35年ぶりに団体優勝の快挙を達成!

馬術

 桜の花びらが舞い散る中、3日間にわたって行われた今大会は、新体制となってから初の団体戦であった。新たなチームとして戦うことに関して、多少の不安を抱えながら挑んだ大会でもあったが、それぞれが各競技で優秀な成績を収め、着実にポイントを稼ぐことに成功。そして、早大としては実に35年ぶりとなる団体優勝を成し遂げた。

 1日目は複合馬術競技の馬場馬術競技が行われた。早大からは4選手が出場。大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)は経路違反のミスを犯すなど納得のいく結果とはならなかったものの、五十嵐裕哉(創理3=新潟南)が全体1位となるなど、ひとまず順調な滑り出しを見せた。

複合馬術で優勝した五十嵐と稲隆

 2日目の午前には新人馬場馬術競技と学生賞典馬場馬術競技が行われ、多くの選手が出場した。新人馬場馬術では早大勢がそろって活躍。長尾圭祐副将(社4=東京・東農大一)が優勝、後藤寛佳(政経2=東京・早実)が3位となるなど、大量のポイントを獲得した。しかし、学生賞典馬場馬術では苦戦を強いられてしまう。畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)が4位に入ったが、新人馬場馬術で優勝した長尾副将は9位に終わった。学生賞典馬場馬術は6月に控えた関東学生選手権(関東インカレ)でも行われる競技であるため、「この競技で結果を出せなかったことは反省点」(長尾副将)と言う。まだ時間は十分にあるので、しっかりと調整をしていきたい。午後からは行われたのは、複合馬術競技の障害飛越競技。この競技は前日の馬場馬術競技と合わせて順位が決定する。暫定1位であった五十嵐は減点なしの安定した走行を見せて優勝。畠山も減点なしで走行し、前日から順位を上げての2位となった。さらには大澤も5位に入り、ポイントを獲得してチームに貢献した。

最優秀選手に選ばれた畠山とアイシングラー

 そして迎えた最終日。まず行われた新人障害飛越競技には、大澤と栗栖美和(人3=福岡・小倉)が出場した。ともに減点はついてしまったものの、きちんと最後まで走り切ってポイント獲得につなげた。続いて中障害C飛越競技が行われ、ここで早大は圧巻の力を見せ付けた。畠山と長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)がともに減点なし、五十嵐もタイム減点1のみにまとめ、1~3位を独占。まさに団体での優勝を決定付ける結果となった。

 今大会は、これまで王者の座を不動のものとしていた明大が出場していなかった。しかし、「明大が出ていてもいい勝負には持ち込めたのではないか」(児玉彰監督、昭59法卒=東京・早大学院)と言うように、2位以下に大きな差をつけての優勝は胸を張って誇れるものである。新たな歴史を創り上げた早大。次は関東インカレでの上位進出に向けて突き進んでいく。

(記事 井上雄太、写真 井上雄太、目良夕貴)

表彰

※記事中の学年は新年度のものです

結果

▽六大学総合順位

優勝 早大 123点

2位 立大  79点

3位 慶大  42点

▽新人馬場馬術

1位 長尾圭祐・稲武

3位 後藤寛佳・リアルヴィジョン

4位 三宅紘一・コーラルウィンド(政経4=アメリカ・Dulaney)

6位 暮地景介・稲麟(文4=神奈川・桐蔭学園)

▽学生賞典馬場馬術

4位 畠山聖・リアルヴィジョン

9位 長尾圭祐・稲武

▽複合馬術

1位 五十嵐裕哉・稲隆

2位 畠山聖・アイシングラー

5位 大澤佳純・稲帥

▽新人障害飛越

4位 大澤佳純・稲帥

5位 栗栖美和・稲斗

▽中障害C飛越

1位 畠山聖・アイシングラー

2位 長谷部悦郎・Gグラナダ

3位 五十嵐裕哉・稲隆

コメント

児玉彰監督(昭59法卒=東京・早大学院)

――35年ぶりの団体優勝を達成しての感想は

この冬のあいだに馬を補強したことが上手くいったかなというのがあります。もちろん馬だけではなく、人のほうの技術も上がっているので、それが上手くかみ合って優勝できたと思います。残念なのは明大が出ていないということなんですけど、明大が出ていてもいい勝負には持ち込めたのではないかと思いますので、35年ぶりの優勝を素直に喜びたいと思います。

――今後は選手たちにどのようなことを期待したいか

今後は6月末に関東学生選手権、11月に全日本学生選手権、いわゆるインカレがありますので、きょねんはインカレの障害競技での団体優勝を目指しての3位だったので、ことしこそは優勝をしたいと思っておりますので、応援よろしくお願いします。

長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)

――35年ぶりの優勝ですが、主将としてのお気持ちは

明大がいないというのも大きかったのですが、35年ぶりにきたチャンスをチームで勝ちにいけたというのは大きな自信になったのかなと思います。関東インカレや全日本インカレに向けて、これをステップにしてまた頑張っていきたいなと思います。

――チームとしてのまとまりはいかがでしたか

五十嵐(裕哉、創理3=新潟南)と畠山(聖、スポ3=茨城・常総学院)を中心に、みんなそれぞれに自分の目標をクリアできた人もおり、自分自身もそうですが課題が残った人もいるのでこれを次に生かしていければいいのかなと思います。

――ご自身の競技の結果についてはいかがですか

中障害のほうは馬がいい馬で頑張ってくれたので、自分はただくっついて乗っていただけなのですが、馬と下乗りをしてくれた五十嵐に感謝しています。複合のほうはスランプではないですが、課題が残っています。関東インカレまでにこのあと何個か試合があるのでその間に修正して結果が出せるように頑張っていきたいと思います。

――具体的に課題とは

馬が止まってしまうので、自分の中でも掴みきれていないのですが、技術的な話だと障害前で待ちきれていない部分があるのかなと思うので、これから先何個か試合があるなかでいろいろと自分の中で試しながらやっていければいいのかなと思います。

――関東インカレに向けての意気込みは

ことしから新しい馬も入れた総合馬術で今一番結果を残したいと思っています。チームとしてもそうですし、自分自身もこれからしっかり勝ちきれるように、結果を出せるように、頑張っていこうと思います。

長尾圭祐副将(社4=東京・東農大一)

――35年ぶりの団体優勝を達成しての感想は

1個上の先輩たちがすごく強かったので、自分たちが最上級生になったときに不安だったんですけど、最初の大きな試合で久しぶりの優勝を成し遂げられたことは嬉しいなと思います。

――個人としての成績についてはどうか

チームに貢献したいなと思っていて、新人馬場で優勝したことで団体にポイントを入れられたので良かったなと思います。ただ学生賞典は関東インカレでも同じ競技なので、今後としてはこの競技で結果を出せなかったことは反省点なんですけど、まだ時間があるのでしっかり調整していきたいなと思います。

五十嵐裕哉(創理3=新潟南)

――今回のご自身の成績についてはいかがですか

複合については、馬場は思ったように演技ができました。障害は少しリズムが崩れましたが、馬がカバーしてくれて結果的に満足のいく結果だったと思っています。中障害は先の出番の2頭が減点0で来ていたので、僕は慌てずゆっくり落ち着いてまわろうと思いました、タイム減点1がついてしまいましたが、うまくまわれたかなと思います。

――ワセダは団体優勝となりました

35年ぶりらしいので、部員全員ポイントを取り全員で結束して取れた優勝だと思います。来年もこの調子で優勝できたらなと思います。

――今後の主な試合は

次は関東インカレが大きい試合ですね。全日本に向けて関東でみんなが頑張らないといけないので、またもう一度気をひきしめて頑張っていきたいです。

――関東インカレに向けての意気込みは

ことし新しいチームになり、戦力が下がったところも上がったところもありますが、そこを補っていってなんとかみんなでまず全日本の枠を取り、全日本への道を作っていけたらなと思います。

畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)

――35年ぶりの団体優勝を達成しての感想は

団体としては久しぶりに勝てたので良かったと思います。新体制になって一回目だったので、不安な部分もあったんですけど、まあ良かったと思います。

――個人としての成績についてはどうか

いま乗ってる馬はまだ乗り始めて2ヶ月ぐらいでどうなるかなと思っていたのですが、馬が頑張ってくれたので良かったです。

――今後の目標は

個人というよりは団体として上にいけるように頑張っていきたいなと思