時点で敗退となり、早大勢からは誰も最終日に進出することができなかった。
3回戦では馬場馬術競技(馬場)が行われた。長谷部主将は抽選の結果、早稲田の所有する馬に騎乗しての競技となった。そのため有利になったかと思われたが、相手の技術は高く、全体15位で一足早く大会を終えた。前日の予選を4位で通過した畠山はこの日も安定感を発揮する。ミスなく競技を終え、準々決勝に駒を進めた。女子選手権で唯一3回戦に出場した大澤は明大の1年生を相手に経験の差を見せて勝利。本人は「乗った馬の運とかもあって」と謙遜するが、相手も騎乗した馬は同じであったため、実力で勝ち取った結果といえるだろう。
馬を思うように操れなかった畠山
馬場と障害馬術競技(障害)の合計点で競われる準々決勝。まずは馬場が行われた。それぞれの大学から貸し出された馬での競技となり、慣れない馬の扱いに多くの選手が苦戦する。ここまで安定していた畠山もこのときばかりは上手くいかない。障害では相手が失権となった後での走行となったが、馬の調子は落ち着かず、畠山も2反抗で失権となり僅差での敗北となった。大澤も馬場が上手くいかない。普段は障害を主に練習していることもあり、「自分の未熟さが出てしまった」(大澤)と言うように、大きく点差を離されてしまう。しかし、障害では相手と同点という結果を残して一矢報いた。
障害では相手と互角に渡り合った大澤
早大勢はすべての選手が最終日を待たずしての敗退となった。だが、ベスト8に入った畠山と大澤は全日本学生選手権への出場権を獲得。それぞれに課題が残ったことも事実だが、次につながる大会にもなった。今大会で上手くいかなかった部分に修正を加えつつ、これからの大会に備えていきたい。
(記事、写真 井上雄太)
結果
▽六大学総合順位
優勝 早大 123点
2位 立大 79点
3位 慶大 42点
▽新人馬場馬術
1位 長尾圭祐・稲武
3位 後藤寛佳・リアルヴィジョン
4位 三宅紘一・コーラルウィンド(政経4=アメリカ・Dulaney)
6位 暮地景介・稲麟(文4=神奈川・桐蔭学園)
▽学生賞典馬場馬術
4位 畠山聖・リアルヴィジョン
9位 長尾圭祐・稲武
▽複合馬術
1位 五十嵐裕哉・稲隆
2位 畠山聖・アイシングラー
5位 大澤佳純・稲帥
▽新人障害飛越
4位 大澤佳純・稲帥
5位 栗栖美和・稲斗
▽中障害C飛越
1位 畠山聖・アイシングラー
2位 長谷部悦郎・Gグラナダ
3位 五十嵐裕哉・稲隆
コメント
畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)
――ベスト8という結果をどのように捉えていますか
とりあえず10位までに入れば、全日本学生選手権に出れるので、10位以内に入れて良かったと思います。
――準々決勝の馬場では、馬が暴れて苦戦する場面もありましたが
早稲田の馬ではないので、馬に関してはどうしようもないので、8位には入れて権利も取れたので、あまりこだわらずにいけました。
――他の選手たちも多くが苦戦しているように感じたが、扱いにくい馬が選ばれているのか
この大会は色んな大学が貸した馬で出ていて、みんな良い馬は貸したくないので、あまり良くない馬を貸すのでこのようになってしまうんですけど、そこがこの大会の難しいところでもあります。
――障害では相手の選手が失権になってからの競技となりましたが、気持ちに影響はありましたか
あまり期待はできなかったので、やれることはやったんですけど駄目でしたね。
――今後に向けての意気込みは
一ヵ月後に全日本学生の予選にもなる関東学生があるので、とりあえずそこで障害飛越競技と総合馬術競技は権利が取りやすいんですけど、馬場馬術競技は関東は激戦で、そこをいま一番の課題としてやっていて、3人で出場するんですけど、ちゃんと3人で全日本学生に出れるようにしたいなと思います。
大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)
――ベスト8という結果をどのように捉えていますか
今回はきのうの1回戦が減点4で、3回戦進出も厳しいかなと思っていたんですけど、乗った馬の運とかもあって、なんとかベスト8に残って全日本出場の権利を得ることができたので良かったなと思ってます。障害はまだまだ反省点があります。
――障害は反省点があると言われましたが、準々決勝では、馬場で相手と差がついてしまったものの、障害では同じ減点数でしたが、そのあたりはどのように考えていますか
私は普段障害しか練習していなくて、馬場の経験とかはまだまだなくて、相手の方は馬場もたくさんやっている方なので、自分の未熟さが出てしまったというか。障害は普段やっているので同点だったんですけど、そこらへんは今後時間をかけて練習していきたいなと思っています。
――今後に向けての意気込みは
全日本ヤング総合が一週間後にあるんですけど、1回戦の障害で乗っていた馬で出場するので、今回できなかったこととか人間のミスとかをちゃんと直していきたいと思います。