課題克服できず悔いの残る結果に

馬術

 2日間にわたり開催された今大会。前日に引き続き、小障害A二回走行競技に早大から3選手が出場した。小障害A二回走行競技では、各選手が二回同じコースを走行し、タイムオーバーと障害飛越の失敗による減点が最も少なかった選手に優勝が与えられる。きのうの第一回走行では、1選手がノーミスで優勝争いに食い込むなど健闘を見せたが、大会2日目のきょうは3選手とも減点に苦しみ、苦杯を喫した。

 まず先陣を切ったのは、トリトンSに乗馬した黒田祥太郎(スポ2=東京学芸大附)だ。滑り出しは順調のように思えたが、入退場門に面した障害を前に馬が言うことを聞かない。前の障害を飛び越えてから45秒以上経っても次の障害を飛越できず、ルール違反で失権してしまう。続いて栗栖美和(人2=福岡・小倉)が出走。前日の走行では大幅なタイム減点が付いており、改善を図りながらのレースとなった。丁寧な走りで障害減点こそ0に抑えたものの、課題であったカーブで失速し、タイムを上げきれず。不完全燃焼のまま第二回走行を終えた。

課題を残す走りとなった栗栖と稲斗

 一方、優勝を狙える位置に付けていた廣兼佑亮(政経2=福岡・久留米大附設)は、タイムを抑えきれず必要以上に速くゴールしてしまった前日の反省を活かし、障害を確実に越えることに重きを置いたレースを展開。狙い通り障害飛越をノーミスでクリアする。しかし慎重すぎる姿勢が仇となったのか、減点基準である69秒をわずかに上回る、69秒46というタイムを出し、タイム減点1がついてしまう。僅差ながらもこの減点が原因となり、ジャンプオフに進むことができず優勝を逃すこととなった。第一回走行が減点0だっただけに、悔しい敗退であった。

安定した飛越をみせる廣兼とGグラナダ

 「きのうの問題点を改善することができなかった」(栗栖)。敗因はこれに尽きる。自らの走りを修正し、次の走りにつなげていかなければ成長はない。しかし、シーズンはまだまだ始まったばかり。試合を経るごとに成長していく若い選手たちに注目だ。

(記事 加藤千暁、写真 井上雄太)

コメント

栗栖美和(人2=福岡・小倉)

――きょうの試合を振り返ってみて

きのうタイム減点が付いてしまっていたのでペースを上げるのと、右向きの走り方と左向きの走り方があって、カーブで入れ替えないといけないんですけど、それを失敗したことできのうはタイムを取ってしまったので、そこを改善するのとカーブをきちんと曲がることを考えて走りました。でも結局きのうの問題点を改善することができなくて、きょうもタイム減点が付いてしまったので、良くなかったなと思います。

――これから具体的にどのような技術を向上させていきたいか

まずは自分がコースを走るときに、右のカーブができないと上手くいかないので、その点を改善していきたいです。

――今後に向けての意気込みは

今回の走行が良くなかったので、次にいつ稲斗と一緒に走れるか分からないんですけど、本当に良い馬で大好きな馬なので、またチャンスがあれば、次はもっといい走行をしたいです。早く結果を出さないといけないので頑張りたいです

黒田祥太郎(スポ2=東京学芸大付)

――きょうの走りを振り返ってどうでしたか

今回はこの馬の悪いところが全部出てしまった感じでした。上手くいかなかったです。

――上手くいかなかった原因はどのようなところだと思いますか

この馬はいつも入退場門のほうに向いた障害を嫌がる傾向があるので、気を付けてはいたのですが、それを直せず、上手くいかなかったです。

――今後はどのようにしていきたいですか

今回は高さ100センチの障害でしたけど、10センチ低い90センチの障害で減点をしないようにして、それができるようになったらもっと高い障害もできるようにしたいです。