全日本学生女子選手権(女子選手権)の出場権がかかった大事な一戦が行われた。早大からは5人の選手が出場。しかし思うように得点は伸びず、女子選手権への出場権が与えられるベスト8まで勝ち進むことは叶わなかった。
1回戦の種目は障害飛越競技(障害)が行われ、選手たちは自馬に騎乗する。早大のトップバッターは大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)。試合前の準備が上手くいかず「馬が良くない状態で走行してしまった」と大澤は語ったが、障害物の低さにも助けられ減点0とまずまずの走行を見せた。続いての工藤千明(人2=東京・三鷹)は1番障害で障害物を落下させ、2番障害では馬が反抗してしまう。その後は持ち直すも総減点12と結果は沈んだ。後半、早大は相磯真来(創理4=東京・早実)からのスタート。障害物を1つ落下させるも無難にまとめ上げ総減点4に留める。その後には来栖美和(人4=福岡・小倉)と田中萌(スポ2=東京・関東国際)が走行したがともに1反抗と1落下という結果に。タイム減点も加わり、来栖が総減点11点、田中が9点で1回戦は終了。そのうち総減点9点以内が2回戦に駒をすすめた。
落ち着いた演技を見せる田中とラトゥールプリエ
2回戦に行われたのは部班競技。1回戦との合計点で3回戦の出場者を決定する。大澤が走行したのはB班。この班は序盤から他大の馬が暴れ厳しい状況に。しかしそこで慌てることなく落ち着いた走りで見事3回戦進出を決めた。田中も健闘するが障害でのミスが響き惜しくも敗退。相磯は得点が伸び悩み次のステージに進むことはできなかった。そして迎えた大会2日目の3回戦。種目は馬場馬術競技(馬場)と苦手とする競技であり、貸与馬で臨まなければいけない。しかし幸運にも抽選の結果、自馬である稲秀に騎乗することになる。今回の馬場は対戦方式であり、相手よりも高得点を出さなければならない。だがこの有利な状況をものにはできず、22.5点という差をつけられ黒星を喫した。ここで勝てばベスト8だっただけに大変悔しい結果である。
障害物を越えていく大澤と稲帥
今月末には関東学生三大大会が控えている馬術部。団体で表彰台を目指す早大にとっては一人一人のレベルアップが不可欠である。残り少ない日数ではあるがいかに本番までに調子を整えることができるか。今回の悔しさをバネにさらなる進化を期待したい。
(記事、写真 藤巻晴帆)
※掲載されていた写真に不備がありました。申し訳ありません。
コメント
大澤佳純(教3=神奈川・桐蔭学園)
――今大会への意気込みは
全日本の(出場)権利は取りたいなと思っていたので、ベスト8までは進みたいと思っていました。
――障害飛越競技を振り返っていかがでしたか
1回戦は試合前の準備運動の時点で馬と上手く折り合えずに準備運動を失敗してしまって、馬が良くない状態で走行してしまったのは本当に反省点です。(障害の)高さが低かったからたまたま満点だったとは思います。
――2回戦の部班競技は他大の馬が暴れる中でどのような心境で走行されましたか
馬場は乗った馬がすごく大人しい馬だったので特に周りが暴れているのは気にせずに、自分は距離を守っていようと思っていました。
――馬場馬術競技を振り返っていかがでしたか
貸与馬戦なのに自馬に乗れてしかも後段で前の選手のことを見られる状況という圧倒的に有利な状況にあったのですが、その中でも負けてしまったので自分の実力不足を感じています。
――次戦へ向けての目標は
大きい大会が6月末にあるのでそこでしっかり乗れるようにしたいです。実力不足は日々の練習で、障害もダメなんですけど馬場は完全に練習不足なので練習していこうと思います。
田中萌(スポ2=東京・関東国際)
――今大会への意気込みは
ちゃんと回って帰ってきたいなという感じでした。あまり乗ったことのない馬だったのでその馬のことを掴めていなかったのでちゃんと帰ってこられればいいなと思っていました。
――1回戦を振り返っていかがでしたか
自分の気持ちがしっかりできていなくてもう少し強い気持ちで乗っていればもう少し良い走行ができてかなと思います。ちょっと弱気になっているところがあったのでそこは残念ですね。
――2回戦を振り返っていかがでしたか
2回戦は乗ったこともある馬だったのでしっかりと丁寧に乗ればいい成績が出せるかなと思って、先輩の声もよく聞こえていたのでそのアドバイスを聞きながら丁寧に乗るようには心がけていました。
――次戦に向けての課題は
自分の感覚が鈍いというか、もう少し馬の気持ちを考えて乗れればいいなと思っているのでこれから一鞍一鞍馬の気持ちを考えながら練習していきたいと思います。